営業「安くしてほしい!」と開発「安すぎる!」の対立を効果的に解決する方法!

製造業・システムインテグレータ(SI)・ホームページ制作・コンサルティング会社などの企業は、お客様のご要望に合わせたカスタムソリューションを開発してお客様に提供することがよくあります。その際、開発エンジニア(作り手)が作業コスト・製造コストに基づきお客様向けの見積金額を算出します。
その開発エンジニアが算出した見積金額に対して営業(売り手)は、「これでは競合に勝てない! もっと安くしてほしい!」と要求します。
開発エンジニアと営業の間では、このような販売価格に対する対立(コンフリクト)がよく発生します。
このような対立は、うまく活用すれば企業の生産性や能力向上につながります。ですが、うまく活用できないと、お互いの不信感を高め協力関係を悪化させる対立となってしまいます。
どうすれば良い対立へとしていくことが出来るのでしょうか?
今回は、開発(作り手)と営業(売り手)の間で発生する対立を良い対立へとする方法を解説します。

営業「安くしてほしい!」と開発「安すぎる!」の対立を効果的に解決する方法!

売り手・営業の声「開発の出してくる価格は高すぎる!」

売り手である営業からは下記のようなことをよく聞きます。
  • 商品が高すぎる
  • 開発エンジニア(作り手)はいつも高い金額を提示してくる。
  • 開発エンジニアは「利益がでない仕事はいらない!」と言う。だが、仕事がないより絶対にマシだ!

  • 営業はお客様との商談で「価格で負けた!」という苦い経験をしています。価格以外の要因で負けたこともあるでしょうが、営業の立場としては「苦労して発見した商談なのだから、価格での失注だけは避けたい」と思っています。
    「この商談を何としてでも受注するためには競合より安くしたい」と考えます。
    このような時、営業は「利益を削ってでも受注する!」ことを選択します。
    作り手である開発エンジニアへ「うちの価格はいつも高すぎるんだ。この価格は市場が受け入れる価格ではない。市場価格に合ったものを作ってくれ!」と要求します。


    作り手・開発エンジニアの声「営業は利益のことを考えていない!」

    一方、開発エンジニアからはこのような声をよく聞きます。
  • 営業は「安くすれば受注できる!」と思っているのか、いつも安くしろと言う。
  • 早い段階で安くしても、ほとんどの場合、後になって更に「安くしろ!」と言ってくる。
  • 利益の無い商談を無理して取ってくる必要はないのではないか。

  • 作り手である開発エンジニアの算出する見積価格は、原価を積み上げて算出します。
    開発エンジニアは、社内のルールに従い、利益を確保できる見積を作る必要があります。
    また、営業が値引きをすると、開発エンジニアがそのコストの負担を負わなければなりません。
    そのため、開発エンジニアは営業の値引き要請を安易に応じるわけにはいきません。
    ですが、その反面、営業の値引きの要求を無視する訳にもいきません。
    開発エンジニアは、「営業はいつも『高い! これは市場価格じゃない!』と言うが、他のお客様ではそんなに値引きしなくても売れている。営業の交渉力がないだけだ!」とも思っています。

    しかし、高い見積金額を押し通したために失注し仕事がなくなるのも困ります。
    「ある程度の値引きは応じるつもりではいるが、その限度を超えた値引き交渉を受け売れるつもりはない」と思っています。

    営業と開発の対立を解消する方法とは!

    営業(売り手)は利益よりも受注することを重視します。
    それに対し、開発エンジニア(作り手)は適正な利益を重視しています。
    それぞれがそれぞれの立場で違った視点で商談を捉えている為に、対立(コンフリクト)が生じてしまいます。

    しかし、この対立自体は、実は問題ではありません。
    前述したとおり、企業の生産性の向上や能力強化には必要なことなのです。そんな対立を通して、お互いが改善をしていけばよいのです。
    問題は、「この対立が、双方の改善につながっていないこと」なのです。
    双方の生産性向上・能力強化へとなる良い対立ヘとするためには次の3つのルールを双方が共有認識とすることが重要です。

    ルール1. 営業が情報をとるタイミングを見直す

    見積価格・販売価格における対立を良い対立へとしていくためにすべきことは、営業がお客様の予算に関わる情報をとるタイミングを早くすることです。

    一般的に、営業がお客様の希望価格の情報を取る時期が遅すぎることが多いです。
    または、予算の情報を掴んでいても、作り手である開発エンジニアにそれを伝える時期が遅いです。

    厳しい予算であれば、早めに作り手である開発エンジニアにその価格情報を伝えます。
    「今回の商談は、かなり低い価格になることが予想される。残り時間は充分にあるわけではないが、その時間のうちに、知恵を絞ってそれでも利益を上げる方法を考えてほしい!」
    と少しでも早く連絡しておくことが大事です。
    一般的には、営業は商談の終盤になって開発エンジニアに「それじゃあ高すぎる」と一方的な要求をしていることが多いのです。
    営業は開発エンジニアに、検討する余裕を少しでも多く与えてあげることが大切です。


    ルール2. 開発が検討する時間的余裕を持つ

    売り手である営業から予算に対する要望がありましたら、作り手である開発エンジニアはその予算で実現できる方法を検討します。
    充分な時間はないかもしれませんが、営業が頑張ってお客様から少しでも早く取ってきてくれた情報です。
    しっかり検討することが大切です。

    目標とすべき価格はわかっています。
    原価を積み上げるのではなく、期待する価格に基づいて検討するアプローチを行います。
    今までと同じことを検討しているのではその価格を実現できません。
    知恵を絞り、その価格でも利益が生み出せる方法を考え抜きます。

    ルール3. コミュニケーションを見直す

    営業と開発エンジニアの双方は下記のような最善を尽くします。
  • 営業は、出来るだけ早くお客様の予算に関する情報を取り、開発へフィードバックする
  • 開発エンジニアは、その価格でも利益が出せるための方法に知恵を絞る

  • このようなことを実現していくためには、営業と開発の基本的な考え方を見直す必要もあります。
    ただ、一方的に「高くしろ!」「それはできない!」という要求の押し付け合いではなく、下記のような心構えに基づき、双方が改善し続ける風土を構築することが大切です。
  • 営業は、開発エンジニアが検討してくれた解決策を、どうしたらもっと高い価値としてご提案できるか?
  • 開発エンジニアは、単なる原価積み上げではなく市場価格を意識した上で良い商品を創るためにはどうしたらよいか?
  • 双方がライバル企業に勝つためにすべきことはなにか?

  • そして、このような改善を通して、双方が生産性と能力を高めます。
    この取り組みの副次的な効果は、会社としてお客様へ益々価値が高いものを販売することが出来るようになり、利益率も益々改善できます。

    さあ、営業と開発の協力関係を強化しよう!

    売り手である営業も、作り手である開発エンジニアも下記のような状態であれば、企業の成長を妨げてしまいます。
  • 一方的に要求だけをする
  • 相互に改善していこうとしない

  • 営業と開発のリレーションを見直す必要があります。
    相互に改善していく組織風土としていくために経営者やマネージャーがまず取り組むべきことは、売り手である営業が、市場のニーズを的確に把握し報告できるようにすることです。
    そして、その情報をもとに、作り手である開発エンジニアが、新しい技術を学び、取り入れ、生産性を高める支援をする必要があります。
    営業のマネジメント体制の一部を見直す必要もあるでしょう。
    このように、営業の体制を調整し、営業にしっかり教育を行い、そして、営業と開発のコミュニケーションに対して数回コーチングを行えば解決することができます。

    営業と開発の関係が上手く行っていないとお感じであれば、遠慮なくお問い合せください。
    私たちが、あなたの会社の営業体制を見直し、営業と開発のリレーションをさらに良いものへとするお手伝いをします。


    (本コラムは、2009年10月23日に書かれたものを再編集しました)
    文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳 (てらおたくみ, Takumi Terao)
    Copyright (C) 2009-2019 T-SQUARE Co., Ltd. All rights reserved.
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