マネージャー候補の「会社を良くするマインドと視点」を育む ~ 次世代マネージャー育成研修 導入事例《エンジニアリング企業》

あるクライアント企業で、10ヶ月にわたり次世代マネージャー育成に取り組みました。
この企業のマネージャーや社員は真面目に仕事を取り組んでおり、社長は社員たちへ感謝していました。ですが、その反面、物足りなさを感じていました。その物足りなさとは視点・考え方・マインドで、真面目に取り組むだけではなくもっと良い会社にするために一緒に取り組んでくれることを期待していました。
次世代マネージャー育成研修に取り組むことで、マネージャーや社員へどのような変化を期待していたのか、そして、次世代マネージャー育成研修の進め方とその効果について解説します。

マネージャー候補の「会社を良くするマインドと視点」を育む ~ 次世代マネージャー育成研修 導入事例《エンジニアリング企業》

「会社」という視点を持ったマネージャーが必要!

次世代マネージャー育成研修に取り組むことを決断した社長が感じていた問題は以下のようなものでした。

我が社のマネージャー・社員は、自分の仕事には非常に真面目に取り組んでいる。自らの目標をしっかり達成しようと頑張ってくれている。
しかし、会社の中長期目標の達成や持続的な成長という観点では物足りなさを感じている。
特に、マネージャーたちは真面目に仕事に取り組んでくれてはいるが、「自分たちの過去の経験」および「会社から言われた業務だけを遂行」など、視野や活動が限定的に感じる。

これからのマネージャーには「自分」という視野だけではなく、今までとは違う下記の観点を持ち取り組んでほしい。
  • 「社員がさらに成長するためには?」
  • 「組織の業務の生産性をさらに高めるためには?」
  • 「お客様との関係をもっと深くするためには?」
  • 「会社をさらに良くするためには?」
  • 「会社がもっと魅力的なものになるためには?」

  • 今のマネージャーにはこのような観点での取り組みが不足している。
    今後は、このような視点を社員の中に育み、そのような視点を持って仕事に取り組む人をマネージャーとして登用していきたい。


    「学ぶだけの研修」ではなく、選抜も行う!

    上述した社長の期待を応えるためには、「これからのマネージャーに求められる仕事内容を知る」という知識を得られるだけの研修では不十分でした。
    そのため、今回の研修のゴールや達成目標を下記のように設定しました。
  • マネージャーになる前に、自ら育んでおく視点や思考をしっかり理解する
  • 社員のうちに、個人としてマネージャーになるための準備や取り組みができるようになる
  • 早々にマネージャーへ登用できる候補を選定する

  • 上記のゴール設定に基づき、下記のカリキュラムに基づく全10回にわたる研修を実施することにしました。
    1. マネージャーの役割
    2. リーダーへの成長ステップ
    3. 仕事の仕組み化
    4. 業績改善プロジェクト
    5. 目的・目標設定
    6. 課題発見と意思決定
    7. 人材育成とモチベーション
    8. コミュニケーション
    9. 時間管理
    10. 卒業プレゼンテーション

    私たちは、以前長期にわたり成長 (Growth) を続けるグローバル企業の日本法人社長と「ハイパフォーマンスなマネージャーの育成」に取り組んだことがあります。この日本法人社長の課題は、「もう、マネージャーへ登用してからゆっくり育てる時代ではない。マネージャーになる前に準備をし、マネージャーになったときには早く成果を出してほしい」ということでした。
    その際、その日本法人社長と一緒に検討を重ね「ハイパフォーマーなマネージャーが行っている9つの仕事の技術」を明らかにしました。今回は、その「ハイパフォーマーなマネージャーが行っている9つの仕事の技術」を基盤としてカリキュラムを構成しました。
    【参照】[プロフェッショナル人材育成] 次世代マネージャー育成研修 ~ 目標達成&企業成長へとリードできる実務能力の強化!(Manager’s Competency)

    また、10回目の卒業プレゼンテーションでは、「全9回学んだ上で、特に印象に残ったことや重要だと思うこと」「あなたがマネージャーになるために個人として取り組もうと思っていること」「あなたがマネージャーになったときに貢献できること」をプレゼンテーションすることにしました。

    研修参加者の選定、および、研修の具体的な進め方

    応募形式で研修参加者を選択した!

    このクライアント企業では、今まで研修を実施する時には会社が受講者を指名していました。
    しかし、今回は「チャレンジしたい人にはその機会を与えよう!」という考えを大切にし、全社員が応募できるようにしました。社員であれば、新人でもベテランでも、すでにマネージャーの人でも申し込みはできるようにしてもらいました。
    そのために、この研修の募集要項には、上述した全10回のカリキュラム内容と「社員であれば誰でも応募できる」ことを明記し、全社員に連絡をしてもらいました。

    当初、このクライアント企業の社長は、「誰も応募しなかったらどうしよう?」という不安が少しあったようですが、最終的には12名もの応募がありました。
    応募をした中には入社2-3年という若手も含まれていました。

    実は、全社員が応募できるようにした理由の背景には、「現在のマネージャーにも応募してほしい!」ということでした。ですが、結果的にはマネージャーは誰一人として応募しませんでした。
    「現在のマネージャーの意欲や行動の変化は今後も継続して対処すべき課題」という認識を深め、「だからこそ、この研修を通して今までとは違うマネージャーを育成する必要がある」を改めて共感しました。

    マネージャー育成研修の具体的取組方法

    このクライアント企業の「次世代マネージャー育成研修」は、下記の日程・時間で遂行しました。
    開催頻度: 月1回
    所要時間: 毎回14:30 – 17:30
    (本来は、それぞれ7~8時間を要するコンテンツ量なのですが、今回は重要なポイントに絞り約3時間のセッションとして実施しました)

    この研修を実施するうえで特に注意をしたのは、「議論(ディスカッション)の時間を持つ」ことでした。
    今回この研修で取り組むことは、マネージャーとしてすぐ活躍できるようになるために「視点を変えること」「思考を広げること」でした。
    そのためには、一方的なレクチャーをしても育めるものではありません。
    「毎回、カリキュラムに沿った議論するためのテーマを用意し、現在の会社の状況を考え、自分たちはどうすればよいか」を議論するようにしました。

    全10回を終了した段階での研修の効果

    参加者の状況と言葉

    今回参加した12人は殆どが営業職でした。高い売上目標を持ち、日頃忙しい人たちでしたが、毎回高い出席率でした。
    最終プレゼンテーションでは、このような学ぶ機会があったことに対して感謝の言葉が多く、今後自己研鑽していくことを決意していました。

    社長の評価

    10回目の最終プレゼンテーションには、社長と経営幹部の方にも参加いただきました。
    参加者それぞれのプレゼンテーションを熱心に聞き、厳しく、かつ、より期待を込めた質問とコメントをしていました。

    幾人かのプレゼンテーションでは、当初の期待通り「社員がさらに成長するためは?」「組織の業務の生産性をさらに高めるためには?」や「私がマネージャーになるために取り組みたいこと」「私がマネージャーになったときの貢献」に関わる内容が盛り込まれており、この研修へご評価いただきました。

    社長は、今回の研修だけで終わらせるだけではなく、更に成長をしてもらうために、今回の出席者に「今回の研修内容を実際の業務で活用する」ためのテーマを与え、業務の中で会社をさらに良くする活動に取り組むことを決定されました。

    これからを担うマネージャーは自然と育つわけではない!

    このクライアント企業での取り組みでは、参加者の約3割の人がマネージャーとして活躍できる資質が明らかとなり、早々にマネージャーとして任せることができそうな人へと育てることができました。
    (この比率は、他社で取り組んだときと比べ高い比率でした)

    この7割の参加者は「マネージャーとしての資質がない」「この研修が役にたたなかった」ということでは決してありませんでした。彼らのプレゼンテーションには、「自分の仕事の成果を高めるために取り組むべきことはたくさんあった。今後しっかり取り組む!」と決意をしていました。すなわち、自分の成果を高める機会となっていました。しかし「会社を良くする」「会社を発展させる」ということが十分に表現されているものではありませんでした。
    彼らもこの研修内容を自ら実践することで、今後マネージャーとしての資質が高まり、マネージャーとして任せることができる人へと近づいていくでしょう。

    「人の視点や思考を変えること」「マネージャーを育成すること」は簡単ではありません。
    日常の業務を遂行しているだけでは、「会社を良くする」意欲と資質を持ったマネージャーは育ちません。
    その機会を与え、チャレンジを促し、時間をかけて育てる必要があります。
    私たちは、意欲ある人のマネージャーの資質を引き出し、マネージャーとしてしっかり活躍できる人を育てる支援をしています。

    現在のマネージャーに物足りなさを感じている、今までのマネージャーとは違う人を育成していきたい、とお考えであれば、お問い合わせください。
    私たちが貴社と力を合わせて、しっかりマネージャーへの能力を高めます。


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