営業力強化ケーススタディ「法人向けサービス会社」 ~ 単なるアカウント担当営業から、結果を出すメジャーアカウント営業へ、その計画と実行の手法

このノートでは、「法人向けサービス会社」が、私たちのソリューション「【法人営業研修】結果を出すメジャーアカウント営業 ~ その計画と実行の手法」を導入した事例について紹介します。私たちの「【法人営業研修】営業パーソンの営業活動計画力の強化」をメジャーアカウント営業向けにカスタマイズしたプログラムを採用いただき、トレーニングを実施しました。

メジャーアカウント企業と取引があっても、その取引を拡大することができていない企業は多いです。このクライアント企業も、メジャーアカウント企業との取引はあるのですが、取引額は増えていない状況でした。

このノートでは、このクライアント企業が「【法人営業研修】結果を出すメジャーアカウント営業 ~ その計画と実行の手法」トレーニングを採用することになった背景と実施した効果について解説します。

単なるアカウント担当営業から、結果を出すメジャーアカウント営業へ、その計画と実行の手法 ~ 営業力強化ケーススタディ「法人向けサービス会社」

購買力があるメジャーアカウントからの取引が増えていない!

法人向けサービス事業を行っているクライアント企業A社に、「【法人営業研修】結果を出すメジャーアカウント営業 ~ その計画と実行の手法」を採用いただきました。

A社は、「メジャーアカウント営業」「エリア担当営業」「インサイド営業」の3つの営業グループに分かれていました。メジャーアカウントのお客様からは案件の問い合わせも多く、営業パーソンたちはその対応に追われて忙しい日々を過ごしていました。営業パーソンの業務量は多いのですが、売上と利益は増えていませんでした。なかには、悪化している営業パーソンもいました。

A社の営業本部長は、このような状況に問題を感じていました。この問題をこのまま放置すれば、せっかく取引関係があるにも関わらず、かつ、メジャーアカウント企業は非常に大きな購買力があるにも関わらず、取引額も利益も減ってしまう、という危機感でした。

以上のような背景で、私たちは、A社の営業本部長からこの問題解決のご依頼をいただきました。

このトレーニングはどのような効果を目指すのか?

A社のメジャーアカウント営業の状態について調査を進めると、以下の状況にあることがわかりました。

◆ 新規の案件が「お客様からの問合せ」に過度に依存している
◆ 差別化提案が少ない
◆ 行かなければならないところに行っていない
◆ 注文あたりの受注金額が悪化している

特に問題となっていることは、「お客様からの問い合わせ」に過度に依存しており、かつ、その事務処理に膨大な時間を使っていたことでした。

A社には、「インサイド営業」のグループがあり、メジャーアカウントからの問い合わせであってもインサイド営業は対応することになっていました。 ですが、多くのメジャーアカウント営業は、見積額が少額であっても、または、成約できる可能性が低い案件でも、インサイド営業にその対応を依頼することなく、自分で抱え込んでいました。

その状況を踏まえた上でA社の営業本部長と話し合い、今回実施する「【法人営業研修】結果を出すメジャーアカウント営業 ~ その計画と実行の手法」で目指す目標を以下としました。

◆ メジャーアカウントで商談開拓件数を増やす
◆ 差別化提案を増やす(ライバル他社と明確な差別化のある提案を行う)
◆ 注文あたりの受注金額を増やす

メジャーアカウント営業をどのようにトレーニングしたか?

トレーニングのアジェンダ

トレーニングの対象者は、メジャーアカウントを担当する営業20名とその営業グループのマネージャー3名でした。トレーニングのアジェンダは、以下の4つのステップで行いました。

1. メジャーアカウント営業の問題点
2. 今回のトレーニングの必要性を伝える
3. メジャーアカウント営業として、収集すべき情報
4. メジャーアカウント営業としての年間目標と行動計画

1. メジャーアカウント営業の問題点

まず行ったことが、メジャーアカウント営業の問題点の討議でした。営業パーソンそれぞれが自分で問題を認識しなければ、トレーニングを実施したとしても、その後、トレーニングの内容を営業活動の中で挑戦してくれません。

討議結果として出てきたメジャーアカウント営業の問題には、以下のようなものがありました。

◆ 問い合わせがあった案件に時間をかけすぎている
◆ ほぼ全ての案件で、ライバル会社も絡んでいる
◆ 受け身の営業である
◆ 行動計画が悪い
◆ 課題や問題を聞いていない
◆ 提案をしていない

この討議によって、メジャーアカウント営業の問題について、営業パーソンたちがどのように認識しているかがわかりました。営業パーソンたちが認識しているメジャーアカウント営業の問題は、営業本部長が考えている問題とほぼ同じであることがわかりました。ですが、営業本部長が問題だと考えていた「メジャーアカウントからの問い合わせでも、インサイド営業が対応すればよいのに、インサイド営業にその仕事を渡していない」ということについては、営業担当者たちは問題と認識していませんでした。そのため、私たちから営業パーソンへこの問題を提起し、その重要さと必要性を解説しました。

2. 今回のトレーニングの必要性を伝える

営業パーソンがメジャーアカウント営業の問題を認識したあとに、以下のような、このトレーニングの必要性を伝えました。

◆ 優秀な営業は、具体的かつ合理的な目標を設定し、その目標を達成する活動計画を立て、営業行動をしている。
◆ 具体的で合理的な「担当するメジャーアカウントの目標設定と計画」を立案するから、年間売上目標が達成できる。

3. メジャーアカウント営業として、収集すべき情報

メジャーアカウントと呼ばれているお客様は、従業員数が数万人以上にも及び、多くの事業部や部で構成されています。そのために、まずすべきことは、どのような事業部があるかリストを作ること、そして、それぞれの事業部の主な業務概要、購買力、過去の取引実績をまとめることです。

以上をまとめる重要性を営業パーソンに解説した後、トレーニングで用意したテンプレートを用いた作業を行いました(業務の概要がわからないところは、後で情報を集めることを指示しました)。

4. メジャーアカウント営業としての年間目標と行動計画

次に行ったことは、それぞれの事業部ごとの年間の売上目標と年間の面談件数目標を決めることでした。

A社のメジャーアカウント営業は、担当するお客様の事業部ごとの年間売上目標や年間の面談件数目標を決めていませんでした。目標を決めていないために、お客様からの問い合わせ対応を優先する状態で、その問い合わせ対応におわれている状況でした。すなわち、A社の営業パーソンからメジャーアカウントのお客様へ提案していくことのない受け身の状態でした。それでは、メジャーアカウントのお客様からの売上や利益を増やすことなどできるはずもありません。

この問題を解決するために、事業部ごとの年間の面談件数と提案件数の目標を決定させました。そして、トレーニングの場で、上長とその目標数値を合意させました。

売れる営業パーソンと売れない営業パーソンの時間の使い方は全く違います。売れない営業パーソンは、問い合わせ対応と注文に向けた商談対応にほとんどの時間を使います。ですが、売れる営業パーソンは、案件を作るための時間をしっかり確保しています。

A社のメジャーアカウント営業のほぼ全員が、売れない営業の時間の使い方でした。この時間の使い方を矯正する必要があったのです。今回のトレーニングのもっとも重要な目的は、「メジャーアカウントにおいて、売れている営業パーソンと同じ時間の使い方へと変化させること」でした。

予想外のトレーニングの効果が!

トレーニングを実施してから3ヶ月後に、A社の営業本部長とトレーニングの効果について話し合いました。その時、営業本部長からは、「実は、困ったことになっている」と話を聞きました。今回トレーニングをした営業グループは4つあるのですが、1つのグループは効果が出ていない、とのことでした。詳しく状況を確認すると、そのグループは、トレーニングで解説した通りではなく、自分たちの解釈で行っている状況でした。すなわち、トレーニングの真意を理解せずに、言われたことをやっているふりをしている状態だったのです。

他の3つのグループは、トレーニング通りのアカウント計画を行っており、その結果、高額な新規案件が20~40%増加していました。営業本部長にとっては、一部「困ったことになっている」状況でしたが、私たちにとっては、価値ある情報が得られました。

このように、このトレーニングを受講して内容を実践した営業チームは、メジャーアカウント営業からの高額な案件を増やすことができていました。営業本部長も、3チームのパフォーマンスが向上したことには喜んでいました。

アカウント営業担当者の営業計画方法を見直せば、パフォーマンスは必ず上がる!

営業の仕事はますます難しくなっています。その上、商材/お客様/事業戦略/パフォーマンスの状況によって、取るべき対策は変わります。実情と合わない対策を行っていても、状況は改善しません。A社のように、課題と目指す結果を明確にして挑戦するからこそ、確実に営業力を強化することができ、営業組織のパフォーマンスを向上させることができます。

私たちは、多くの営業組織の業務改善/パフォーマンス向上/変化変革を実践しました。事業を成長させるための豊富なノウハウと経験があります。貴社と力を合わせて問題を発見し、その問題を解決します。より具体的な内容説明の希望/質問/ご依頼は、下記からお問い合わせください。

文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳(てらおたくみ, Takumi Terao)
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