法人営業における新人の営業を効果的に教育するポイント Vol.286

あなたの会社では、いままで新人営業や若手営業にはどのように教育してきましたか?
活躍できる営業が育ってきましたか?
今回は、若手・新人営業の教育方法について考えてみます。
「新人・若手営業を成果を出せる営業へ早く育てるためにはどのようか教育をすればよいか?」です。

一般的な新人営業を教育する基本要素とは?

新人の営業を育成する時には、一般的にどのような取り組みが行われているのでしょうか?


新人営業の教育方法1 / 同行訪問

新人営業を教育する方法の1つ目は、同行訪問です。
先輩営業と一緒にお客様を回って、お客様との商談に慣れる必要があります。
先輩から
「こういうお客さんもいるんだよ、注意しないと!」
「こういうときは、こうするのが効果的なんだ!」
など、営業としての心構えやコツを教えてもらいます。


また、その際にマナーの大切さも合わせて学びます。
お客様に訪問する上でふさわしい服装、受付での受け付けの仕方、会議室での座り方、名刺の渡し方、打合せの話し方、など、社会人としての基本的なマナーも体験しながら学びます。


新人営業の教育方法2 / 商品知識

新人営業を教育する方法の2つ目、商品知識も必要ですね。
商品知識がないとお客様と話ができませんし…
特に、法人営業では扱っている商材は特殊で高度な商品知識を要求される事が多いです。
(営業スキルが高まってくると、それがなくても営業ができるようになるのですが…)


新人営業の教育方法3 / 社内業務

新人営業を教育する方法の3つ目は、見積の作り方・注文処理や納品の仕方・契約書などの法的知識・営業報告の仕方など、社内業務も学ぶことです。


これら3つの学習したあと、社内でお客様役と営業役に分かれて、これらの内容を踏まえたロールプレイングなど架空の商談を想定した練習をすることも重要ですね。


お客様への同行訪問、商品知識、社内業務などの一連の学習をすると初歩的な営業という業務ができるようになります。
ここまで来ると独り立ちです。


新人営業の教育方法4 / OJT: 業務を通じた営業力強化

この段階から、新人営業は、先輩営業から実際にお客様を引継し、営業活動に入ります。
そこで行われるのが、OJT (On The Job Training) と呼ばれる業務を通じた教育段階に進みます。
そのOJTにおいてカギを握るのが、上司であるマネージャーです。


マネージャーが新人営業へ、訪問先を指定・アドバイスしたり、一緒にお客様への同行訪問をしたり、商談の進捗に関して指示をしたり、そんなOJTを通した教育を行われます。


法人営業において、マネージャーが新人営業を効果的に育成する方法!

上記に解説した一連の流れは、殆どの企業で行われている営業の新人育成の方法です。
私たちは、「真にプロフェッショナルな営業を育成していく」ために、OJTの段階において早いうちから取り組むべきことを2つ推薦しています。
(私自身が、前職で営業マネージャーをしていたときに、チームのメンバーに義務付けていた方法です)


それは、法人営業にとっての必須営業スキルである「顧客理解」と「提案」の強化の取り組みです。


新人営業育成ステップ1: 顧客理解

お客様との商談において、徹底的にメモを取らせます。
そして、週に1-2回程度新人営業との面談を行い、どれか1つの商談について説明させます。
その説明をさせる商談は抜き打ちで決めます。
確認することは大きく分けて2つです。


1つ目は、下記の内容を確認します。
「お客様の組織としての悩みや問題 / 取り組もうとしていること」
もしくは
「お客様のお仕事での悩みや問題 / 取り組もうとしていること」


2つ目は、下記の内容を確認します。
「予算を獲得するためにお客様が社内で行うべくことは?」
そして
「具体的にどんな協力が必要か?」


これら2つのことが十分に説明できるようになったら、次のステップに移ります。


新人営業育成ステップ2: 提案

次は、お客様の悩みや問題や取り組もうとしていることを解決するための方法論を説明させます。
これも、週に1-2回程度、どれか1つの商談について説明させます。
このとき、特に「なぜ、お客様はそれを購入しないといけないのか?」を営業へ問い続けることが重要です。


新人営業育成ステップ3: 顧客理解と提案の効果

法人営業にとって、お客様を理解することは非常に重要なことです。
このことは、誰も否定しないでしょう。
様々な業界のたくさんの営業に問いかけてきましたが、どの営業も「重要だ!」と言いますから…


ですが、私たちが様々な法人営業と同行訪問をしますと「お客様について、理解すべきことを理解できている」営業は少ないです。
また、「顧客理解」について、早い段階から訓練を受けている営業も少ないです。


「顧客理解」と「提案」は営業の必須条件です。
(特に、法人営業において必須条件です)
お客様のことを正しく知らなければ、新しい商談機会を確率高く見出す事はできません。
そして、それに対して効果的に提案が出来ません。
徹底的に営業を訓練するからできるようになるのです。


これらのことを徹底的に訓練された営業は、自信に溢れてきます。
その理由は、人間の基礎的な欲求である「人に貢献できているんだ!」ということを自ら感じるようにからです。
そして、お客様との信頼関係が全然違います。
「人を正しく理解しようとする」という姿勢は、信頼に繋がる行為です。
「お客様と仲の良い関係ができています」というレベルとは格段に違う「お客様との信頼関係の構築」が出来るようになっています。
(多くの営業が言う「お客様と仲の良い関係ができています」とは、お友達的な関係です。それはそれで大切ですが、更に上の「信頼関係」ができるようになるのです。)


「顧客理解」と「提案」の強化は、新人営業の教育の場面でのみ効果があることではありません。
ある売上が低迷している営業組織の営業力強化を行った時の話ですが、法人営業において業績の悪い営業チームはお客様の理解が乏しい傾向があります。
そんな中で行った営業力強化の施策は、「しばらくの間売ることを一切やめ、お客様の理解に徹する」です。
このチームは1年後、売上が大きく改善しました。
そのくらい強力な方法です。
(特に、業績が低迷しているソリューション営業という領域で最も効果を発揮できる方法です)


法人営業における新人の営業を効果的に教育するポイント / まとめ

新人営業に対して「顧客理解」と「提案」の教育を、今年の4月以降の新人営業教育からぜひ取り組んでください。
新人に対して、2年間は継続して取り組むことをおすすめします、基礎的な訓練ですから。


また、効果的に行うためには、その指導を行うマネージャーへの教育も欠かせません。
営業マネージャーがお客様の「悩みや問題や取り組もうとしていること」に対する知識が不足しコミュニケーション方法を知らなければ、指導することが出来ません。
「まずはマネージャー向けの教育が必要だ!」ということであれば、いつでもお問い合せください。


世の中には様々な営業スキルがあります。
それらは是非学び実践すべきものです。
しかし、そのスキルを効果的に活用できるようになるためには、その前提条件として「顧客理解」ということが出来なければ、効果はありません。
「顧客理解」は法人営業の必須スキルなのです。


文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳 (てらおたくみ, Takumi Terao)


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