その営業会議、本当に必要ですか? 目標達成に導く営業会議の進め方

無駄な営業会議は、営業の生産性を下げている!?

会社に会議はつきもの。関係するメンバーが集まって問題について話し合い、合意を形成する大切な場が会議です。その一方で集まる目的を忘れ、単なる儀式になった生産性の低い営業会議も多いのではないでしょうか。
何を話し合うのかという「目的」が忘れられ、集まるという「手段」だけが重要視される会議は、営業マン1人ひとりの貴重な時間的リソースを無駄にしているといえるでしょう。会社を長期的な成長に導き、かつ生産性の高い会議はどうしたら出来るか、こうした視点がいま強く求められています。

営業の目標達成に導く営業会議の進め方

営業会議を行う真の目的を、常に意識していますか?

生産性の高い営業会議を行うためには、下記がポイントとされています。

  • 事前にアジェンダや資料を準備してから取り組む
  • 出席者全員が意見を言いやすいムードづくり
  • 学び、成長しあえる場にする

  • これらはもっともなことですが、なかなかうまく行きません。多くの企業では、営業マネージャーが一方的に話をしている営業会議が多いようですが、御社では如何でしょう?


    営業会議を行う真の目的は、営業組織と営業担当者、両方の生産性と営業品質を高めることです。その結果、年間(もしくは半期)の売上目標を達成し、継続的な利益の獲得を目指すのです。そのための具体的な方法がその営業会議に盛り込まれているか。会議ではこの視点を忘れないことが大切なのです。

    「もっとがんばります!」と言わせてしまう営業会議で生じる、2つの問題とは?

    一般的な営業会議では、営業マネージャーが会議の進行役を担い、主に今後1-2ヶ月の売上予測について話し合うと思います。会議でよく交わされる言葉は、こんな感じではないでしょうか?

    上司から:
    「先月は¥xxx売れた。目標を何とか達成できたね!」
    「先月ABC製造(架空の会社名)が受注できなかった。どうして受注できなかった?」
    「今月は¥xxxが売上目標だ。ぜひ達成してほしい!」
    「売上目標を達成できるだけの見込商談件数が少ない者は、もっとお客様への訪問件数を増やしてほしい!」
    「ABC製造様の商談は必ず受注してほしい!」


    一般的な営業会議では、
  • 営業マネージャーからの一方的な質問
  • 営業からの質問への回答
  • 営業マネージャーからの指示
  • という会話の流れで構成されています。


    つまり、多くの営業会議の場では
    (1)売上結果とその確認
    (2)営業の『来月はもっとがんばります』という決意を引き出す
    という2つのことが主な目的となっています。これらは必要ですが、十分ではありません。このような会議の進め方では、下記の2つの問題を生じさせてしまいます。


    問題1 営業に「言い訳すればいいや」という意識を生み出してしまう

    問題の1つ目は、営業に「言い訳すればいいや」という意識を生み出してしまうことです。「なんで受注できなかったんだ?」と会議の場で聞かれた時、営業は「急にお客様の担当者が変わりまして…」「競合がとんでもない値引きをしてきましたから…」「新しい競合が現れたので…」という言い訳に終始します。これでは「がんばったのですが、どうしようもなくて…」という言い訳を生み出す訓練をしているようなものです。
    本来は「どうしようもない…」という状態にならないように「どうすればよいのか?」を学び、日ごろから計画して実行できることが目的なはずです。


    問題2 営業会議の「がんばれ!」「がんばります!」が、改善活動をなくしていく

    問題の2つ目は、「考え、実行し、経験し、そして改善する」という改善活動をなくしてしまっていることです。「どんなことをするのか?」「他の良いアイデアはないのか?」「結果はどうなったのか?」と営業が考える必要があるのですが、「がんばれ!」「がんばります!」では営業が考えることをしません。
    行動を計画し、実施し、結果をチェックし、そして、次はどう改善すればよいのか、PDCAのサイクルが回っていないのです。PDCAのサイクルが回っていなければ、そこに成長はありません。


    このような問題を生じたまま営業会議を継続すると、本来なら受注できたはずの商談も受注できなくなります。
    すなわち、成約率が下がります。
    そして、営業が成長する余地がなくなります。
    成長を感じなければ、営業のやる気やモチベーションが下がります。
    ますます企業が成長していくことが困難になっていくのです。


    営業会議に求められる、営業マネージャーの大切な役割はPDCA

    では営業マネージャーは、どのように営業会議をリードすべきでしょうか?
    そのための第1歩は、「1つひとつの商談の進捗を話し合う」ことです。まずは会社内で定義されている営業プロセスにもとづいて、その商談の状況を確認していきましょう。
    [営業プロセスにも様々ありますが、どのような営業プロセスが定義されているかが重要です。営業プロセスについては、営業プロセス最適化の教科書 > 営業組織の成果を最大化するもっとも強力な方法を参考にしてください]


  • この商談は営業プロセスのどこにいるのか?
  • 次のステップへ進めるためには、何をすればよいか?

  • この2つを考えることで、商談のスタートからゴールまでの道のりが記された地図を確認することになります。いまどこにいてどこへ向かっているのか、ゴールに近づくためには何が問題でどうすればよいのか。こうした視点でマネージャーと営業が進捗を確認することで、自然にPDCAを踏まえた計画につながります。


    こんな営業会議の進め方ならGOOD!

    例えば、ABC製造様への製造装置の提案をしている商談があったとします。
    この商談は金額が大きく、2ヶ月後の売上目標を達成するためには非常に重要な商談です。
    早速営業プロセスを中心とした商談の進捗管理を行ってみましょう。
    そうすると、下記のようなコミュニケーションが可能となります。


    【営業課長】  この商談はどんな状況だ?

    【営業Aさん】  今は予算申請中です。

    【営業課長】  なるほど。では、この商談注文に結び付けるためには何が必要だ? 次のステップは、概略要求仕様だな。概略要求仕様はどんな状況だ?

    【営業Aさん】  まだ、要求仕様はできていないようです。

    【営業課長】  では、私たちができることはないか?

    【営業Aさん】  そうですねえ、次のステップは概略要求仕様ですから、お客様がそれをできるまで待つしかないですね。

    【営業課長】  他に、私たちが顧客の購買プロセスを先へ進めるために協力できることはないかな?

    【営業Aさん】  詳細な仕様書をお客様に渡すことくらいでしょうか?

    【営業課長】  なるほど、Aさん以外の人はなにか考えはないか?

    【営業Bさん】  たぶん、このケースはDEF製造様(架空の会社名)と似ているので、その際の課題とその課題をどのように解決したか、提案するのはどうですか? 資料はあったと思います。そのまま使われるのは問題ですが、少し修正すれば使えると思います。

    【営業Aさん】  なるほど。こうしたケースでは顧客の概略要求仕様の作成のお手伝いをすればいいんですね。来月中に実施してみます。

    【営業課長】  ではこの商談は来月「概略要求仕様」の完了を目標としよう。活動結果を来月報告してくれないか?


    このように営業プロセスをもとに商談の進捗管理を行うことで、1つひとつの活動をPDCAに分解し、次の行動を検討できるようになります。
    来月の各商談の目標を設定し(Plan)、何をするかを設定し(Do)、評価(Check)できます。何をするか(Action)に関しては、チーム全体で考え、いろいろ意見を出し合うことで学びあえます。また盛んなディスカッションを通じて、他の営業が持っている顧客の課題をチーム内で共有し、新たな商談に活用することも可能になるでしょう。


    「営業はプロセスである」ということを常に意識しよう

    これまでなんとなく集まって時間を浪費していた無駄な営業会議から、営業が成長する生産性の高い営業会議へ変わりましょう。そのためにはぜひ上記のような方法から試してみてください。「営業はプロセスである」ということを常に意識し、学び、体得するための営業会議が浸透すれば、必ず営業結果が変わります。

    とはいえ長年行ってきた営業会議を変えることは、マネージャーたちの抵抗などもあり難しいことも多いでしょう。
    そのような場合には、是非私たちへご連絡ください。
    御社と力を合わせて、私たちが営業会議を効果的にする支援をいたします。


    (本コラムは、2008年2月24日に書かれたものを再編集しました)
    文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳 (てらおたくみ, Takumi Terao)
    Copyright (C) 2008 T-SQUARE Co., Ltd. All rights reserved.


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