できるビジネスマンのビジネスプレゼンテーション > 「結論を先にいう!」ストーリーづくり の具体的方法 Vol.300

ビジネスプレゼンテーションは、仕事を成功させる重要なスキルです。
ここでは最も重要な 「3つの目的」「ストーリー」「チェックポイント」に焦点を当て、わかりやすく解説します。
成功するプレゼンテーションには「技術」が必要です。ここで紹介するプロセスなら、相手の決断を促すことができるでしょう。
日本人は「プレゼンテーションが下手だ」とよくいわれますが、御社ではいかがでしょうか。
社員のプレゼンテーション能力を高め、仕事の成功を勝ち取るために、ぜひこのプロセスをご活用ください。

できるビジネスマンのビジネスプレゼンテーションのつくり方

まずここから始めよう!ビジネスプレゼンテーションの「目的(3つの要素)」

プレゼンテーションには、聞き手に伝えるべき3つの要素があります。
まずこれらを整理することから始めましょう。

1. 聞き手にはどんなメリットがあるのか?
2. 聞き手は何を承認・決断すれば良いのか?
3. 聞き手は何をすればよいのか?


1. 聞き手にはどんなメリットがあるのか?

プレゼンテーションは、聞き手がメリットを感じるものでなくてはなりません。
例えば上司やお客様へのプレゼンテーションとしては、このようなメリットが挙げられます。

例:
  • 売上が増える / 利益が増える
  • 株価が上がる / 市場評価が上がる
  • コストが下がる / 特定の業績指標がよくなる

  • プレゼンテーションは報告・連絡・相談ではありません。
    そのプレゼンテーションが、聞き手にどんなメリットを与えるのかを整理します。


    2. 聞き手は何を承認・決断すれば良いのか?

    プレゼンテーションには、相手の承認や決断を促す目的もあります。

    例:
  • 上司へ → xxxという活動に時間を使いたい
    「私たちのチームは、限られた時間を新製品販売よりもお客様のフォローの時間を増やしますので、その承認をお願いします」
  • お客様へ → xxxと言うモノやサービスを購入してほしい
    「xxxを購入する意思決定をしてください」

  • ここでは相手に何を承認してほしいのか、何を意思決定してほしいのかを明確にします。


    3. 聞き手は何をすればよいのか?

    プレゼンテーションの結果、相手に何らかの行動をしてもらうケースもあります。
    例えば相手が承認・意思決定をしても、その後行動してくれなければ、そのプレゼンテーションは意味を失います。
    プレゼンテーションの結果、どのような行動をしてもらうのかを聞き手に明確に伝える必要があります。

    例:
  • 関連部署に今回の承認や意思決定について連絡をしてほしい
  • 資金の準備をしてほしい
  • 購入の手続きを進めてほしい など

  • まずはこの3つの要素を明確にし、プレゼンテーションの「目的」としてまとめておきましょう。


    ビジネスプレゼンテーションでは、結論は先にいう

    プレゼンテーションの目的が明確になったら、いよいよストーリーづくりです。
    その際、常に意識したいのが、「結論を先にいう」ということです。
    文章を書く時には、よく「起承転結を考えて書きなさい」と言われます。この場合「結論は後」です。
    物語や論文などの文章ならよいのですが、プレゼンテーションは違います。ここでの基本は「結論は先にいう」です。


    ビジネスプレゼンテーションで結論を先にいうべき5つの理由

    なぜプレゼンテーションでは結論を先にいうべきなのでしょうか?
    その理由には下記があげられます。

    1.「相手の時間を尊重している」というビジネスマナーにつながる
    2. 相手の関心を引き止めておくことができる
    3. こちら側の能力を高く評価してもらうことができる
    4. 相手の関心を引き止めておくことで、プレゼンテーションの採用確率を高める
    5. 結論を先にいうことで、相手が不採用の理由を告げやすく、それに対するこちらの対策がとりやすい

    私たちがプレゼンテーションを通して意思決定や行動を促したい相手は、通常忙しいものです。
    結論を示さずに長々と説明すると、相手の関心を失うばかりでなく「仕事の能力が低い」と感じさせたり、「長い!」とイライラさせたりします。こうなるといくら素晴らしい内容でも聞いてもらえず、プレゼンテーションは失敗に終わります。
    スピードが求められる現代では、結論を先に伝えることでお互いの時間を効率的に使うのです。 (スピードばかりでは弊害を引き起こすことも確かですが、ある程度のスピード感は必要です)

    時折「結論を最後にいう」人もいますが、これは上級テクニックです。
    慣れていない段階では、基本に忠実に「結論は先にいう」を心がけましょう。


    ビジネスプレゼンテーションのストーリーはこれで完璧!

    「結論を先にいう」プレゼンテーションは、下記の流れで行います。

    1. プレゼンテーションの目的
    2. 結論
    3. 結論を導き出したロジック
    4. 承認を得る
    5. 行動の合意を得る

    上記の流れは、プレゼンテーションの相手に前述の「目的(3つの要素)」をしっかり伝えることができます。

  • 聞き手にはどんなメリットがあるのか?
  • 聞き手は何を承認・決断すれば良いのか?
  • 聞き手は何をすればよいのか?

  • いくつかの事例で確認していきましょう。


    事例: 上司へのプレゼンテーション

    目的(3つの要素)

    1. 聞き手にはどんなメリットがあるのか?
     → 業務プロセスを改善することで固定費を下げていく

    2. 聞き手は何を承認・決断すれば良いのか?
     → 業務プロセス改善プロジェクト実施の承認とシステムの改良

    3. 聞き手は何をすればよいのか?
    → 関連各所への周知、プロジェクトキックオフへの参加、および、プロジェクト進行会議への出席

    ストーリー

    【結論】
    「営業事務処理センターの業務プロセス改善」が急務。この改善に至急取り組む必要がある。

    【結論を導き出したロジック】
    1. 営業からの発注指示書のうち、月の後半は業務時間内に処理できない件数が1日平均25%ほど発生している。そのため、月末になると残業が慢性化している。
    2. この部署の一人当りの業務の処理量は、他の部署よりも悪い。
    3. システムに欠陥があり、ある入力項目で異常な手間がかかっていて、それが生産性を下げている。全業務時間の15%もの時間を要している。
    4. システムを改修し部署の業務プロセス改善をすることで人件費を削減できる。
    5. これによって、人員の10%程度の削減と業務時間内未処理件数を5%以下に抑えることが見込まれる。

    【承認を得る】
    業務プロセス改善プロジェクト実施と、システムの改良の承認

    【行動の合意を得る】
    このプロジェクトを円滑に遂行するために、
  • 関連各所への周知
  • プロジェクトキックオフへの参加
  • プロジェクト進行会議への出席


  • 事例: 法人営業のプレゼンテーション

    目的(3つの要素)

    1. 聞き手にはどんなメリットがあるのか?
     → お客様企業の新規顧客開拓数を50%向上させる

    2. 聞き手は何を承認・決断すれば良いのか?
     → 今回ご提案するソリューションの導入検討を今後も進めること

    3. 聞き手は何をすればよいのか?
    → お客様企業の現在の新規開拓プロセスの開示、営業支援ツールの利用状況の情報開示

    ストーリー

    【結論】
    新規顧客をさらに増やすための「インターネットを使ったマーケティングツールの導入」。

    【結論を導き出したロジック】
    1. 市場調査によると、貴社の主要なお客様の購買行動は大きく変化しており、「インターネットで商品を探す」という比率が以前に比べ5倍の60%に到達している。
    2. インターネットで弊社ツールを導入いただきましたお客様では、インターネット経由で新規開拓件数が前年度比50%を超えている。
    3. 御社の公表された売上から推定しますと、10億円程度の新規売上を増やすことが見込まれる。

    【承認を得る】
    インターネットを使ったマーケティングツールの導入の検討開始

    【行動の合意を得る】
    実際にこのツールを円滑に導入するために、
  • お客様の現在の新規開拓プロセスの開示
  • 営業支援ツールの利用状況について情報開示


  • 時間が足りない!想定外の質問! 本番で慌てないためのテクニックとは?

    ビジネスプレゼンテーションの目的とストーリーが確認できたら、次は下記に進みましょう。

    1. 緊急時に削除するスライドを決めておく
    2. 「So What?」「So Why?」の対処
    3. その他、回答の準備
    4. 必要な分析データや資料も出せるように


    緊急時に削除するスライドを決めておく

    プレゼンテーションは、なかなか時間通り行かないものです。
    前半で話しすぎたり、相手からの質問に答えたりしていると、時間がなくなります。
    焦って「用意したものは喋りきろう!」と早口になると、スライド送りに囚われ、もっとも訴えたいポイントがおろそかになってしまいます。
    それでは相手の承認を得たり、相手の行動を促したりできません。
    時間が足りなくなったら省くスライドを事前に決めておきましょう。


    「So What?」「So Why?」への対処

    プレゼンテーションの途中で、相手から「So What? (だから、なんだ?)」「So Why? (だから、なぜだ?)」と聞かれたらどうしますか?
    想定外の質問に頭が真っ白になり、必要なことを伝えられなくなってしまうケースも珍しくありません。
    事前にこれらの質問がなるべくでないような補強と、それでも質問されてしまった場合の回答を準備しておきましょう。

    「So What?」→ プレゼンテーションの目的や結論がわかりにくくないでしょうか。プレゼンテーションでは、目的や結論をしっかり相手に伝えるようにします。

    「So Why?」→ 目的と結論を導き出したロジックに具体性や相関性があるでしょうか。ロジックを明確に伝えるようにします。

    この「So What?」「So Why?」の準備はプレゼンテーションの基本中の基本なのですが、できていない人が多いのです。この質問に答えられないなら、プレゼンテーションが意思決定につながるストーリーとなっていないといえるでしょう。
    「So What?」「So Why?」という問いは、シンプルだからこそ本質を突きます。これらの問いはストーリーをブラッシュアップする鍵です。問いに対する答えを考えることが、プレゼンテーションの精度を高めます。
    これが準備できていないプレゼンテーションの成功率は0%にかなり近いです。たとえうまくいっても、それはラッキーだっただけなのです。


    その他、回答の準備

    「So What?」「So Why?」以外にも、プレゼンテーションで聞かれそうなことはないでしょうか?
    事前に予想して、回答を準備しておくと安心です。


    必要な分析データや資料も出せるように

    プレゼンテーションは時間が限られていることが多く、結論を導き出したロジックについては、多くを盛り込むことができません。
    質問されたらすぐに説明できるように、詳しい分析データや資料も準備しておきましょう。


    さあ、ビジネスプレゼンテーションを行おう!

    米国Apple社の故スティーブ・ジョブスやソフトバンクの孫社長は、プレゼンテーションが非常に上手いと言われています。
    あれだけプレゼンテーションを行っていれば、うまくなるでしょう。
    プレゼンテーションは数です。うまくなるためには、数をこなさなければなりません。
    聞き手の心を動かすプレゼンテーションを上達させるには、今回ご紹介したこのシンプルな手順をぜひご活用ください。

    マネージャーや営業マンのプレゼンテーション能力は、業績の向上に確実に比例します。
    日本の企業はもっとマネージャーと営業マンのプレゼンテーション能力を高めるべきです。
    あなたの会社の社員のプレゼンテーション能力は高いですか? 本当にいまの能力のままでよいでしょうか?

    私たちは、あなたの会社の社員のプレゼンテーション能力を高める支援をしています。
    まずは、その必要性や効果ついて話し合うことから始めましょう。
    遠慮なくお問い合わせください。ご連絡をお待ちしております。


    文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳 (てらおたくみ, Takumi Terao)
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