営業パーソンたちの生産性と成果を最大化できている「強い営業組織 7つの特長」 ~ 確実に目標達成し、企業を成長へ導く強い営業組織を作るヒント!

どうしたら、営業パーソンたちの生産性と成果を最大化できる「強い営業組織」を作ることができるのでしょうか?

私たちは、多くの営業組織を診断(アセスメント)し、パフォーマンスを向上させるための営業力の強化支援をしました。長年の法人営業の研究から、目標達成を続ける強い営業組織には7つの特長があることがわかりました。ここで紹介する7つの特長のうち、どれか1つの特長を強化するだけでもクライアント企業は営業パフォーマンスを向上させることができました。

ですから、あなたの営業組織でも、どれか1つの特長を強化するで、確実に営業組織の成果を向上させることができます。営業パーソンたちの生産性を高め、成果を最大化し、持続的に目標達成できる「強い営業組織の7つの特長」について解説します。

確実に目標達成し、企業を成長へ導く強い営業組織を作るヒント!

特長1. 営業データを分析

営業パーソンたちの生産性と成果を最大化できる「強い営業組織」は、3種類の営業データを収集して分析し、効果的な対策をとっています。

1つ目は、売上に関するデータです。営業組織が扱っている売上に関するデータは、年間および毎月の売上実績です。強い営業組織は、それだけではなく、重要顧客や重点顧客ごとの売上、そして、商品ごとの売上についても分析しています。

2つ目は、商談に関するデータです。一般的に営業組織が扱っている商談に関するデータは、今月と来月の売上見込金額です。ですが、強い営業組織は、それ以外にも新規商談の発見数や商談進捗度合いごとの量を分析しています。

3つ目は、営業の行動(とくに顧客訪問)に関するデータです。強い営業組織は、毎月と毎週の訪問件数のデータだけではなく、訪問目的も分析し、「業務内での営業パーソンの時間の使い方」に気を配っています。「お客様訪問先とその訪問の質は、営業組織の目標達成度と比例関係である」ことをよく知っているからです。

以上のように、強い営業組織は、営業データを分析して問題を特定し、その問題を解決しようとします。そのような効果的な問題解決のためには、多角的かつ大量にデータを取得したほうが良いと思われがちです。ですが、多角的かつ大量にデータを集めようとすると、営業パーソンには過度な負担となります。

営業のパフォーマンスを向上させるために最も重要なことは「営業パーソンがお客様のために、どれだけ多くの時間を使っているか?」です。あまりにも多くのデータを集めようとすると、「お客様のための時間」を減らします。そのために、最低限必要な営業データを収集し、そのデータから営業一人ひとりの成果の最大化と営業組織の生産性向上への課題を設定することが大切です。

特長2. 課題と実施策がある、わかりやすい年度方針と営業戦略

営業パーソンたちの生産性と成果を最大化できる「強い営業組織」の営業マネージャーの年度方針や営業戦略は具体的でわかりやすいです。

一般的な営業組織の年度方針や営業戦略は、「売上xx億円達成が目標」という数値と「頑張ろう!」「顧客中心!」というスローガンが中心となっています。場合によっては、数値だけ、スローガンだけ、という年度方針もありました。

それに対して、強い営業組織の営業マネージャーが作る年度方針や営業戦略は、「達成目標」「重点課題」「そのための実施策」が具体的です。確実に目標達成をするために何を重点的に強化する必要があるのか(重点課題の設定)、そして、具体的になにをするのか(そのための実施策)がわかりやすいです。

そのような年度方針や営業戦略ですので、営業パーソンたちも「今年は何を期待されているのか!」「今年は何をすればよいか!」がわかりやすく、その年度方針や営業戦略を意識して営業活動をおこなうことができています。

営業組織が目標達成できるかどうかは営業マネージャーが作る年度方針や営業戦略次第なのです。

(【参考】 【マネジメント基礎研修】 方針作成&推進力強化 ~ 率いる部門を成長へ導き、目標を達成するための方針作成方法!(Hoshin Planning Method)

特長3. 営業パーソンの目標設定と計画

営業パーソンたちの生産性と成果を最大化できる「強い営業組織」では、営業パーソンが自分自身の目標を設定し、その目標を達成するための活動計画を立てています。

強い営業組織の営業パーソンの年間目標は、会社が決めた「売上目標」だけではありません。重要顧客や重点顧客ごとの年間売上目標も設定しています。

彼らは、年間目標だけではなく、毎月の目標も立てています。毎月の月初めに、「自分の売上目標」「現在までの売上実績」「売上目標と売上実績のGAP」を確認します。もちろん、それには、重要顧客や重点顧客それぞれの売上実績の確認も含まれます。また、現在取り組んでいる商談の進捗状況についても振り返ります。このように、月初めに自分の目標に対する達成度や商談の進捗度を確認した上で、今月の活動目標と計画を設定します。その活動目標には、「開拓すべき新規商談の件数目標」、および、「現在、取り組んでいるそれぞれの商談の進捗目標」も含まれます。

営業マネージャーは、以上の営業パーソンたちの目標と達成度合いを把握し、そして、営業パーソンがその目標を達成するための助言や指導を行います。

以上のように、営業パーソンは「年間の目標設定と計画」「月間の目標設定と計画」を行い、そして、営業マネージャーは、営業パーソンたちの「目標設定と達成度」と「今後の計画」を把握し、彼らが目標を達成するための支援をします。だから、営業パーソンたちの目標達成の確実性は高いのです。

(【参考】 【法人営業研修】営業パーソンの営業活動計画力の強化 ~ 目標を確実に達成するために必須となる営業活動計画の作成方法(Planning Method for Achievement)

特長4. 営業研修などの学習方法

営業パーソンたちの生産性と成果を最大化できる「強い営業組織」は、研修の実施方法にも特長があります。

強い営業組織は、「確実に目標達成する」「長期的な成長を実現する」のための営業研修を実施しています。強い営業組織がよく行っている営業研修は、新規の商談開拓/競合対策/ハイレベルへのアプローチ/交渉など、営業組織のパフォーマンス向上に直接影響を及ぼす営業理論のトレーニングです。

外部で開催される研修にそれぞれが個別に受講することもありますが、それよりも、マネージャーを含め全員が一緒に学んでいます。研修で学んでも実際の営業現場で実践できなければ効果がないことを知っているからです。そのために、営業マネージャーも含め、全員が一緒に受講し、その後、全員で実践します。また、定期的に全員でロールプレイを実施します。このように行うからこそ、営業組織の課題を解決できるのです。

強い営業組織が必ず実施する営業研修は、「新規の商談開拓スキルの強化」です。「新規商談開拓力」は強い営業組織の必須条件です。また、この新規商談開拓スキルは他の営業基礎理論の土台でもあり、新規商談開拓スキルが十分ではない営業パーソンに、さらに高度な営業研修を実施しても効果が期待できないのです。

(【参考】 【法人営業研修】商談開拓スキル強化 TSメソッド ~ 「商談開拓技法」が営業パーソンの提案力を強化し、商談総額を2倍へ増やす!(Developing New Opportunities, TS-Method)

特長5. お客様との関係の維持

営業パーソンたちの生産性と成果を最大化できる「強い営業組織」では、営業マネージャーが担う業務に「お客様との関係構築」が入っています。

一般的に、多くの営業マネージャーは、営業パーソンと一緒にあいさつ訪問やトラブル対応訪問をします。すなわち、営業マネージャーが会うお客様は、営業パーソンが決めています。そのため、お客様との関係構築は、営業パーソンが普段面会できているお客様、もしくは、そのすぐ上の上司までしか面会できていないことが多いです。すなわち、より上層部のお客様との関係構築ができていないのです。

お客様の上層部と関係構築できると、より大きな取引機会を創出できます。お客様の企業規模にもよりますが、営業パーソンが一般的に面会できるのは、課長や部長までの役職です。執行役員/取締役/社長などの役職のお客様と面会するためには、それ相当の営業マネージャーが担わなければなりません。

営業マネージャーは、お客様の上層部とビジネス課題について話し合える関係を構築することを業務として担わなければなりません。そして、営業パーソンは、営業マネージャーの指示や支援に基づき、営業マネージャーが上層部のお客様と継続的に面会できるようにしなければなりません。

(【参考】 【法人営業研修】ハイレベル・アプローチ TSメソッド ~ エンタープライズ企業との取引最大化を実現する!(High-Level Approach, TS-Method)

特長6. 成長に向けた改善活動

意外かもしれませんが、営業パーソンたちの生産性と成果を最大化できる「強い営業組織」は、目標達成だけの業務をしているわけではありません。

以前と比べ、お客様との商談は、ますます難しくなっています。今までと同じような営業方法だけでは目標達成などできないのです。そのために、日常の業務だけではなく、営業パーソン自らが「組織の成長(例えば、営業マネージャーが方針として示した課題解決を含む)」の挑戦をしています。「学んだ営業研修を、実際の営業活動で実践できるようにすること」もその挑戦の1つです。

このような事業成長のための挑戦は、営業マネージャーの指示に基づいて行われることもありますし、営業パーソンたちが自発的に始めることもあります。どちらであっても、そのような挑戦することが推奨されています。また、それが実行されている最中には、営業マネージャーが行うのは助言だけです。営業パーソンたちが主体的に事業成長に挑戦するから、「自分で考え、実行する社員」を育てることができます。強い営業組織は、人が事業を成長させ、そして、事業が人を育てる好循環を生み出しています。

(【参考】 【事業成長力強化研修】チームで挑戦する『事業成長への行動』推進モデル ~ 事業計画達成に貢献する組織課題解決力を強化!(Driving Model for Growth)

特長7. 業務遂行と成長の評価

営業パーソンたちの生産性と成果を最大化できる「強い営業組織」は、営業マネージャーや営業パーソンの評価項目も適切で理にかなったものになっています。「売上の達成度に応じて、何しろたくさんの報酬が出る」という評価・報酬体系とは限りません。

例えば、営業パーソンには、業務として「目標設定と計画」「市場情報収集」「商談の開拓」「受注に向けた商談活動」「サポート」「お客様の関係構築」が定義されており、これらが評価項目となっています。また、営業マネージャーは「年間方針や戦略の策定」「営業パーソンの目標達成の支援」「お客様上層部との関係構築」が業務であり、評価項目の一部となっています。このような評価項目の設計には、「ジョブ型雇用制度」を活用すると効果的です。

以上のように、評価項目になにか特別な項目や難しい項目があるわけではありません。今まで説明してきた特長1から6に関わることで評価されています。そして、その内容はシンプルなものです。

(【参考】 【人事制度構築支援】「ジョブ型雇用制度」導入支援 ~ 中堅・中小企業を持続的成長へと導く新人事制度へ(Human Resource Management, TS-Method)

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営業パーソンたちの生産性と成果を最大化できる「強い営業組織」 まとめ

私たちは、営業パーソンの成果の最大化、そして、「強い営業組織」を作るためのコンサルティグサービスを提供してきました。その観察と経験を通して発見した「営業パーソンたちの生産性と成果を最大化できる強い営業組織の7つの特長」を紹介しました。これらの組織は、「確実に目標達成する」「持続的に成長する」という意識があり、そのためのシンプルなことを着実に行っていました。

ここで紹介した「強い営業組織の特長1~7」の全てを一度に実施する必要はありません。組織にとって実行すべき適切な課題を1つ選定し、その課題解決をします。その課題解決ができたら次へと1つずつクリアしていくことで、相当な成長率を達成することができます。なぜならば、1つクリアするだけでも営業組織のパフォーマンスは確実に高まるのです。

私たちは、多くの営業組織の業務改善/パフォーマンス向上/変化変革を実践しました。事業を成長させるためのその豊富なノウハウと経験があります。貴社と力を合わせて問題を発見し、その問題を解決します。より具体的な内容説明の希望/質問/ご依頼は、下記からお問い合わせください。

(本ノートは、2020年2月24日に書かれたものを再編集しました)
文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳(てらおたくみ, Takumi Terao)
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