戦略的営業マネージャー(管理者)を育てる ~ 戦略的営業マネージャー育成プログラムの取り組み手順

多くのクライアント企業の営業力強化の支援をしてきて、チームが結果を出せるかどうかは「マネージャーの力次第」とつくづく感じます。
結果を出せるマネージャーには結果を出せる理由があり、結果を出せないマネージャーには結果を出せない理由があり、その違いは明確です。
この違いは、企業がしっかりと営業マネージャーを育成していないことが原因です。戦略的な営業マネージャーを育成している企業では、他の企業と比べ多くのマネージャーが結果を出しているからです。このコラムでは、結果を出せる戦略的営業マネージャーを育成するポイントを解説します。

戦略的営業マネージャー(管理者)を育てる ~ 戦略的営業マネージャー育成プログラムの取り組み手順

結果を出せない営業マネージャーとは?

結果を出せないマネージャーにはいくつかの共通する特徴がありました。
結果を出せないマネージャーは、部下である営業との会話において下記のような言葉をよく使っていました。
  • どうして売れないんだ?
  • 今月はどれだけ売れるのか?
  • どうすれば今月の目標が達成できるのか?
  • 何しろ訪問件数を増やせ!

  • マネージャーがこのようなことを営業に話すことがいけないわけではありません、必要です。
    ですが、このような言葉ばかりで営業の管理することには大きな問題があります。


    結果を出せない悪循環におちいっている!

    問題の1つ目は、このような会話だけでは営業の現場で実際に起こっている問題を確認できないために、「結果が出せない本当の原因がわからない」のです。
    例えば、結果が出せない本当の原因といっても、下記のような様々な原因があります。
  • 営業のどのような能力やスキルが悪くて結果が出せないのか?
  • 営業が訪問しているお客様の選定に問題はないか?
  • お客様の状況の変化に原因はないか?
  • 新しい競合が参入し始めていないか?
  • 取り扱っている商品の価値が無くなっていないか?

  • 営業マネージャーが「結果が出せない本当の原因」をしっかり把握できないと次の問題を引き起こします。
    それは、「結果を出せない原因は、営業の意欲が乏しいからだ!」と考えるようになり、「メンバーへの指示が場当たり的かつ精神論的なものになる」のです。
    「訪問件数を増やせ!」「もっと頑張れ!」など、メンバーの意識を鼓舞するだけの指示ばかりになってしまいます。

    営業マネージャーの指示が場当たり的で精神論的なものになると、そのチームの営業の成績がどんどん悪化していきます。そうすると、マネージャーは「短期的な数値目標(例えば、今月の売上状況)ばかりに目が行く」ようになります。
    「今月はいくら売れるんだ!」「どうして売れないんだ!」といった言葉による営業管理をますます行うようになります。

    その結果、「結果が出せない本当の原因」がますますわからなくなっていくのです。

    以上のように、
    「結果が出せない本当の原因がわからない」 →
    「メンバーへの指示が場当たり的で精神論的なものになる」 →
    「短期的な数値目標ばかりに目が行く」 →
    「チームの売上が悪くなる」 →
    「結果が出せない本当の原因がわからない」 → ....

    という結果をますます出せなくなる悪循環の営業管理に陥っているのです。


    悪循環の営業管理におちっている理由とは?

    このような悪循環の営業管理を行っているマネージャーは多いです。
    業績が芳しくない、もしくは、成長率が悩ましい企業の営業マネージャーの殆どがこの悪循環の営業管理におちいっていました。

    結果を出せない営業マネージャーがこのような悪循環の営業管理に陥っている理由は、今までに営業管理の仕方を学んだことがないからなのです。
    この悪循環から抜け出さなければなりません。

    営業マネージャーたちがこのような悪循環の営業管理から抜け出すためには、現在の営業管理体系を見直し、報告やレポート体系を変え、営業マネージャーたちにしっかりと教育する必要があります。
    私たちの過去の支援の経験上、マネージャーが戦略的な営業管理ができるようになれば、10 – 20%の売上成長が実現できています。


    結果を出せる戦略的な営業マネージャー(管理者)とは?

    私たちは、”戦略的”ということを
    中長期的目標と短期的目標、その両方の目標達成の可能性を高めるべく、資源(リソース)を効果的に配分していく
    と定義をしています。


    これからの企業が求めるマネージャー(管理者)とは ”戦略的である” ということです。
    「会社を成長させる」ということに対して、戦略的となり、短期的な活動と中長期的な活動のバランスを考え、それぞれに対する取り組む活動の優先順位を決められるようになることです。
    具体的には、下記のようなことが出来る能力が求められます。
  • 月初めにおいて、前月までの実績を把握し、今月の取り組みに対してどのくらいの資源 (時間・人・お金) を投入するか決める
  • その決定をメンバーたちと合意が取れ、進捗をチェックし、進捗が芳しくないときには進捗できるように支援する
  • 業績に影響を与えている「本当の原因」を発見し、論理的に対処できるようになる

  • マネージャー(管理者)が戦略的だと、その組織では短期的な目標と中長期的な目標のバランスが良く、組織が効果的に機能します。市場の動向を掴み、商品やサービスの評判を理解し、商談の実態をしっかり把握し、効果的なリソースプランにもとづいてメンバーの活動を活性化することができます。


    戦略的営業マネージャーの育成をする具体的な方法とは?

    戦略的なマネージャーを育てるためには、下記の3つのことに取り組む必要があります。


    1. データに基づく会話を推奨する

    営業状況をデータとして収集し、定期的に確認できるシステムを準備します。そのシステムで集めたデータに基づき業績に影響を与えている要因を考えられるようにします。
    「本当に問題なのか?」をデータに基づき考え、「どの程度の効果が見込めるのか?」をデータに基づいて話をし、このようなことを普段からできるように育てる必要があります。


    2. プロセス思考を育てる

    つぎは、プロセスで考える思考を育てます。
    データだけを見ても問題の解決はできません。業務をプロセスで見るからこそ「どこに問題があるのか?」「何を変える必要があるのか?」をより正しく判断できます。より具体的な施策を見出すことが出来るようになります。


    3. プロジェクトを体験させる

    上記2つの取り組みを成果に結びつけるために、実際に会社内のプロジェクトに取り組ませます。
    データによる目標設定をし、プロセス思考による課題と施策を設定した後、実際にその課題解決に取り組ませます。
    日常の業務だけを担っているのではなく、このような「戦略マネージャーの育成プログラム」に基づき日常に業務以外における「変革」に取り組ませることが大切です。
    本来マネージャーという仕事は、業務ができるだけで務まるものではありません。もっと広範囲なスキルと経験が必要なのです。


    「戦略的営業マネージャーを育てる」ことが会社を発展させる

    企業は、戦略的な判断ができるための情報をデータとして収集できるようにし、マネージャーを育てる仕組みを作る必要があります。商談をプロセスで管理をし、プロセスに基づき網羅的に実態を管理できるようになったとき、マネージャーが戦略的な意思決定ができるようになり、会社のさらなる発展を支える存在として活躍できるようになります。

    私たちは、「データによる会話」→「プロセス思考」→「社内プロジェクトの推進」という、あなたの会社に事情に合わせた「戦略的営業マネージャーの育成プログラム」の企画・運営の支援をしております。
    あなたの会社の将来を担う“戦略的なマネージャー”の育成をお手伝いします。いつでもお問い合わせ下さい。


    (本コラムは、2008年9月14日に書かれたものを再編集しました)
    文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳 (てらおたくみ, Takumi Terao)
    Copyright (C) 2008 T-SQUARE Co., Ltd. All rights reserved.


    お問い合わせ先
    ご質問・ご依頼は、こちらからお問い合わせください

    一緒に読まれているコラム
    チームを率いて結果を出すための「マネージャーの新しい役割」~ 昇進・報酬・機会を手にするハイパフォーマーの仕事の技術(1)
    ハイパフォーマーに必要不可欠な「組織の業績改善プロジェクトを成功に導く技術」を手に入れる! ~ 昇進・報酬・機会を手にする、ハイパフォーマーの仕事の技術(4)
    「マネージャーの言葉」でチームの目標達成への意欲が高まる!メンバーの士気を高める言葉には「意志」がある
    売上予測の精度が企業の業績を左右する! ~ 営業の売上見込が悪い原因、および、予測精度を高める3つの対策!
    営業マネージャーの「3つの質問」で売上見込の精度と目標達成意欲が向上する
    あなたの会社には営業日報は必要?不要? > 効果的な判断はこの手順で行なう!
    その営業会議、本当に効果が出てますか? ~ 目標達成に導く理想の営業会議の進め方!

    関連するソリューション
    [プロフェッショナル人材育成] 成長 (Growth) をリードするハイパフォーマンスなマネージャーの実務能力を強化!
    [プロフェッショナル人材育成] マネージャーの方針作成&推進力強化研修 ~ 率いる部門を成長に導き目標を達成する!
    [コンサルティング] 業績向上プロジェクトコンサルティング ~ 組織変革を成功へ導く計画立案と推進を支援!
    [コンサルティング] 法人営業力診断(営業力アセスメント) ~ 営業組織を目標達成 & 継続的成長へと導く具体的課題と施策を手に入れる!(BtoB Sales Force Assessment)
    [法人営業研修] 法人営業 基盤スキル強化研修シリーズ / Improving KPI of Sales Process

    関連する導入事例
    《お客様事例》 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアル・ジャパン合同会社様 ~ 成⻑をめざす戦略的ソリューション営業への変⾰で、売上⾒込みを270%に
    [お客様事例] 株式会社サカエ様 ~ 顧客をリードするプロアクティブな営業マンの育成研修で、売上が45億→55億に!
    売上二桁成長が実現できる営業変革プランを手に入れる! ~ 法人営業診断(アセスメント)導入事例《外資系製造業》
    売上が減少している状態からV字回復を達成! ~ 営業力診断(営業スキルアセスメント)導入事例 《金融サービス企業》
    営業事務部署がインサイドセールスを担える状況へ業務の最適化 ~ 業務変革支援コンサルティング 導入事例《法人サービス会社》