成功の可能性を最大化!「課題発見と意思決定」 > 昇進・報酬・機会を手にするハイパフォーマーの仕事の技術(6)

未来を自らの手で創れるようになる!

お金を稼ぐためだけに、つまらない仕事を黙々と続ける。そんな人生は嫌だと思いませんか?
組織の中で「仕事を楽しむ」ことができる人たちを、私たちはハイパフォーマーと呼んでいます。
彼らは決まったことをこなすことではなく、変化を創ることを仕事と考えています。
グローバル化が進み競争がさらに激しくなる世界で、豊かな未来を創り出す力をもっているのは、彼らのような人材なのです。

高いポジションへの昇進・大きな報酬・多くの魅力的なチャンスを得ているハイパフォーマーたちは、「仕事の技術」を身に着け、活用しています。
この「仕事の技術」をしっかり学び変化を実践できれば、あなたも彼らのように活躍し、仕事を楽しむことができるでしょう。


ハイパフォーマーたちは、成功の可能性を格段に高める技術を持っています。それは効果的な「課題発見と意思決定」です。それにより物事の本質を的確につかみ、メンバーたちのコンセンサス(合意形成)を取り付け、最小の努力で最大の成果を手に入れる、構造的かつ効果性の高い取り組みができます。機会・昇進・報酬を手にするハイパフォーマーの仕事の技術「課題発見と意思決定」について解説します。


この記事のもくじ

成功の可能性を格段と高める「課題発見と意思決定」 > 昇進・報酬・機会を手にするハイパフォーマーの仕事の技術

高い成長や成果を実現するためには、「課題発見」と「意志決定」は必須能力です。ですが、これらは構造的にしっかり学習しなければ、身につきません。

まずは、この「課題発見」と「意志決定」について解説を始める前に、これらをより深く理解するために重要となる、下記の2つの前提から始めましょう。

  • 原因と結果
  • 戦略と戦術


  • 原因と結果

    成功している人の真似をすると、成功するか?

    あなたは、成功している人の真似をすると、成功できると思いますか?

    この質問をすると、ほとんどの人が「場合による!」という回答でした。詳しく聞いて見ると、「真似をすることである程度は成功できると思うが、すべてが役立つとはいえない」ということでした。

    多くのビジネスパーソンが成功者の真似をしようとしますが、うまくいくこともあればうまくいかないこともあります。必ずしもうまくいかないのであれば、「[原因]成功者の真似をする、と[結果]成功する」は、原因と結果の関係とはいえません。
    やはり「スティーブ・ジョブスの真似をしても、スティーブ・ジョブスになれるわけではない」のです。

    では、「成功する」もしくは「高いパフォーマンスを実現する」という結果を得るためには、どうしたらよいのでしょうか?

    人は叱ると育つか? 褒めると育つか?

    様々な企業の中で「人は、叱るから育つ!」とよく聞きます。
    比較的年齢の高いベテランのビジネスパーソンたちの中には、自身の過去の体験から「叱ることは大切だ!」と考える人が多くいます。

    ところが学校など教育の場では「人は褒めるから育つ!」ともいわれます。
    若い人の中には、「自分は褒められると育つんです!」という人もいます。

    人は叱るから育つのでしょうか、褒めるから育つのでしょうか?
    「叱ると育つ?」「褒めると育つ?」を聞いてみると、
  • 「私は褒められたほうが伸びる」
  • 「基本的には褒めたほうがよい」
  • 「私は先輩たちに叱られて育った!」
  • など、様々な意見がありました。

    この「叱ると育つ?」「褒めると育つ?」は研究者の関心が深いテーマのひとつです。様々な研究結果が報告されていますが、「そこに原因と結果としての直接関係はない」という結論が大半を占めています。
    すなわち「育つ」という結果に対して、「褒める」「叱る」は原因ではありません。
    「育つ」という結果の直接的な原因は、「たくさんのデータを洗い出し、成長の直接的な原因となる要因を特定し、その要因を改善する」ということがわかっています。

    叱るだけ、褒めるだけ、または見守るだけでもダメなのです。


    原因と結果を考えないと、浪費・ムダとなる

    マネージャーが「優秀な成績のAさんを見習え!」と指導したらどうなるでしょうか?
    仕事の能力は人それぞれ違います。「Aさんと比べ、少しだけ成績が劣るBさん」であれば、真似で「成長」できるかもしれません。ですが成績の差がかなりあるCさんには、Aさんの真似をさせても成績はほとんど向上せず、取り組みはムダになってしまうでしょう。

    このように結果に直接影響を及ぼす「原因」を把握し対策を取らなければ、時間やお金の浪費・ムダとなるのです。
    「意欲とやる気こそが、人の成長と成果の向上をもたらす」とリーダーが考えると、組織やチームがハイパフォーマンスを実現することはできません。これは「原因と結果をしっかり考えずに、マネジメントに取り組むことによる浪費・ムダ」です。

    「人の成長」「成果の向上」は、たくさんのデータを洗い出すことで直接の原因(要因)を見出し、そこに時間や資金を投資することが達成の鍵です。


    戦略と戦術

    つぎは、2つ目の前提である「戦略(Strategy)」と「戦術(Tactics)」についてです。
    まずは「戦略」と「戦術」の違いを考えましょう。


    意外にしっかり理解されていない? ビジネスパーソンは戦略と戦術をどう捉えている?

    「戦略と戦術の違いはなにか?」という問いは難しく、違いをしっかり説明できる人は多くありません。
    そんな中、多くの人の回答は下記のようなものでした。

    「戦略とは、大局的なこと、長期的、目的、役職の高い人が考えること」
    「戦術とは、具体的なもの、手段、短期的なもの」

    私も若い時に先輩から「戦略と戦術の違いは?」と聞かれたことがありますが、わかりませんでした。


    「戦略」と「戦術」とはなにか?

    「戦略」「戦術」それぞれの意味を辞書で調べると、以下のように説明されていました。

    【日本大百科全書】
    [戦略] 戦術の上位概念として、一般に師団やそれ以上の大戦闘単位の軍事行動を計画・組織・遂行するための通則を指す。
    [戦術] 戦略の下位概念で、一般には師団より小さい戦闘単位の軍事行動を計画・組織・遂行するための通則を指す。

    【大辞泉】
    [戦略] 戦争に勝つための総合的・長期的な計略。組織などを運営していくについて、将来を見通しての方策。
    [戦術] 戦いに勝つための個々の具体的な方法。ある目的を達成するための具体的な方法・手段。


    ビジネスパーソンが抑えておくべき「戦略」と「戦術」とは

    上記の辞書、および様々な書籍に記述されている内容から、私たちはパフォーマンス向上を目指すビジネスパーソンに「戦略」と「戦術」の違いを下記のように説明しています。

    戦略 (Strategy)
    資源の配分 (目標・人・モノ・金・大局的な時間の配分)
    成果の最大化もしくは目標達成の可能性を最大化するために、資源をどのように配分すべきか? (やること、やらないことを決める)

    戦術 (Tactics)
    配分された資源の活用 (方策・手順・具体的な時間の使い方)
    成果の最大化もしくは目標達成の可能性を最大化するために、配分された資源をどのように活用するか? (どうやるかを決める)

    すべてのビジネスパーソンには「戦略」と「戦術」が必要

    一般的に「社長・取締・部長など役職の高い人が『戦略』を考え、課長や一般的な社員は『戦術』を考える」と捉えがちですが、私たちは違うと考えています。なぜならば、実際のビジネスの場ではすべてのビジネスパーソンに「戦略」や「戦術」が必要だからです。


    というのも組織やチームの成果を最大化し、目標達成のためにリーダーやマネージャーが作成する方針には、「戦略」と「戦術」の両方が盛り込まれます。
    例えば、社長がつくった方針には「戦略」と「戦術」が盛り込まれており、その「戦術」の部分が事業部長や部長の方針の「戦略」となります。そして、さらに事業部長や部長の方針に記載されている「戦術」は、課長の方針の「戦略」へと展開されていきます。
    下記の図のように、戦略と戦術はそれぞれ展開されて取り組まれるのです。


    そしてその方針の中で決意した「戦略」や「戦術」を効果的なものにするために、「課題発見」や「意思決定」の技術が必要となるのです。

    ハイパフォーマーに必要不可欠な「組織の業績改善プロジェクトを成功に導く技術」を手に入れる! > 昇進・報酬・機会を手にする、ハイパフォーマーの仕事の技術(4)」の中で「方針立案」を解説しました。まずは、社長が会社の方針を立てます。その社長の方針に従い、事業部長や部長がその事業部や部の方針をつくります。そして課長は課の方針をまとめ、社員は自分の活用計画を作成します。このように方針は社長から一般社員へ展開されます。方針立案についての詳細は、こちらを参考にしてください。


    意思決定と「戦略」「戦術」の関係

    ビジネス推進のコアとなる「戦略」「戦術」を遂行するために、必要な技術のひとつが「意思決定」です。
    まず意思決定とはなにか、そして「戦略」「戦術」の関係を考えてみましょう。


    効果的な戦略と戦術のためには「意思決定の技術」が役立つ

    私たちが実施する研修では、「なぜ意思決定が必要なのでしょうか?」と受講者によく問いかけています。
    一番多かった答えは「誰かが決めないと先に進むことができないから」でした。
    これは間違いではないのですが、私たちは「意思決定は限られた資源で最大限の成果を実現するために必要である」と説明しています。
    ここでいう資源とは、人材・お金・時間・情報などを指します。資源は無限ではありません。私たちはビジネスにおいて、できるだけ少ない資源でたくさんの成果を上げることが求められています。

    意思決定が必要な理由
  • 最小限のリソースで最大限の成果を手に入れるため
  • 目標や目的の達成の可能性を高めるため
  • 変化の速度を速めるため

  • ビジネスリーダーやマネージャーたちが行う意思決定の定義
    チームメンバーの行動をもたらすコンセンサス(コミットメント)の形成を考慮した、目的や目標達成につながるための選択もしくは決断のプロセス

    これで、先ほど解説した戦略・戦術と意思決定の関係性がよりはっきりしたと思います。
    戦略は「資源の配分 (目標・人・モノ・金・大局的な時間の配分)」、戦術とは「配分された資源の活用 (方策・手順・具体的な時間の使い方)」、効果的な戦略と戦術のために「意思決定の技術」が必要なのです。


    意思決定には「熟考システム」のプロセスを活用する

    私たちが日常行っている意思決定には、大きく分けて下記の2つがあります。

    自動システムによる意思決定
    過去の経験に基づき、直感的に素早く無意識のうちにうちに行う意思決定です。

    自動システムによる意思決定の例:
    「衝動買い」です。その時は「ほしい!」と思って買っても、あとで「なんで買ったんだろう? 使わないなあ」という経験があなたにもあると思います。
    また、飲み会でよく見る「とりあえずビール!」も自動システムによる意思決定の例といえます。


    熟考システムによる意思決定
    感覚情報だけではなく、論理や理性に基づいて行われます。過去の経験も考慮して将来について熟考し、選択や決断を行います。

    熟考システムによる意思決定の例:
    家や自動車などの大きな買い物です。家は金額・部屋数・大きさ・家の装備・周りの住環境などを、しっかり比較検討して決断します。
    様々な企業をじっくり検討して行う転職活動も、熟考システムによる意思決定の例です。
    (ただし、時折、自動システムによる意思決定で家や自動車の購入、および、転職活動を意思決定する場面も見受けられます。)

    ハイパフォーマーが意識すべきは、後者の「熟考システムによる意思決定」です。
    ハイパフォーマーとしてビジネスで成果を上げるためには、チームメンバーの力を引き出すことが鍵となります。それには過去の経験や直感に頼った独善的な意思決定ではなく、客観的なデータや論理に裏付けられた「熟考システムによる意思決定」こそがチームメンバーを納得させ、行動に導きます。
    実際にビジネスリーダー、マネージャー、そして「多くの機会やポジション、高い役職への昇進、大きな報酬」を手にしている人は、「熟考システムによる意思決定」を活用し、チームの成果を最大化する意思決定をしています。

    熟考システムによる意思決定

    「熟考システムによる意思決定」は、1つひとつを検証しながら判断を行います。そのための基本ステップは下記です。

    Phase1. 決断
    Step1: 意思決定の目的 (何を決めるか?)
    Step2: 情報の収集
    Step3: 効果の推定
    Step4: 決断 (取り組む / 取り組まない)

    Phase2. 選定
    Step5: 期待する成果(達成目標)の決定
    Step6: 解決策の検討
    Step7: 解決策の選定

    Phase3. 実行
    Step8: コンセンサス(合意形成)の検討
    Step9: 担当者の決定
    Step10: 課題解決プロセス (課題解決の実施)


    Step1: 意思決定することは何か?

    Phase1では、資源(リソース)を配分するかどうかを決定します。
    これは戦略の決定に相当します。

    その上でStep1に該当する意思決定の目的を明らかにします。
    Step1では「何を決めるのか?」という目的意識を持って取り組むことが大切です。
    ビジネスにおける意思決定では、下記の4つを考えるとよいでしょう。

  • 「取り組む? or 取り組まない?」の決断
  • 期待する成果(達成目標)の決定
  • 解決策の選択
  • 担当者の選定

  • 上記のどれを行うかによって、上図の意思決定プロセスをどこまで行うか、どのような情報を主に扱う必要があるのか、など取り組むべき範囲が明確になり、意思決定が効率的・合理的になります。


    Step2: 情報の収集

    効果的な「意思決定」をするためには、最適な情報を収集する必要があります。
    そのためには下記の情報に注目します。

    1. 現状の問題
    発生している課題や問題はなにか?
    発生している課題や問題の原因はなにか?
    達成すべき目標や目指している成功の基準はなにか?

    2. 将来の予測
    今後の政策や国家予算の動向は?
    今後の経済環境・市場の動向は?
    今後の技術の動向は?
    今後の競合の動向は?

    3. 時間
    どのくらいこの問題を放置できるか?
    解決するまでに必要な時間は?
    効果を得たい時期は?

    4. 現実性
    解決するための難易度は?
    解決に必要な資源は? (誰ならば解決できるか? / 費用はどの程度かかるか?)


    Step3: 効果の推定

    情報が集まったら、次は「この意思決定には、どのような効果があるのか?」を推定します。
    効果がないことに限られたお金や人材や時間を使うわけには行きません。しっかり効果を検証する必要があります。

    効果推定は、下記の3つの要素で考えます。
    1. 解決策実施による推定効果
    解決策に取り組むと、いつどの程度の財務効果が推測されるか?

    2. 組織やチームの目的・目標との関係性
    組織やチームの目的(使命・ビジョン・価値観)や中長期計画に役立つか?
    組織やチームの今年度目標に役立つか?

    3. 意思決定の目的との合致
    最小限のリソースで最大限の成果を手に入れられるか?
    目的や目標の達成の可能性を高められるか?
    変化の速度を速められるか?

    Step4: 決断 (取り組む / 取り組まない)

    Step1~3でしっかり情報を集められれば、このStep4では決断への自信を感じることができるでしょう。
    ここで決断できない場合、その原因の多くは「情報不足」です。

    時間があれば「Step1意思決定の目的」へ戻り、もう一度検討をしましょう。そして外部のプロフェッショナルに助言を求めるとよいでしょう。

    時間がなければ、リーダーが「決断」します。ポイントは「決断してしまう」ことです。
    情報が足りない中でも、リーダーが意思決定するべき理由は下記の2つ です。

    リーダーへの信頼につながる
    ハイパフォーマンスを実現している優秀な経営者たちは、情報が足りない中でも責任をもって意思決定し、それによりメンバーの求心力を得ている、という論文は多く存在しています。

    組織としての学習につながる
    情報不足の状態で意思決定をしたとしても、その後振り返りの中で軌道修正をすることで、リーダーだけではなく組織としての学習を深めることができます。

    「間違いを恐れて決断しない。決断を先送りする」ことだけは避けましょう。


    Step5: 期待する成果(達成目標)の決定



    Phase2では、「配分された資源の活用 (方策・手順・具体的な時間の使い方)」の検討に入ります。
    これは「戦術」の決定に相当します。

    前述の「Step3 効果の推定」で検討した内容から、今後の期待する成果(達成目標)を決定します。
    期待する成果 (達成目標) には、下記が盛り込まれている必要があります。

  • 日付
  • 数値目標

  • 期待する成果(達成目標)の決定では、「ハイパフォーマーに必要不可欠な「組織の業績改善プロジェクトを成功に導く技術」を手に入れる! > 昇進・報酬・機会を手にする、ハイパフォーマーの仕事の技術(4)」で解説した「改善ビジョン」「改善概要」も明確にしておくことで、達成の可能性を効果性と高めることができます。


    Step6: 解決策の検討

    前述のStep5で決定した目標を達成するための解決策は、ひとつとは限りません。
    ここでは、ひとつの解決策だけを見出すのではなく、複数の解決策を検討します。代替案を含め、少なくとも3つ以上の解決策をつくることが必要です。
    3つ以上を相対的に比較することで、次のステップ「Step7 解決策の選定」にて、より効果的な案を選べます。


    Step7: 解決策の選定

    複数の解決策の中から、取り組むべき解決策をひとつ選定します。


    Step8: コンセンサス(合意形成)の検討



    Phase3は、いよいよ実行に進みます。
    ここでカギを握るのが、メンバーとのコンセンサス(合意形成)です。
    コンセンサス(合意形成)とは「意見の一致」です。

    意思決定した内容をメンバーが受け入れ遂行してくれなければ、意思決定の目的である「最小限のリソースで最大限の成果を手に入れる」「目標や目的の達成の可能性を高める」「変化の速度を速める」を達成することはできません。

    コンセンサスを得る最も強力な方法は、「しっかり時間を取ってメンバーと話し合う」および「メンバーに具体的な実施案を検討してもらう」ことです。
    リーダーの意志決定を一方的に押し付けて も、メンバーたちは遂行してくれません。それだけでなく、抵抗・反論することもあるでしょう。このコンセンサスを取ることが、最も困難なことといえます。

    意思決定において「メンバーの合意が成功の大きな鍵を握っている」という場合には、下記の3つにメンバーを関与させることで、よりコンセンサスを得やすくなります。

  • Step5: 期待する成果(達成目標)の決定
  • Step6: 解決策の検討
  • Step7: 解決策の選定

  • 意思決定に自分の意見が影響したと感じると、メンバーは決定を受け入れやすいのです。


    Step9: 担当者の決定

    決定した内容に取り組むメンバーの選定には、下記の2つを考慮します。

  • できる限り「ベテランと若手」「業務スキルのある人とない人」を組み合わせ、組織としての学習に繋げる。
  • 成功の確実性を高めるために、外部のリソースを積極的に活用することを検討する。


  • Step10: 課題解決プロセス (課題解決の実施)

    最後のStep10では、いよいよ決定したことに取り組みます。
    取り組みのプロセスは、「ハイパフォーマーに必要不可欠な「組織の業績改善プロジェクトを成功に導く技術」を手に入れる! > 昇進・報酬・機会を手にする、ハイパフォーマーの仕事の技術(4)」で解説しています。
    詳しくはこちらを参考下さい。


    上記のような一連の流れを押さえることで、人を自発的に動かし大きな成果をもたらす「熟考システムによる意思決定」が可能になります。
    ビジネスリーダー、マネージャー、そして「多くの機会やポジション、高い役職への昇進、大きな報酬」を確実に手にすることができている人は、こうした意思決定の技術を活用し、チームの成果を最大化しています。


    意思決定は、始めることだけではない。「やめる!」意思決定もある

    意思決定は、「取り組む? / 取り組まない?」だけはありません。
    「やめる! / 中止する!」という意思決定もあります。例えば「事業をやめる!」などです。一時期「選択と集中」という経営戦略がありました。これは業界1位もしくは2位のポジションにある事業は進めるが、それ以外は売却したり停止したりするというものです。

    この「やめる」意思決定こそ、「熟考システムによる意思決定」を活用すべきです。
    「やめる」決断だけではなく、売却や撤退には慎重な施策 が必要です。市場やお客様からの批判や社員のモチベーションをしっかり検討し、取り組むことが必要です。

    「やめる」という決断では、リーダーやマネージャーは「Phase2: 選定」「phase3: 実行」を綿密に計画した上で、メンバーに丸投げをするのではなく、自らがリードして推進することが重要です。


    意思決定に入る前に役立つ、課題発見の技術

    課題を発見できなければ、意思決定に入ることができません。この課題発見を行うポイントを解説します。


    課題発見の前提は、望む結果と現状のGAP!

    ビジネスにおいて「課題」は下記の図に基づいて発生します。


    “基本的に” 望む結果と現状のGAPが課題発見の前提となります。
    そして課題発見には面白い特性があります。
    課題は発見したい時にはなかなか発見できないのです。そのため常日頃から課題を意識し、情報を集めておくことが大切です。

    意思決定を強化する! 課題発見に役立つ11の視点

    効果的な意思決定につなげるためには、下記の情報を集めることで課題発見を行います。

  • 今期の売上/利益目標・KPIの達成度
  • 事業の目的に関する課題
  • 理念・使命・ビジョン・中長期計画に関する課題
  • 上位マネージャーの方針に関する課題
  • 日常管理(モニタリング)の異常値
  • 主な競合(新たな競合)に関する課題
  • 市場動向に関わる変化や課題
  • 社外の協力会社に関わる変化や課題
  • 社内の他部署に関わる変化や課題
  • 社内業務に関わる変化や課題
  • チームや人材などに関わる変化や課題

  • ビジネスリーダー、マネージャー、そして、「多くの機会やポジション、高い役職への昇進、大きな報酬」を確実に手にすることができている人は、日常の業務の没頭していることなく、上記のような項目に好奇心を持ち、常に課題を集めようとしています。
    具体的な方法は「マネジメントとしてのコミュニケーション力 > 昇進・報酬・機会を手にするハイパフォーマーの仕事の技術(8)」で解説しています。こちらを参照下さい。


    「本当にそれは課題なのか?」と問い続けることが、あなたの意思決定を強化する

    課題について情報を集め検討する際、課題をそのまま見ていても、効果的な意思決定・課題の解決には繋がりません。
    「本当にそれは課題なのか?」、すなわち「解決しなければならない悩ましい課題なのか?」を考える必要があります。

    『Harvard Business Review 2018年2月号 課題設定の力』に、IDEO Tokyo ディレクターの野々村健一さんの論文が掲載されていました。その論文の中では「エレベーターがなかなかこない」という問題についての課題発見の方法が掲載されていました。
    「エレベーターがなかなかこない」という問題では、通常どのような解決策が浮かぶでしょうか?
    一般的に思いつく解決策は、下記のようなものです。

  • エレベーターの台数を増やす
  • エレベーターのスピードを上げる

  • しかしこの「エレベーターがなかなかこない」ということは、本当に課題なのでしょうか? 他の捉え方はないでしょうか?

    「エレベーターがなかなかこない」という問題は、「待つのにイライラする」という捉え方もできます。
    「待つのにイライラする」が本当の課題であれば、その解決策として下記が考えられます。

  • 待ち時間を短く感じさせる
  • 音楽を流す

  • これは前述した「原因と結果」で「成功する人の真似をすれば成功するのか?」「叱れば育つのか?」「褒めれば育つのか?」で解説したのと同じようなことです。
    「成功する人の真似ができていない」「叱っていない」「褒めていない」といった問題は、本当に解決すべき課題なのか、ということです。

    課題の捉え方はひとつではないのです。
    いくつかの視点で「本当に課題か?」と考えることが、ムダや浪費なく問題を解決する意思決定につながります。


    解決策の検討はサンク・コストから脱却し、未来の成果の最大化に注力しよう!

    熟考システムによる意思決定「Step6: 解決策の検討」において、下記の2つのポイントを説明しました。
  • 解決策は3つ以上考える
  • 複数の解決策から選択する前に、それぞれの解決策を実施したときの推定効果を比較する

  • もうひとつ、解決策の立案に役立つポイントを紹介します。
    例えばあなたは下記のようなとき、どうしますか?
    「2年間、A社に新規開拓の営業をしてきました。最近、月100万円ほどの取引をしてくれるようになりました。最近、B社では競合が年数億円の取引をしている事がわかりましたが、B社にはまだ面会できる人がいません。A社とB社、あなたはどちらにより時間をかけますか?」

    この回答には様々なものがありました。
    回答のひとつは「過去2年間時間をかけて営業してきたし、ちゃんと注文もらえるお付き合いもできたので、B社よりもA社に時間をかけます」というものでした。
    これをサンク・コストといいます。

    サンク・コスト (sunk cost) とは、事業や行為に投下した資金・労力のうち、事業や行為の撤退・縮小・中止によって戻って来ない投下資金または投下した労力のことです。
    多くの人はサンク・コストに対して「自分たちが今まで時間を使い、頑張ってきたこと。そんなに簡単にやめられない」「自分たちが頑張ってきたことが否定されている」と感じ、「やめる!」ことを受け打入れるのは難しいでしょう。
    ですが解決策を立案するときは、「過去これだけ頑張ったから」という意識と決別し、未来の成果の最大化に注力し、しっかり検討することが必要です。


    意思決定と課題発見の技術で、自ら未来を開拓しよう!

    ビジネスリーダー、マネージャー、そして「多くの機会やポジション、高い役職への昇進、大きな報酬」を確実に手にする人になるためには、意思決定の技術は必須です。
    ですが、多くの人は、意思決定を避けようとします。
    なぜなら意思決定は責任を伴うからです。意思決定は多くの人にとって好ましいことではなく、苦悩を伴う行為です。
    そのため人は意思決定を避け、他人に任せることを選びがちです 。

    その反面、意思決定だけは 自らの意思で未来を切り開くことができる力です。
    未来の創造には苦悩が伴います。しかし自ら意思決定することで、あなたのチームもあなた自身も自分で選んだより輝かしい未来に近づくことができます。
    その鍵を握るのが「熟考システムによる意思決定」プロセスです。

    多くの機会やポジション、高い役職への昇進、大きな報酬」を確実に手にすることができる人になるために、このコラムで解説した内容をしっかり取り組み、意識的に、意思決定できる技術を高めてください。
    あなたが自分の未来を自ら開拓できる人になることを私たちは全力で支援いたします。


    企業の未来を創る、数多くの機会を手に入れられるハイパフォーマーになるためには

    日本のビジネスパーソンに求められていることは、大きな転換点を迎えています。
    求められているのは「変化の実践」です。

    今、企業が求めているのは、企業の成長を実現するために変化を実践できるマネージャーです。
    企業は多くチームを率いて高い結果を出すマネージャーを一人でも多く増やさなければならなくなっています。
    ところがこうした育成にしっかり取り組んでいるところは少なく、新しいマネージャーの役割を担えるビジネスパーソンの絶対数は足りません。
    次世代を担うビジネスパーソンには、企業教育だけでは身につかず、自ら学ぶ機会が求められているのです。

    こうしたニーズに応えるために、下記のように「ティ・スクエア流 ハイパフォーマーの仕事の技術」を順次公開します。
    あなたが、生産性高く合理的に「高いポジションへの昇進・大きな報酬・様々な魅力的な機会」を手に入れられるようになるために、ぜひご活用ください。
    チームを率いて結果を出すための「マネージャーの新しい役割」> 昇進・報酬・機会を手にするハイパフォーマーの仕事の技術(1)
    リーダーへの成長プロセス実践方法! > 昇進・報酬・機会を手にするハイパフォーマーの仕事の技術(2)
    チームで結果を出す「仕事の仕組み化」スキル > 昇進・報酬・機会を手にするハイパフォーマーの仕事の技術(3)
    ハイパフォーマーに必要不可欠な「組織の業績改善プロジェクトを成功に導く技術」を手に入れる! > 昇進・報酬・機会を手にする、ハイパフォーマーの仕事の技術(4)
    目的・目標・方針設定スキルを強化し、組織やチームをリードする! > 昇進・報酬・機会を手にするハイパフォーマーの仕事の技術(5)
    成功の可能性を最大化!「課題発見と意思決定」 > 昇進・報酬・機会を手にするハイパフォーマーの仕事の技術(6)
    人材の育成とモチベーション対策 > 昇進・報酬・機会を手にするハイパフォーマーの仕事の技術(7)
    マネジメントとしてのコミュニケーション力 > 昇進・報酬・機会を手にするハイパフォーマーの仕事の技術(8)
    (9)時間管理

    「ティ・スクエア流 ハイパフォーマーの仕事の技術」とは?

    「さらなる激変が予想される2020~2030年代を担う、次世代ビジネスパーソンたちに求められていることは?」
    それを追求し、形にしたものが「ティ・スクエア流 仕事の技術」です。
    ビジネススクールや研修では知識を学べます。それに対して、ティ・スクエアではパフォーマンスを確実に出すため「仕事の技術」を学ぶことができます。

    変化に対応し、未来を担う人材になるためには、会社の研修や業務を通じた学びに頼るだけでは残念ながら足りません。
    次世代のビジネスパーソンは教育の機会に受け身になるのではなく、将来の自分に必要なスキルを見極め、自ら率先して身に着けることが求められています。

    ティ・スクエアでは「仕事の技術」の学習機会や、学んだことをさらに活かすビジネスパーソナル・コーチングを提供しています。
    会社の垣根を超え、同じような志をもつ人が集まる場に身を投じるからこそ、学べることがたくさんあります。

    私たちはあなたが「高いポジションへの昇進・大きな報酬・多くの魅力的なチャンス」という成果を手に入れることをコミットします。


    文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳 (てらおたくみ, Takumi Terao)
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