社員なのに「会社を動かし、事業を成長させた人」は、どのような行動をしたのか? ~ 社員自らが「会社を動かし、会社を変える」ための具体的な方法

会社を動かし、事業を成長させるのは誰でしょうか?

一般的に、「事業を成長させるのは、社長や取締役などの経営層の仕事」と思いがちです。ですが、課長や社員が会社を動かし、事業を成長させている事例もあります。私たちは、経営層や事業部長という役職の人だけではなく、課長や一般的な社員が会社を動かし、彼らが事業を成長させている事例を見てきました。

どうすれば、課長や社員が会社を動かし、事業を成長させることができるのでしょうか?

あなたが、「会社を動かし、会社を成長させる存在として活躍する」ための方法を解説します。

社員自らが「会社を動かし、会社を変える」ための具体的な方法

会社を変えるのは誰の役割か?

会社を変えるのは誰の役割か、人によって意見は違います。

多くの社員たちは、「会社を変えるのは、社長や取締役などの経営層の役割だ!」と考えています。業績が芳しくない、お客様からの不満やクレームが多い、社員たちの意欲がない、給料が少ない、新しい社員の採用ができない、など、このような問題の解決は経営層が行うべきだ、と考えています。実際のところ、多くの企業では、このような考え方をしている社員が多いため、経営状況が一向に良くならないのです。

社長や取締役などの経営者たちは、「会社を変えようとしているが、社員たちが協力しないことが問題だ!」と考えています。社長や取締役などの経営者たちは事業を成長させるために、経営方針や中長期計画を作成して、社員たちへ会社の方向性を示します。ですが、社員たちがその経営方針や中長期計画の達成に協力しないのです。このような企業では、経営方針や中長期計画が「絵に描いた餅」の状態で、そのビジョンや目標が達成できていません。その結果、業績低迷から脱することができていないのです。

そのような中、部長や課長や主任と言う社員の立場であるのに、「このままではダメだ、会社を良くしたい!」という意識を持ち、社長や取締役などの経営層を動かし、会社を変えている社員が存在しています。私たちは、彼らから連絡をもらい、彼らが「会社を動かす!」挑戦を手伝い、事業を成長させた事例をいくつも見ました。

私たちは、このように、社員が会社を変えようとすることは大切だと考えています。そのような社員がいるからこそ、会社が新しいことへ動き始め、事業を成長させることができます。そのような社員が一人でも多く増えてほしいと思っています。そうすれば、会社も大きく成長しますし、その社員の人生も変わるからです。

社員が会社を動かし、事業を成長させている!

取締役を動かし、会社として「良い会社にする」活動を始めるきっかけを作った。

人材サービスを提供している企業に勤める部長Kさんから、私たちのホームページに問い合わせがありました。その問い合わせがきっかけとなり、Kさんが「自分の会社を動かす」ことに協力しました。

最初の問い合わせは、「社員の管理力を強化したい!」ということでした。色々と話しをしていると、社員のマネジメント力の強化も必要ですが、それ以外にも、「会社が目指す目標を達成できないことが多い」「ライバル会社が強く、企業としての成長が困難になっている」「社員の離職率が問題である」など様々な問題に直面していることもわかりました。

Kさんは問題意識がある人で、「自分の会社をもっと良くしたい!」と考えていました。Kさんは、時折、上司である取締役へ「会社として対策を取る必要があるのではないか!」と話をしていて、上層部もその意見に「そうだと思う!」と賛同してくれていました。ですが、実際に「会社を動かす」「会社が変化を始める」にまでには至っていませんでした。

その後、Kさんと一緒に検討を重ね、ついにKさんは取締役を動かし、「会社を良くする」「会社を成長に導く」ための「会社を変える活動」が始まりました。

事業部長への提案が、会社を動かすきっかけとなった。

Mさんは、アウトソーシングサービスを提供している企業の社員でした。Mさんは、以前、私たちの研修に参加したことがあり、その時から10年を超えて連絡を取り合っている関係でした。

Mさんの会社が直面していた問題は、「社員の問題解決能力」でした。Mさんの会社は拡大していて、その拡大に合わせて、社員が増えていました。しかし、問題に直面すると、社員たちは場当たり的な対処ばかりを行っている状況でした。事業は拡大しているのですが、社員一人あたりの生産性は低下していました。Mさんは、この状況に危機感を感じていて、「このままでは、社員のやる気は低下してしまう」「会社の雰囲気はますます悪化する」「サービスの品質が悪化してしまう」「さらに深刻な業務上の問題に直面しかねない」と感じていました。

会社としても、このような問題に気がついていましたが、具体的な対処が行われていない状況でした。Mさんから相談を受け、約半年にわたり一緒に事業部長への提案を検討しました。Mさんは、その提案の行うことで、自ら会社を動かすことに成功しました。


時間をかけて社長へ提案し、「事業を成長させる活動を始める」ように、会社を動かした!

Yさんは、製造業の課長でした。Yさんは、勤めている会社の将来に不安を感じていました。下請け的な仕事が多く、主要な取引先によって経営状況が大きく影響される状況でした。社員たちは、言われたとしかやらない傾向があり、さらには、言われたことすらできていない人もいました。また、採用がうまくいかない問題も抱えていました。

社長も「会社を変えなければ」と思っていましたが、方針や戦略や組織問題解決の活動がうまくいかず、停滞してお手上げ状態となっていました。Yさんは課長という立場でしたが、「なにかしなければ!」「会社を動かし、変えなければ!」と感じていました。

そこで、私たちと一緒に会社を変える計画を検討しました。半年ほどの時間をかけて、社長への提案を作りました。ついに、Yさんは、会社を動かし、事業を成長させるための活動を始めさせることに成功しました。

社員が、会社を動かすことは可能!

一般的に、多くの人は、「会社を動かすのは経営層だ!」「会社を変えるのは上層部だ!」と思いがちです。ですが、それは正しくありません。

以上のように、多くの社員たちが、「会社を良くする!」「会社を強くする!」ためのきっかけを作り、会社を成長させています。実は、多くの企業の社長や取締役などの経営者も、社員からの提案を待っているのです。そして、このような形で始まった「会社を変える活動」は、成功する可能性が非常に高くなります。なぜなから、経営層だけが会社を変えようとする状態ではなく、経営層と社員が力を合わせて、会社を変えようとしているからです。

「社員が会社を動かし、事業を成長させる」人になるための条件

では、どうしたら、KさんやMさんやYさんのように、「会社を動かし、会社を変える」ことができるのでしょうか?

彼らは、以下の「会社を動かし、会社を変える」条件に合致している人たちでした。

条件1. 自分の所属する会社をよくする意識を持つ
条件2. 将来の危機感を感じる
条件3. 同じ立場に立つ
条件4. 行動を始める

条件1. 自分の所属する会社をよくする意識を持つ

「会社を動かし、会社を変える」ことに成功した社員に共通する特徴は、「会社を良くしたい!」という思いを持っていることでした。最近、多くの企業で「従業員エンゲージメント」という言葉が使われますが、彼らは「エンゲージメント(会社に対する愛着や思い入れ)」が高い人たちでした。

条件2. 将来の危機感を感じる

会社に対する愛着や思い入れがあるだけではなく、彼らは、会社の将来に不安を感じていました。「このままでは、会社はますます悪くなる」「会社の経営状況は、ますます悪化する」と感じていました。

一般的に、このような会社の将来に危機感を持っている人は、他の会社に転職しようとします。ですが、「会社を動かそうとする人」は、条件1で説明した通り、会社に対する愛着や思い入れがあるために、「自分が会社を変えることができないか?」を考えています。

条件3. 同じ立場に立つ

「会社は変わるべきだ」と思っている多く人は、上層部に対して批判的です。なぜならば、「会社を変えるのは、社長や取締役などの経営層の役割だ。社長や取締役などの経営層が悪いから、会社が良くないのだ」と考えているからです。

ですが、実際に「会社を動かし、会社を変える」ことに成功した人は、上層部の考えを理解し、同じ立場にたとうとします。上層部の方針や戦略を十分に読み込み、上層部と同じ立場に立つからこそ、「会社を動かす」「会社を変える」ために上層部を動かすことができるのです。

条件4. 行動を始める

最後の条件は、「行動すること」です。具体的にどのような行動をする必要があるかは、この後で解説します。望んでいることを手に入れるためには、行動が必要です。彼らは、「会社を良くしたい」という思いを持つだけではなく、「社長や取締役などの経営層を動かす行動」をしていました。

1つでも条件を満たさないと…

以上に説明した条件は、全て必要です。どれか1つでも欠けてしまうと、「会社を動かす」「会社を変える」ことができなくなります。そう聞くと難しいことのように感じますが、難しいことではありません。具体的な行動については、この後に解説しますが、その方法を実践している途中で、時折自分の思考や行動が以上の条件に満たせているかを確認すればよいのです。

「社員が会社を動かし、事業を成長させる」具体的な方法

「会社を動かし、会社を変える」ためには、以上で解説した条件を意識した上で、戦略的に行動することが大切です。具体的には、以下の方法を実行します。

方法1. 方針・戦略を理解する
方法2.「方針・戦略」に関して、現場で起こっていることを適時報告する
方法3. 仲間を増やす
方法4. 提案を作る(「やりたい」意思を伝える)

方法1. 方針・戦略を理解する

まずは、会社の方針や戦略をできるだけ詳しく理解します。

「会社を変えなければ…」と思っている多くの社員は、「会社の方針や戦略がおかしい」「会社の方針や戦略が機能していない」と感じています。そのために、すでに解説した通り、上層部を批判しがちです。

社員が会社を動かすためには戦略が必要です。会社を動かすためには、投資予算も必要だからです。そのために、まずすべきは、上層部の方針や戦略をできるだけ詳しく理解し、自分の言葉でその概要を説明できるようになることです。

社員なのに「会社を動かし、会社を変える」ことに成功したKさんやMさんやYさんも、最初は、上層部の方針や戦略に対する理解度が十分ではありませんでした。そこで、私たちが、「まずは、上層部の方針や戦略を理解しましょう!」と助言し、一緒にその意味合いや内容を整理しました。彼らも、まずは「上層部の方針や戦略を理解すること」から始めたのです。

方法2. 「方針・戦略」に関して、現場で起こっていることを適時報告する

上層部の方針や戦略を理解すると、その方針や戦略に示されている目標達成の障害が見えてきます。その目標達成の障害を発見したら、それを上層部に報告します。その際、「このような問題や障害が発生しています。これらの問題や障害をこのように解決しましょう」と、解決策のアイデアを添えて報告するとより効果的です。

一般的に、社長や取締役などの上層部は、現場で発生している問題や障害を把握できていないことが多いです。上層部が気づいていない問題や障害を報告することで、あなたに対する信頼度が格段に高まっていきます。

(【注意】この報告は、発生している問題や状況に合わせて応用力を発揮した報告が必要です。報告の方法に困ったら連絡ください。効果的な報告の仕方について助言します。)

方法3. 仲間を増やす

以上のような活動を続けると、あなた自身の「会社を良くしたい!」という思いや考えがより具体的になり、そのことで、他の人から賛同が得られる説明ができるようになります。そうなったら、この段階でしておきたいことは、仲間を作ることです。たくさんの仲間を作る必要はありません。1~3人で大丈夫です。この段階で、あなたがやりたい「会社を動かし、会社を変える」ことに一緒に挑戦してくれる仲間を増やしておきます。

方法4. 提案を作る(やりたい、意思を伝える)

方法1から方法3を行うことで、あなたが「会社を動かし、会社を変える」具体的な提案ができる環境が整いました。ここで、上層部に対しての「会社を動かし、会社を変える」提案を作ります。

この提案で重要なことは、その提案の中に「具体的に、どのような状態を目指すのか?」を表現することです。「会社を動かし、会社を変える」ための提案に、「具体的に、どのような状態を目指すのか?」が書かれていなければ、社長や取締役などの上層部がその提案を受け入れることはないでしょう。

多くの社長や取締役も、「会社を変えたい」と思っています。そして、社員たちが提案をしてくれることを待っています。ですが、多くの企業では、社員たちがそのような提案をしていないことが多いです。提案することで、失うことは何もありません。逆に、提案することは、あなた自身の評価を高めます。この成功を経験すれば、あなた自身の人生が変わります。勇気を持って、「会社を変える」ための提案することをおすすめします。

これらの方法を実行するための注意点

社長や取締役への提案に挑戦しても、失敗することもあります。通常、以下がその失敗の理由です。

◆ 性急すぎる
◆ 提案ではなく、愚痴や不満を行っているだけになっている
◆「具体的に、どのような状態を目指すのか?」が明確ではない

そのため、今回解説した「会社を動かし、会社を変える」方法は、少なくとも半年以上かけて、ゆっくり丁寧に検討し、かつ、戦略的な行動が重要です。社員なのに「会社を動かし、会社を変える」ことに成功したKさんやMさんやYさんも、実際には、私たちと一緒に時間をかけて検討し提案することで、会社を動かすことができました。

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実際に会社を動かし、会社を変えよう!

多くの社員は、「会社を変えるのは、社長や取締役などの経営層の役割だ!」と考えています。そのために、「会社を変える」ための提案をしようとしません。また、提案しているつもりでも、それは提案ではなく、愚痴や不満となっている事が多いです。

社長や取締役などの経営者たちは、社員からの提案を待っています。実際に、提案が受け入れられないこともありますが、それは、このノートで紹介した方法を着実に行っていないためです。少なくとも半年くらいかけて準備をし、戦略的に行うことが必要です。

私たちは、多くのクライアント企業の業務改善/パフォーマンス向上/変化変革を実行しました。事業を成長させるための豊富なノウハウと経験があります。私たちは、実際に、多くの社長や取締役へ、「会社を変える」提案を行ってきました。

あなたが「会社を動かし、会社を変える」成功経験をすれば、人生が変わります。勇気を持って、「会社を変えるための提案」をすることをおすすめします。ノートで紹介した成功できた人たちのように、私たちは、あなたのその提案が成功するための支援をします。あなたの仲間として、「あなたが会社を動かし、会社を変える」成功の可能性を最大限に高めます。是非力を合わせて、会社を動かし、会社を変えましょう!

(本ノートは、2022年8月1日に書かれたものを再編集しました)
文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳(てらおたくみ, Takumi Terao)
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