具体化されていない商談をもっと大切にする

2つの商談があったとします。どちらの商談を大切にしますか?

Case1:  お客様に新製品の売り込みに行きました。そうしたら、偶然にもお客様は、その新製品と同様の商品を検討中。その上「1か月以内に導入するよう検討を進めている」と言っています。

Case2   お客様に新製品の売り込みをしました。そうしましたら、その商品を導入する必要は感じているのですが、まだ具体的な検討には入っていないようです。

様々な業界で、多くの営業担当者にこんな質問をしてみると、ほとんどの営業担当者は、「Case1の商談が大切」と言い、「非常に良いチャンスを見つけた!」「ここでしっかり注文を手に入れよう」と考えています。しかし、それは理にかなったことなのでしょうか?本当にCase1の商談を大切にする必要があるのでしょうか?
本当はCase2のほうが、大切にすべき商談なのです。

Case1の商談の状況を考えてみます。通常法人営業(BtoB)においては、1回の商談の取引金額は大きくなります。そして、金額が大きければ大きいほど、1回の面会だけで購入を決めてしまうわけにはいきません。金額が大きいですから、失敗するわけにはいきません。慎重に、丁寧に検討を進めます。すなわち、お客様は、注文までに数回、数10回以上、いろいろなベンダーと面会をして、比較検討をしてから決めます。
『8つの購買ステップ』で考えてみると、Case1の商談は通常「ソリューション選定」のステップにいます。「新製品と同様の商品を検討中」ということは、私たちと会う前に私たちの競合とも面会を重ね、検討を進めているのです。すなわち、この商談においては、競合の方が、私たちよりもお客様と密接な関係を既に築けているということなのです。要は、この商談は既に競合が優位な状態です。競合は、私たちが持っていない「課題リスト」「予算計上」「概略要求仕様」「ベンダー選定」の情報を持っている可能性が高いのです。この商談は残念ながら、競合に勝てる可能性は既に低いのです。私たちは情報が少ない以上、『対策』を取る十分な時間がありません。商談品質という観点で考えると、商談への参入が遅れている以上、競合より圧倒的に不利な状況なので、商談品質は「低い」のです。ただ、私たちの新製品が、圧倒的に機能がよく、そして、圧倒的に価格が安ければ、競合に勝てる可能性は高まります。
しかし、圧倒的に機能がよく、価格も安ければ、通常は、営業担当者の存在理由はかなり薄くなってしまいますが…。
商談の状態を考えようとせず、目先の売上げに目が行くと、こういう確率の低い商談ばかりを追っかけてしまう傾向がだんだん高くなります。そして、このような商談の進め方ばかりをしていると、せっかくの新商品なのに、ほとんどの商談が競合との競争状態となり、値引きしないと勝てなくなってしまうのです。
「Case1の商談には手を出すな!」と言っているのではありません。「商談の実態を理解して、自分の限られた時間を効果的に考え、進める必要があるのだ」と言っているのです。「理解し、対処する」ことが重要なのです。

次に、Case2の商談の状況を考えてみます。『8つの購買ステップ』で考えると、このCase2の商談は、「課題リスト」若しくは「予算計上」います。実際Case2のような商談は、お客様から話があっても大切な商談として扱う営業担当者は少ないのです。まだ具体的な検討に入っていない以上、予算も計上されていません。すぐ購入いただける可能性は低いわけです。すぐ注文いただけないわけですから。
ですので、本当は、競合との差別化を最大化するためには、非常に良いチャンスなのです。早い段階からお客様と取り組み、商談の工程において、競合を排除できる可能性を高めることができるのです。
そして、商談の早い時点から商談に取り組み意欲というのは、お客様からの信用を高めることにつながります。

本来大切にすべき商談とは、「すぐ注文もらえるか」という観点より、「どれだけ早く商談に関与できたか?」の観点で考え、大切にすべき商談の優先順位をつけることが重要なのです。「すぐ注文もらえる」商談ばかりに時間を使っていると、お客様との関係はどんどん希薄化します。そして、ますます市場から取り残されてしまうのです。
「すぐ注文をもらえる」可能性の商談を無視しろといているわけではありません。ただ、「成約できる確率が極端に低い商談だ」ということをもっと認識することが重要なのです。そして、お客様からの信用につながる可能性がまだまだ低い状態の商談だということを認識すべきなのです。

Case2にように、「すぐ注文」につながる商談ばかりを追いかけず、「すぐ注文」につながらない商談を大切にする時間をもっと持つことが重要なのです。
私たちの提供している営業品質向上ソリューション(SalesQuality)は、長期的に成長するための営業業務プロセスを構築するソリューションです。SalesQualityを営業業務プロセスとして構築することで、「お客様からの評判を高め、お客様から高く信用していただくことにつながる、プロフェッショナルな営業組織が構築できるのです。

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