一流の営業マネージャーは戦略的に顧客訪問を行っている ~ チームが効果的に営業を遂行できるようになるために!

最近の営業マネージャーはどんどん忙しくなっています。
以前のように、マネージャー席に座って営業パーソンの売上や訪問の状況確認をしていればマネージャーがつとまる時代ではなくなりました。
チームの成果を最大化するための戦略を考え、仕事のやり方を見直し、業務の指示をし、チームのメンバーを育成することも営業マネージャーの仕事になっています。

そのような多忙な中ですが、営業マネージャーの重要な業務の1つとして「お客様訪問」も行わなければなりません。
それも、営業パーソンが普段行なっているお客様訪問とは価値が違う「マネージャーとしての顧客訪問」が必要です。その顧客訪問から得た情報を元に、営業パーソンたちがより効果的・効率的な営業活動が出来るような改善に取り組む必要があります。
チームの目標を達成し続ける一流のマネージャーはどのような「顧客訪問」を行っているのか、その方法について解説します。

一流の営業マネージャーは、チームの成果を最大化する目的で顧客訪問を行っている!

営業マネージャーは「売ること」だけではなく、もっと「売った後」の情報に目を向ける必要がある!

営業マネージャーは下記の役割を担っています。

  • 営業パーソンたちが、より効果的・効率的にお客様への営業活動に取り組めるようにすること
  • 上記を通して、担当するチームの目標を確実に達成すること

  • そのためには、営業パーソンが行ってきた営業活動のReview(振り返り)をすることが欠かせません。もちろん、基本的にはこの営業活動のReviewは営業パーソンが行うべきです。
    営業マネージャーがすべての商談のReviewをする必要はありませんが、チームの成果に大きな影響を与えるお客様や商品のReviewだけは、営業パーソン任せにしてはいけません。営業マネージャーが責任を持って行い、営業戦略に反映し、チーム全体の生産性の向上へと改善すべきです。

    「お客様が私たちの商品を購入したことでどのような効果があったのか?」を直接お客様から伺い、その情報を蓄積するからこそ、その質問から得られた情報は他のお客様において新たな商談を発見・発掘する際の強力なセールスツールとなります。

    また、「お客様が評価した私たちの強みはなにか?」は、ライバル会社と受注合戦を進める上で、重要なヒントとなります。実際にお客様に評価いただいたポイントだからこそ、効果的・効率的な競合対策として活用できるのです。

    そして、これらの情報は「売った後」でなければ収集できない情報です。
    営業マネージャーは、もっと「売った後」に得られる情報に目を向け、しっかり情報収集し、チームの生産性向上に活用する必要があります。
    そのような活動をし続けるからこそ、チームの目標を達成し続けることが可能になるのです。

    では、一流の営業マネージャーが実践している商談のReview、つまり、効果的・効率的に受注するための情報収集をお客様の判定3パターンに沿って、具体的に見ていきましょう。


    営業マネージャーによる顧客訪問では、お客様と商談のReview(振り返り)を行なう

    営業パーソンは「新規商談を発見し予算化を促すスキル」や「ライバル会社(競合)に勝ち抜くスキル」を発揮して、注文獲得に向けて営業活動に取り組んでいます。その結果、最終的にお客様が下す判定は下記の3つです。

  • 「御社に発注します!」
  • 「他社(ライバル会社・競合)に発注します!」
  • 「今回は、購入しないことにしました!」

  • どのような結果であっても、あなたの会社の今後に大きな影響を及ぼすお客様との商談の後には、営業マネージャーがお客様と商談のReview(振り返り)をすることが必要です。
    そのお客様との商談のReviewを話し合う中に、営業パーソンたちがより効果的・効率的に営業活動を行えるようになるためのヒントがたくさんあるからです。
    チームの目標を達成し続ける一流のマネージャーは、Reviewの大切さを十分認識しています。しっかりマネージャーとしての顧客訪問を行い、お客様と一緒に商談のReviewを行うことを通して、そのヒントを集めて継続的な改善をしているのです。

    では、先に説明した3つの結果それぞれの場合において、どのように「営業マネージャーとしての顧客訪問」を行う必要があるかを見ていきましょう。


    注文獲得した時の顧客訪問では「お客様の課題はどれだけ達成できたか」を見つける

    お客様の判定「御社に発注します!」とは、「あなたの会社が受注できた!」ということです。
    営業パーソンはこれを目指して営業活動に取り組んできました。
    この場合、営業マネージャーは営業パーソンと一緒に顧客訪問を行い、商談のReviewとして下記のことをお客様と話し合います。

  • (1) なぜ、数ある会社の中から私たちを選んだのか? その理由は?
  • (2) お客様の直面していた課題や問題はどのように解決できたか? どれだけの効果を得られたか?

  • 営業マネージャーは、「お客様が私たちを選定した理由」をしっかり把握しなければなりません。「お客様が私たちを選定した理由」とは、お客様が認め評価した「私たちの強み」なのです。
    自分の強みを認識している営業マネージャーや営業パーソンは少ないです。しかし本来、営業活動は「私たちの強み」が発揮できる領域で行うことが最も効果的・効率的です。漠然と営業活動に取り組むのではなく、このようにもっと戦略的に営業活動に取り組むべきです。
    営業マネージャーは、お客様が認め評価した「私たちの強み」をできるだけ具体的かつ網羅的に把握すべきです。そのうえで、他の営業パーソンたちがその強みを存分に発揮して営業活動が出来るように指示する必要があります。そうすることで、商談にライバル会社(競合)が関与してきたとしても、効果的・効率的な競合対策も行えるようになるのです。

    また、「お客様の導入効果」を理解することも大切です。お客様の導入効果とは「今回お客様が行った投資・購入によって、お客様にはどのような効果があったのか?」ということです。これは、私たち営業にとっても非常に重要な「導入成功事例」です。
    はじめてのお客様と面会をする際に、このような導入成功事例を活用できれば、営業活動をより効果的・効率的にすることが出来ます。「お客様の導入成功事例」の情報を十分蓄積すれば、新規の商談を発見・発掘する時の重要なセールスツールとして活用できるのです。

    特に、重要なお客様や商談金額が大きいものには、このような情報収集を営業パーソン任せにするのではなく、営業マネージャーが責任を持って行うべきです。
    営業マネージャーが自らお客様と話し合い、このお客様の導入成功事例や私たちが評価いただいた強みをチーム内で共有することによって、チームの営業活動をより効果的・効率的なことへと改善することができます。


    「受注できなかった!」時の顧客訪問では他社を選んだ価格以外の理由を見つける

    「残念ながら受注できなかった」場合、営業パーソンにその失注理由を聞いても「価格が合わなかった」という回答が多いです。もちろん価格も問題なのでしょうが、営業パーソンたちはそれ以外の理由を集めようとしません。
    ですが、失注してしまった場合、その理由をしっかり把握しなければ、今後も失注し続けてしまいます。
    このケースにおいて、営業マネージャーが把握すべきことはお客様が他社を選んだ理由です。
    そのため、下記についてお客様と話し合うことが大切です。

  • (1) ライバル会社が評価されたことは何か? その理由は?
  • (2) 私たちはどうすればもっと満足いただけたか? その理由は?

  • お客様から真摯に「価格以外での他社を選定した理由」を教えていただきます。
    そして、今後負け続ける状態とならないような対策を講じます。
    商談の失敗の原因を次に生かすために、営業マネージャーが責任をもって対策を取ることが重要です。

    お客様から教えていただいた理由によっては、「今後受注できる可能性が極端に少ない」ということもあるかもしれません。その場合、「このお客様は重点訪問先としない」「この商品の販売には時間を使わない」など、そのことを考慮した上で今後の営業戦略を立案する必要があります。


    購入しないことを決定した時の顧客訪問

    お客様が「購入しないことにした!」という決断をした場合、営業マネージャーは下記についてお客様と話をします。

  • (1) お客様の購買プロセス上、どこでそれが決まったか? その理由は?
  • (2) お客様の意思決定プロセス上、だれがそれを決めたか? その理由は?

  • 法人のお客様が何かを購入しようとする時には、「購買プロセス」「意思決定プロセス」という一連の購買の手続きを進める必要があります。
    「購入しないことにした!」ということは、その購買プロセスや意思決定プロセスのどこかで、その決定がなされたわけです。
    そのお客様は、どのステップで「購入しない!」と判断したのか、その理由を伺うことによって、次回の商談ではそうならない対策を取ることがポイントとなります。


    一流の営業マネージャーは、効果的・効率的に受注できるために必要な情報を収集している!


    一流の営業マネージャーは、営業パーソンがどのような営業結果を持ち帰ってきても、その後の情報収集を怠らないことがご理解いただけましたでしょうか。
    営業マネージャーは、営業プロセスの全体像を把握し、「お客様に選んでいただけた私たちの強み」、「価格以外で私たちを選んでいただけなかった理由」、「購買プロセスや意思決定プロセスのどこで、なぜ、その決定がなされたか」といった、一歩踏み込んだ情報収集をすべきなのです。
    これらの情報が、今後、より効果的・効率的に商談を発見・発掘することにつながります。

    一流の営業マネージャーが行う顧客訪問において、大切な視点をまとめると、下記の2つになります。
  • (1) より効果的・効率的に商談を発見・発掘することを可能にする情報を集める
  • (2) より効果的・効率的に、ライバル会社(競合)に勝てることを可能にする情報を集める

  • この2つの視点が、営業マネージャーが行う顧客訪問の意義なのです。


    営業マネージャーが戦略的顧客訪問できるように営業プロセスや仕組みを変革しよう

    会社は、営業パーソンに対して「お客様に訪問しろ!」と指示するだけではなく、営業マネージャーにも必要なタイミングでお客様に訪問できる営業プロセスや仕組みを構築する必要があります。会社としてそのようなプロセスや仕組みを準備することで、営業マネージャーがもっと力を発揮することが可能になるのです。

    お客様からの評価(お客様からの信頼)を高めたければ、視点へと変え「売った後」の情報にもっと目を向けるべきです。それには、営業マネージャーによる戦略的顧客訪問が必要です。
    来月は、今月より「売った後」のお客様訪問とお客様との商談のReviewを少し増やしましょう。その積み重ねが、チームの目標達成の可能性を格段と高めてくれます。

    私たちは、このような「お客様と営業マネージャーや営業パーソンのコミュニケーションの強化」の支援をしています。具体的に研修として取り入れたいとお考えであれば、お問い合わせ下さい。
    貴社の営業をより効果的・効率的にするお手伝いをいたします。


    (本コラムは、2008年6月22日に書かれたものを再編集しました)
    文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳 (てらおたくみ, Takumi Terao)
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