どうしたら売上予測どおりになるんだ?-最終回-

【佐藤の商談の状況3】
「昨日は課長怒っていたなあ、でも、怒られてもしょうがないんだけどな。まあでも、課長ミーティングはもっと大変だって言うしなぁ」



そんなことを佐藤は考えていた。
8月中には注文をもらわなければならない。
でも、そのために、値引きの承認はもらえた。
通常は15%も値引きなんかしないよなあ。
しかし、今回は、それだけの値引きを提供するんだ。
社内処理を早くしてもらわないと..。
15%の値引きは相当インパクトがあるはずだ。

ネガティブな気持ちから、ポジティブな気持ちへと切りかえ、早く注文をもらうための交渉だ。
佐藤は、気持ちを改め、受話器をとり、お客様に電話をした。

「昨日はメールの返信、ありがとうございました。社内処理はその後いかがですか?」

と佐藤はきいた。

「ああ、なかなか進んでいないですよ。すいませんねえ。」

まあ、昨日の今日だからそうだろうなあ、と佐藤は思った。
よし、それを加速するための交渉開始だ。

「いいお話があるんです。ちょっと電話では言いづらいので、近いうちにお邪魔していいですか?」

数日後、佐藤は、値引き承認を得られた見積書を持ってお客様に訪問した。

「実は、8月中に注文書をいただければ、この価格を提示します。何とか早く注文をいただけませんか?」
「御社にとってはすごい値引きですねえ。びっくりしました。でも、これから夏休みがありますから、8月中は厳しいかもしれませんよ。」
「ええ、しかしこの価格は、『今月中に限り』の価格です。何とか頑張ってもらえませんか?」
「急いでみますけど、ちょっとでも遅れたら、この価格は無効ですか?」
「まあ、確約いただけるのであれば、数日くらいなら何とかしますが…」

よし、お客様から、急いで社内処理を進めると約束してもらった。
これで大丈夫だ。

後は、状況を確認していけばいいや、と商談終了後、佐藤は思った。
夏休み前に大体仕込めたぞ。
残りの作業は、夏休み後だ。

夏休みがあけて、佐藤はお客様に電話をしたが、なかなかつかまらない。
しかし、今回は、何度も何度も電話をしていることに対して、避けられているのではないか、という不安感はない。
前回、それほど嫌われていなかったから、今回もそれほど嫌われていないだろう。

しかし、なかなか電話で話すことができず、8月20日になって、やっとお客様と話ができた。

「社内処理は済みましたか?」
「ええ、やっと課長の承認が取れましたよ」

承認が取れたと聞いて、佐藤は喜んだ。
よし、これで決まりだ。

「そうですか、ではいつ頃発注ですか?」
「やっぱり8月中は無理です。課長承認が取れただけですから…」
「えっ??」

佐藤は耳を疑った。

「なんで、今月中の発注は無理なんですか?」
「この金額だと、部長、本部長の承認も必要ですし…」

さっきの喜びはどこに行ってしまったのだろうか?
なにも頭に浮かんでこない。
今までやってきたことは何だったんだ。

もう終わりだ…

この時点において、BEJ社のお客様は仕事が忙しく、設備投資計画書が書けていなかったのです。
お客様が設備投資計画書を書き始めたのは、実は佐藤が15%値引きの見積もりを出した後、8月上旬でした。
そして、設備投資計画書に記載される投資額は、なんと佐藤が値引きをしてだした金額、すなわち、15%値引きした価格が記載されていたのです。

結局、その後のお客様のプロジェクトも遅れ、それに伴い、社内承認も遅れ、発注が翌年の1月になってしまったのです。
注文書を早く得るために、早い段階から15%も値引きをしたにも関わらず、最後の価格交渉では、さらなる値引きをしなければならなくなってしまったのです。

売上予測が合わない、意味のない値引きが行われてしまっている、新規の引き合いが増やせない、これは、営業パフォーマンスに大きな影響を与える問題です。
そして、このような現象を放置すると、他の様々な問題もさらに大きな問題へと変えていってしまいます。

石井課長の会議の状況から始まり、田中の商談、佐藤の商談の仕方を見てきました。
誰が悪かったのでしょうか?石井?田中?それとも佐藤?

田中の件も、佐藤の件も、解決が困難なような問題に見えますが、そんなことはなく、解決できるのです。
誰が問題なのか?という、観点では解決できない問題です。
しかし、法人営業というものの本質をつかめば、解決できるのです。

本来解決すべき本質となる根本的な問題は、営業プロセスを変えること、すなわち、商談管理を考え方と方法を変えることです。
営業プロセスを変えれば、商談管理の考え方とプロセスを変えれば、売上予測は確実に精度が上がり、利益が最大化でき、そして、企業を長期的な成長の実現へと導くのです。

現在、世の中で販売されている一般的な商談管理ツール(SFA:Sales Force Automation)をただ導入し、そして、そのまま使おうとしても、この問題を解決することはできません。
世の中の一般的な商談管理ツールそのものでは、この問題を解決するのに十分な考え方と方法論を提供できてはいないのです。
そして、この問題は、そんな商談管理ツールを使用している企業でも発生している問題です。

ツールに期待するのではなく、まず、商談管理業務全体を見直し、再設計することが必要です。
そして、それは新しいパラダイムのもとで再設計しなおす必要があるのです。
その後、商談管理業務のプロセス、システム、人の行動を変える必要があるのです。

私たち ティ・スクエアは、「新しい時代に対応し、利益最大化と長期的な成長を実現する営業オペレーションプロセスを構築しなければならない」というニーズを解決するためになくてはならない存在です。
法人営業(BtoB)という観点で、企業様の業務プロセスの再構築と、その業務プロセスを効果的に実施できる業務への定着に関するソリューションを統合的にプロデュースします。

(登場する名前、会社名は、すべて架空の名前です)

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1 個のコメント

  • 営業の「売りたい」とお客様の「買いたい」は別であるということが、リアルに描かれていたと思います。

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