どうすれば成長意欲のある社員を増やし、事業成長に貢献する自主的な行動を増やすことができるか? ~ 事業を成長させるための仕組み『事業成長への行動』推進モデル

あなたの会社では、どれだけの社員が「事業成長に貢献する行動」をしていますか?

世界の企業と比べ、日本の企業の成長率は低いと言われます。なぜ、日本の企業の成長率は低いのでしょうか?

「成長率が低い」と言われる日本の企業でも確実に成長している企業も存在しています。世界で急成長している企業や日本でも成長できている企業には共通する「成長できる要因」があります。その要因は「事業を成長させるための行動に一定時間を投資している」ことです。

日本企業の社員たちと話しますと、会社に愛着があり、意欲的に「事業成長に貢献する行動がしたい!」と考えている社員が少なからず存在しています。ですが、意欲だけで実践している状態にまでになっていないことが多いです。「したい!」という意欲だけの状態から「行っている!」という状態にすれば、必然的に社員が事業を成長させ、そして、その事業が社員をさらに成長させるのです。

成長している組織が行っている「事業成長に貢献する行動」の具体的な方法について解説します。

事業を成長させるための仕組み『事業成長への行動』推進モデル

どの企業でも成長できるのか?

世の中にはたくさんのビジネス書が出版されています。その多くのビジネス書が「企業が成長するための方法」を解説しています。例えば、「ティール組織」「ジョン・コッターの企業変革ノート」「リエンジニアリング革命」「業績改善の手法」「ザ・ゴール2 思考プロセス」などです。これらの本で解説している内容を行えば、企業は成長することができます。

私たちは、クライアント企業の事業を確実に成長させるためのコンサルティングサービスを提供しています。そのために、様々なビジネス書が紹介しているメソッドを研究し、実際に実践し、私たち独自のノウハウとして構築しています。

そして、そのノウハウを最大限発揮して、クライアント企業の成長を支援し、時にはクライアント企業の社員と一緒に実施します。私たちがクライアント企業の業績改善を支援すると、かなり高い確率で成果を出すことができます。ですから、どのような企業でも持続的に成長することができるのです。

成長している組織と成長できていない組織の差とは?

ですが、それでも成長できていない企業もあります。では、成長できている企業と成長できていない企業にはどのような差があるのでしょうか?

よく言われることの1つが「企業規模」です。一般的に、「企業の規模と成長スピードは反比例の関係だ」と言われます。企業規模が小さい企業は、小さいからこそスピードがあります。ですから、ぐんぐん成長することができます。社員の数が増え、企業規模が大きくなると、多くの人のコンセンサスを取る必要があります。そうなると意思決定が遅くなり、どうしても成長スピードは遅くなります。

ですが、実際に多くの企業を観察すると、企業の大小に関係なく小さい企業でも成長できていない企業はあります。逆に、巨大な企業でも成長し続けている企業もあります。ですから「『成長できる/成長できない』は企業規模による」と思われがちですが、かならずしもそうとは言えません。

私たちが様々な企業を調査してわかった「成長できる/成長できない」を決定する要因は、「事業成長に貢献する行動を行っているかどうか?」でした。社員が、ある一定時間、チームとなって主体的に事業を成長させる行動を行っていれば、企業規模に関わらず事業を成長させることができていました。

どうして「事業成長に貢献する行動」をしてくれないのか?

すでにお伝えした通り、「業績を改善する方法」も「企業が成長する方法」も、多くのビジネス書がすでに明らかにしています。成長できている企業は、そのビジネス書で解説しているように「事業成長に貢献する行動」を行っています。その一方、成長できていない企業は、「事業成長に貢献する行動」を行っていません。

成長できていない企業は、どうして「事業成長に貢献する行動」をしていないのでしょうか?

その原因の1つ目は、成長できていない組織は、「短期的な目標達成への活動」しかしていないことです。働き方改革が言われる状況のもと、以前のようには残業ができなくなりました。ただでさえ目標が高く、達成することが困難なので、マネージャーは、社員が余計なことをせずに短期的な目標達成の活動だけに集中させたいのです。ですが、短期的な目標達成の活動だけをしている組織は、事業を成長させることができていません。

また、「実施したことがあるが、うまく行かなかった」という過去の体験も、「事業成長に貢献する行動」をしていない原因となっています。いくつかの企業は、外部の支援なく自分たちだけで行ったために、成長という結果を出すことができなかったのです。例えば、部や課として「事業成長に貢献する行動」を行うと、必然的に部長や課長がリードすることになります。ですが、この部長や課長は今期の目標達成のための責任を負っています。本来は「事業成長に貢献する行動」だったのですが、マネージャーたちが次第に「目標達成のための活動」へと変えてしまうのです。毎月・毎週の報告を義務化し、単なる個人的な作業となり、そうなると、チームとしての活動ではなくなります。「事業成長に貢献する行動」と「目標達成のための活動」は分けて行う必要があるのですが、それを理解していないのです。

「外部のカイゼンのコンサルタントを招いて実施したけれどもうまく行かなかった」企業もありました。招いたコンサルタントは生産管理のカイゼンのプロフェショナルなのですが、この企業が「カイゼン」したかったのは営業業務だったため、カイゼンの方法が業務に合わなかったのです。

日本の企業には素晴らしい社員が存在しています。多くの社員は「事業成長に貢献する行動は大切だ!」と考えています。また、会社も「自ら行動してほしい!」と期待しています。ですが、社員も組織も「事業成長に貢献する行動」の具体的な方法を知りません。そこで、私たちが「事業成長に貢献する行動」の支援をしますと、社員たちは主体的に意欲を持って最後までやり遂げます。社員が事業を成長させ、そして、事業が社員をさらに成長させるのです。

事業を成長させるための行動を増やすソリューションとは?

企業が継続的に成長するためには、「事業成長に貢献する行動」が必須です。ですが、多くの企業では、下記のような障害に直面し、「事業成長に貢献する行動」が行われていません。または、実施しようとしても最後までやり遂げることができていません。

◆ 「目標達成のための活動」と「事業成長に貢献する行動」は同じではない、と認識していない(または、「事業成長に貢献する行動」の重要性を知らない)
◆ 「事業成長に貢献する行動」の支援体制がない(会社は「自ら行動してほしい」と考えているのだが)
◆ 社員が主体的に行動する機会がない(「主体的にやりたい」と考えている社員はいるのだが)
◆ 実施する際、チームがうまく編成されていない
◆ 最後まで遂行するための効果的な方法と役割を学習していない
◆ 周囲からの支援が得られていない

このような障害を取り除き、社員たちがチームとなって主体的に「事業成長に貢献する行動」を実施できるようにするのが、私たちのソリューション「チームで挑戦する『事業成長への行動』推進モデル」です。このソリューションは、事業を成長させるために必須となるもので、継続的な成長を実現するための組織体制と企業文化を構築するためのプログラムです。

このメソッドが、社員が事業を成長させ、そして、事業が社員をさらに成長させる好循環を生みます。

「チームで挑戦する『事業成長への行動』推進モデル」の具体的な手順

「チームで挑戦する『事業成長への行動』推進モデル」は具体的に下記の4つのステップで構成されています。

Step1. 立案
Step2. 統合
Step3. 遂行
Step4. 評価

(【参照】【事業成長力強化研修】チームで挑戦する『事業成長への行動』推進モデル ~ 事業計画達成に貢献する組織課題解決力を強化!(Driving Model for Growth)

Step1. 立案

この「Step1. 立案」で行うことは、下記の4つを明らかにすることです。

◆ 達成目標
◆ 問題概要
◆ 解決ビジョン
◆ 実施計画

「Step1. 立案」は、「チームを作ること」からはじめます。一人でできることには限りがあります。ですので、3~5人のチームを作ります。このくらいの人数のチームだと、成功に向けて良いスタートダッシュをすることができます。
チームを編成したら事業成長(もしくは目標達成)のための現状の問題や課題をたくさん集めます。その際、意識すべきは「定性的な情報」と「定量的な情報」の両方を集めることです。「定性的な情報」とは、状態や状況などの情報です。「定量的な情報」とは、財務データやその他の数値データです。どちらかだけではだめで、両方をできるだけ多く集めることがポイントです。

そして、集めた情報から、「問題概要(なぜ、この問題を解決しなければならないのか?)」と「解決ビジョン(将来、何を成し遂げたいのか?)」を文書にまとめます。多くの企業が「事業成長に貢献する行動」を行いながら最後までやり遂げられなかった原因の1つが、「周囲からの支援が得られなかった!」ことです。周囲から支援が得られない原因の1つは、立案する時にこの「問題概要」と「解決ビジョン」を文章としてまとめていないことです。この問題概要と解決ビジョンが、「どうして必要か?」という必要性と重要性を明らかにします。多くの人が必要性と重要性を感じるものにし、事前に周囲に説明し合意しておくことで、周囲は協力してくれるようになります。

さきほど、「3~5人でスタートダッシュする」と説明しましたが、この「問題概要」と「解決ビジョン」を描くためにもチームで始めることが大切です。

「立案」の最後は、実施計画の作成です。達成目標とその先行指標(KPI, Key Performance Indicator)を2~3個設定し、そのKPIを達成するための実施計画を立案します。
この立案で必ず検討すべきことは、「プロフェッショナルの助言を求めること」です。例えば、営業力強化が課題であれば営業力強化に精通したプロフェッショナルに、離職率が課題であればそれに精通したプロフェッショナルに必ず助言を求めます。通常、多くの社員は「自分たちで考えて行動する」を大切にしています。「自分たちで考えて行動する」は一見重要そうに思えます。ですが、それよりも重要なことは「確実に成功させること」です。自分たちで考えて行動しても、成功しなければ全く意味がありません。確実に事業を成長させるためには、その方法を知っているプロフェッショナルの助言を得ながら実施することが必須です。

Step2. 統合

「Step1. 立案」が終了したら、次は「Step2. 統合」です。この統合の目標は「(他のメンバーたちを含めた)全員でこの立案した『事業成長に貢献する行動』を実際に実行するかどうかを意思決定すること」です。
「事業成長に貢献する行動」の立案は、3~5人のメンバーが中心となって行います。そして、今後、このメンバーが中心となって「事業成長に貢献する行動」を遂行します。ですが、この「事業成長に貢献する行動」は、この立案したメンバーだけが実施すれば目標を達成できるわけではありません。他のメンバーたちが協力してくれるからこそ最後まで完遂することができます。そのために、他のメンバーを含めた全員で「事業成長に貢献する行動」を意思決定し、この活動を成功させる意識を他の人にも統合(Integration)しておくことが大切です。

Step3. 遂行

始まったら、2週間に1回(最低でも月に1回)はその進捗度合いを確認します。多くの企業では、忙しさにかまけて定期的な進捗確認をしていません。ですが、最後までやり遂げるためには、定期的に決まった時間に進捗を確認することが大切です。その時間は30分程度の短い時間で大丈夫です。また、必ずしも全員が一同の場に集まる必要はありません。オンラインミーティングでも大丈夫です。何しろ必ず定期的に行うことが大切です。

その際、立案メンバーだけが参加するのではなく、他のメンバーにも参加を促し、日頃から彼らの協力が得られるようにすることも大切なポイントです。特に、この「事業成長に貢献する行動」の邪魔となる障害に直面したら、他のメンバーからの助言が効果的な対策を行うためのヒントとなります(また、他のメンバーが対策に協力してもらえるようになります)。

Step4. 評価

「事業成長に貢献する行動」は評価と報告を行って終了します。終了日を迎えたら、立案したメンバーは「事業成長に貢献する行動」の達成度をまとめ、全員へ報告します。

その報告が終わったら、全員でこの「事業成長に貢献する行動」の遂行内容について評価をします。その際、行うべき評価は下記の2つです。下記の2つで評価することで、自主的に立案して遂行したメンバーへ称賛をするのと同時に、能力のさらなる向上を目指します。

◆ 立案メンバーは、組織の成長に貢献していたか?
◆ 立案メンバーは、遂行できる能力は高かったか?

また、この「事業成長に貢献する行動」を遂行したメンバーには人事評価としての加点を行います。もし、「事業成長に貢献する行動」の目標を達成できなくても減点はしません。そもそもは「事業成長のための行動」です。最後まで遂行したことに対する称賛は、社員たちの挑戦意欲に良い影響を及ぼします。ですので、人事評価は実施したメンバーへの加点のみにすることが効果的です。減点してしまうからメンバーは自主的にやらなくなるのです。

「事業成長に貢献する行動」は企業が成長するための先行指標!

事業の成長は、最終的に財務結果で判断できます。ですが、事前にその実現可能性が判断できる「先行指標」があれば、効果的な対策を講じることができます。

私たちは、「事業成長に貢献する行動」を先行指標としてモニタリングできるメソッドを編み出しました。その先行指標を経営指標(もしくは事業指標)としてモニタリングすることで、「本当に事業を成長させることができるかどうか?」を事前に把握でき、十分ではない場合には対策を講じることができるようになります。すなわち、事業を成長させる確実性を高めることができます。

成長力強化セミナーのご紹介

『組織』と『個』の相互の成長に役立つ『プロフェッショナル育成』などのセミナーを毎月開催しています。ぜひご参加ください。

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その他の成長力強化セミナー

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あなたの会社では、どれだけの社員が「事業成長に貢献する行動」をしていますか?

企業が成長できるかどうかは、「事業成長に貢献する行動」の持続性かつ効果性次第です。目標達成だけを目指しても、事業を成長させることはできません。「目標達成のための活動」と「事業成長に貢献する行動」は同じではありません。事業を成長させるためには、「目標達成のための活動」と「事業成長に貢献する行動」の両方が重要です。その両方を同時に行うことで、事業を成長させることができるようになります。

良い情報なのですが、多くの日本の企業には、「事業成長に貢献する行動を行いたい」と考えている社員が少なからず存在しています。「意欲だけがある状態」から「意欲的に遂行している状態」へと変化すれば、必然的に社員が事業を成長させ、そして、その事業が社員をさらに成長させるのです。

このような事業成長の文化と体制を構築する支援が、私たちが提供している「チームで挑戦する『事業成長への行動』推進モデル」です。このメソッドは、このノートで解説した「事業成長に貢献する行動の障害」を回避でき、確実に目標達成と事業成長を遂げるための体系的なメソッドです。

私たちは、多くのクライアント企業の業務改善/パフォーマンス向上/変化変革を実践しました。事業を成長させるための豊富なノウハウと経験があります。より具体的な内容に関する質問やご依頼は下記からお問い合わせください。

力を合わせて、貴社の事業を力強く成長させる組織体制と企業文化を構築しましょう!

(本ノートは、2017年7月1日に書かれたものを再編集しました)
文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳(てらおたくみ, Takumi Terao)
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