日本企業の海外営業動向 / 日本でのやり方とは違う海外企業相手の営業のポイント Vol.144

多くの日本の企業が海外へ進出しています。
「日本の成長率は低い、成長率の高い海外へ進出しないと!」と考えている経営者が多いです。
たしかに、アジアの経済成長はすごいです。
企業が成長していくためには、国内にとどまっているだけではなく海外に出て行くことは重要でしょう。
ですが、今までの日本の営業のやり方を海外で行っても、海外企業相手の営業は通用していません。
海外で通用する営業のポイントについて考えます。

「語学」だけでは海外での営業ができていない!

海外で営業を行なっているほとんどの人は、英語など語学がしっかりできる人たちです。
海外進出、すなわち、グローバル展開したい企業が「海外営業」に求める必須スキルは「英語力」です。企業は、その人の英語力をみて「海外営業できそうかどうか?」を判断します。
(英語だけではなく、その進出する先の現地の言葉も使えるほうが良いでしょう)


ただ、「語学力があれば良いのか?」というと、そういうわけではないです。
英語が話せる人たちが日本と同じ営業手法を海外企業に行ってもうまくいっていません。
海外進出をしている私たちのクライアント企業の経営者から下記のような海外の英語油に関わる悩みをよく伺います。

・海外の企業(特に中国の企業)は、事業内容や組織などがよくわからない、むずかしい。
・日本でやっていたことと同じ売り方では通用しない。

海外で通用する営業を行うためには、今までとは違う営業方法を学ばなければいけないのです。


日本の営業と海外の営業の違いは?

日本の営業と海外の企業の営業にはどのような違いがあるのでしょうか?
日本にもある一部の海外のグローバル企業(外資系企業)の営業は、グローバル企業が世界で行っているトレーニングを受講できる機会があります。
ある意味、世界で通用する世界標準の営業スキルを身につけています。
私自身も様々な営業研修やトレーニングが用意している外資系企業に過去在籍しており、多くのトレーニングを受講する機会に恵まれました。


当時、私たちもよく日本の大手IT企業と受注競争をしていました。
日本の大手IT企業は10数名程度の提案チームを組んで提案をしていました。ですが、私たちは通常3-4名のチームで提案を検討しました。
その人数の違いを特に痛感するのは入札説明会でした。金額の大きな案件ではお客様が入札説明会を行いますが、その入札説明会に参加する人数も日本企業と外資系企業では明らかに人数が違っていました。日本の大手IT企業は10名程度が参加していました。ですが、私たちは2-3名でした。
これだけの人数の違いがあるのですが、それでも私たちは日本の大手IT企業に勝つことができました。
それは、世界で通用する世界標準の営業スキルトレーニングのおかげだったと考えています。


このように、日本の企業の営業の特長の1つは「人海戦術」です。
ですが、私たち海外の企業は少ない人数でなんとかしなければなりませんでした。個々の人が戦略を発揮し、知恵を絞らなければ勝てませんでした。
生産性の高い営業になる必要があったのです。


日本での営業のスタンスと学習内容は?

日本において、日本企業を相手に営業を行なう際の営業のスタンスやお客様への方法は下記が一般的です。

・何か仕事がありませんか?
・こんなすごい技術があるんです
・今までの信頼関係を通じて、一緒にお仕事をさせてください
・こんなすごいソリューションが出ました

そして、お客様のために徹夜したり、お客様へ数多く足を運んだり、お客様へ早いレスポンスをして熱意を示せば、「おたくはがんばってくれているねぇ」と相手が感じてくれ買ってくれます。
日本で「営業が強い会社!」と言われている企業の営業はこのような営業のスタンスです。

日本ではこのような営業のスタンスや方法で通用するために、日本の営業によく行われる営業研修は下記のようなものです。

・信頼関係の構築
・コミュニケーションやトークスクリプト(応酬話法)
・営業マインド研修

上記のように。「お客様との人間関係の構築」「お客様に好かれること」「お客様の心理を理解すること」などに焦点を当てたものが多いです。
会社に十分なリソース(人や時間)があり、人海戦術が取れればさらに効果が高まります。


残念ながら、この方法は海外では通用しません。
(日本でも、数年もするとこのような営業方法では、通用しなくなります。)
日本では「人海戦術」を取ることができますが、海外で人海戦術など取れません。
海外のそれぞれの現地にそんな余裕のあるリソースなど確保できません。
生産性の高い営業を育てる必要があるのです。日本の営業の資質とは違う、海外で営業ができる資質を育まなければなりません。


グローバルで競争しないといけないライバル企業とは?

グローバルで営業している海外企業は、営業力強化やトレーニングにしっかり投資をしています。
その教育投資の必要性を理解しています。
その投資がグローバルで営業する上で必ず売上や営業利益という形で返ってくるようなマネジメントも出来ています。
(営業の評価にしても、売れば売るだけその営業がそのインセンティブ(報酬)を手にすることが出来る仕組みにしています)

グルーバルで営業するということは、そのような企業と営業で競い合っていかなければなりません。
海外の企業を相手に海外の企業と競争しながら営業をしていくためには、語学研修だけではなく日本で行っている研修だけでもなく日本の営業が今まで受けてきた営業研修やトレーニングとは違う研修やトレーニングのスキルを身につけることが重要です。


グローバルで競争できる営業力を鍛えるために!

海外のグローバル企業が取り組んでいる営業研修やトレーニングは、下記のようなプログラムです。

・ 価値営業
・ 顧客組織分析
・ 競合戦略
・ ビジネス交渉
・ プレゼンテーション
(営業以外のビジネスやマネジメントにかかわる研修やトレーニングもありました)

今はグローバルな時代です。
「グローバルで海外企業相手に営業をする」ということは、このような高度なトレーニングを受講したことがあり、かつ、貪欲で、自己主張ができて、意識が高い「グローバル企業の営業」と渡り合い、競争していかなければなりません。
これらの海外企業の営業は、日本の営業と比べ、ビジネスという観点に置いて桁違いのプロフェッショナルです。
海外では、日本人の営業とだけ競争しているわけではなく、そんなプロフェッショナルな営業、そんなプロフェッショナルな営業の育成に投資をしている企業と渡り合っていかなければなりません。


また、これらのトレーニングは海外だけで役立つものではありません。高度なものも多かったですが、日本でも実際の営業で実践して役に立つものでした。
このような研修やトレーニングのおかげで、知恵を絞り、人海戦術を取ってくる日本の企業に勝つことができたのです。


日本企業の海外営業動向 / まとめ

英語が話せる、中国語が話せる、すなわち「語学ができる」だけでは、海外の営業に勝てません。
また、海外企業は、日本の企業のように、ホームページにこと細かく丁寧に会社の情報を公開していません。
文化や宗教を超えた提案をしていかなければ行けません。
「いいものだから検討してくれ!」では、通用しません。
最低でも「ビジネスの観点で、こんなに効果があるのだ!」と提案したり交渉したりできるようにならないと、お客様は「買いたい」とすら思ってくれません。


海外進出するにあたっては、今までに日本の営業が学んできた営業方法ではなく、新しいスキルが必要です。
海外に進出し、海外の企業と競争する必要がある場合、訓練された一部の営業だけが成果をだすことができます。
そんな営業を育てる必要があるのです。
そして、数日でそのような営業を育てられるわけではなく、1-2年という期間で取り組まなければなりません。
もう、ゆっくりとしている時間はないのです。


あなたの会社の営業が海外営業をするにはどのようなトレーニングやマネジメントを準備してく必要があるでしょうか?
是非、グローバルな営業で成功するために話し合えれば幸いです。
遠慮なくお問い合せください。


(本コラムは、2011年4月14日に書かれたものを再編集しました)
文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳 (てらおたくみ, Takumi Terao)
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