私たちの営業力アセスメント(営業力診断)結果から見えてきた「営業が考えなくなった!」その理由と対策

営業力強化コンサルティングという仕事を行っておりますので、多くの営業マネージャーとお話する機会があります。営業マネージャーから「営業が考えなくなった!」「言われたことしかしない!」ということをよく聞きます。
「もっと考えて自発的に行動をとってほしい」とマネージャーは考えているのですが、期待通りではないようです。
私たちは営業力アセスメント(営業力診断)というコンサルティングサービスを提供しておりますが、この営業力アセスメントを通して「営業が考えなくなった!」「若手の営業が意欲を発揮しない!」原因の1つが見えてきました。
また、「営業が考えなくなった!」「若手の営業が意欲を発揮しない!」だけではなく、「若手の営業がすぐ辞めてしまう!」という問題の理由もつかめてきました。
今回は「営業が考えなくなった!」「言われたことしかしない!」という問題の原因とその対策について、そして、「若手の営業がすぐ辞めてしまう!」という問題の理由と対策について考えます。


私たちの営業アセスメント(営業診断)結果から見えてきた「営業が考えなくなった!」その理由と対策

営業アセスメント(営業診断)を通した「営業が考えなくなった!」に関する調査

私たちは、クライアント企業の営業力強化支援のソリューションの1つとして、営業アセスメント(営業診断)というコンサルティングサービスを提供しています。
このコンサルティングサービスの詳細は[コンサルティング] 法人営業診断(アセスメント) ~ 最適な解決策と実施計画の立案支援 (BtoB Sales Force Assessment)を参照ください。

最近、この営業力アセスメント(営業力診断)を4社のクライアント企業で実施しました。
これらのクライアント企業では、下記のような悩みを抱えており、その解決策を明らかにするために私たちのアセスメントをご採用いただきました。
  • 御用聞き営業・ルートセールスの状態から脱出したい
  • 業績が悪化している、売上が頭打ち

  • この4社のアセスメントを通して「営業が考えなくなった!」「若手の営業が意欲を発揮しない!」の原因が見えてきました。


    営業の日々の計画と管理

    ほとんどの営業は、日々のお客様の訪問を計画し、それに基づきアポ取り+お客様訪問を行っておりました。
    営業マネージャーも「今日はどこに行くのか?」をかなり気にしており、営業との日々の話し合いの中で確認していました。

    売上予測の確認は、毎日は行われていませんでした。
    法人営業の場合、商談開始から成約するまでに2回から4回程度の面会を行なうことが多いです。
    ですので、毎日のように売上予測を確認する必要はないようでした。


    営業の毎週の計画と管理

    毎日のお客様訪問の計画と同様、ほとんどの営業は毎週の訪問計画を立てて行っていました。
    マネージャーも毎週の訪問計画を意識していて、営業に「1週間の訪問計画」を作らせていました。
    あるクライアント企業では、毎週の訪問計画を作らせる代わりに毎週月曜日に営業会議を行い、その営業会議の中で訪問先を確認していました。

    4社の営業マネージャーたちを比較すると、厳しく訪問計画を作らせている営業マネージャーほど目標の達成度が良い傾向でした。そのような営業マネージャーは、その訪問計画に「訪問目的と訪問によって何を達成するか!」まで計画させていました。その分、規律のある組織となっていました。

    少し話がそれますが、営業には規律が必要です。規律の高さが、営業の成果にも影響しますし、営業の意欲の高さにも影響を及ぼします。

    次に、売上予測ですが、毎週という観点で売上予測を管理している営業はいませんでした。ほとんどの営業は、1ヶ月という単位で売上の予測をしていました。
    営業マネージャーは「今週はどれが注文になるのか?」ということを気にしており、確認していました。この確認は営業会議の中で話し合われますが、レポートや報告書提出までは求めていませんでした。


    営業の毎月の計画と管理

    毎月の訪問計画を立てている営業はほとんどいませんでした。
    毎月の訪問計画というのは「お客様ごと、もしくは、地域ごとに、今月何件訪問するか?」の計画です。
    営業マネージャーも毎月の訪問計画立案を指示したり管理したりしていませんでした。

    毎月という期間において、営業マネージャーと営業の間でもっとも重点が置かれる話題は「今月の売上予測」でした。
    「営業の毎週の計画」のところでも説明しましたが、全ての営業は毎月の売上予測の管理をしていました。
    営業マネージャーも「今月の売上目標はいくらか!」には最も高い関心があり、報告書としても記載させていましたし、営業会議でも話題として話をしていました。


    営業の四半期(3ヶ月間)の計画と管理

    四半期(3ヶ月)という期間で訪問計画を行っている営業は1人もいませんでした。


    四半期(3ヶ月先)までの売上予測の管理は、実施している企業と実施していない企業がありました。
    (ちなみに「営業支援ツールに商談の入力はしているが、報告書やレポートとして確認していない、かつ、営業会議で確認することがない」企業は実施していない企業に分類しました。)

    実施していない企業の営業の売上予測の精度は悪く、そのために、毎月の売上目標達成率は悪い状態でした。また、これらの会社のマネージャーは「毎日の訪問先」「毎週の売上見込」「毎月の売上予測」に重点を置いていました。

    実施している企業の営業の売上予測の精度は高く、毎月の売上目標達成率が高い状態でした。
    彼らは3ヶ月先まで見据えて目標と売上予測のGAP対策を行い、そのGAPを埋めるための対策をしっかり行っていました。

    この四半期(3ヶ月先)までの売上予測は、その会社の今後の売上達成見込を考える上で非常に重要な営業管理手法の1つです。
    法人営業にとって、毎月の売上予測の管理よりもこの3ヶ月先までの売上予測の管理のほうが格段に重要なのです。


    営業の半期もしくは年間の計画と管理

    半期もしくは年間という期間においては、全ての企業で目標管理(MBO, Management By Objective)を取り組んでおりました。
    MBO(目標管理)につきましては、目標管理(MBO)を見直そう! 成長している企業の目標管理(MBO)実践方法をご参照ください


    その目標管理(MBO)で計画をしている内容は、
  • 販売目標(売上目標)
  • キャリアプラン (今後のキャリアとしてチャレンジしたいこと)
  • など会社から与えられた売上目標と人事に関わることでした。

    ですが、営業1人あたりの売上額が大きく、戦略的で、生産性の高い営業組織の目標管理には、通常下記のような要素が盛り込まれます。下記のようなことを営業自らが「自分の目標」として計画します。
  • どのお客様、どの領域、どの製品で、成功をおさめるか?
  • どのお客様からどのくらいの売上を達成するのか?(どの領域 / どの製品でどのくらいの売上を達成するのか?)
  • どのお客様と新しい取引構築するのか?
  • それぞれのお客様にどのくらい訪問するのか?
  • それぞれのお客様において、どの程度の階層の人と関係を構築するか?
  • 自分はこの担当する領域でどんなことを成し遂げるのか?

  • すなわち、すべての企業の目標管理(MBO)には、「これからの半期(もしくは1年)において、自分が担当する領域における営業活動目標と達成基準」が欠如していました。


    「営業が考えない!」原因とその対策とは

    「営業が考えなくなった!」原因とは!

    毎日という短期間から毎年という中長期間における訪問計画と売上予測を見てまいりましたが、「多くの企業の営業は短期の視点だけで日頃の活動を行っており、場当たり的になっている!」という状態でした。
    これは、営業だけが短期的な視野になっているのではなく、部長や課長などの営業マネージャーまでも短期的な視点になっていました。
    彼らの視点において計画と管理の対象は、最長でも「1ヶ月」という短いものでした。

    営業マネージャーが「営業が考えなくなった!」「言われたことしかしない!」といいますがこのような状況になっているのはこの短期的な視野が大きく影響しています。
    短期的視野では、どうしても「毎月の売上」「毎週の訪問件数」など金額や件数などの数字的ノルマばかりに追われます。そのことが、「営業を考えなくさせている」のです。
    三ヶ月・半年・一年という中長期的な視野ですと、お客様についてのイメージや意識が計画に盛り込まれるようになり、「目的意識」を生み出します。目的というのは長期的な視野でなければ見えないのです。
    そのような長期的な視野で半期(年間)の構想をつくり、目的や存在価値を考えるようにすることで、少しずつではありますが「営業が自ら考えるようになる」のです。


    「営業が考えなくなった!」その対策

    現在の営業には、製品知識だけではなく、お客様の会社状況や経営に関する思考と実践、交渉に関する思考と実践、市場調査をする思考と実践など、様々な「思考と実践」が求められます。
    そのようなことを中長期的な視野として検討し、営業を行う目的として明確にして、その思考と実践をすることが必要です。

    営業マネージャーや営業へ、半年から一年に関する長期において売上予測管理と訪問計画をも含めた計画と管理の教育を行うことが「営業が考えるようになる!」ことへの実現に繋がります。
    そのようなトレーニングを行い、日常の営業管理体制を構築することが大切です。


    もっと大きな問題「若い営業が会社をやめてしまう」という問題が起こっていた!

    中長期的な計画を立案し管理することが「営業が考えるようになる!」実現につながることを説明しましたが、営業アセスメントをとおしてもっと大きな問題である「若い人が会社をやめてしまう」原因も見えてきました。

    営業マネージャーからは「営業が考えなくなった!」「言われたことしかしない!」という言葉を聞きますが、その反面、若い営業たちと話をしますと、実際には若い営業たちは学習意欲も高いですし、素直ですし、「しっかり考えている!」と感じさせる営業が多かったです。
    営業の基本的な理論、合理的・効果的な営業方法を真剣に学ぼうとしていました。学ぶだけではなく、実際に挑戦していました。
    「営業が考えなくなった!」と感じている営業マネージャー達とは違うのですが、私たちには、若い営業たちは「目標を達成しなければ!」という決意も高く、それを実現するための理論や方法を学ぼうとする意欲は非常に高いと感じました。


    そんな若い営業たちからの観点では、営業マネージャーたちの指導を下記のように感じていました。
  • 営業マネージャーの教えてくれることは、カンや経験によるもので、古臭い。
  • 場当たり的な助言で、理論的でない。だから、言うことが変わる。
  • 自分の古い営業のやり方を押し付けてくるし、そのとおりやらないと怒る。
  • 「意欲を出せ!」という精神論が多い。


  • 若い営業が辞めてしまう会社の特長とは?

    最近営業アセスメントを行ったクライアント企業以外の会社も含め、若い営業が採用できない・若い営業が会社に定着してくれない会社には下記のような傾向がありました。

  • 年配の人が営業マネージャーのポジションを占めている。
  • 営業の管理方法が古い。新しいITやツールが効果的に使われていない。
  • 営業教育がない。もしくは古い。理論に基づいた教育カリキュラムが用意されていない。
  • 年功序列の給与体系である。意欲を引き出す仕組みがない。
  • 新しい営業メソッドに挑戦していない。


  • つまり、営業組織・営業の仕方が古臭いのです。
    ベンチャー企業ですら、営業マネージャーがこのようなことをしている企業もありました。
    このような状況では、営業が自ら考え、行動することはありません。そして、その会社に定着しようとすらしません。
    若い営業が違う会社でチャレンジしたくなって当然なのです。


    営業マネージャーの仕事を見直そう!

    「営業が考えない!」「言われたことしかしない!」「若い営業が集まらない、営業がやめてしまう!」という問題を解決することは簡単ではありません。
    全ての営業マネージャーを若い人にすることは出来ませんし、ITツールをただ導入しただけではその導入効果を手にすることが出来ません。

    そのために、私たちがご提案していることは「営業マネージャーの仕事を見直す」から始めることをご提案しています。
    殆どの企業の営業マネージャーは、大きく分けて3つの仕事を担っています。
  • 対外的な役割 (お客様や取引先や地域との関係性のマネジメント)
  • 目標達成のための数値管理
  • レポート体系や営業の育成などの営業マネジメント

  • この3つのうちに「対外的な役割」や「目標達成の数値管理」は営業マネージャーが役割として取り組むべき仕事です。
    ですが、レポート体系の構築や営業の育成など、営業業務のマネジメントは、外部のプロフェッショナルに依頼・アウトソースし、その人が新しい営業モデル・営業ツール・営業構築を行なうことが重要です。新しい営業モデル・営業ツール・営業構築は、そのことに精通して研究した人だから適切に行なうことが出来ます。営業マネージャーは「対外的な役割」や「目標達成の数値管理」で忙しいのですから、その片手間でできることではないのです。

    大手企業の場合、このような部分は「営業企画部」という専門部署があります。ですが、中堅企業・中小企業ではそのような「営業企画部」の人員はいません。そのために、営業マネージャーが兼務して行っていることが多いです。ですが、営業マネージャーは過去の今までのやり方・経験に基づいて行いますから、新しいことを導入したりチャレンジしたりしません。
    そのために、営業が古臭いままなのです。
    この部分も含めて、営業マネージャーの役割にしてしまっていることが問題です。


    この「レポート体系や営業の育成などの営業マネジメント」の部分を完全に営業マネージャーから切り離し、外部の専門家とともに構築することが必要です。
    そうすることで、
  • 新しい営業ツールや営業手法の導入
  • 新しい営業マネジメント環境の構築
  • 新しい営業理論や教育体制の充実
  • を測り、段々と古臭い営業から今の時代に見合う新しい営業体制へと変化を進めることが出来るようになります。


    営業の考える力を引き出す取り組みを始めよう!

    「営業が考えなくなった!」「言われたことしかしない!」という問題の原因とその対策、そして、「若い営業が集まらない・やめてしまう」という理由とその対策について解説してまいりました。

    是非、取り組んでください。
    営業は益々難しくなっています。過去と同じやり方では、若い人も集まりませんし、せっかく採用したとしても辞めてしまいます。
    今回ご案内した対策は簡単ではありませんが、取り組まなければあなたの会社に黄色信号が灯ってしまいます。

    取り組んだ上でうまく行かなければ、私たちが営業力アセスメントを通して、うまくいかない問題点を含めて明らかにします。
    また、私どもがプロフェッショナルとして、あなたの会社の営業企画部の立ち位置で、新しい営業の営業業務・管理体制の構築をお手伝いします。
    是非私たちにお問い合せください。

    あなたの会社が長期的に成長できる営業組織になることをお祈りしております。


    (本コラムは、2016年12月23日に書かれたものを再編集しました)
    文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳 (てらおたくみ, Takumi Terao)
    Copyright (C) 2016 T-SQUARE Co., Ltd. All rights reserved.


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