営業成績を改善した企業の具体的な取組方法 > 営業の仕組み・SFAを再設計

お客様のニーズはどんどん多様化しています。
法人向け営業(BtoB)を行う環境は日に日に質の高さを求められ、多様化するお客様のニーズを実現する営業スタイルが必要になっています。
しかし、多くの日本の営業の仕組みは、まだまだ売り手の視点による仕組みで営業の管理が行われています。
現代、そして、これからの未来への法人向け営業(BtoB)においては、顧客のニーズをつかみ、そして、この時代においても企業を成長へ導く「新しい営業の仕組み」へと移行することが求められています。
リストラ直前まで業績を悪化した企業は、どのように営業力を強化し売上を大きく改善できたのか。
その企業が行った「営業の仕組み」の見直しの方法をご紹介します。


営業の仕組み・SFAを再設計して、営業成績を改善した具体的な取組方法

営業の目標達成率が悪化し苦労していた!

ある法人企業は、景気の低迷を受けて営業たちの目標達成率が急激に悪化していました。
このままでは大規模なリストラまで取り組まなければならないような状況でした。

その会社の営業の管理の方法は、下記の項目に基づき毎月の売上見込だけを管理するやり方でした。
  • 今月の売上見込金額はいくらか?
  • 今月どのような商談が受注できる予定なのか?

  • ですが、この営業の管理方法では、
  • 毎月の売上見込が大幅にずれる
  • 今月受注できるはずの商談が受注できない
  • 営業たちの目標達成の確率が悪い
  • という問題を解決できないままでした。
    そのために「営業の仕組み」を見直すことに取り組みはじめました。


    営業の仕組みとして、営業支援ツール (SFA: Sales Force Automation) を導入した! しかし…

    営業の課題として、
  • 毎月の売上見込が大幅にずれる
  • 今月受注できるはずの商談が受注できない
  • 営業たちの目標達成の確率が悪い
  • という問題に直面していたために、SFA (Sales Force Automation) と呼ばれる営業支援ツールを導入することにしました。

    SFAを販売している会社の営業が「SFAはそのような営業の課題の解決には最適です」という提案があったためです。
    SFAというツールは、営業の生産性向上を実現するためのシステムです。
    一般的なSFAでは、商談1つ1つをプロセスとして管理をします。プロセスとして商談の進捗度を管理するから、
  • 毎月の売上見込のずれを小さく出来る。
  • 商談の受注見込月の制度を改善できる。
  • という効果があります。

    営業の仕組みとして、SFAを導入して営業が活用し始めました。
    しかし、期待したほどSFAの納入効果が得られませんでした。
    その原因は下記のようなものでした。


    原因1: 導入方法の失敗

    「営業の仕組み」としてSFAを導入しましたが、このようなシステムの導入には、十分なトレーニングが必要です。
    営業マネージャーや営業に対して
  • どのような目的でシステムを導入したか?
  • このシステム導入による得られる効果は?
  • このシステムで必須として入力すべきことはなにか?
  • 使い方は?
  • というトレーニングを行う必要があります。
    ですが、この様なトレーニングを行っていなかったために、営業マネージャーも営業も好き勝手に使っていました。中にはデータを入力していない営業までいたのです。


    原因2: SFAを標準の設定のまま使用した!

    前述したとおり、SFAは商談1つ1つをプロセスとして管理をします。
    一般的なSFAでは、最初の段階で下記のようなプロセスで設定されています。

    「アポ取得」→「電話営業」→「ヒアリング」→「提案書の提出」→「見積書の提出」→「デモ」→「クロージング」→「商談後の打合せ」
    (SFAは様々な企業が販売していますが、販売している企業によって設定されている項目は異なります。)

    この企業では、この項目で営業の活動分析を行い始め、「アポ取得」「電話営業」「ヒアリング」「提案書の提出」「見積書の提出」「デモ」「クロージング」「商談後の打合せ」のそれぞれの量を管理し始めました。
    そして、営業ごとにチェック項目に対して「どれだけ活動量か?」が分析され、
    『A君は、デモが少ないからデモを増やすように…』
    『B君は、提案書の提出量が少ないから、これを増やすように…』
    という指導が行われるようになりました。

    ですが、
  • 毎月の売上見込のずれを小さく出来る。
  • 商談の受注見込月の制度を改善できる。
  • について、期待通りの効果につがりませんでした。


    SFAの設定を見直す・教育をし直すことで「営業の仕組み」を更に改善した!

    対策1: まずは、SFAの設定を大きく見直しした!

    前述した原因はなぜ発生したのでしょうか?
    それは、売り手側の観点でSFAの設定、すなわち、営業の仕組みとして商談の進捗を管理していたからでした。

    SFAに標準で設定されている項目は「その商談で営業が行なうべきチェック項目」でした。
    そして、この項目は「商談を成約へ結び付けることに対して本当に適切な行動ができているのか?」を判断できません。
    例えば、この企業で起こっていたことですが、SFAで管理をしてみると「デモの量が少ない」という事がわかりました。
    そのため、営業に「デモの量を増やすように!」という指示が行われデモの量は増えました。
    ですが、商談成約率は改善されませんでした。
    実際に私たちが調査をしてみますと、そもそも顧客に紹介していた商品に対するニーズが無いことが多かったのです。この企業の商品は、ニーズがない人にデモをしても購入意欲を引き出すものではありませんでした。


    営業という活動は、特に法人営業に置いては、お客様の購買プロセスが先に進めることをお手伝いする活動です。BtoCの場合には、即断・衝動買いということが期待できますが、法人のお客様は合理的に購買の可否を判断するためです。

    SFAには、その合理的な購買判断を手助け出来るように「仕組み化」をしなければ、期待する成果を手に入れることができません。
    そのために、このクライアントの場合、SFAに設定されているプロセスを下記のように見直しました。
    「引合評価」→「予算化」→「要求の明確化」→「競合比較」→「最終提案」→「価格交渉」→「受注」
    このように商品の特性に合うプロセスに変更することが「営業の仕組みを見直す」ことに最も重要な活動です。


    対策2: 新しい仕組みのトレーニングをもう一度行なう

    このように新しい営業の仕組み、今回の場合には、SFAのプロセスの設定をおこなった後、再度営業マネージャーと営業にトレーニングを実施しました。

    これによって、営業たちが入力する情報が統一化され、
  • 毎月の売上見込の精度が向上
  • 商談毎の受注見込の精度が向上
  • 営業たちの目標達成の確率が改善
  • を実現することができました。


    さあ、さらなる成長に向けて、営業の仕組みを見直そう

    先日ある企業の経営者の方と面会しましたら
    「うちの会社の営業は待ちの姿勢! 営業は期待できない! そんな中で事業の拡大をかんがえている!」
    とおっしゃっていました。
    その後、その企業の営業マネージャーは、
    「うちの会社は、ある程度の問い合わせがある。それに対応しているだけである程度の売上がある。」
    と言っていました。
    「営業の仕組み」を見直しして、営業が強くなれば、この会社はもっと事業は拡大できます。


    営業の強い会社にはいくつかの特長があります。
  • 営業が戦略的
  • お客様に価値を提供している
  • 営業が積極的 (プロアクティブ)
  • 仕事内容と求められる成果が具体的
  • 営業の人事評価が考慮されている
  • 組織として体系的な教育体制が構築されている
  • 「仲がよい」というだけのお客様との関係ではない
  • 営業の目標達成確率が高い
  • すなわち、組織として営業力を強化する仕組み構築に取り組んでいます。


    上記のように、「営業の仕組みを見直す」と言っても様々な方法があります。
    そんな中で、今回ご紹介した企業の様に「SFAを導入する」「SFAの設定を見直す」ことは、強力な方法の1つです。


    私たちは、様々なクライアント企業の「営業の仕組みを見直す」お手伝いをしてまいりました。
    貴社の「営業の仕組みを見直す」取り組みが上手く行っていなければ、何かしらの問題が潜んでいます。
    私たちがその問題を発見し、効果的な「営業の仕組みを見直す」策をご提案します。

    貴社の業績が向上するために、遠慮なくお問い合せください。
    一緒に取り組めることを楽しみにしております。


    (本コラムは、2008年3月24日に書かれたものを再編集しました)
    文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳 (てらおたくみ, Takumi Terao)
    Copyright (C) 2008 T-SQUARE Co., Ltd. All rights reserved.
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