業務の助言をするだけでは早く育たない! ~ 若手営業の成長をスピードアップするために営業マネージャーが行うべき3つのコーチング技術

若手営業が一人前の営業へとなかなか育たない!

多くの営業マネージャーが若手営業の育成がうまく行かず、苦労しています。若手営業の一般的な育成方法は「OJT(On The Job Training, 職場内訓練)」や「集合研修」です。OJTや集合研修を行うことで「早く育てよう!」としていますが、思うように育っていません。

今はのんびり人を育てられる時代ではありません。一日でも早く戦力となり、組織の目標達成に貢献してほしいものです。どうすれば、今までよりも早く若手営業を育てることができるのでしょうか?

このノートでは、若手営業の育成スピードを加速するために営業マネージャーが行うべき3つのコーチング技術について解説します。

若手営業の成長をスピードアップするために営業マネージャーが行うべき3つのコーチング技術

若手育成の一般的な育成方法の問題とは?

若手育成で目指す一般的な目標

あなたの会社ではどのような方法で若手営業を育成していますか?

若手営業は十分な営業経験がありませんから、営業マネージャーたちが期待するように「自分で考えて仕事ができる状態」ではありません。そのため、若手営業たちがまず目指す状態は、「他の先輩営業たちと同じように自分で考えて仕事ができるようになり、先輩たちと同じような結果を出すこと」です。

営業マネージャーはそれを目指して若手営業を育成し、「一日でも早く、先輩たちと同程度の結果を出せるようになってもらいたい」と考えています。

一般的な「若手育成の目標」の問題点

以上にように、一般的には「他の営業たちと同じことができるようになること」を目標として育成しますが、それを目標として育成すると、営業マネージャーたちは「できていないこと」や「弱点」ばかりに目が行ってしまいます。先輩たちと比較しているために「できていないこと」や「弱点」が気づきやすいのです。その結果、上司や先輩は若手に対して「できていないこと」や「弱点」を指摘することが多くなります。

仕事である以上、「できていないこと」を「できるようになること」は大切です。ですが、人は「できていないこと」や「弱点」ばかりを指摘されると自信を無くします。特に、今の多くの若い人たちは学校教育で「褒めて育つ!」やりかたに慣れています。それなのに「できていないこと」や「弱点」ばかり指摘されるのです。このことは若手営業の育成スピードが遅くなる原因の1つです。それどころか会社が嫌になり、会社をやめてしまう原因ともなっています。

若手の育成スピードを早めるための「育成方法」

人が成長するためには、マイナスな点ばかりではなくプラスのポジティブな面にも目を向けることが大切です。

すなわち、「できていないことや弱点の克服」と「ポジティブな目標を目指す」の両方が必要です。今まで営業マネージャーが行ってきた一般的な育成方法に下記の3つのコーチング技術も合わせて行うことで、若手営業の育成スピードを早めることができます。

1. 成長目標を設定しよう!
2. その成長に向けて定期的に話し合う!
3. 営業マネージャーはその達成の支援をする!

1. 成長目標を設定しよう!

前述したとおり、若手営業を育成する目標は、「他の先輩営業たちと同じように自分で考えて仕事ができるようになり、先輩たちと同じような結果を出すこと」です。通常はこの目標に向けて若手営業を育成するのですが、この一般的な目標だけではなく、もう1つ「自分がNo.1となる成長目標」というポジティブな目標を追加しましょう。

この「自分がNo.1となる成長目標」とは、「他の営業たちと同じことができる状態」ではありません。「他の営業たちを超えて、自分が一番できている状態」です。早い段階でなにか1つでも「自分がNo.1になれた!」と感じることができれば、自信を持って仕事ができるようになります。

設定する成長目標は、例えば、「この製品Aのお客様のニーズは一番理解している!」「品質保証のお客様との面会数が一番多い!」などです。探せば「一番になる要素」はかならず見つかるはずです。営業マネージャーがその成長目標を決めてしまうのではなく、話し合いを通して「若手営業が自分で決める」ように誘導します。なぜならば、自ら決定したことだから意欲を持って行うようになるためです。

成長目標を設定するときの注意点ですが、ここで決定すべき成長目標は、担当する業務に関わることに限定します。例えば、営業なのに「私は、開発がしたいんです!」などに関わる成長目標を設定しても、営業マネージャーがそのための支援などできるわけがありません。それは人事部門などがキャリアプランとして提供すべきことです。ですので「成長目標であれば何でも良い」ということではなく、業務に関わる成長目標にすべきです。

2. その成長に向けて定期的に話し合う!

成長目標を決定したらそのまま若手営業に任せっきりにしても達成できません。その成長目標を達成するために「何に挑戦するか?」「どのような改善をするか?」を定期的に話し合うことが大切です。頻度としては、1~2週間に1回程度行います。時間は10分から15分程度で大丈夫です。長い時間は必要ありません。定期的に話し合うことが大切です。

3. 営業マネージャーはその達成の支援をする!

若手営業と話し合いをする際、「営業マネージャーは、相手の成長目標の達成を支援する存在だ!」という自分の位置づけを認識することも大切です。特に、相手が「うまくできない!」「成長を実感できていない!」のであれば、営業マネージャーの支援が「相手が成長できるかどうか」の鍵となります。

「うまくできない!」「成長を実感できていない!」のであれば、相手は「どうすればよいかわからない」状態にいます。その状態なのに「自分で考えろ!」「自分で考えてごらん!」という営業マネージャーでは、相手の成長を支援しているとは言えません。逆に支援を放棄しているのと同様です。

「自分で考える!」力を育てることも必要ですが、相手は「自分で考えるための十分な経験や情報がない状況」なのです。このようなときには、営業マネージャーが「こういうときに取るべき方法は3つある!」と相手に選択肢を与え、その中から自分で取るべき行動を選択させるようにします。

そのためにも、営業マネージャーは、育成相手の「自分がNo.1となる成長目標」に役立つ解決策を常日頃から研究しておく必要があります。そのようなことを蓄積できれば、その若手営業以外の育成にも役立てることができます。

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あなたの会社の育成スピードを加速しよう!

多くの企業が若手営業の育成のスピードアップを望んでいます。人の成長スピードを早めるためには、マイナスな点だけではなくプラスのポジティブな面にも目を向けることが重要です。弱みを克服するよりも強みを強化するほうが人は意欲を持って行います。そして「自分が一番できるんだ!」という自信を持つことができるようになります。

多くの営業マネージャーたちと話をすると、「ここで紹介した3つのコーチング技術は重要だ!」とは認識しているのですが、実際にはできていない営業マネージャーが多いです。まずは、営業マネージャーを対象とした「若手営業を育成するコーチング方法」を学ばせる必要があります。

私たちは、多くの営業組織の業務改善/パフォーマンス向上/変化変革を実践しました。事業を成長させるための豊富なノウハウと経験があります。今回、解説した「若手営業を育成するコーチング方法」に関心があれば、お問い合わせください。

(本ノートは、2008年7月13日に書かれたものを再編集しました)
文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳(てらおたくみ, Takumi Terao)
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