あなたの会社には営業日報は必要?不要? > 効果的な判断はこの手順で行なう!

営業に関する書籍・雑誌の特集・インターネット上の記事には、「営業日報は必要ない!」という意見をよく見かけます。
私たちがコンサルティングをしたクライアント企業でも、営業日報を書いている企業と書いていない企業がありました。
営業日報を書くことに効果があった企業もありましたし、時間の浪費となっていた企業もありました。
営業日報を書かないことが効果的な企業もありましたし、効果がなかった企業もありました。
では、あなたの会社では営業日報を書いたほうが良いのでしょうか? 書かなくてもよいのでしょうか?
それを正しく判断できている企業は少ないようです。
今回は「営業日報は本当に必要か?」「その効果的な判断手順」について考えます。

あなたの会社には営業日報は必要?不要? その効果的な判断手順を考えよう

営業日報のメリット・デメリット

営業日報のメリット・デメリットを考えてみましょう。
まずは、営業日報のデメリットです。
  • 何しろ手間がかかる
  • 時間がかかる
  • それなのに誰も読んでいない
  • 書いている人すら後で見直すことがない

  • マネージャーが日報に目を通して適切なコメントや助言をくれるならば、営業も日報を書く必要性を感じるでしょう。
    ですが、「昔からの会社のルールだから…」という理由だけで書くことを求められ、誰も読んでくれないのであれば、書く意欲など決して高まりません。


    では、営業日報のメリットはどうでしょう?
  • お客様のニーズの変化・購買動向、そして、競合の変化の情報収集や整理
  • 商談の状況の把握
  • 営業のスキルの向上度合いの確認
  • マネージャーとメンバー間の情報共有の促進

  • 営業日報もこのように活用されていれば、書く必要があるのでしょう。


    営業日報を書いていない企業の状況は?

    日報という名前がついている以上、毎日書かなければなりません。
    そして、毎日日報を書こうとすると1日30分から1時間、日報のために時間を取られます。
    時には、日報を書くためだけに会社に戻らなければならないこともあります。
    日報をためてしまうと1日中日報を書いているという状況になってしまいます。
    場合によっては、日報を書くために残業したりします。


    日報に時間を使っているということは、その分、「お客様に会う」という営業が本来使わなければいけない時間を減らします。
    日報を書かなければ、その分営業が本来すべき顧客訪問時間を増え残業時間は減らすことができます。
    日報を書かなければ、営業の生産性を上げることができそうです。

    それらの理由により、ある外資系のクライアント企業ではだいぶ前に営業日報をやめ、その代わりに週1回の営業会議を行っていました。

    ですが、その会社の営業会議では、
  • いくら売れるか?
  • どの商談が契約できるか?

  • という数値だけの管理となっていました。
    その結果、営業同士の相互の協力関係・営業の意欲や能力向上の問題が発生し、売上が低迷する状況に陥っていました。
    すなわち、営業日報を辞めてしまうことのデメリットが大きい場合もあるのです。


  • ただ書くだけになっている
  • 誰も見ない
  • 慣習だけが理由で書かれている

  • そのような営業日報はムダです。やめるべきです。
    ですが、書くべきことをしっかり決めて営業日報に取り組むことは売上の増加につながります。


    営業日報を書くように提案することもある!

    他のクライアント企業では「お客様との関係強化」に取り組んでおり、営業に日報を書くことを取り組ませていました。
    経営層が「日報を書くことはお客様との関係強化のために必要だ!」と判断し、それが売上向上につながっていました。

    そのため、私たちはクライアント企業に対して、
    「営業は嫌がるかもしれませんが、あなたの会社の売上成長(Sales Growth)を達成するために、営業日報に取り組みましょう!」
    と提案することもあります。
    特に、新規顧客や新規商談の開拓を増やしたいクライアント企業に対して、お客様のニーズの変化や投資・購買動向を日報で収集し、その情報から戦略的な活動計画を策定することができるからです。
    参照: [法人営業研修] 訪問計画の戦略化プログラム ~ 限られた営業リソースを最大限に活用し、成果を最大化!(Maximizing Sales Resources)


    営業日報の目的は? 何を書くべき? 判断手順は?

    企業にとって本当に重要なことは、営業日報を書くか書かないかではなく、
  • 今期の目標を達成するためにしっかり業務を行うこと
  • 企業がもっとお客様に貢献し、継続的に売上や利益を増やせるようになること
  • です。
    これらの実現に「営業日報という手段が役立つかどうか!」が重要です。

    そして、これらの達成に役立つ営業日報に書かれるべきことは下記の3つです。
    (1) 訪問件数や訪問相手に関わること (訪問時間や面会時間を含む)
    (2) 商談に関わること (新しい商談の発掘、商談の進捗など)
    (3) 1-2年程度の今後の見込 (投資・購買の動向など)

    (1)と(2)は「今期の目標を達成するためにしっかり業務を行うこと」につながります。
    (3)は「企業がもっとお客様に貢献し、継続的に売上や利益を増やせるようになること」につながります。


    では、あなたの会社では、営業日報を書くべきでしょうか? 書く必要はないでしょうか?
    その意思決定を効果的に行なうためには、次の3つのステップで検討します。


    【判断ステップ1】受注をするためにはお客様のニーズを理解することが大切か?

    営業日報を書いていない企業の営業と同行しその商談を観察しますと、顧客との商談内容を丁寧にノートに書いていないことが目につきました。
    つまり、営業をする上で非常に重要な市場動向(マーケット情報)やお客様のニーズを集めていないのです。

    販売している商品やサービスによっては、受注するために下記のお客さまのニーズを把握することが大切です。
  • お客様はなぜ購入したいのか?
  • どんな要望があるのか?
  • 競合はどこか?
  • 選定基準は何か?

  • 今後の営業戦略の精度を高めるためには、商談に関わる情報だけではなく、市場動向(マーケット情報)など投資・購買動向やライバル会社との取引などの情報を会社に報告することが重要です。
    ですが、そのような大切な情報をノートに記録していないのです。
    そのような情報を記録として残していないと、月末にマネージャーから「この商談はどんな状況か?」と聞かれても適切に状況を説明できません。
    「これからどうすればよいのか?」と聞かれても合理的な計画をすることができなくなります。
    優秀な営業は、しっかりノートを取り、商談の進捗に関わる情報や今後の投資動向や競合の情報をできるだけ詳しく記録しています。


    【判断ステップ1】受注をするためにはお客様のニーズを理解することが大切か?

    Noならば、商談の内容などを日報に書くのではなく訪問件数や訪問先を簡単に報告するだけで良いでしょう。日報を書くことに営業の限られた時間を使わせるよりも、その分少しでも多くお客様訪問に使う方が効果的です。

    Yesならば、営業日報が必要かもしれません。次のステップでより具体的に検討しましょう。


    【判断ステップ2】商談あたり3回以上の面談が必要か?

    あなたの会社の商品やサービスを販売するために、何回くらいお客様と面会する必要がありますか?
    1,2回の面会で済むような商品やサービスであれば、営業日報という方法は効果的です。
    お客様との商談の全体像を営業日報の中で書き留められ、マネージャーなどもその商談の全体がわかりやすいからです。


    しかし、3,4回、もしくは10数回の面会や商談を行なう必要がある商品やサービスの場合には、日報のような記録や報告では、お客様の計画や商談の状況に関する情報が分断されてしまい、全体像や一連の流れがわかりにくくなります。
    すなわち、商談あたり3回以上お客様と打ち合わせをすることが必要な商材の場合には、日報という情報収集・報告体系ではなく、商談情報としての情報収集・報告体系が効果的です。
    商談の全体を一連の流れとして情報を確認できることで、今後の商談計画ができるようになります。
    もし、「日報も行っている」「商談進捗レポートも出させている」と両方やっているのであれば、それは過剰な作業をさせている可能性があります。
    営業がもっとお客様のために時間を使えるようにすべきです。


    【判断ステップ2】商談あたり3回以上の面談が必要か?

    Noならば、営業日報で商談の受注の理由・失注の理由を簡単に書きましょう。
    特に、失注の理由が大切です。今後、会社としてその対策を取る必要がります。また、相手の投資・購買動向の情報が企業によって必要な場合、その情報を月間報告という形で報告することも検討すると良いでしょう。

    Yesならば、日報のように毎日書く必要はありませんが、商談に関する進捗情報を報告する必要があります。
    もう少し具体的に判断するために、次にステップで更に検討しましょう。


    【判断ステップ3】商談には、複数のチームで行いますか?

    あなたの会社の商品やサービスを販売するために、営業1人で行いますか? 
    それとも、マネージャーやエンジニア、マーケティングなど、ほかの人とチームで行うことが多いですか?

    もし多いのであれば、チームのメンバーと商談情報を共有化しながら進めることが必要です。
    都度、その商談の進捗を共有しておくからこそ、より効果的に商談を進めることが出来るようになります。


    【判断ステップ3】商談には、複数のチームで行いますか?

    Noならば、営業1人がしっかり商談情報を把握できていれば、商談は進みます。ですので、特に営業日報も商談情報も必要ないでしょう。
    ですが、今後の投資動向・購買動向やライバル会社との取引状況は今後の営業戦略を立てる上で必要です。特定の重要顧客を指定し、その重要顧客では都度報告する必要があります。それは、毎日ではなく毎週・毎月くらいの頻度で大丈夫です。
    また、営業が新人や若手の場合には、「お客様を理解できる能力」を高める必要があります。その営業を育成するためにも、まだ若手の期間だけは営業日報として商談情報を報告させることは効果的です。

    Yesならば、商談の進捗情報、および、特性の重要顧客の投資動向・購買動向やライバル会社との取引状況を報告させることが必要です。
    チームで商談情報を共有できる情報収集や報告体系が必要です。報告頻度としては、毎日ではなく、都度で良いでしょう。


    営業日報の見直しを始めよう!

    私たちは、”営業はしっかりと「お客様や市場の理解」「商談の状況や進捗の理解」「競合の理解」をすべき“と考えています。
    そして、これらのことは「今期の目標を達成するためにしっかり業務を行うこと」「企業がもっとお客様に貢献し、継続的に売上や利益を増やせるようになること」に必ずつながります。


    この企業にとって本当に重要なことを中心で考えると、営業がしっかり情報を取り、会社に正しく報告することは必要です。
    ですが、企業の商談のスタイルやお客様との関係性の重要度に基づいて、そのやり方は営業日報以外のやり方でも良いと思います。
    また、報告体系を見直す際には、営業のマネジメント方法を見直すことから始めるとさらに効果的になります。


    もし、貴社内での報告体系でお困りであれば、いつでもお問い合せください。
    まずは、その問題についてお話をしましょう。
    私たちが、売上成長(Sales Growth)を成し遂げることに役立つ、あなたに会社にとって最適な情報管理・報告体系を構築する支援を致します。


    (本コラムは、2008年3月3日に書かれたものを再編集しました)
    文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳 (てらおたくみ, Takumi Terao)
    Copyright (C) 2008 T-SQUARE Co., Ltd. All rights reserved.

    お問い合わせ先
    ご質問・ご依頼など当社へのお問い合わせ

    一緒に読まれているコラム
    営業部門のパフォーマンス最大化の教科書 ~ “営業管理”から”組織と個を成長させる営業マネジメント”へ
    営業プロセス最適化の教科書 ~ 営業組織のパフォーマンス(業績)を最大化するもっとも強力な施策!
    その営業会議、本当に効果が出てますか? ~ 目標達成に導く理想の営業会議の進め方! 売上目標達成の確度を高める方法 > ポイントは「顧客の購買プロセス」に合わせて営業案件管理を行なう!
    顧客との信頼関係を構築するもっとも強力な方法とは? ~ 営業成績のV字回復にも有効な手法!
    行動管理のように量だけで営業を管理するよりも、質を重視して管理することが売上を伸ばす!
    企業が育てるべき「優秀な営業の姿」とは? 自社で優秀な営業を育成する2つの基本的な取組方法

    関連するソリューション
    [法人営業研修] 訪問計画の戦略化プログラム ~ 限られた営業リソースを最大限に活用し、成果を最大化!(Maximizing Sales Resources)
    [法人営業研修] 新規の商談機会開拓技法 ~ 営業の「商談機会発掘スキル」強化理論の決定版!(Develop New Opportunities)
    [法人営業研修] 法人営業 基盤スキル強化研修シリーズ / Improving KPI of Sales Process
    [コンサルティング] 法人営業力診断(営業力アセスメント) ~ 営業組織を目標達成 & 継続的成長へと導く具体的課題と施策を手に入れる!(BtoB Sales Force Assessment)
    [コンサルティング] 改善・変革プロジェクト遂行支援 ~ 業績向上を目指すプロジェクトの立案・推進を支援!(Helping Improvement Project)

    関連する導入事例
    《お客様事例》株式会社サカエ様 ~ 顧客をリードするプロアクティブな営業マンの育成研修で、売上が45億→55億に!
    新規開拓力を強化し保有商談数2倍へ! ~ 新規商談機会の開拓技法プログラム 導入事例 《法人向けサービス会社》
    法人営業の開拓力を強化し新規顧客増加! ~ 訪問計画の戦略化プログラム導入事例《法人向けサービス会社》
    商談をリードする! 積極的(プロアクティブ)営業力の強化研修 フェーズ2 [クライアント: エンジニアリング企業様]
    売上二桁成長が実現できる営業変革プランを手に入れる! ~ 法人営業診断(アセスメント)導入事例《外資系製造業》