どうすれば、事業を成長させるプロジェクトの質と効果を継続的に高めることができるか? ~ 社員のエンゲージメントを高め、事業を成長させるための「プロジェクト評価」の方法

「会社を大きくしたい」「事業を成長させたい」と考えている企業は、様々な「組織の課題に挑戦するプロジェクト」や「事業を成長させるプロジェクト」を行っています。

本来、このようなプロジェクトが終了したときには、「プロジェクトの評価」が必要です。プロジェクトは、「プロジェクトの評価」を行ってから終了させるべきですが、多くのプロジェクトはやりっぱなしで、最後に「プロジェクトの評価」を行うことなく終わっています。

このノートでは、「社員のエンゲージメントを高め、かつ、次のプロジェクトでさらに高いパフォーマンスを達成するためにはどのようにプロジェクトの評価を行うべきか」、その方法について解説します。

社員のエンゲージメントを高め、事業を成長させるための「プロジェクト評価」の方法

組織が学習し続けることが、事業を成長へと導く

事業を成長させるためには、組織と社員の両方が学習を重ね、知識/ノウハウ/知恵を蓄積し、結果を出せる能力を高める必要があります。そのためには、「組織の課題に挑戦するプロジェクト」や「事業を成長させるプロジェクト」を実行するだけではなく、「プロジェクトが終わったときの評価」が重要です。

組織課題や事業成長への挑戦は簡単ではありません。「やりっぱなし」ではなく、終了した時点で、「プロジェクトの実行内容と結果」を評価し、持続的に学習することが大切です。組織と社員の両方が学習し続けるから社員のエンゲージメントを高め、事業を長期的な成長へと導くことができるのです。

多くのプロジェクトは、「評価」を行うことなく終わっている

多くの企業が、「組織としての学習が大切」とはわかっています。ですが、プロジェクトの多くは、その最終段階において、以下のような状況であることが多いです。

◆ 経営層や上司へ報告するだけ
◆ 書面で報告書を提出するだけ
◆ プロジェクトが途中で頓挫した場合、「評価」をせずに終わる(自然消滅)

すなわち、結局のところ、「次のプロジェクトで、さらに高いパフォーマンスを達成するための組織としての学習を行う」ことなく終了させています。もしくは、形式的な評価は行っているものの、意味のある「プロジェクトの評価」を行うことなくプロジェクトを終了させているのです。

プロジェクトの「評価」は、多くの人が集まって討議をすることが大切

プロジェクトの「評価」を行う目的とは?

組織として価値のある学習をし、次のプロジェクトでさらに高い結果を達成するためには、プロジェクトの最終段階に、以下のようなことを目的とする「プロジェクトの評価」を行う必要があります。

◆ プロジェクトの実行内容と結果を検討し、次はさらに高いパフォーマンスを達成する
◆ 事業成長に貢献したい、という挑戦意識のある社員を増やす

このようなことを目的とするプロジェクトの評価を行うためには、プロジェクトが終了したら、「経営層や上司に報告するだけ」「書面で報告書を提出するだけ」ではなく、主要なメンバーを集めた「討議会」をすることが大切です。

討議会形式での「プロジェクトの評価」を行う手順

プロジェクトが終わった段階で行う「討議会形式のプロジェクトの評価」は、以下の手順で行います。

◆ プロジェクトの結果をまとめる
◆ プロジェクトの結果について討議する
◆ 終了を祝う

プロジェクトの結果をまとめる

プロジェクトを実行したメンバーは、プロジェクトが終わったら結果をまとめ、そのプロジェクトの自己評価をします。そのプロジェクトの結果と自己評価の資料には、以下の内容を盛り込みます。

◆ 当初の「目標と計画」は何だったのか?
◆ プロジェクトの達成結果
◆ プロジェクトで行われた活動の概要
◆ プロジェクトの開始前と比べた変化や進化
◆ 成功要素(良かったこと/成功した点)/改善要素(こうすればよかった/残っている課題)

プロジェクトの結果について討議する

資料ができたら、次は、関係者を集めて、プロジェクトの実行内容と結果について説明するイベントを開催します。このイベントを開催するときの重要なコンセプトは、「発表の場ではなく、未来に向かって討議をする場として開催する」ことです。

多くの企業のプロジェクト結果の報告では、「プロジェクトに挑戦した人がその結果を報告し、その後、聴講者から少しの質問が出て、それに回答して終わり」ということが多いです。質問がたくさん出ることもなく、「良かったんじゃない」「評価します」という抽象的なフィードバックだけで終わっています。しかも、それは指名された人が指名されたから話をする程度です。

このような質疑やフィードバックでは、プロジェクトの評価の目的である「プロジェクトの結果をしっかり検討し、次にはさらに高いパフォーマンスを達成する」「事業成長に貢献したい、という挑戦意識のある社員を増やす」ことには役立ちません。

プロジェクトの評価のイベントは、「発表の場ではなく、未来に向かって討議をする場」として開催すべきです。

関係者たちが高い好奇心を持って積極的に参加し、プロジェクトの実行内容や結果の詳細について具体的な質問をし、徹底的に理解をし、そして、「次はさらに良くするために、このようにしていこう!」とフィードバックすべきです。全員が活発に討議することが大切です。このように積極的な討議を行うことで、「プロジェクトの結果をしっかり検討し、次はさらに高いパフォーマンスを達成する」「事業成長に貢献したい、という挑戦意識のある社員を増やす」という目的を達成することができるのです。

終了を祝う

討議が終わったら、最後は、その場にいる全員で「プロジェクトの終了」を祝って終わります。残念ながら、期待する結果が得られないまま終わったプロジェクトだったとしても、終りを迎えたわけです。中途半端な状態で終わるのではなく、プロジェクトの終了を全員で祝い、プロジェクトを完全に終了させます。そして、知識/ノウハウ/知恵を蓄積した上で、新たなプロジェクトをスタートさせます。

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組織として隔週を重ね、事業を成長させる風土を作る

今、社員のエンゲージメントを高めることが必要な味代です。エンゲージメントの観点でも、「組織の課題に挑戦するプロジェクト」や「事業を成長させるプロジェクト」に挑戦したいと考える社員を増やす必要があります。「事業を成長させることができている企業」と「できていない企業」の差は、「組織の課題に挑戦するプロジェクト」や「事業を成長させるプロジェクト」の実行量と質の差です。挑戦意欲のある社員を増やすことが事業を成長させるのです。

そのために、プロジェクトが終わったときの評価は、以下を目的として行うべきです。

◆ 今後、実行するプロジェクトの質と効果をさらに高めること
◆「挑戦したい」という意欲を持つ社員を増やすこと

私たちは、多くのクライアント企業の業務改善/パフォーマンス向上/変化変革を実践しました。事業を成長させるための豊富なノウハウと経験があり、事業を成長させるための組織風土を作る支援をしています。より具体的な内容説明の希望/質問/ご依頼は、下記からお問い合わせください。

(本ノートは、2023年3月31日に書かれたものを再編集しました)
文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳(てらおたくみ, Takumi Terao)
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