ケーススタディ「エンジニアリング会社」 ~ なぜこのエンジニアリング会社では「会社を良くする視点」を持つマネージャーが育ったのか? マネジメント力強化研修の実践ケース

会社を大きく成長させるマネージャーは、自然に育つと思っていませんか?

多くの企業で、「現場の仕事は真面目にこなす」「個人の目標は達成している」にもかかわらず、「会社を良くする視点を持つマネージャーが育たない」という課題が生まれています。

今回ご紹介するのは、そんな課題を抱えていたエンジニアリング会社S社が実施した「マネジメント力強化研修」導入事例です。本ノートでは、以下について解説します。

◆ なぜ一般的なマネージャー研修では足りなかったのか
◆ どのようにして「会社視点」を持つ人材を選抜・育成したのか
◆ 実際にどんな変化・成果が生まれたのか

なぜこのエンジニアリング会社では「会社を良くする視点」を持つマネージャーが育ったのか? マネジメント力強化研修の実践ケース

なぜ「会社視点」を持つマネージャーが必要だったのか

エンジニアリング会社S社の社長は、当時のマネージャーや社員について、「日々の業務には真面目に取り組んでいる」「個人目標の達成意欲も高い」と感じていました。

しかし一方で、「会社の中長期的な成長を自分ごととして考える人が少ない」という課題がありました。特にマネージャー層は、「過去の成功体験」「上司から指示された業務」に活動が偏り、「会社をどう良くするか」という視点が十分ではありませんでした。

社長が本当に育てたかったのは、次のような問いを自ら立てられるマネージャーです。

◆ 社員がさらに成長するためには何が必要か?
◆ 生産性を高めるために、今変えるべき仕事の仕組みは何か?
◆ 顧客との関係を、どうすればもっと深められるのか?

会社を良くすることに、本気で挑戦できる人材を育てる必要がありました。


「学ぶだけで終わらせない」マネージャー候補選抜型プログラム

以上のようなS社の社長の期待に応えるためには、一般的なマネージャー研修とは違うプログラムが必要でした。以前、私たちは、持続的な成長(Growth)を続けるグローバル企業の日本法人社長と「マネージャー候補の育成」を行いました。

この日本法人社長の課題は、「マネージャーへ登用してからゆっくり育てる時間がない。マネージャーになったときには早く結果を出してもらいたい。そのためには、マネージャーになる前に、マネージャーとして結果を出すための能力をできるだけ準備しておいてほしい!」でした。

その日本法人社長と検討を重ね、「マネージャーがハイパフォーマーとして活躍するための必要な『9つの仕事の技術』」を明らかにしました。この『9つの仕事の技術』は、以下のような効果をもたらします。

◆ チームを率いて結果を出す
◆ 組織と人両方を成長させる
◆ 市場やお客様に貢献する
◆ 会社の強みをさらに強化する(新たな会社の強みをうみだす)

S社の社長にこのプログラムを提案したところ、「このプログラムは、私の考えや期待に役立つ!」と認めていただき、採用いただきました。また、S社独自の課題解決や社長の期待に応えるために、下記のような達成目標を設定して、「【マネジメント力強化研修】 リーダーやマネージャーとして『チームを率いて結果を出す仕事の技術』」を実施することになりました。

◆ マネージャーになる前に自ら育んでおく視点や思考を理解する
◆ 社員のうちに個人としてマネージャーになるための準備や実践ができるようになる
◆ トレーニングを通して早々にマネージャーへ登用できる候補を選定する

全10回のマネジメント力強化研修の内容

S社では、以下のように全10回(10ヶ月)のカリキュラムで実施しました。

1. マネージャーの役割
2. リーダーへの成長ステップ
3. 仕事の仕組み化
4. 業績改善プロジェクト
5. 目標設定
6. 問題解決と意思決定
7. 人材育成とモチベーション
8. コミュニケーション
9. 時間管理
10. 卒業プレゼンテーション

(【参照】【マネジメント力強化研修】 リーダーやマネージャーとして『チームを率いて結果を出す仕事の技術』 ~ チームを『目標達成』『持続的成長』させるスキルを強化(Manager’s Business Technics)

10回目の卒業プレゼンテーションでは、以下を盛り込んだプレゼンテーションを行いました。

◆ 全9回学んだ上で、特に印象に残ったことや重要だと思うこと
◆ あなたがマネージャーになるために個人として挑戦しようと思っていること
◆ あなたがマネージャーになったときに貢献できること

応募形式で研修参加者を選択した!

S社が研修を実施するときは、通常、会社がその受講者を指名していました。ですが、今回は「チャレンジしたい人にはその機会を与えよう!」「意欲のある人から、マネージャーの可能性のある人を選抜しよう!」という考えを重視し、全社員が応募できるようにしました。社員であれば、新人でもベテランでも、すでにマネージャーの人でも申し込みできるようにしました。

実は、全社員が応募できるようにした理由には、「現在のマネージャーにも応募してほしい!」という思いが含まれていました。ですが、マネージャーは誰一人として応募しませんでした。S社の社長は、そのことを非常に残念がっており、「現在のマネージャーの意欲や行動を変えることは、今後も継続して対処すべき課題だ!」と言っていました。そこで、「だからこそ、このプログラムを通して、今までとは違うマネージャーを育成する必要がありますね!」とお互いの決意を固めました。

当初、S社の社長は、「誰も応募しなかったらどうしよう?」と少し不安を感じていたようですが、最終的には12名もの応募がありました。応募をした中には入社2~3年という若手も含まれていました。

マネージャー育成プログラムの具体的取組方法

このクライアント企業の「【マネジメント力強化研修】 リーダーやマネージャーとして『チームを率いて結果を出す仕事の技術』」は、下記の日程&時間で行いました。

【開催頻度】 月1回
【所要時間】 4時間

(各セッションは7~8時間を要するコンテンツ量なのですが、今回は重要なポイントを絞り約4時間のセッションとして実施しました)

今回、このプログラムを実行するうえで、特に意識したことは「マネージャーとしてすぐ活躍できるようになるために、参加者たちの『視点を変えること』『思考を広げること』」でした。そのようなことは、一方的な講義だけでは育ちません。そのため、「議論(ディスカッション)の時間」を多くしました。毎回、カリキュラムに沿って議論するためのテーマを用意し、「現在の会社の状況を考え、自分たちはどうすればよいか!」を議論しました。

研修を通して起きた参加者の変化

参加者の状況と言葉

今回参加した12人のほとんどが営業職でした。高い売上目標を持ち、日頃忙しい人たちでしたが、毎回高い出席率でした。最終プレゼンテーションでは、このような学ぶ機会があったことに対して感謝の言葉が多く、今後、自己研鑽していくことを決意していました。

社長・経営陣が評価した最大の成果

10回目の最終プレゼンテーションには、社長や経営幹部にも参加いただきました。社長や経営幹部たちは、参加者それぞれのプレゼンテーションを熱心に聞き、厳しく、かつ、期待を込めた質問とコメントをしていました。

幾人かのプレゼンテーションには、当初の期待通り、「会社をさらに成長させるためは?」「生産性をさらに高めるためには?」や「マネージャーになるために、今後、私が挑戦したいこと」「私がマネージャーになったときの貢献」が盛り込まれていました。そのために、社長や経営幹部には、このプログラムの効果を評価していました。

このプログラムの導入効果として社長が最も喜んだことは、将来のマネジメント候補となる社員を発掘できたことでした。

「マネージャーになりたいなぁ」と漠然と考えている人はいますが、決意を持っている人は少ないです。S社のある社員は、普段は目立たない社員なのですが、意欲的にこのプログラムに参加し、最終プレゼンテーションでは「マネージャーになって、このように会社の成長に貢献したい!」というプレゼンテーションをしました。彼は、現在マネージャーに抜擢され、会社の成長に向けて活躍しています。

社長は、今回だけで終わらせるだけではなく、更に成長をしてもらうために、「今回の研修内容を実際の業務で活用する」ためのテーマを与え、会社をさらに良くする活動に挑戦しています。

マネージャーは自然には育たない!

会社を大きく成長させるマネージャーは、自然に育つと思っていませんか?

マネージャーは「任命」するだけでは育ちません。今回の取り組みを通して明らかになったのは、マネージャーは自然には育たないという事実です。

「視点を変える機会」「挑戦を促す環境」「会社視点で考えるトレーニング」、これらを意図的に設計することではじめて、会社を成長させるマネージャーが育ちます。

私たちは、多くの企業で「業務改善」「組織変革」「マネージャー育成」を支援してきました。「次世代マネージャーを本気で育てたい」そうお考えでしたら、ぜひ一度ご相談ください。

文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳(てらおたくみ, Takumi Terao)
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