意欲と合理性のどちらが先立つか? Vol.280

42-15484823半年を超えて「マネージャーたちの方針作成」支援を行っています(参照: [研修] 事業を成長に導く「方針作成」研修で、卓越した経営を目指す!)。
半年前に1回目の方針を作り、今回は2回目の方針作成でした。
本当にうれしいのですが、前回比べ格段によい合理的な方針となりました。
方針が戦略的、すなわち、チームの焦点が明確な方針となっていました。
そして、方針作成者の ”熱い想い” が十分感じられるものでした。


その方針を聞いていた会長/社長も、「格段に良くなった!」と喜んでいただきました。
私の目から見ても、「彼らの方針は、かなりの高い確率で目標達成できる」方針になっていました。
この期の結果が今から本当に楽しみです。


さて、今回は「意欲と合理性」について、考えます。
企業のマネージャー達から下記のようなことを良く聞きます。

・彼(彼女)には、もっと意欲的に働いてもらいたいのですよ。
・この程度のことは、意欲があれば全然大変じゃないですから…
・彼(彼女)にはできるはずなんです、意識さえ変わってくれれば…
・結局のところは意欲なんですよ。


人に対する悩みは尽きませんね。
全員が意欲的ならば良いのですが、意欲的な人ばかりではありません。
正直言うと意欲ある人は全体の20-30%程度くらいかもしれません。


マネージャーの気持ちはわかるんですけどね。
私も、「意欲は大切だ!」とは思っています。
ですが、「意欲さえ発揮してくれれば…」「根性を出してくれれば…」と、目標達成を人の意欲に頼っているのは、どうなのでしょうか?
マネージャーとしてレベルが低いのではないでしょうか?


結局は人の意欲ばかり頼っていませんか?
そんなに人の意欲を頼りにしていて目標達成できるのでしょうか?
そのまえに、合理的に目標を達成できるような方針/重点施策/実施計画が作れていますか?


通常、意欲や根性のことを良く言うマネージャーは、目標を合理的に達成できる方針/重点施策/実施計画をつくれていないことが多いです。
それができていないから、人の意欲や根性に頼る状態に陥っているようです。
改めて言いますが、私は「意欲や意識は大切」だと思っています。
ただ、これほどあてにならないものもないのです。


かなり古い話ですが、なぜ日露戦争では勝利ができたのですが、太平洋戦争は勝利できなかったのでしょうか?(そもそも戦争はない方が良い、と思っていますが…)
いろんな解説がありますが、その1つに合理性と精神論の違いと言われています。
日露戦争当時、一部秀でていた技術は保有していましたが、日本には資源があまりにも足りなかった。
だから、戦争が長期化すると格段に不利になってしまう。そのため「1-2年のうちに戦争で優位な状況に立ち、世界世論を味方につけ、その時点で戦争を終結させる」という目標とその達成に合理的な計画がありました。
太平洋戦争は、「どのように勝利を収めるか?」という目標が乏しく、最終的には「諦めるな! 本土決戦だ! 最後の一人まで戦うんだ!」的な精神論で進んでいました。
(両方とも実際にその状況を見ていたわけではないので、様々な解説からの推測ではありますが…)


リオオリンピックの柔道。(参照: 今年のオリンピックで柔道が飛躍。根性論を捨てた)
気合いや根性論ではなく、目的やテーマを明確にして取り組んだ結果、これだけの成果を手にすることができたようです。


私たちは、新規事業の立ち上げに取り組んでいるのですが、そのためにベンチャーファンドの人と先日面会しました。
その時に教えていただいたことです。
「より多くの資金調達できる人ってどんな人だと思いますか?」と聞かれました。
答えは「経験上、パッションがある人、熱くプレゼンする人」だそうです。
そして、次に「新規事業は簡単ではないのです。ところで、事業を成功させる人ってどんな人だと思いますか?」と聞かれました。
答えは、「経験上、事業を成功させる人って、計画やビジネスモデルの合理性の高い人」だそうです。
この説明に、私は納得しました。


目標達成には、パッションや情熱よりも合理性が重要です。


J0285009なぜ、たくさんのマネージャーはそのような合理的な方針や計画をつくれないのでしょうか?
1つめは、学んでいないからです。しっかり学べばできることです。方針作成はプロセスなのです。
2つめは、自分も業務の一部に組み込まれ、俯瞰的に見る余裕がないからです。ビジネスのモデルやプロセス全体を見て、目標や成果への問題点を見出すことができないからです。
3つめは、人の喜びを勘違いしているからです。「優しくしてくれると相手が喜んでくれる」と思っています。そのため、表面的かつ浅い人間関係や付き合いとなっています。厳しいことを要求することが多くても、目標達成さえすれば、人は喜び、明るくなり、笑顔になることを知らないからです。目標達成こそが一番の喜びなのです。達成すれば、本当に人は変わるのです (全員がそうではないのですが…)。


部下に意識や意欲や根性を求めることは重要です。
ですが、人の意欲ほどあてにならないものはないです。
プロフェッショナルなマネージャーはそれを知っています。
ですから、まず、人の意欲などに頼らずとも目標を達成できる合理的な計画を求めるのです。
成功の可能性を高めるための緻密な分析と計画と設計です。
そして、その目標達成を確実にするために、「少しでもメンバーの意欲を高める」取り組みを行います。


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文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳 (てらお たくみ, Takumi Terao)