確実な組織業績向上(パフォーマンス向上)へ!合理性と現実性をもって取り組む3つの注意点とは?

ある上場企業の経営者の方と「業績向上やその問題解決の難しさ、そして、効果的な方法」について話し合う機会がありました。
その話の内容をお伝えしたいと思います。

ご存知の通り、業績は「気合」「根性」「精神論」「勘や思いつき」だけでは向上できません。
業績向上・業績改善に取り組む時には合理性・現実性が必要です。
業績改善とは、合理性・現実性にもとづき、徹底的に問題や原因を追及し、達成基準をめざして取り組む活動です。
もちろん、考えているだけではなく実際の活動が伴っていないといけません。
その経営者の方のお話を伺いながら、合理性・必要性の重要さを改めて実感しました。
今回は、合理性・現実性を持って業績向上に取り組むための3つの注意点について解説します。

確実な組織業績向上(パフォーマンス向上)へ!合理性と現実性をもって取り組む3つの注意点とは?

企業が業績向上(パフォーマンス向上)を達成できない原因はなにか?

企業が業績向上(パフォーマンス向上)を実現できない理由は何でしょうか? 
あるクライアント企業での業務改善の取り組みを例にその理由を考えてみましょう。

生産性向上に向けた業務プロジェクトが始まった!

あるクライアント企業の社内業務改善プロジェクトの支援を行うことになりました。そのプロジェクトの概要は下記のようなものでした。

【達成目標】 業務の生産性を10%向上する
【プロジェクトオーナー】 事業部長
【プロジェクトマネジメントチーム】 業務部長
【プロジェクトの遂行チーム】 業務メンバー

この部署は、以前から生産性の悪さが指摘されていました。以前も幾度か生産性の向上に取り組んだのですが、効果が得られないままでした。ですが、企業の業績が低迷し、これ以上生産性の悪さを放置できない状況になったのです。そこで、新しい事業部長が改めて生産性の向上に取り組むことを決断しました。
私たちは、プロジェクトマネジメントチームの一員として業務部長とともに業務改善プロジェクトの推進支援を行うことになりました。

まずは、その業務部長とともに問題点の洗い出しと計画立案の作業に取り組みました。その取り組みを進めると、このクライアント企業が以前に業績向上できなかった理由が見えてきました。

原因1. 生産性を悪化させている原因が特定できていなかった!

1つ目の原因は、生産性を悪化させる本質的問題が特定されていなかったのです。
業務部長は、メンバーそれぞれの毎日の勤務時間と処理件数を収集していました。ですが、この勤務時間と処理件数のデータは、個々のメンバーの人事評価には活用してましたが、組織としての生産性向上のためのデータとして活用していませんでした。業務部長へ生産性が悪い理由を伺ったとき、このデータを使って「スキルの差がその原因だと思う」と説明してくれました。
その説明に対して、「どの作業が問題なのか?」「どのスキルがどの程度の差なのか?」と掘り下げて質問をすると、「部下たちはみんな頑張っているんですが…」という感想だけで、生産性に影響を及ぼしている原因は得られませんでした。

原因2. 業務マニュアルが整備されていなかった!

業務のマニュアルについて確認したところ、「コンピューターシステムの使い方マニュアルはあるが、業務のマニュアルはない」という回答でした。
また、システムの使い方マニュアルもだいぶ古く、その後のバージョンアップの内容が反映されていませんでした。

その後、メンバーへインタビューをすると「業務のフロー内で発生していた重複作業」「システムの不備による過作業」「仕事の受け渡しの問題」「個々のメンバーの業務内容・期待されている成果・求められる資質が不明確・育成の不備」など幾つかの問題点が明らかになりました。

原因3. マネージャーの業務の見直しへの抵抗!

問題が見えてきましたので、生産性向上に向けた今後の改善策とその取組手順について私たちが素案を作り、その素案について業務部長と話し合いました。
私たちのその提案に対して、業務部長の返事は下記のようなものでした。
  • そんな事できません。ルールでこうやれって決まっています!
  • 今までのやり方と違います。部下たちは嫌がると思います!
  • やる気を失ったらどうするんですか? もっと部下たちの気持ちを考えてください!

  • このように、業務変革を推進しなければならない業務部長が変化へ抵抗したのです。すでに業績がかなり低迷し人員削減をも検討されている状況なのに、です。
    メンバーたちに安心して今後も仕事を継続してもらうために、この生産性の向上に取り組んでいるのです。
    現実に目を向けず、合理的なことを受け入れようとはしていなかったのです。

    以上のような私たちの経験談を前述した上場企業の経営者にお話すると、下記のように語っていました。
    「業績(パフォーマンス)は合理性・現実性に基づいた取り組みをしなければ向上・改善などできません。ですが、それ無視して、観念のみ・想像のみ・希望のみで業務を管理することで困難な状況に陥っている組織は私の会社の中にもいくつかありますよ。」


    合理性・現実性を伴う業績向上の注意点とは?

    業績向上(パフォーマンス向上)への取り組みには、合理性・現実性は大切です。ですが、それを踏まえて取り組んでいる会社は少ないです。
    実際にどうすればよいでしょうか?
    合理性・現実性に基づき業績を回復・改善するためには、基本的には下記の注意点を認識して取り組む必要があります。

    業績改善の注意点1. 問題を特定する

    勘だけで問題点を推定するのではなく、しっかり現場を観察し実態を把握することが必要です。
    社外の外的な要因だけに目を向けるのではなく、また、社内の内的な要因にだけ目を向けるのでもなく、社外も社内もその両方を慎重かつ丁寧に探ることが必要です。
    実際に問題を特定するときには、業界や市場におけるポジション、商材の特徴、自社のコアバリューとお客様の認知度、お客様の購買プロセスの変化、組織の構造、などを意識して幅広くかつ具体的に情報収集することが必要です。
    「ただ情報収集すればよい」というわけではなく、網羅的に事象や実態の情報収集することがポイントです。

    また、通常潜んでいる問題は1つということはありません。複数存在していますから、その複数の問題を掴む必要があります。

    業績改善の注意点2. 問題の構造を探る

    問題には必ず原因と理由があります。
    「『なぜ?』を5回問いなさい」と言われますが、それは根本原因や理由を特定するために言われていることです。
    できるだけ効率的に根本原因や理由を掴むためには、「業績改善の注意点1. 問題を特定する」において、プロセスを意識して情報収集することです。
    業務をプロセス化しておくと、そのプロセスの各ステップの問題点が見えてきます。そして、その各ステップのうち、業績や業務にもっとも影響を与えるステップ(ボトルネックと言います)が見えてきます。このボトルネックの解決に取り組み事が、効率的に生産性向上を可能にします。
    ちなみに、原因を特定することはそれほど簡単ではありません。
    通常は、「今までこうだったから…」という過去の経験・慣れ・習慣が、そのボトルネックを見えなくする邪魔となり、発見しずらくしています。

    業績改善の注意点3. 新たな仕組みに置き換える

    私たちが多くの企業の業績改善の支援をした経験上、業績悪化の本質的な原因は下記の2つでした。
  • ビジネスモデルや業務プロセスが市場やお客様の状況に合わなくなっている
  • 社員の意識と行動が問題

  • 営業系の会社では、企業の業績が悪化すると販売する商品・サービスを見直す傾向があります。
    「他の企業だと売れている新しい商品やサービスを我が社も売り始めれば業績も改善できる」という考えです。
    ですが、安易に販売する商品やサービスを変更しても、その会社のそもそものコンセプトや存在価値をおかしくしてしまうことがあります。たとえば、飲食店を例にしてみますと「高級なお寿司屋なのに居酒屋のおつまみメニューを増やす」のようなものです。
    今までのビジネスモデルを自ら否定する取り組みとなってしまい、更に業績が悪化してしまうのです。

    ですので、短絡的に商品やサービスを見直すのではなく、まずは下記の要素を検討し、現状のビジネスモデルや業務プロセスをしっかり検討することから始めることが必要です。
  • お客様は誰か?
  • なにを価値として提供するのか?
  • お客様がその対価を支払うためにどの財源(財布)を私たちに切り替えてもらうのか?
  • どのように提供するのか?(ビジネスモデルは?)

  • そして、それを検討した上で、「ビジネスモデルや業務モデルを変える」取り組みを行う決断をした場合には、社員の意識変革研修も平行して取り組むことが必要です。
    実際に業務改善を行うためには、仕事の内容を変えるだけではなく、社員の意識も変えなければなりません。
    特に、この社員の意識を変えることは簡単なことではないです。
    新規事業に参入して成功している企業は、この両方を意識して取り組むから成功できています。

    合理性・現実性が業績向上を可能にする!

    観念や想像だけではなく、合理的・現実性をしっかり認識して着実に行わなければ業績向上・業績改善などできません。
    ですが、なかなかそれを理解して取り組めている企業は少ないです。
    もし、業績改善・業績向上にお悩みであれば、是非ご連絡ください。
    私たちが、貴社のメンバーと一緒に取り組み、業績向上・業績改善を成し遂げます。そして、その後は、貴社のメンバーだけで業績向上・業績改善を成し遂げられるように貴社内にノウハウを構築します。


    文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳 (てらおたくみ, Takumi Terao)
    Copyright (C) 2016-2019 T-SQUARE Co., Ltd. All rights reserved.

    お問い合わせ先
    ご質問・ご依頼など当社へのお問い合わせ

    関連するソリューション
    ティ・スクエア プロフェッショナル人材育成ソリューション 一覧
    [コンサルティング] 改善・変革プロジェクト遂行支援 ~ 業績向上を目指すプロジェクトの立案・推進を支援!(Helping Improvement Project)
    [プロフェッショナル人材育成] 次世代マネージャー育成研修 ~ 目標達成&企業成長へとリードできる実務能力の強化!(Manager’s Competency)

    フリーメールマガジンの登録
    当社フリーメールマガジンのご登録
    今まで気が付かなかった発見につながる、「組織」と「個」両方の営業力強化やプロフェッショナル育成に役立つ情報をお届けします。

    一緒に読まれているコラム
    《お客様事例》モメンティブ・パフォーマンス・マテリアル・ジャパン合同会社様 ~ 成⻑をめざす戦略的ソリューション営業への変⾰で、売上⾒込みを270%に
    営業事務部署がインサイドセールスを担える状況へ業務の最適化 ~ 業務変革支援コンサルティング 導入事例《法人サービス会社》
    ハイパフォーマーに必要不可欠な「組織の業績改善プロジェクトを成功に導く技術」を手に入れる! ~ 昇進・報酬・機会を手にする、ハイパフォーマーの仕事の技術(4)