ハイパフォーマーに必要不可欠な「組織の業績改善プロジェクトを成功に導く技術」を手に入れる! > 昇進・報酬・機会を手にする、ハイパフォーマーの仕事の技術(4)

未来を自らの手で創れるようになる!

お金を稼ぐためだけに、つまらない仕事を黙々と続ける。そんな人生は嫌だと思いませんか?
組織の中で「仕事を楽しむ」ことができる人たちを、私たちはハイパフォーマーと呼んでいます。
彼らは決まったことをこなすことではなく、変化を創ることを仕事と考えています。
グローバル化が進み競争がさらに激しくなる世界で、豊かな未来を創り出す力をもっているのは、彼らのような人材なのです。

高いポジションへの昇進・大きな報酬・多くの魅力的なチャンスを得ているハイパフォーマーたちは、「仕事の技術」を身に着け、活用しています。
この「仕事の技術」をしっかり学び変化を実践できれば、あなたも彼らのように活躍し、仕事を楽しむことができるでしょう。

ハイパフォーマーとして高い報酬や機会を手に入れるためには、組織のパフォーマンスを改善できる能力が必要です。パフォーマンスの改善はプロジェクト的な取り組みであり、学習することで身につけられる技術です。リーダー・マネージャーとして、パフォーマンス向上を確実なものにする「業績改善プロジェクト(パフォーマンス改善プロジェクト)」の技術について解説します。

ハイパフォーマーが持つ「業績改善プロジェクト(パフォーマンス改善プロジェクト)の遂行技術」を手に入れる! > 昇進・報酬・機会を手にするハイパフォーマーの仕事の技術

ハイパフォーマーであるマネージャーに取って必須なスキルとは?

企業で行われるプロジェクトとは?

あなたの会社では、どのようなプロジェクトが取り組まれているでしょうか?
企業の中では、様々なプロジェクトがあります。下記はその一例です。

  • 新入社員を採用する
  • 従業員を教育する
  • webサイトを作る、改良する
  • 展示会を開催する
  • オフィスの引っ越し
  • 戦略的なアカウントマネジメントを行なう
  • 新製品を開発する
  • 社内システムを導入する
  • 業績を改善する(パフォーマンスを改善する)

  • これらのプロジェクトのうち、ハイパフォーマーであるマネージャーが主導して取り組むべきプロジェクトは何でしょうか?


    ハイパフォーマーであるマネージャーが担うプロジェクト

    企業内で取り組まれるプロジェクトの中で、ハイパフォーマーであるマネージャーにとって非常に重要なものは、上記の最後にある
    業績を改善するプロジェクト (パフォーマンスを改善するプロジェクト)
    です。
    パフォーマンスを向上するために、これからのリーダーやマネージャーは、これをしっかり完遂できる能力が求められます。


    業績を改善する(パフォーマンスを改善する)プロジェクトは、下記の手順で取り組みます。


    《 THINK ! 》
    このコラムではあなたが事業部長・部長になったつもりで、ところどころ出てくる問いに答えながら、実際にプロジェクトを立案・遂行するイメージを持って取り組んで下さい。
    「あなたは部長です。これから部署の業績改善(パフォーマンス改善)プロジェクトに取り組みます。目指すのは“10%以上の業績改善”です。何を10%改善するかを決めてください」


    業績改善プロジェクト(パフォーマンス改善プロジェクト)の定義

    先ほども説明したとおり、企業では様々なプロジェクトが取り組まれています。プロジェクトは多種多様なため、「一般的なプロジェクトを定義する」ことは簡単ではないのですが、業績改善プロジェクトとの違いを明らかにするために「一般的なプロジェクト」を下記のように定義します。


    一般的なプロジェクト
    目的:独自のプロダクト・サービス・資産を生み出す。または、改善する。
    成果:プロジェクトで取り組み、生み出したもの。または、よりよくしたもの。

    一般的なプロジェクトとして、生み出されるものや改善すべきものというのは、下記のことを対象として取り組みます。
  • 「商品やサービス (その提供方法を含む)」 を生み出す・よくする
  • 「ビジネスモデル・組織」 を生み出す・よくする
  • 「プロセスやルール (仕組み)」 を生み出す・よくする
  • 「職務やスキル」 を生み出す・よくする
  • 「ターゲット市場やお客様の満足」 を生み出す・よくする

  • 上記のように、一般的なプロジェクトは
    「新しい商品やサービスを生み出したら終わり。よりよくできたら終わり」
    「新しいビジネスモデル・組織・プロセスを生み出せたら終わり。よりよくできたら終わり」
    などです。


    それに対し、業績改善プロジェクト(パフォーマンス改善プロジェクト)の定義は下記です。

    業績改善プロジェクト(パフォーマンス改善プロジェクト)
    目的:業績を改善する。
    成果:業績を計る数値の向上・改善。

    業績改善プロジェクトでも一般的なプロジェクトと同様に下記のような対象に取り組みますが、プロジェクトで成し遂げる「成果」の部分が全く異なります。

  • 「商品やサービス (その提供方法を含む)を生み出す・よくする」結果、業績を向上する
  • 「ビジネスモデル・組織を生み出す・よくする」結果、業績を向上する
  • 「プロセスやルール (仕組み)を生み出す・よくする」結果、業績を向上する
  • 「職務やスキルを生み出す・よくする」結果、業績を向上する
  • 「ターゲット市場やお客様の満足を生み出す・よくする」結果、業績を向上する


  • 一般的なプロジェクトは「商品やサービスを生み出す・よくする」、すなわち商品やサービス自体の創造や改善が成果ですが、業績改善プロジェクトでは「商品やサービスを生み出す・よくするだけではなく、生み出した上でどの程度のパフォーマンスが改善できたか」が成果となります。
    そのため、一般的なプロジェクトは「業績改善プロジェクトの手段のひとつ」なのです。

    両者が大きく異なる点のひとつは、この成果の違いです。業績改善プロジェクトでは「業績向上(パフォーマンス向上)」という成果を上げる目標設定が重要となります。
    ですが「業績目標数値を達成しろ!」とメンバーに言っているだけでは、完遂することはできません。
    マネージャーやリーダーには、プロジェクトの緻密な計画と遂行力によるマネジメントが必要なのです。
    なぜならば、プロジェクトの殆どはプロジェクトに関わるメンバーが行い、プロジェクトの成否はメンバーの取り組み次第で決まってしまうからです。
    そのことを認識した上で、しっかりと計画や戦略を持って取り組むことが必要です。


    確実に業績改善プロジェクトを取り組む上でのポイント

    業績改善プロジェクトを遂行するに当たり、プロジェクトの開始から終了に至るまでマネージャーやリーダーが常に認識し続けるべきポイントがあります。
  • このプロジェクトは顧客満足につながるか? (市場の貢献につながるか?)
  • このプロジェクトは強みの強化につながるか? (強みの創造につながるか?)

  • なぜ、この2つのことを考えておく必要があるのでしょうか?

    それは確実に業績を改善するためです。
    業績を改善するためには、お客様の満足が欠かせません。お客様の満足なく売上は手に入りません。また競合に対して強みが発揮されていなければ、お客様は私たちを選んでくれません。「お客様満足」と「強みの強化」は、業績という結果をもたらす本質的な要素に相当するのです。
    リーダーへの成長プロセス実践方法! > 昇進・報酬・機会を手にするハイパフォーマーの仕事の技術(2)」で解説しましたが、優れたリーダーに共通することとして、ビジネス・組織・チームの目的に「お客様にどのように貢献するか?」「どのような強みを強化するか?」が盛り込まれています。業績改善プロジェクトでも、終了までこの2つを意識し続けて取り組むことが成功の秘訣となります。


    また、さらに業務改善プロジェクトの成功要因として、意識しておくことがもうひとつあります。

  • プロジェクトを遂行するメンバーの意欲

  • 先ほどもご説明したとおり、業績改善プロジェクトの立案と進行管理はマネージャーが行いますが、実際にプロジェクトの施策に取り組むのはメンバーです。
    チームのメンバーが意欲を発揮して取り組むためには、「目的が明確であること」と「自らの役割が明確であること」が必要です。
    そのためには、パフォーマンスを向上するために生み出そう・改善しようとする業務を明確化することが重要です。数値目標を示して「xxを達成するんだ!」と言っても、メンバーの心を揺さぶることはなく、意欲を引き出すことにはつながらないのです。

    チームで結果を出す「仕事の仕組み化」スキル > 昇進・報酬・機会を手にするハイパフォーマーの仕事の技術(3)」で解説しましたが、仕事・業務を仕組み化することは、メンバーのモチベーションを高める要因となるのです。

    パフォーマンス改善に取り組むかどうかを決断する



    業績改善プロジェクト(パフォーマンス改善プロジェクト)のスタートは、あなた自身の意思決定から始まります。あなたが「やる!」と決めるからこの取り組みが始まります。
    その際あなたは、下記の2つを検討した上で、「やる!」と意思決定(決断)します。

  • ビジネスの状況
  • ビジネスの目標


  • ビジネスの状況

    「ビジネスの状況」は、下記のような情報を集めることから始めます。

    【目  標】 今後の売上目標、利益目標など
    【上位方針】 事業の目標、理念・使命・ビジョン・中長期計画
    【管理目標】 日常管理のデータ
    【競  合】 競合状況
    【環境変化】 市場動向の変化・社外の協力会社に関わる変化・社内の他部署の変化・社内業務に関わる変化・チームや人材に関する変化

    ハイパフォーマーは、上記のような業績改善プロジェクトを遂行するかどうかの決断に必要な情報を常に集めようとしています。日頃からこのような情報を集める具体的な方法は「マネジメントとしてのコミュニケーション力 > 昇進・報酬・機会を手にするハイパフォーマーの仕事の技術(8)」で解説していますので、そちらを参照下さい。


    ビジネスの目標


    「ビジネスの目標」は、会社の方針や戦略に基づいて決まりますが、その際、あなたは下記の観点で精査をすることがポイントです。

  • ビジネスの目標は、経済成長率よりも高い成長率か?
  • ビジネスの目標は、過去の成長率よりも高い成長率か?
  • ビジネスの現状・状況を踏まえると、ビジネスの目標を達成することは困難か?

  • 上記のどれかひとつに「Yes!」と感じた場合には、必ず業績改善プロジェクトに取り組む決意が必要です。

    特に、一番目の「ビジネスの目標は、経済成長率よりも高い成長率か?」の答えがYESであれば、業績改善プロジェクトに取り組むべきだと説明しています。
    もし、ビジネスの目標が経済成長率よりも低ければ、業績改善プロジェクトに取り組む必要はありません。なぜならば、外部環境が成長しているわけですから、特段の知恵を発揮し努力をしなくても業績の改善ができるでしょう。
    しかし、その業績は景気の変動に大きく影響されます。もし、景気が悪くなると一気に不安定になるリスクをはらんでいます。
    企業がそのように景気に左右されないようになるためにも、業績改善プロジェクト取り組み企業力を育むことが必要です。


    プロジェクトを立ち上げる!



    業績改善プロジェクト(パフォーマンス改善プロジェクト)に取り組む決断をしたら、次はプロジェクトの立ち上げを行います。
    プロジェクトを立ち上げるには、次の4つの要素を考慮する必要があります。

  • チームを編成する
  • 改善概要と改善ビジョンを作成する
  • 全体スケジュールを立てる
  • キックオフミーティングを行う


  • チームを編成する

    プロジェクトを遂行するには、下記の3つの役割を含んだチームを編成します。

    【プロジェクトオーナー(リーダー)】
    プロジェクト全体に対する責任と「ヒト・モノ・カネなどの権限」を持ち、プロジェクトの遂行を意思決定する。
    プロジェクトオーナー(リーダー)は、プロジェクトマネジメントチームのメンバーを選定する。


    【プロジェクトマネジメントチームのメンバー】
    プロジェクトオーナーの意思決定に基づき、目標達成に向けてプロジェクトの具体的な検討立案・遂行管理を行う。
    プロジェクトマネジメントチームが、プロジェクト遂行メンバーを選定する。


    【プロジェクト遂行メンバー】
    プロジェクトの遂行にあたり、必要なタスクに取り組む。

    プロジェクトマネジメントチーム、および、プロジェクト遂行メンバーを選定する際には、下記の3つのポイントを考慮する必要があります。

  • どんなに大きな業績改善プロジェクトでも、プロジェクトマネジメントチームは最大7名にする(ただし、3~4名がもっともよい)。
  • できる限り「ベテランと若手」「業務スキルのある人とない人」を組み合わせ、組織としての学習に繋げる。
  • 成功の確実性を高めるために、外部のリソースを積極的に活用することを検討する。

  • 多くの企業では、3番目の「外部のリソースを積極的に活用することを検討する」が苦手です。「自分たちだけでプロジェクトをやりきる」ことを前提としてプロジェクトを立ち上げてしまいますが、これは間違いです。業績改善プロジェクトでは「自分たちだけでやりきる」ことよりも、「確実に業績を改善する」ことが優先されるべきであり、そのために「外部のリソースを活用すること」も検討すべきです。
    目標を短期間で確実に達成するために強力な方法のひとつが、「外部のリソースを活用する(プロフェッショナルを活用する)」なのです。


    《 THINK ! 》
    部長のあなたが取り組む「業績を10%向上するプロジェクト」のメンバー選定はどうしますか? プロジェクトマネジメントチームに選ぶ人を考えてみましょう!


    改善概要と改善ビジョン

    チームの編成が終わったら、プロジェクトオーナーとプロジェクトマネジメントチームは「改善概要」と「改善ビジョン」を具体化します。


    改善概要
    「なぜチームはパフォーマンス(業績)改善プロジェクトを行わなければならないか?」を述べたものです。
    下記の5つの要素を考慮し、それを要約した文章を作成します。

  • 【業界状況】会社をめぐる環境でなにが起こっており、なにが変化しており、そしてなにが重要になっているか(特に主要な競合について盛り込む)
  • 【問題点】組織の中ではどのような問題が起こっているか
  • 【市場の要求】市場の要求にはどのような変化が起きているか
  • 【診断】なぜ会社は新たな業績や市場の要求水準を満たすことができないのか
  • 【損失】改善しない時の損失など、なぜ改善が必要なのか


  • 改善ビジョン
    「我々がなろうとしているものはなにか?」を述べたものです。
    下記の3つの要素が含まれている必要があります。

  • 業務やプロセスに関わることが言及されている
  • 測定可能な目標と測定方法を含んでいる (「何を」「いつまでに」「どのくらい」改善するか?)
  • 業界の競争のあり方を変える、本当に力強い文章となっている

  • 時折、「業界トップになる」「顧客にもっと喜んでもらう」などの抽象的な表現だけの改善ビジョンを見かけます。
    改善ビジョンは具体的に記述するべきです。具体的には
    「どの業務について考えているのか? (営業強化なのか、マーケティング強化なのか、製品の品質向上なのか)」
    「どの業界およびどのような構造に着目しているのか? (通信業界の寡占状態の打破、保険業界の規制の突破、など)」
    を考慮する必要があります。

    この「改善概要と改善ビジョン」は、業績改善プロジェクトが成功するかどうかを大きく左右する、非常に重要なものです。
    なぜなら特にプロジェクト遂行メンバーに、目的やその存在意義を与え、率先的な取り組みを引き出すためのものだからです。

    この「改善概要と改善ビジョン」を明らかにすることは簡単ではありません。いきなりチームの意欲を引き出す力強い「改善概要と改善ビジョン」を書ける人は殆どいません。何度も繰り返し書くことで、その能力を高めることが大切です。


    《 THINK ! 》
    あなたが部長として取り組む「業績を10%向上するプロジェクト」の変革概要と変革ビジョンを文章として書いてみよう。


    全体スケジュールを立てる

    次は、プロジェクトの全体スケジュールを立てます。
    ここで言う全体スケジュールとは、大枠の予定表です。
    少なくとも下記の5つの開始時期と終了時期を決定しておく必要があります。

  • キックオフミーティングはいつ行うか?
  • 現状把握はいつまでに終わらせるか?
  • 達成目標と取り組みスケジュールはいつまでに決定するか?
  • 施策をいつ行うか?
  • プロジェクトの反省はいつ行うか?


  • 《 THINK ! 》
    あなたが部長として取り組む「業績を10%向上するプロジェクト」の全体スケジュールを決定しよう!


    キックオフミーティングを行う

    全体スケジュールが決まったら、キックオフミーティングを開催します。
    プロジェクトオーナーおよびプロジェクトマネジメントチームのメンバーは、プロジェクト遂行メンバーに下記の説明をします。

  • (1) 会社(もしくはチーム)は何を目指しているか?
  • (2) それに向けて、このプロジェクトで何を成し遂げようとしているのか?
  • (3) そのために会社が直面している問題は何か?
  • (4) 私たちは何を期待されているか? (いつまでに、何を達成するか?)
  • (5) 私たちは何をすればいいか? (役割は何か?)

  • キックオフミーティングは「説明するために行う!」ではなく、参加したプロジェクト遂行メンバーたちが「上記5つのことをしっかり理解する!」ことが最も注意すべきことです。
    そのためには、しっかり事前の準備をすることが重要になります。
    キックオフミーティングの事前準備は、キックオフミーティング 成功の秘訣 > プロジェクトのスタートダッシュを成功する! を参照ください。


    《 THINK ! 》
    あなたが部長として取り組む「業績を10%向上するプロジェクト」のキックオフミーティングの準備をしよう!


    プロジェクトの具体的な検討



    キックオフミーティングで業績改善プロジェクト(パフォーマンス改善プロジェクト)の立ち上げを周知したら、具体的なプロジェクトの検討や計画立案に取り組みます。
    その際、下記の3つに取り組みます。

  • 現状把握・原因分析
  • 改善目標の設定
  • WBS (Work Breakdown Structure)の作成

  • 上記で業績改善プロジェクトの具体的な施策を決定します。


    現状把握・原因分析

    業績を改善する(パフォーマンスを改善する)プロジェクトにおける現状把握と原因分析では、下記の2つの方法が効果的です。

    (1) プロセスの可視化
    業績を改善するためには、今までとは違うことを行わなければなりません。そのためにまず「今はどのように業務が行われているか?」を明らかにすることが必要です。
    そのために、プロセスの可視化に取り組みます。
    プロセスの可視化については、チームで結果を出す「仕事の仕組み化」スキル > 昇進・報酬・機会を手にするハイパフォーマーの仕事の技術(3) を参照ください


    (2) プロセスの測定
    プロセスの可視化を行ったら、そこに記載された一連の業務のどこを改善するかを特定します。
    その特定すべき「最も業績に影響を与えている問題」が潜んでいる場所は、データを収集することで特定できます。
    その際、データ測定で活用できるのが「QC 7つ道具」と呼ばれているツールです。
    (「QC 7つ道具」は非常に有名で、インターネット上でもたくさん紹介されていますので、ここでは割愛させていただきます。ぜひ、書籍やインターネットで学んで下さい)

    プロセスの中で、最も業績に影響を与えている問題の発生個所を探します。それは前述したプロセスの可視化において、下記のようなことが起こっているところです。

  • 時間がかかっている所
  • 作業量が多い所
  • チェックやルールが多い所
  • 「上に戻る」が多い所

  • これにより、「業績の改善(パフォーマンス改善)に最も影響を及ぼす原因」を特定します。


    改善目標の設定

    業績に影響を与えているところを特定し、「QC 7つ道具」を使ってそのデータを測定しました。
    次にプロジェクトチームは「改善目標」として「達成目標となる数値」を設定します。
    設定すべき数値の例は、下記のようなものになります。

  • 新規顧客訪問比率を30%から50%へ
  • 商談の成約期間を6ヶ月から4ヶ月へ
  • 競合勝利率を30%から40%へ
  • 商談単価を300万円から400万円へ

  • 改善目標を決定したら、下記のように業績改善見込みである「どの程度の業績改善ができるか?」を仮説として検証しておきます。

  • その改善目標を達成できたら、売上はどの程度改善できるか?
  • その改善目標を達成できたら、利益はどの程度改善できるか?
  • その改善目標を達成できたら、コストはどの程度改善できるか?


  • WBS (Work Breakdown Structure)の作成

    プロジェクトの改善目標とそれによる業績改善効果を明らかにしたら、次は具体的なタスクを検討します。
    その際に活用するのが、WBS (Work Breakdown Structure)です。


    WBSとは、作業工程をより詳細に分解したものです。
    ここで重要なことは、プロジェクト遂行メンバーが、
  • いつまでに何を達成する必要があるのか?
  • 何をする必要があるのか?」
  • がわかるように具体化することです。

    よいWBSには「教育や学習のスケジュール」「プロジェクトメンバー間の報告やコミュニケーション」が盛り込まれています。
    それによって「タスクなどの単なる作業を実施する」状態から「チームでコミュニケーションを取って取り組む」状態へ促します。


    プロジェクトの遂行



    ついに業績改善プロジェクト(パフォーマンス改善プロジェクト)を遂行する段階になりました。
    しかし、本格的に取り組む前に、かならず行うべきことがあります。
    それは「テストラン」です。

    テストランとは、「計画した施策がうまくいくかどうか」「計画した施策が本当に成果を生み出すか」を一部の領域で実施して試してみることです。(「パイロットプログラム」とも言われます)
    テストランの結果が芳しくないならば、施策を見直す必要があります。そして、見直した上で、もう一度テストランを行います。

    多くの企業ではこのテストランを行うことなく、いきなり全体・全員で取り組んでしまっている事が多いです。「上司指令で全員取り組め!」という掛け声のもとで。
    ですが、ハイパフォーマーはそんなことをしてはいけません。「とにかくやってみれば失敗しても学習になる」という前向きの意識かもしれませんが、それでは成果を出さない上に業務を混乱させるだけです。
    その施策に効果がないにも関わらず取り組んでしまっているのであれば、莫大な浪費となってしまいます。
    プロジェクトを成功させるためには、慎重さも必要です。
    まず一部の部署で短い時間でテストランを行い、効果を把握してから全体的な施策に取り組むことが大切なのです。

    テストランが上手く行ったら、初めて本格稼働に入ります (全体展開に入ります)。


    プロジェクトを終了する!



    業績改善プロジェクト(パフォーマンス改善プロジェクト)で業績を改善したら、下記の2つを行ってプロジェクトを終了します。

  • モニタリングの準備
  • 最終報告


  • モニタリングの準備

    モニタリングとは、「人間が直接『見る』ことのできない現象・事象・関係性を「見る」ことのできるモノ(グラフ・図・表など)にし、現在のチームの業務・オペレーションの状態とパフォーマンスが遅滞なく円滑に実行されているかどうかを監視すること、またはその仕組み」です。

    今回取り組んだ「改善目標」の効果が持続できているかどうかを継続的に定期観測する「モニタリング」の仕組みを整えます。
    モニタリングにより、改善効果がなく業績が向上していないのであれば、次なる改善に取り組みます。


    最終報告

    業績改善プロジェクト終了後は、必ずその結果をドキュメントとして残しておきます。
    今まで検討してきた「プロジェクトの立ち上げ」「プロジェクトの具体的な検討」「プロジェクトの遂行」に関わる概要、そして、このプロジェクトの「評価・今後の展開・反省」をまとめます。

    私たちは、この最終報告の「評価・今後の展開・反省」に下記を盛り込むことを強く推奨しています。これらはプロジェクトを始める目的に相当する部分です。

  • 業績効果 (いくつからいくつに変わったか?)
  • 改善目標の変化 (いくつからいくつに変わったか?)
  • 顧客満足・市場への貢献の成果
  • 強みの強化への効果


  • プロジェクトを成功に導くための注意点

    プロジェクトが失敗する要因

    これを読んでいるあなたが過去様々なプロジェクトに取り組んできた場合、中には失敗したプロジェクトもあったのではないでしょうか?

    プロジェクトが失敗してしまう要因には、下記のようなものがあります。
  • 短い期間で「目に見える結果」を出せない
  • 問題を複雑化して捉える
  • 様々な観点で、優先順位付けができていない
  • 従来の管理項目にとらわれている
  • 他の活動との接点がなく、関係性を無視して進められる
  • 顧客満足・お客様の声が欠落している
  • 部下の声が欠落している
  • 上司が意思 (変革概要・変革ビジョンなど)を伝えていない
  • それぞれのプロジェクトメンバーに期待されていること、貢献すべきこと、必要なOutputが不明確
  • 過度の習慣、経験、ルールにとらわれている
  • 毎回同じ顔ぶれで行われる

  • これらの「プロジェクトが失敗してしまった要因」は、業績改善プロジェクトと一般的なプロジェクト、双方に共通するものです。
    プロジェクトオーナー、もしくはプロジェクトマネジメントチームの一員のあなたは、上記のような要因を事前に検討しておき、業績改善プロジェクト(パフォーマンス改善プロジェクト)を確実な成功へ導かなければなりません。


    プロジェクトを成功に導く9か条!

    下記はプロジェクトを成功に導く9か条です。もちろん業務改善プロジェクトも該当します。
    これらを活用することで、あなたが担う業績改善プロジェクト(パフォーマンス改善プロジェクト)でも成功に導くことに役立ちます。

  • 1. 上位マネジメントの目標、コミュニケーション、ビジョンなど、プロジェクトを成功させるためにテコ入れすべきことを明確にする
  • 2. ビジネスの仕組み、業務の取り組み方、資源、人的配慮を十分に考慮する
  • 3. 短い期間でのテストラン(パイロットプログラム)をおこなう
  • 4. 測定項目を決め、業績改善プロジェクトの改善度合いを定期的に観察する
  • 5. プロジェクトを遂行するためのメンバーのスキルの強化も考慮する
  • 6. 「外部の協力を仰ぐ」「購入する」などの投資も積極的に検討する
  • 7. 組織での生活そのものを一変させることを目指す
  • 8. 組織全体に渡ってのプロジェクトの責任体制を徹底する
  • 9. 双方向のコミュニケーションをしっかり行なう

  • この中で、わたしたちが特に重要なことと説明しているのは「双方向のコミュニケーション」です。
    立ち上げから終了に至る工程において、しっかりとコミュニケーションをとることがプロジェクトの成功に欠かせません。
    そのため前述した「WBS (Work Breakdown Structure)の作成」において「プロジェクトメンバー間の報告やコミュニケーション」を盛り込んでいるのです。


    企業の未来を創る、数多くの機会を手に入れられるハイパフォーマーになるためには

    日本のビジネスパーソンに求められていることは、大きな転換点を迎えています。
    求められているのは「変化の実践」です。

    今、企業が求めているのは、企業の成長を実現するために変化を実践できるマネージャーです。
    企業は多くチームを率いて高い結果を出すマネージャーを一人でも多く増やさなければならなくなっています。
    ところがこうした育成にしっかり取り組んでいるところは少なく、新しいマネージャーの役割を担えるビジネスパーソンの絶対数は足りません。
    次世代を担うビジネスパーソンには、企業教育だけでは身につかず、自ら学ぶ機会が求められているのです。

    こうしたニーズに応えるために、下記のように「ティ・スクエア流 ハイパフォーマーの仕事の技術」を順次公開します。
    あなたが、生産性高く合理的に「高いポジションへの昇進・大きな報酬・様々な魅力的な機会」を手に入れられるようになるために、ぜひご活用ください。

    チームを率いて結果を出すための「マネージャーの新しい役割」> 昇進・報酬・機会を手にするハイパフォーマーの仕事の技術(1)
    リーダーへの成長プロセス実践方法! > 昇進・報酬・機会を手にするハイパフォーマーの仕事の技術(2)
    チームで結果を出す「仕事の仕組み化」スキル > 昇進・報酬・機会を手にするハイパフォーマーの仕事の技術(3)
    ハイパフォーマーに必要不可欠な「組織の業績改善プロジェクトを成功に導く技術」を手に入れる! > 昇進・報酬・機会を手にする、ハイパフォーマーの仕事の技術(4)
    目的・目標・方針設定スキルを強化し、組織やチームをリードする! > 昇進・報酬・機会を手にするハイパフォーマーの仕事の技術(5)
    成功の可能性を最大化!「課題発見と意思決定」 > 昇進・報酬・機会を手にするハイパフォーマーの仕事の技術(6)
    人材の育成とモチベーション対策 > 昇進・報酬・機会を手にするハイパフォーマーの仕事の技術(7)
    マネジメントとしてのコミュニケーション力 > 昇進・報酬・機会を手にするハイパフォーマーの仕事の技術(8)
    (9)時間管理


    「ティ・スクエア流 ハイパフォーマーの仕事の技術」とは?

    「さらなる激変が予想される2020~2030年代を担う、次世代ビジネスパーソンたちに求められていることは?」
    それを追求し、形にしたものが「ティ・スクエア流 仕事の技術」です。
    ビジネススクールや研修では知識を学べます。それに対して、ティ・スクエアではパフォーマンスを確実に出すため「仕事の技術」を学ぶことができます。

    変化に対応し、未来を担う人材になるためには、会社の研修や業務を通じた学びに頼るだけでは残念ながら足りません。
    次世代のビジネスパーソンは教育の機会に受け身になるのではなく、将来の自分に必要なスキルを見極め、自ら率先して身に着けることが求められています。

    ティ・スクエアでは「仕事の技術」の学習機会や、学んだことをさらに活かすビジネスパーソナル・コーチングを提供しています。
    会社の垣根を超え、同じような志をもつ人が集まる場に身を投じるからこそ、学べることがたくさんあります。

    私たちはあなたが「高いポジションへの昇進・大きな報酬・多くの魅力的なチャンス」という成果を手に入れることをコミットします。

    文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳 (てらおたくみ, Takumi Terao)
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    社内業務の最適化・生産性向上コンサルティング 事例 [お客様: サービス企業様 @2016/10]
    部長候補者を対象とした部門方針作成研修 導入事例 [クライアント企業: 人材派遣企業 @2016/10]
    ”営業の商談力診断(アセスメント)” 導入事例 [クライアント: 法人向けサービス業 @2017/02]