どうして最後までやり遂げることなく、プロジェクトが終わってしまうのか?~ 最後までプロジェクトをやり遂げるための「効果的なプロジェクトミーティング」の実施方法

なぜ、会社内で実行されているプロジェクトの多くは、結果を出すことができずに終わってしまうのでしょうか。

日常の業務を行っているだけでは、事業を成長させることはできません。事業を成長させるためには、変革プロジェクト/改善プロジェクトなどの事業を成長させるための各種プロジェクトが必要です。ですが、多くの企業は、「事業を成長させるためのプロジェクトを行ってきたが、結果を出すことができなかった、途中でプロジェクトが投げ出されてしまった」という経験をしているのではないでしょうか?

事業を成長させるプロジェクトが失敗してしまう要因は様々ありますが、そのうちの1つは、プロジェクトミーティング(定例会議)です。このノートでは、プロジェクトを最後までやり遂げ、そして、結果を出すためのプロジェクトミーティングの実行方法について解説します。

最後までプロジェクトをやり遂げるための「効果的なプロジェクトミーティング」の実施方法

プロジェクトを最後までやり遂げることができない理由

成長している企業と成長できていない企業の差は、明確です。それは、変革プロジェクト/改善プロジェクトなどの事業を成長させるための各種プロジェクトを効果的に実行できているかどうかです。

企業は、事業を成長させるために変革プロジェクト/改善プロジェクトなどの事業を成長させるための各種プロジェクトを実行しようとします。ですが、あなたの会社でも「結果が出なかった!」「途中で投げ出されて、最後まで行われなかった!」という事に直面しているのではないでしょうか?

「プロジェクトを実行しても結果が出ない」「最後まで実行されない」理由は、以下の通り、様々です。

◆ 中長期計画や事業成長への活動の重要性を認識していない
◆ 事業成長への実施方法を知らない
◆ 所属する部署やチームとしての課題を特定できない(問題意識がない)
◆ 誰も言い出さない。または、批判や愚痴として言うだけ
◆ 特定の人にだけ負荷がかかる(特定の人だけが遂行する)
◆ 片手間で、適当に取り組む状態になっている
◆ 遅い、時間がかかりする

以上のように、プロジェクトの目標設定や計画、メンバーの選定など、プロジェクトが上手く行かない理由は様々ありますが、そのうちの1つの原因が「プロジェクトミーティング(定例会議)」です。

プロジェクトを遂行している段階で、どのような問題が発生しているのか?

プロジェクトが始まった後には、最後までやり遂げ、かつ、結果を出すために、定例会議(プロジェクトミーティング)が行われます。「プロジェクトを実行しても結果が出ない!」「途中でプロジェクトが投げ出されて、最後まで行われない」という問題に直面している企業では、この定例会議(プロジェクトミーティング)で様々な問題が発生しています。例えば、以下のような問題です。

◆ プロジェクトミーティングで発生している問題1: 多くの人の時間が無駄になっている
◆ プロジェクトミーティングで発生している問題2: 開催方法/開催期間が効果的ではない(思いついたとき、短すぎる、長すぎる)
◆ プロジェクトミーティングで発生している問題3: プロジェクトの目的が失われていく

問題1: 多くの人の時間が無駄になっている

A社は、組織課題に対処するプロジェクトを行っていました。彼らが挑戦していた課題は「チーム(社員)の生産性の向上」でした。A社は、同じ業界のライバル会社と比べ、社員の生産性が低いことが問題でした。

A社のこのプロジェクトは、5名で行われました。この5人は生産性の向上の問題点を整理し、達成目標を設定しました。そして、この目標達成に向けて、プロジェクトをスタートしました。

このチームは定期的にプロジェクトの定例会議を開催しました。基本的に5人全員が集まり、時折、5人以外のメンバーも参加していました。その定例会議では、実施計画の進捗度合いを確認し、そして、「今後、何をすればよいのか?」「うまく行っていないのでどうすればよいのか?」について話し合っていました。そのため、このA社の定例会議は、毎回2時間はかかっていました。

毎回2時間にも及ぶ会議に5人(ときには、5人以上)が集まっていましたが、すべての時間に5人全員が参加している必要はありませんでした。たとえば、1時間を超える時間を特定の2人だけが話し合っていて、他の人は全く関係がないこともありました。

すなわち、「生産性の向上」を目指すプロジェクトであるにも関わらず、プロジェクトメンバー自身の時間を奪っている定例会議だったのです。

問題2: 開催方法/開催期間が効果的ではない(思いついたとき、短すぎる、長すぎる)

B社は、事業のさらなる拡大に向けて、事業のアウトソーシングや顧客満足向上などの複数のプロジェクトを行っていました。

それぞれのプロジェクトチームは、毎週1回、プロジェクトの定例会議を行っていました。ですが、次第に、定例会議に参加する人が減り始めました。全員が参加できるようにするために、定例会議の開催日が段々と先送りされるようになりました。その結果、毎週開催していた定例会議が2週間に1回へ、更には月1回へと開催期間が長くなっていました。

B社は複数のプロジェクトを行っていたのですが、以上のような状況だったために、最後まで完了できたプロジェクトは1つもありませんでした。

問題3: プロジェクトの目的が失われていく

C社は、「業務のIT化」や「業務生産性の向上」など、複数のプロジェクトを行っていました。そのうちの1つ「業務生産性の向上」に挑戦しているチームには、メンバーが6名いました。

C社のこのチームの定例会議では、チームメンバーそれぞれのタスクの達成度合いを中心として話し合われていました。定例会議の大半の時間は、「今回までに、それぞれがどのようなタスクを行うことになっていたのか?」「その結果はどうだったのか?」「今後はどのようなタスクを行うのか?」に費やされていました。個人のタスクについて話しているのですが、プロジェクトとしての達成度の確認は行っていませんでした。

その後、チームメンバーそれぞれが行っているタスクが、業務生産性の向上プロジェクトの達成目標に役立たないことが多くなっていました。例えば、「報告書を作ります」とか「他部署と調整します」など、タスクをこなす姿勢が目立つようになりました。また、個人のタスクについて、「時間がなくてできませんでした」という言い訳が多くなりました。

このチームは、当初立案したプロジェクトの達成目標に対する達成度がだんだん悪くなり、プロジェクトの目的が失われていきました。定例会議(プロジェクトミーティング)を行うことが、プロジェクトを途中で投げ出させる原因となっていたのです。

プロジェクトの定例会議が、プロジェクトに悪影響を及ぼしている!

A社/B社/C社の事例のように、プロジェクトを実行しても「結果が出ない!」「途中でプロジェクトが投げ出されて、最後まで行われない」ということに悩んでいる企業では、本来はプロジェクトを成功させるために必要な定例会議が、以下のようなプロジェクトに悪影響を及ぼす状況になっていました。

◆ 意味なく時間が失われる
◆ 参加しない人が増え、チームワークが悪化する
◆ 日常業務にも悪影響を及ぼす
◆ プロジェクトの目的/意欲が失われる
◆ 以上の結果、プロジェクトが最後まで投げ出され、結果を出せない

以上の他にも、多くの定例会議(プロジェクトミーティング)では、一般的に以下のような状態となっています。これでは、プロジェクトが成功することはありません。

◆ 基本的には報告書のみで会議が開催されない
◆ 思いついたときに開催される(定期的に行われない)
◆ 個々のメンバーの次のタスクだけの話がなされる
◆ 時間が長い
◆ 話に関係ないのに時間が拘束される
◆ 会議に参加しない人がいる
◆ 会議の焦点が定まっていない
◆ 対策検討が不十分
◆ 特性の人に負荷がかかる
◆ 意見が対立する

プロジェクトを成功させるためのプロジェクトミーティングとは?

本来、プロジェクトの定例会議は、プロジェクトを成功させるために行うべきです。そのため、以下のようなことに配慮して、定例会議(プロジェクトミーティング)を実施する必要があります。

◆ プロジェクトメンバーの一人ひとりの時間を大切にする
◆ 全員が参加できるようにし、チームワークを促進する
◆ 日常業務に悪影響を及ぼさない
◆ プロジェクトの目的や達成度合いを常に意識する。

確実にプロジェクトを最後までやり遂げ、プロジェクトの立案時に決断した達成目標を達成するために、私たちは、以上のことを念頭に置いた上で、プロジェクトミーティングを「進捗ミーティング」と「対策ミーティング」の2つに分けて行うことを推奨しています。

プロジェクトミーティングの具体的な方法

「進捗ミーティング」と「対策ミーティング」

進捗ミーティング対策ミーティング
目的『目標達成をやり遂げる』ために、『プロジェクトの達成目標/先行指標/行動計画の達成度合』を確認・共有する
『目標達成』のための助言を得る
『目標達成をやり遂げる』ための見直しや対策を検討・合意する
頻度隔週(リズミカルに開催)都度
所要時間30分程度短い時間から長い時間まで
参加者プロジェクトメンバー全員
上層部などの協力者
プロジェクトメンバー(必要な人のみで、全員参加しなくても良い)
上層部などの協力者
注意点定期的に行うちょっとしたものから大きなミーティングまで、自然発生的開催でも計画的な開催でも

進捗ミーティングと対策ミーティングは、以上の表のように、目的も開催方法も異なっています。プロジェクトを確実に成功させるためには、進捗ミーティングと対策ミーティングをしっかり分けて行うことが鍵を握ります。実際には、以下のように行います。

◆ 進捗ミーティングは、リズミカル(定期的)に短い時間で行う
◆ 進捗ミーティングには、プロジェクトに協力してくれる上層部やメンバーにも参加してもらい、積極的な助言/協力を得る。
◆ 必要に応じて、進捗ミーティングの合間に『対策ミーティング』を行う(『対策ミーティングを開催し、対策を決定する』を行動計画の1つとする)。

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最後まで、意欲を持ってプロジェクトを遂行する!

「自分がやりたいこと」と「できること」は違います。「できると思ったこと」と「できること」も違います。「自分で決めたアイデアを先へとすすめることが出来ず、停滞してしまった」「できると思っていたことが、実は、相当難しかった」「行動計画が具体的ではなく、よくわからなくなった」「プロジェクトの難度が高すぎて、プロジェクトメンバー全員がどうしたらよいかわからなくなった」ということが起こっています。

プロジェクトの開始当初は、意欲を持ってプロジェクトを始めます。ですが、プロジェクトが進むと、以上のように様々な困難に直面し、意欲が低下していきます。また、「自分のやりたかったことが、達成目標にどのように貢献するか、わからなくなった」「上層部の事業計画・戦略・期待と乖離していった」など、プロジェクトの全体像と自分の役割や位置づけを見失ってしまいます。

更には、「協力が得られない」「プロジェクトメンバーの積極性が乏しくなる」「意見が対立して、進まなくなる」なども起こります。

プロジェクトを最後までやり遂げることは、簡単ではないのです。プロジェクトは、計画立案よりも「最後までやり遂げること」のほうが難度は高いです。その問題を解決する方法が、「効果的なプロジェクトミーティングを開催すること」です。

私たちは、多くのクライアント企業の業務改善/パフォーマンス向上/変化変革を実践しました。事業を成長させるための豊富なノウハウと経験があります。貴社と力を合わせて問題を発見し、その問題を解決します。変革プロジェクト/改善プロジェクトなど、事業を成長させるプロジェクトに問題を感じていれば、ぜひお問い合わせください。わたしたちが、貴社の各種プロジェクトを最後までやり遂げさせる支援をします。

文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳(てらおたくみ, Takumi Terao)
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