マネージャーなのに管理ができない Vol.279

MP900443187先週のことですが、ある企業の支店長から「Leaderとしての能力」を強化するトレーニングのご依頼をいただきました。
今回私に求められるミッションは、支店長候補の3人をより広い視野で将来を見通した中期計画を作れるようにすることです。
本当は中期計画を作成した後が大切なのでそのフォローアップまで支援できることが最も良いのですが、今回は計画を作るワークショップスタイルのセッションで終わりです。


多くの企業の経営者がマネージャーの育成や成長に悩みを持っています。


現在、いくつかの企業様の変革支援をしておりますが、そのうちの1つは業務プロセス変革の支援です。
その支援を通して気がついた「マネージャーの管理(administrator)」について今回はお話ししたいと思います。


皆さんは、「マネージャーの4つの成長段階」をご存知ですか?
または、「それを説明しなさい」と言われたら、どのように説明しますか?


多くの場合、マネージャーの成長には4つの段階があります。
Step1: Expert (熟練者)
Step2: Administrator (管理者)
Step3: Leader (先導者)
Step4: Coach (育成者)


通常良い成績を上げた人 / 仕事が一番できた人がマネージャーになります。
すなわち、マネージャーはExpertの状態から始まることが多いです。
そして、最初に目指すことが「Administrator(管理者)になること」です。


余談ですが、マネージャーになりたい人に話を聞くと、特に意欲の高いは「LeaderやCoach的な要素が本来あるべきマネージャーだ!」という人がいます。
もちろん、「ごもっとも!」なのですが、LeaderやCoachというのはそんな簡単ではありません。
Administrator(管理者)を経験して、本当のLeaderやCoachという者が見えてくるようになるのです。


このAdministrator(管理者)という成長のステップで出来るようにならないといけないことは、「業務としてしっかり行わなければいけないことをしっかり行わせる」ことです。
ですが、このAdministrator(管理者)をしっかりできないマネージャーが多いのです。
業務としてしっかり行わせることが間違っていたり、業務としてしっかり行わせることを行わせていなかったりしているのです。


例えば、「業務としてしっかり行わせることが間違ってる」ことにはこんなことがありました。
「承認プロセスとして必ずこういう手順で行うこと」というのがありました。
そして、その手順を徹底させていました。
ですから、そのマネージャーは「業務としてしっかり行わなければいけないことをしっかり行わせることができている」と、考えていました。
でも、業務プロセスを見直せば、もっと生産性を上げることができるのです。
そんな承認プロセスのせいで一人当たりの生産性は低いんです。
生産性向上のことを全く考えていないのです。


次に、「業務としてしっかり行わなければいけないことをしっかり行わせていない」ことにはこんなことがありました。
一人一人に毎日の作業量をレポートさせていました。
ですが、データは収集しているのですが収集したデータを活用していないのです。
「最低限そこまでできなければいけない目標」というものが設定されておらず、なので、その目標に到達していない人が目標に到達できるような支援やトレーニングを行っていないのです。
そして、「生産性が上がっているかどうか?」それを判断できるために必要なデータを収集していないのです。


この会社だけではありません。
どこの企業にもこのようなマネージャーは多いです。
人としては本当に良い人ですが…


マネージャーになる前に、自分の勘と経験だけで仕事をしてきた人にはこの傾向があります。
会社として必要だった業務プロセスや基本となる原理原則を体系化して徹底していたのではなく、好き勝手行ってきたことなので、人がわかるような体系化されていない場合が多いのです。
人がわかるように体系化されていなければ業務管理はできません。


では、Administrator(管理者)という段階でしっかりできなければならないことはなんでしょうか?
それは下記です。
(1) 直面する組織の目標を認識していること (「成長」とか「満足」とか「生産性」とか抽象的な言葉で終わるのではなく、その組織が求められている評価基準として…)
(2) それを実現するための業務プロセスを描けること
(3) そこから必要とされる「最低限必要とされる管理項目」を設定できること
(4) その管理項目に基づくことをしっかり行わせること
(5) その管理項目の推移を常にモニタリングしておくこと
(6) 未達成の人が達成できるような指導と育成ができること (「やれ!」という叱咤激励ではダメなんです)
これらのことができて、初めてAdministrator(管理者)の成長段階をPassしたことになり、次のLeaderの教育の投資対効果が高まります。


「Administrator(管理者)すらできないマネージャーを育成するために最初にマネージャーに教育させるべきことは何か?」というと私がお勧めするのは「プロセスチャートを描かせる能力」です。
「仕事の流れ」と「役割」に基づくプロセスを描く能力強化です(そのトレーニングを行うためには、事前準備が必要となります)。
この位描くことができなければ、上記の(2)から(6)のことは行えません。
他のチームとの関連性を含めた業務の全体像を明確にする思考がなければ、Administrator(管理者)など務まりませんよね。


私たちは、企業様特有の業務のプロセスチャートを描かせる強化支援も行っております(コンサルティングという形と研修という形のどちらかでソリューションを提供します)。


余談ですが、私たちはこのプロセスチャートというナレッジを持ち発揮することで、飲食店様のオペレーション変革の支援やITツール販売の新規事業に取り組むことができています。


さて、このコラムの冒頭でお話をした「Leaderとしての役割」を強化するトレーニングのことですが、これはLeaderとしての成長段階のトレーニングです。
この企業の3人が、administrator(管理者)をパスできていることが楽しみです…


次の成長段階のLeaderやCoachの効果的な育成方法については、また今後の機会にお話したいと思います。


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