自ら考え行動できる能力がますます必要とされる時代へ / 育成の4つのポイント Vol.262

「自ら考え行動できる人」が求められる時代です。その様な社員を増やさなければ、企業は成長できません。
簡単なことではありませんが、そんな社員を育成できない原因、そして、どうしたら育成できるようになるだろうか、その方法について考えてみます。

自ら考え行動できる人しかビジネスの世界では生き残れない

今週もたくさんのことがあった1週間でした。
12月20日(月)、起業する前15年間勤めた会社で大変お世話になった大先輩がなくなり、そのお通夜に行きました。
大変お世話になった方だったので本当に寂しい限りです。
多くの諸先輩方や同僚も弔問に集まっていました。
その集まっていた諸先輩方や同僚には、以前の仕事ぶりから「自ら考え行動してきた人」と「そうではなかった人」がおり、今それぞれの人生を過ごしていました。


そのお通夜の2日後の12月22日(水)は、今年最後の研修を行なった日でした。
様々な業界・企業の社員が集まり「意思決定」について考える研修でした。
[参照: リーダーに求められる効果的な意思決定プロセス – ビジネス・シンク®]
その研修の中でも、お昼休みなどの休憩時間で「今ビジネスにおいて求められている人の特性」について参加者たちと考えました。


お通夜があったり研修があったりいろいろあった1週間でした。
この1週間ずっと考えていたことは「自ら考え行動できる人しかビジネスの世界では生き残れない」ということです。
非常に厳しい言葉ですが、私はそう思っています。


働き方の違いによる結果は?

お通夜の席で、その諸先輩方や同僚たちの現在の状況を聞いてみると、3つに分類できることに気がつきました。


【分類1】もう相当高齢のために年金で生活をしている人たち
バブル景気が崩壊した後、10年以内に定年を迎えた人たちです。
年齢的にも75歳を超えていて、老後を楽しく過ごしているようでした。
この世代の人達は年金の心配はないので、お金には困っていないようでした。


【分類2】様々な企業で経営者や事業主として頑張っている人たち。
年齢的には50歳から70歳くらいの人たちです。
ベンチャー企業をはじめた人、外資系企業の社長や執行役を担っている人でした。
私がその会社に所属している時、「自ら考え行動する」ことを実践していた人はこの分類が多かったです。
自ら考え行動しているので、自分でビジネスを始めたり、人から請われてビジネスを担っているのです。


【分類3】同じ50歳から70歳くらいの年齢の人たちですが、サラリーマンとして働いている人たち。
その会社に属していたり、転職していたり、会社は様々ですがサラリーマンとして取り組んでいる人たち。
私がその会社に所属している時、「自ら考え行動する」姿勢はあまり感じない人たちでした。


過去どのような働き方をしているかによって、その結果に違いがありました。
未来において、この差は益々拡大していくでしょう。


過去、「自ら考え行動する」は求められていたのか?

バブルが終わるまでの高度成長期の日本では、「言われたことをしっかり行える」ことが求められている時代でした。
実際に「言われたことをしっかり行う」事ができれば十分仕事がありました。


例えば、ものづくりの世界。
工場には多くの労働者がいて、同じ作業を正しく忠実におこなっていました。
同じ作業を正しく忠実に行ってくれないと、品質が安定できないからです。
物を作る世界では、それが求められていることでした。
でも、もうそんな仕事はどんどんロボットが担うようになっています。
「言われたことをしっかり行う」仕事はどんどん減ってきています。


この「言われたことをしっかり行う」という仕事を長く続けてきた人には、ある傾向があります。
自ら考える能力が乏しくなってきます。
「なにが問題か?」「どうすればいいか?」を自ら考えるのではなく、人に教えてもらわないとわからなくなってしまっています。
「与えてもらうこと」が習慣となっている人たちです。


今は「自ら考え行動する」が必須になった!

ですが、今の時代に求められていることは、自ら考え行動できる人です。
特に、「付加価値」「サービス」「ソリューション」「イノベーション」という要素が求められる仕事では、自ら考え行動できる人が求められます。
決められたことを行っている人には、人に高い貢献や感動を与えることができないからです。
「自ら率先して発見し得ること」が習慣となっている人たちです。


自ら考え行動できる人に共通する要素とは、
・ 目的や目標が明確であること
・ 社内外の状況をしっかり観察・認識できること
・ その状況と目的や目標との差やギャップを認識できること
・ そのギャップを埋めるための対策を考えられること
・ それらのことに対してチームを巻き込めること
です。


「自ら考え行動する」人をどのように育成するか?

あなたの会社では、このような「自ら考え行動できる人」を育成できていますか?
あなたの会社や組織にこのような人が足りなければ、雇うか、もしくは、育てる必要があります。
一番手っ取り早いのは「雇う」ことと思われがちですが、実はかなり困難です。
通常そのような人はどこでも力を発揮できる存在ですので、会社内で重要なポジションにいますから、会社が手放そうとしません。そのため、そのような人を雇うためには相当な報酬を用意しなければなりません。
なので、もっとも現実的なのは、そのような人を育てられる教育体系を作り育成することです。
時間はかかりますが…


「自ら考え行動する人を育成すること」は、企業の長期的な成長には必須条件なのです。
具体的にどのようなことに取り組む必要があるかと言いますと、
(1) 社員に対して、「自ら考え行動するモデル」に関する研修を実施する
(2) 半期/四半期ごとに目標設定を行い取り組む
(3) マネージャーがしっかりとティーチングとコーチングを行う
(4) 目標の評価を行う
です。
鍵をにぎるのは、「個別の課題を与え取り組ませること」です。


もうおわかりだと思いますが、「自ら考え行動する人」を育成するために必要なことは、目標管理制度(MBO)の内容とほぼ一緒です。
目標管理制度(MBO)に取り組んでいるのに、「自ら考える人」が育っていないということは、下記が原因となっています。
(1) 目標管理制度(MBO)の運用が間違っている
(2) 業務モデルが明確になっていない
(3) マネジメントがティーチングとコーチングができていない
(4) 社員が社内外に発生している問題の改善活動に主導していない
これらに関わる社内に潜んでいる問題を特性し、改善する必要があります。


まとめ

「自ら考え行動する」人を育てることは重要です。
簡単に自ら考え成長するようにはならず、時間がかかる取り組みです。

日本にもっと「自ら考え行動する人」が増えるように、今後も頑張っていく所存です。
特に、若い人たちが一人でも多く「自ら考え行動する」ようになり、未来の成長を先導する人になって貰う必要があります。
ぜひ、貴社に「自ら考え行動する」社員を増やすことが出来るように支援します。
まずは、話し合うことからはじめませんか?


文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳 (てらおたくみ, Takumi Terao)
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