現在の営業環境において「SPIN®営業術」をどのように活用するか? ~ 営業組織が売上を増やすための「営業担当者」と「インサイドセールス」の営業遂行力の強化方法

以前と比べ、営業活動はますます難しくなっています。2000年以降、インターネットが台頭し、営業の仕組みも営業担当者に求められる営業スキルも変わりました。以前は、外回りの営業担当者が営業業務のほとんどを担っていましたが、現在は、マーケティング/インサイドセールス/外回りの営業担当者など、営業活動は分業化して行う時代となったのです。

営業が難しくなっている中で、組織の目標達成を確実にするためには、外回りの営業担当者にも、インサイドセールスにも、新たなスキルを強化するトレーニングが必要となりました。このノートでは、私たちの実践と研究から生み出した「現在の営業状況において、結果を出すための営業力強化トレーニング」について紹介します。

営業組織が売上を増やすための「営業担当者」と「インサイドセールス」の営業遂行力の強化方法

SPIN®営業術が、科学的セールス手法の基礎を築いた!

世界的な企業が、SPIN®営業術を導入した!

営業力の強化方法の1つとして、いまでもよく話が出るのが「SPIN®営業術」です。古くには「営業スキルというものは個人の能力に依存するもの」と考えられていましたが、このSPIN®営業術が、営業担当者のスキルを向上するための科学的セールス手法の基礎を築きました。

「SPIN®営業術」の英語版の書籍「SPIN Selling」は1988年に出版され、その後、世界の名だたる企業が導入しました。SPIN®営業術は、多くの世界的企業が導入していた営業力強化方法です。

SPIN®営業術は、大型商談の成約に役立つ

日本語に翻訳された書籍としては、1995年に出版された『SPIN式販売戦略―売り上げが驚くほど伸びる』、2009年に出版された『大型商談を成約に導く「SPIN®」営業術』があります。これらの書籍の中では、「小型商談と大型商談の違い」「大型商談を成約できる営業担当者と成約できない営業担当者の違い」「営業力強化を実施した企業の成果データ」が説明されています。このように、SPIN®営業術は「大型商談をいかに受注するか?」に役立つものでした。

この書籍によりますと、大型商談を成約することができる優秀な営業担当者は、以下の4つの質問を駆使することができていました。

Situation Questions
(状況質問)
見込み客の現状に関する事実を見つけ出すこと
Problem Questions
(問題質問)
見込み客の抱える問題点や支障、不満に関する質問のこと
Implication Questions
(示唆質問)
見込み客が抱える問題の影響や結果などについての質問のこと
Need-payoff Questions
(解決質問)
見込み客から提案された解決策の価値や効用に関する質問のこと

大型商談を成約できる優秀な営業担当者は、以上の4つの質問を利用して、「潜在ニーズ(意識していない問題や不満)」を「顕在ニーズ(自覚した強い欲求や要望)」へと変えることができている、と解説しています。

私も営業担当者のときは、金額の大きいソリューションを扱うことが多かったために、「SPIN®営業術を身につける必要がある!」と考えていました。約25年前にこの書籍を初めて読み、その後長らく、実際の商談で実践/研究し続けました。

「営業」という仕事は大きく変化し、より複雑で難しくなった!

1990年代と比べ、営業環境はますます難しいものになった!

SPIN®営業術が初めて紹介されたのは1980年代後半、30年以上も前になります。1980年から90年当時は、お客様に訪問する外回り営業が営業業務の全般を担っていました。

その後、時代は大きく変わりました。IT技術の進化により、インターネットでの販売比率が拡大しました。商談のスピードは早くなり、ライバル会社との競争も厳しくなりました。現在、お客様はインターネットで膨大な情報を得ることができます。「新製品が出ました!」とただ商品を紹介するだけの営業担当者では営業が務まらなくなりました。

また、現在の営業業務は、外回り営業とインサイドセールスが役割を分担して行うようになりました。インサイドセールスも、お客様に聞かれたことにただ対応するだけでは不十分で、問合せのあったお客様の「自社の商品への関心」をさらに引き出す能力が必要となりました。

組織としての目標を達成するためには、外回りに営業にも、インサイドセールスにも、「待ちの姿勢」ではなく「商談を作っていく」「商談を勝っていく」という高い業務遂行能力が必要となりました。

今、どのような営業トレーニングが必要なのか?

すでに説明した通り、私は「SPIN®営業術を身につけるべき」と考え、25年以上にも渡り、実践/研究しました。

その経験から、現在は、さらに効果的かつ実践的な営業トレーニングが必要となったと感じています。さらに効果的かつ実践的なトレーニングでなければ、外回りの営業も、インサイドセールスも、結果を出せなくなっています。

たとえば、「お客様の状況やニーズを的確に判断した上での商談の進め方」「セールスとしての効果的なコミュニケーションの基本」「商談を発掘するシナリオの構築」「ライバル会社よりも当社製品の良さを理解してもらう商談シナリオの構築」などです。そして、これは、外回りの営業だけではなく、インサイドセールスにも必要となっています。

難しくなった営業で目標達成できる営業やインサイドセールスを増やすためには!

現在の営業状況に適合し、インサイドセールスだけではなく、ソリューション営業にも活用できる、実践的な営業トレーニングが必要となっています。SPIN®営業術以外の様々な営業理論を研究/実践し、現在の営業に必要とされる営業スキル要素を融合して開発したものが、以下の営業力強化トレーニングです。

【法人営業研修】商談開拓スキル強化 ~ 「商談開拓技法」が営業パーソンの提案力を強化し、商談総額を2倍へ増やす!(Developing New Opportunities)

この営業力強化トレーニングは、「大型商談を成約するスキル」だけに着目したものではなく、「新規の商談を開拓するスキル」「ライバル会社との差別化をするスキル」も強化するものです。「状況別のニーズの扱い方」「商談をコントロールするセールス・コミュニケーション」「良好な面談の雰囲気を作る」「効果的な提案」「スキルを強化するコーチング」が盛り込まれていることが特長です。そのため、外回りの営業担当者だけではなく、インサイドセールスにも重要となる商談スキルを強化できます。

また、営業スキル研修(講義と演習)として学習機会を提供するだけではなく、実際の商材における「新規の商談を開拓するシナリオ/ライバル会社との差別化をする商談シナリオ」の構築や、ロールプレイなどの「コーチング」も提供しています。

導入いただいた企業では、「新規商談金額を大幅に増加することができている」トレーニングです。

新規商談開拓技法の導入効果

IT企業 導入事例

IT企業A社は、営業担当者が売上目標を達成できないことに悩んでいました。そこで、私たちの「商談開拓スキル強化トレーニング」を導入いただきました。A社には複数の営業チームがありましたが、まずはトライアルとして半分の営業チームにこのトレーニングを実施しました。

このトレーニングを実施した営業チームとトレーニングを実施しなかった営業チームでは、その後の結果に大きな違いが出ました。トレーニング実施後の半年間、トレーニングを実施しなかった営業チームの契約件数は、一人あたり平均1件でした。それに対して、トレーニングを実施した営業チームは、一人あたり平均4件の商談を成約できました。契約数に4倍もの差がでました。

その後、A社では、全営業に対して、このトレーニングを実施しました。

クラウドサービス企業 導入事例

クラウドサービスを提供しているB社は、インサイドセールスのパフォーマンスが低下気味であることが悩みでした。

提供しているクラウドサービスには競争力があり、問合せを頂いたお客様に対しては、かなり高い確率で契約を獲得することができていました。しかし、その問合せを頂いたお客様からの契約率が低下し始めました。その原因は、B社のクラウドサービスの認知度が上がり、「導入意欲がまだ十分に高くないお客様」からの問合せが増え始めたためでした。

事業を拡大するためには、このようなお客様からの受注も増やしていく必要があります。ですが、今まで行っていた問合せ対応ではうまく行かず、今後どのような対策をすれば良いかもわからない状況でした。そこで、私たちの「商談開拓スキル強化トレーニング」を導入いただきました。

トレーニングを通して、「受注へと進めるための問合せ対応」を学びました。その後、インサイドセールスのメンバーが、その学んだ内容を利用して、「新しいお客様の問合せ対応プロセス」を検討し、チームで実践/研究しました。

その結果、契約率も改善し始めました。現在は、さらにパフォーマンスを向上するために、インサイドセールスのメンバーたちが主体的に研究を行っています。

外資系製造業 導入事例

精密機器を販売している外資系企業C社は、「数年のうちに20%の売上成長の達成」を目指すことになりました。C社の製品は競争力があり、競合することがほとんどありませんでした。ですが、現状のままですと、その「20%の売上成長の達成」目標を実現できそうもありませんでした。

C社の扱っているハードウェア製品の販売は良いのですが、これだけでは大きな成長ができません。その逆に、そのハードウェアと一緒に利用するソフトウェアの販売は芳しくありませんでした。20%の成長をするための鍵は、ハードウェア製品とソフトウェア製品を組み合わせたクロスセリングでした。すなわち、ソリューションとしての販売力を強化することが必要でした。そこで、私たちの「商談開拓スキル強化トレーニング」を導入いただきました。

ハードウェア製品を単品で販売するのと、ハードウェア製品とソフトウェア製品を組み合わせたクロスセリングを行うのでは、営業方法が違います。その上、お客様は、C社のことを「ハードウェア会社」と考えていますから、ハードウェア製品とソフトウェア製品のクロスセリングに必要な「ニーズ」について、C社の営業たちに話そうとしません。このような問題を解決するためにスキル強化トレーニングを行いました。

その結果、ハードウェア製品とソフトウェア製品のクロスセリングの受注量が増え始めました。現在は、20%成長に向けて、トレーニングで学んだことを実行しています。

営業力強化セミナーのご紹介

『組織』と『個』の相互の成長に役立つ『営業力強化』などのセミナーを毎月開催しています。ぜひご参加ください。

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営業力強化セミナーページ

営業担当者のパフォーマンスを向上し、目標達成できる営業担当者を増やします。

「SPIN®営業術」は素晴らしい営業力強化方法です。ですが、現在の営業は複雑化しており、より難しくなっています。このような状況でも結果を出せる営業力強化トレーニングが必要な時代です。私たちの「商談開拓スキル強化トレーニング」は、SPIN®営業術の書籍で紹介されている営業手法の考え方の一部を参照にした上で、さらに、現在の営業に必要となる「状況別のニーズの扱い方」「商談をコントロールするセールス・コミュニケーション」「良好な面談の雰囲気を作る」「効果的な提案」「コーチング」などを充実させた、強力な実践的「新規商談を開拓するための技法」のトレーニングです。

私たちは、多くの営業組織の業務改善/パフォーマンス向上/変化変革を実践しました。営業担当者たちが目標達成できる豊富なノウハウと経験があります。貴社と力を合わせて問題を発見し、その問題を解決します。より具体的な内容説明の希望/質問/ご依頼は、下記からお問い合わせください。

(本ノートは、2017年10月24日に書かれたものを再編集しました)
文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳(てらおたくみ, Takumi Terao)
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