顧客との信頼関係を強化できる営業モデルを構築するポイント!

企業がより一層成長していくためには、重要な顧客との信頼関係を深め、かつ、その顧客のニーズに対してより貢献していくことが求められます。
クライアント企業の営業力強化を支援してきて、多くの営業は「顧客との信頼関係ができている!」と考えています。ですが、それが会社の業績向上につながっていないのです。
今回は、顧客との関係が業績向上及び企業の成長に役立っていない原因を考え、組織として顧客との信頼関係を強化する営業モデルを解説します。

顧客との信頼関係を強化できる営業モデルを構築するポイント!

信頼関係を企業の成長につなげるためには

顧客との信頼関係を強化していくためには、営業はお客様への接し方(コミュニケーションや行動など)を変えなければなりません。
ですが、「コミュニケーションや行動を変えろ!」と言っても、具体的にどうすればよいかわかりません。
本当に顧客との信頼関係を強化したければ、営業に研修を受けさせ営業のお客様への接し方を変えることを要求するだけではなく、営業モデルの再定義が必要です。


顧客に対する一般的な営業の活動は?

通常、多くの企業で利用されている営業モデルは、顧客からの問合せから始まり、商談を進め、注文をいただき、売掛金を回収し終わります。
その手順は、下記のように表せます。

①問合せ
②ヒアリング
③提案書提出
④見積書提出
⑤クロージング(注文を頂く)
⑥フォロー(売掛金を回収)

上記のように「注文書を入手して、お金を回収する」ことが営業の仕事の終わりであり、そこまでの一連の過程が営業のモデルとなっています。
SFA(Sales Force Automation)と呼ばれる営業管理ツールでもこれと同じような営業モデルが使われています。このモデルは、「お客様に1回売れれば良い」という営業には効果的です。ですが、顧客との長期的関係を構築し何度もお取引をしていきたい営業には適していません。


顧客が購入する時の活動は?

これに対し、顧客側の視点で考えてみると、顧客には購買プロセスがあります。
法人の顧客がモノやサービスを購入する時には、一般的に下記の手順で検討します。

①課題設定
②予算計上
③要求仕様
④ベンダー選定
⑤ソリューション選定
⑥交渉・発注
⑦納入・検収
⑧効果測定

[より詳しく購買プロセスについて知りたい方は、売上目標達成の確度を高める方法 > ポイントは「顧客の購買プロセス」に合わせて営業案件管理を行なう!を参照ください]


営業の活動が顧客の信頼関係を深めることにつながらない原因は?

販売する側の視点の営業モデルと、購入する側の視点の購買プロセスを重ね合わせたものが下図です。


一般的に営業の商談への取り組み開始は、顧客の購買プロセスでは②予算もしくは③要求仕様に相当します。
また、営業の考える商談の終了は、⑦納入・検収に相当します。
ここで着目していただきたいのは商談の終了です。営業側の活動は終わっても、顧客が行っている購買プロセスではその後も続いています。


営業が「お金も回収したし、商談は終了した!」と考えたあと、顧客はどんなことを行っているのでしょうか?
  • 購入した商品やソリューションを実際に活用している
  • 購入した商品やソリューションで、どんな効果をあげているかを測定している
  • 「効果を出せなかった要素は何か?」もしくは「次の対処すべき課題は何か?」を明確にし、次のプロジェクトを進めようとしている

  • 営業側としては「売れた!」ということで商談は終わりですが、顧客側で見ると営業が売った後から本当に大切なことが始まります。(⑧効果測定に相当)
    顧客は「私たちの商品やソリューションは本当に役立ったのか?」を検討します。
    顧客との信頼関係を本当に強化したいのであれば、営業はここにもっと意識して取り組むことが大切です。


    ですが、一般的に営業組織で行われている「顧客との信頼関係の強化」の対策は、
  • 顧客への訪問回数を増やす
  • 雑談などコミュニケーションを増やす

  • ということを通した「顧客と仲良くなる」ということをめざしていることが実態です。
    この「⑧効果測定」について営業が顧客と向き合って取り組まれていることは殆どありません。


    営業に「顧客は、このソリューションによって、どのように喜んでくれたのか?」と聞いてみてください。
  • XXXで活用している
  • XXXのような効果があった
  • 今後、XXXという問題を対処していきたいと考えている

  • 多くの営業は、しっかりと説明することができません。
    お客様と信頼関係が構築できている状態ではなく、「仲良く話ができる仲の良い関係」というだけのことなのです。
    「仲良くなること」と「信頼関係を構築できること」は全く違うことです。
    「仲良くなる」ということだけでは、その顧客との取引額を増やすことはできません。


    顧客との信頼関係を強化するために必要な営業モデルとは?

    「顧客との信頼関係を本当に強化したい」と考えるのであれば、「⑧効果測定」をも含めた営業モデルを構築する必要があります。
    具体的には、営業モデルの研修終了後に「効果の確認」というステップを追加し、
  • 選定理由を把握する
  • 導入効果を把握する

  • という活動を営業が行う必要があります。

    この営業モデルに新しいステップを追加する構築する効果が大きいです。
    (1) 顧客と営業が話し合うことは、「顧客の導入成功事例」です。他の顧客との新規の商談を開拓することに効果的な情報を入手できるのです。
    (2) 「顧客がまだ対処できていない課題」の話です。次のビジネスチャンスにつながる情報です。
    営業は、このような重要は情報を取得・蓄積しないまま、商談を終了させてしまっていることがあまりにも多いのです。


    「実際には、商談終了後は、サポートの仕事だからそこでしっかりサポートしていれば問題ない」という意見もあると思います。
    しかし、サポート担当者が行うことは下記だけです。
  • 製品の取扱説明などのQ/Aに対処する
  • 故障や不具合があった時に対処する

  • つまり、サポート担当者が下記のことを話し合うことはしません。
  • どんな成功を実現したのか?
  • まだ解決できていない課題は何か?

  • あくまでの販売した商品やサービスを中心としたサポートに限られます。
    顧客の購買プロセスにおいて、すべてのステップで顧客にコンタクトできるのは営業しかいません。


    顧客との真の信頼関係を築くということは簡単ではありません。組織として営業モデルを作ることから取り組み始める必要があります。
    そして、真の信頼関係が構築できる営業モデルが機能することで、その顧客との取引額は継続的に増やすことが出来るようになります。
    もし、営業が「顧客と信頼関係ができている」と言っているのに、継続的な売上の増加につながっていなければ、営業モデルに問題があります。


    私たちの使命は「クライアント企業を成長に導く営業モデルを構築する支援をする」です。
    顧客との信頼関係に問題を感じていらっしゃれば是非お問い合せください。
    顧客との信頼関係を構築するだけではなく、それを売上成長(Sales Growth)へつなげる支援を致します。
    その問題について話し合えることを楽しみにしております。


    (本コラムは、2008年2月10日に書かれたものを再編集しました)
    文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳 (てらおたくみ, Takumi Terao)
    Copyright (C) 2008 T-SQUARE Co., Ltd. All rights reserved.


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