自ら考え行動できる能力が必要とされる時代へ! 育成の4つのポイント Vol.262

今、社会で働く会社員は二極化が進んでいます。二極化の一方は、市場や企業から認められ求められる人たちです。この人たちは様々な機会を得ることができ、希望に近い報酬を手にすることができています。
もう一方は、希望する機会や報酬を手にすることができない人たちです。
どうしてどのような違いが生まれているのでしょうか?
その違いを生み出している要因の一つは「自ら考え行動する働き方ができているかどうか?」です。
今は「自ら考え行動できる人」が求められる時代です。その様な社員を一人でも多く増やさなければ、企業は成長できません。簡単なことではありませんが「自ら考え行動できる人」を育てなければなりません。
ですが、社員に「自ら考えろ!」とただ言っているだけでは育ちません。どうしたら育成できるようになるのか、その方法について解説します。


自ら考え行動する人だけがビジネスの世界で認められ求められる時代へ

仕事ができる人とできない人が二極化し始めている!

今週もたくさんの出来事がありました。

起業する前、私は外資系企業で働いていました。その会社に勤めていた時に大変お世話になった上司がなくなり、12月20日にお通夜がありました。大変お世話になった方だったので、残念で寂しい思いでした。
そのお通夜には多くの諸先輩方や同僚も来ていて、久しぶりに再会できました。
久しぶりに話をしてみますと、それぞれがそれぞれの人生を過ごしていることがわかりました。

その2日後、12月22日(水)は今年最後の研修の日でした。
その日の研修は、様々な業界・企業の社員が集まり「意思決定」について考える研修でした。
[参照: リーダーに求められる効果的な意思決定プロセス – ビジネス・シンク®]
お昼休みの時、研修の参加者たちと「今ビジネスにおいて求められている人の特性とは?」について話しました。
最終的に皆で合意したのは「今の仕事環境は、仕事ができる人とできない人が二極化し始めている」ということでした。


以上のように、様々なできごとがあった1週間でしたが、今週特に考えていたことは「自ら考え行動できる人しかビジネスの世界では生き残れなくなる!」ということでした。


働き方が人生にどのような影響を及ぼしていたか?

話が少し戻りますが、そのお通夜にはさまざまな諸先輩方や同僚たちが来ていました。
「今、何をしているのですか?」を伺いますと、3つに分類できることに気がつきました。

【分類1】高齢のために年金で生活をしている人たち
高度成長経済の中サラリーマンとして働き、バブル崩壊とともに仕事をやめた世代の人たちです。
年齢的にも75歳を超えていて、老後を楽しく過ごしているようでした。
この世代の人たちは年金の心配はないので、お金には困っていないようでした。

【分類2】様々な企業で経営者や事業主として頑張っている人たち。
年齢的には40歳から70歳くらいの人たちで、かつ、ベンチャー企業を起こした人や外資系企業の社長や取締役を担っている人たちです。
この人たちと一緒に働いていた時のことを思いだしてみると、「自ら考え行動する」ことを実践し上層部にもお客様にも評価され活躍した人たちでした。

【分類3】同じ40歳から70歳くらいの年齢の人たちですが、サラリーマンとして働いている人たち。
現在もその会社の社員として働いている人、もしくは、幾つかの会社を転々として会社員として働いている人です。
この人たちは、仕事の面では「自ら考え行動する」姿勢をあまり感じない人たちでした。


それぞれの人の現在の年齢や当時の仕事ぶりを思い出しながら話を伺っていたのですが、ある意味「原因と結果の法則」のようなものを感じました。

「今のビジネス状況」と比べると、当時はまだ現在ほど急激な変化ではなかった時代でした。それほど変化が激しくなかった当時においてもその時の働き方次第でその後の人生が大きく変わっていました。すなわち、現在手にしている機会や報酬が違っていました。

これからの未来において、この「働き方の差」によってその後に手にすることができる機会や報酬の差はというのはますます拡大していくでしょう。


過去「自ら考え行動する」は求められていたのか?

バブルが終わるまでの高度成長期の日本では、「言われたことをしっかり行う」ことが求められている時代でした。
実際に「言われたことをしっかり行う」事をしていれば十分に仕事がありました。


例えば、ものづくりの仕事の現場などです。
工場には多くの労働者がいて、同じ作業を正しく忠実におこなっていました。
同じ作業を正しく忠実に行ってくれないと、品質が安定できないからです。
物を作る世界では、それが求められていることでした。
ですが、そのような仕事はロボットが担うようになっています。
「言われたことをしっかり行う」だけですむ仕事というのはどんどん減っています。


この「言われたことをしっかり行う」という仕事を長く続けてきた人には下記のような傾向があります
  • 「与えてもらうこと」が習慣となっており自ら考える能力が乏しい
  • 「なにが問題か?」「どうすればいいか?」を自ら考えることができず、人に教えてもらわないとわからない
  • 「不満」に対する文句は言えますが、自らその「不満」を解消する取り組みをしない
  • 変化に対する抵抗感が強く、変化を率先することができないどころか、受け入れることができない
  • 「改善」という必要な変化でさえ抵抗する


  • 「自ら考え行動する」人に共通する特性とは

    今の時代に求められていることは、自ら考え行動できる人です。
    特に、「付加価値」「サービス」「ソリューション」「イノベーション」という要素が求められる仕事では自ら考え行動できる応用力のある人が求められます。
    応用力を発揮できるから、お客様に期待以上の貢献や感動を与えることができます。

    自ら考え行動できる人に共通する要素とは下記です。
  • 目的や目標が明確であること
  • 社内外の状況をしっかり観察・認識できること
  • その状況と目的や目標との差やギャップを認識できること
  • そのギャップを埋めるための対策を考えられること
  • それらのことに対してチームを巻き込んで取り組めること


  • 「自ら考え行動する」人の育成の4つのポイント

    あなたの会社ではこのような「自ら考え行動できる人」を育成できていますか?
    あなたの会社や組織にこのような人が足りなければ、雇うか、もしくは、育てる必要があります。

    一番手っ取り早いのは「雇う」ことと思われがちですが、そのような人はなかなか見つかりません。
    通常そのような人はどこでも力を発揮できる存在ですので、会社内で重要なポジションにいます。ですから、その会社が手放そうとはしません。
    また、重要なポジションにいる人ですから、そのような人を雇うためには相当な報酬を用意しなければなりません。
    ですので、もっとも現実的な解決策は、自社で育てられる教育体系を整備し、着実に育成することです。


    「自ら考え行動する人を育成すること」は、企業の長期的な成長には必須条件です。
    具体的には、下記の4つのポイントに取り組む必要があります。
  • (1) 社員に対して、「自ら考え行動するモデル」に関する研修を実施する
  • (2) 半期/四半期ごとに目標設定を行い取り組む
  • (3) マネージャーがしっかりとティーチングとコーチングを行う
  • (4) 目標の評価を行う

  • 上記の通り、「自ら考え行動する人を育成する」取り組みにおいて鍵をにぎるのは、「個別の課題を与え、その課題を解決するための活動に取り組ませること」です。


    もうおわかりだと思いますが、上記で説明した「自ら考え行動する人」を育成するために必要なことは、目標管理(MBO)で取り組んでいることと一緒です。
    目標管理(MBO)に取り組んでいるのに、「自ら考える人」が育っていないということは、主に下記が原因となっています。
  • (1) 目標管理(MBO)の運用が間違っている
  • (2) 業務モデルが明確になっていない
  • (3) マネージャーがティーチングとコーチングを行う能力が乏しい
  • (4) 社員が社内外に発生している問題の改善活動に取り組んでいない

  • 以上のようなあなたの会社の中に潜んでいる問題を特定し、改善する必要があります。
    特に、マネージャーが目標管理(MBO)のを通して社員を育成するスキルを強化することは大切です。
    「個々のメンバーに個別の課題を与え、その課題を解決するための活動に取り組ませること」を支援できる能力を持つマネージャーが必要なのです。


    「自ら考え行動する」人が育つ環境を提供することは企業の必須条件!

    「自ら考え行動する」人を育てることは企業が持続的な成長をするための必須条件です。
    育成に取り組めば、対象となる社員全員が「自ら考え行動する人」へと育つわけではありません。ですが、10人のうち1人くらいは育てる必要があります。まずは1人が企業の未来を担えるようにします。
    1人育てば、次は2人目、そして3人目と増やしていきます。

    「自ら考え行動できる人」を育てるためには、会社として下記のような環境を用意することも非常に重要です。
  • 会社の業務モデル・業務プロセスを明確にする
  • 改善の効果が測定しやすい仕組みを構築する
  • MBOを通してしっかり育成できるマネージャーを育てる

  • あなたの会社は、「自ら考え行動する」社員を育てることができる体制が整っていますでしょうか?
    もし整っていなければ、その環境を整えることから始める必要があります。
    そして、整っているのに育っていなければ、どこかに問題が潜んでいます。
    是非、私たちにご連絡ください。一緒に問題解決に取り組みましょう。あなたの会社に「自ら考え行動する」社員を増やすことが出来るように支援します。
    日本にもっと「自ら考え行動する人」が増えるように、今後も頑張っていく所存です。


    (本コラムは、2015年12月27日に書かれたものを再編集しました)
    文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳 (てらおたくみ, Takumi Terao)
    Copyright (C) 2015 T-SQUARE Co., Ltd. All rights reserved.


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