売上目標達成の確度を高める方法 > ポイントは「顧客の購買プロセス」に合わせて営業案件管理を行なう!

法人営業(BtoB)強化のコンサルティグを通して、クライアント企業からよくお聞きする悩みに「売上目標の達成率が低い!」「案件の成約率が低い!」があります。
多くの営業企業では「毎月の売上目標」と「外出量と訪問計画 (もっとお客様のところへ訪問しろ!)」による営業管理が行われていますが、それでも「売上目標の達成率が低い!」「案件の成約率が低い!」という問題は解決できていません。
営業支援ツール(SFA)を導入している企業でも同じ問題を抱えています。
これらの問題解決の鍵となるのは「案件管理の導入もしくは案件管理の見直し」です。案件管理の導入・見直しで、案件の確度と成約率を高め、その結果として、営業目標達成の確度が向上します。
実際にクライアント企業と取り組んだ案件管理の導入方法についてご案内します。

確実に売上目標を達成するための対策のポイントは「顧客の購買プロセス」に合わせて営業案件管理を導入する!

行動管理をしても案件確度が悪いままだった!

なぜ、売上目標の達成率と案件の成約率を改善したかったのか?

あるクライアント企業では、「営業の売上目標の達成率が悪い!」「案件の成約率が悪い!」という問題に直面していました。
このクライアント企業は法人向けのビジネスサービスをしている企業で、営業は5名、受注単価は通常50万円から150万円の範囲でした。

毎月の売上目標に対して、できたり達成できなかったり、という状況でした。
時には毎月の目標に対して1.5倍の売上となることもありますし、売上がほぼ0という時もありました。
全く売上がない月があると、社員の仕事がない時期が発生してしまいます。
社員の労働負荷バランスという観点でもなるべく毎月均等に受注できるような状況にしたかったのです。


営業の管理は、訪問件数と毎月の売上金額だった!

このクライアント企業の営業力は他社と比べても高いものでした。
既に、訪問量など営業行動に関する初歩的な営業力強化の対策は出来ており、営業たちは朝の朝礼が終わるとそのままお客様先に出かけ夕方まで戻ってこない状況でした。
お客様との面会にもルールがあり、午前中に2件・午後には3件の面会をすることになっていました。

また、毎週月曜日の朝には営業ミーティングがあり、今月の売上目標と現在の売上実績の確認を行い、そのGAPを認識して営業活動をしていました。

すなわち、多くの営業コンサルティング会社が企業に提唱する「量の営業」は忠実に実行し、
  • 営業に、売上目標と売上実績のGAPをしっかり認識させる
  • 毎月の訪問件数を増やすように徹底する
  • を徹底できていました。


    営業マネージャーは、毎週月曜日の営業ミーティングで「売上の目標達成確率を高めろ!」「案件の成約率を高めろ!」と言い続けていました。
    ですが、言い続けても「営業の売上目標の達成率が悪い!」「案件の成約率が悪い!」という問題は、半年たっても解決されませんでした。


    案件管理の導入に取り組む!

    営業の状態をアセスメント(診断)する

    クライアント企業の営業をアセスメント(診断)してみると、いくつか原因がわかりました。
    このクライアント企業では、半年ほど前から「今月の売上目標の達成確率を高めろ!」「案件の成約率を高めろ!」とマネージャーが言い始めましたが、その結果、下記のようなことが起こっていたのです。

  • 「なんとか今月中に買ってくれませんか?」と催促しすぎる
  • 「安くしますよ!」と安易に値引きしすぎる
  • 上記の結果、お客様が営業を避けるようになっている

  • ある営業は、お客様と会いづらくなっていましたから、会社を朝早く出るのですがその後すぐにはお客様先には行かずに外で時間を潰していました。
    (丸一日お客様先に行っていなかった、ということではありません。外で時間を潰す時間が多かった、ということです。)


    「案件管理」の導入を提案

    上述した通り、営業はお客様へ「今月中に買いませんか?」と催促しすぎていました。
    多くのお客様は、まだ予算すらついていないのに「いつ買ってくれますか?」「どうしたら買ってくれますか?」と催促されていました。
    そこで、これらの問題を対処するために私たちがこのクライアント企業へ提案したのは「案件管理を導入」でした。


    営業は「モノを売る存在」ではなく、「お客様の購買プロセスを先へと進める存在」である

    営業のアセスメントをしてみますと、幾人かのお客様はまだ社内で予算すらついていない状況でした。
    そのため、営業から「今月中に買いませんか?」と催促されても、「もうしばらくかかりますよ!」と回答していました。
    ですが、それでも営業からくどく「今月中に買いませんか?」「安くしますよ!」と言われるわけです。
    お客様がだんだん営業から距離を置こうとする気持ちもわかります。


    多くの人は「営業とはモノを売る仕事である」と考えていますが、それは正しくありません。
    お客様には購買プロセスがあります。そのため、営業の仕事とは「営業とはお客様が購買プロセスを発注へと進めさせる仕事である」がより正しい解釈です。
    お客様が、お客様社内の購買プロセスを先に進めないとお客様は発注などできないのです。


    この様な問題を解決するための最も効果的な手法が、「案件管理」という手法なのです。


    案件管理を導入する

    一般的に案件管理を行なうには、SFA(Sales Force Automation)と呼ばれる営業支援ツールを導入することが多いです。
    ですが、このクライアント企業の営業が5人なので、システムに投資するよりもまずはエクセルで管理をすることを提案しました。
    私たちが基礎的となるエクセルの案件管理テンプレートを作り、お客様名、案件見込金額、売上予定日、案件進捗、今後の活動予定、の5つで案件情報を入力して管理をすることにしました。


    進捗管理には、購買プロセスを利用する

    そのエクセルの案件管理のテンプレートの「案件進捗」には、お客様の購買プロセスを基準としました。
    法人企業がモノを購入するには購買プロセスというものがあり、それは下記の8つのステップで構成されています。
    法人企業が「モノを買う」ということは、下記のような合理的な判断ができる購買プロセスに基づき、検討を進めるのです。


    ①課題設定とは、何か投資・購入をするために、「なぜその投資・購入をする必要があるのか?」の問いに関することです。

    ②予算計上とは、「投資・購入をする上で、いくらまでお金を使ってよいのか?」の問いに関することです。

    ③概略要求仕様とは、「課題リストを実現するためにお金を出すわけだが、どんなものを購入するのか?」の問いに関することです。

    ④ベンダー選定とは、「どこの会社が、私たち(顧客)がほしいものを扱っているのか?」の問いに関することです。

    ⑤ソリューション選定とは、「その会社のどの製品が、私たち(顧客)の要求に合致しているのか?」の問いに関することです。

    ⑥交渉・発注とは、「買うものは決めたが、どのくらい有利な条件で購入することができるか?」の問いに関することです。

    ⑦納入・検収とは、「いつまでに手に入れたいか?いつから使い始めたいか?」の問いに関することです。

    ⑧効果測定とは、「この投資・調達は、本当に効果を出せたのか?」の問いに関することです。


    本来、営業が行なう「案件の進捗管理」の項目はこの8つのステップまで盛り込む必要はなく、もっと少ないほうが良いです。
    ですが、今回は、営業が「商談というものはプロセスである」ということを正しく理解・学習する目的がありましたので、この8つで取り組み始めました。


    繰り返しになりますが、法人企業が「モノを買う」ということは、上記のように合理的な判断ができる購買プロセスに基づき検討を進めます。


    案件管理を導入した効果

    上記のように、「案件管理」という管理体系を構築し、その後実際に営業へ研修を行い、その後、半年に渡り継続的な営業への案件管理のフォローを行った結果、当初の問題を解決することができました。

    営業の変化として「お客様との面会が非常に楽になった」という声が多くなりました。
    以前は「いつ買ってくれますか?」と催促しすぎ、「安くしますよ!」と安易に値引きしすぎ、でした。
    案件管理を導入した後はそのような会話が減り、お客様が営業に対して距離感を置かなくなったためです。

    これにより、売上目標の達成確度が向上しました。
    また、案件の成約率も向上しました。

    そして、更に驚いたことに、利益率が上がったという波及効果もありました。
    なぜならば、安易に「安くしますよ!」と言わなくなったからです。


    案件管理を導入して(案件管理を見直しして)、営業成績を向上しよう!

    私たちは仕事からっ様々な業界の多くの営業と話をする機会がありますが、営業に対して、案件の進捗状況に呈して「法人営業の購買プロセス」に沿った質問をしてみると面白いことがわかります。
    しっかり答えられる営業は、案件の成約率・利益率、そして、売上目標の達成率は高いです。

    もし、会社として案件管理に取り組みながら、「法人営業の購買プロセス」に沿った質問に対してしっかり答えられない営業が多ければ、「案件管理」を見直しする必要があります。
    「法人営業の購買プロセス」に基づく情報に基づく営業の仕組みや案件管理体制を構築することが、企業の長期的成長にも重要なためです。


    案件管理は、「営業力強化の初歩的な対策である数値管理や行動量管理」から更に営業力を強化するための必須管理体系です。
    今回ご説明した案件管理を是非あなたの会社の中で取り組んでください。

    ですが、取り組んでも上手くいかなかったら、ご連絡ください。
    特に、案件管理に取り組みながら、「売上目標達成率」「案件の成約率」「利益率」が高くなければ、案件管理がうまく機能していません。
    そして、SFAを導入していても、そのような状況の企業は多いです。

    私たちが、貴社内に潜んでいるその原因を発見し、これら3つの業績指標が向上するように支援いたします。


    (本コラムは、2008年2月17日に書かれたものを再編集しました)
    文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳 (てらおたくみ, Takumi Terao)
    Copyright (C) 2008 T-SQUARE Co., Ltd. All rights reserved.


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