今の時期だからこそ、企業は2つのことを実行すべきです。「今、未来に向けてどのようなことを実行すべきか?」その問いの答えとなる2つの対策について解説します。
危機を生き延び、景気回復局面でスタートダッシュするために!
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私たちは長期的な経済危機に直面した
世界は今までにも世界恐慌・オイルショック・ITバブル・リーマンショック・東日本大震災などの様々な経済危機に直面しました。ですが、今回のコロナウィルスを発端とした経済危機は、過去の危機をも上回る長期的な危機となると言われています。コロナウィルスから身を守るために、世界中で多くの人の外出が制限され、できるだけ自宅にこもり、「人から伝染しない」「人に伝染させない」生活を送っています。外出制限は少しずつ緩和され始めていますが、経済活動は停止しました。一度冷え込んだ景気は急に回復することはありません。回復までには2~3年はかかると言われています。
じっと我慢しているだけではなく、今、企業と社員は今後生き残るための対策が必要です。
経済危機にはポジティブな面もあり、社員が力を合わせれば乗り越えられる!
海外では、会社が社員を解雇し、失業者が増えています。その反面、日本は、社員の解雇に対する規制が強く、失業者は現在のところ海外ほどは増えていません。日本企業はこのことをメリットとして活用することができます。多くの社員たちには時間に余裕が生まれています。「自粛する」「景気回復を待つ」だけではなく、今こそ、多くの経営者・マネージャー・社員たちが力を合わせて今までできなかったことを実行することが大切です。不況はネガティブな側面だけではありません。過去の不況の後には、数多くの新しい事業やサービスが立ち上がりました。経済危機を生き延び、そして、景気回復の兆しが見えた時にはスタートダッシュできるように、力を蓄え、会社を強くする時期です。
経済的危機に直面した時に、社員たちが実行すべき2つのこととは!
このような危機に直面した時期だからこそ、企業が実行すべきことが2つあります。その2つとは、以下のことです。◆ 既存事業を徹底的に見直し、生産性を向上する!
◆ お客様の話を聞き、新規の成長チャンスを掴む!
既存事業を徹底的に見直し、生産性を向上する!
「今回の経済危機で、GDPは20~30%失われる」と言われています。業界による差はありますが、平均すると今までよりも20~30%の支出が減少します。多くの企業が、広告宣伝費などの経費支出を抑え、固定費を下げ、キャッシュを手元に残そうとします。支出が減る以上、売上を増やすことは簡単ではない状況です。そのような状況において、まず、実行すべきことは、既存事業の業務内容を見直し、生産性を高め、ムダを削り落とした筋肉質な業務体制にすることです。「今まで行っていた業務の進め方に無駄はないか?」「必要のない、意味のないルールはないか?」を検討し、売上が20~30%減ってしまったとしても、利益を生み出せる事業にする必要があります。
このようなことは、景気の良い時期には実行されることがありません。なぜならば、景気が良いのですから、業務に多少のムダがあっても、手間をかけてムダに対処することよりも、その分、売上を増やしたほうが良かったからです。ですが、今後しばらくの間は売上が減ってしまいます。売上が減っても給料分を獲得でき、赤字にならないようにするために、「ムダの少ない筋肉質な業務体制」にすることが大切です。
お客様の話を聞き、新規の成長チャンスを掴む!
以上のように、最初にすべきことは既存事業の業務のムダを見直すことです。そして、その活動を行った上で、次にすべきことは「新たな事業の立ち上げ」です。不況や経済危機の後は、新たなビジネスが立ち上がる時期です。特に、多くの企業が「固定費を削減して、変動費化する」「『資産の保有』から『資産の共有』へ変える」という対策を行います。今後のビジネスの鍵を握るのは下記のような変化です。
◆ 集合から分散へ(オフィスワークからテレワークへ)
◆ 資産保有から使用へ(シェアビジネスやレンタルへ)
◆ アナログからデジタルへ(ICTやDXによる生産性の向上へ)
特に、シェアビジネスは、今後10年で10倍以上の伸びが期待されています。そのような成長が見込めるビジネス領域で対処すべきことがないかを探ります。
すでに既存事業は見直していますから、既存事業は今までよりも少ない人数でも行えるようになっています。その余裕のできた社員の時間を、新たな事業の立ち上げのために使います。その社員たちがお客様先へ出向き、お客様が求めていることを探り、そのことを解決できる新しい事業を始めます。
「既存事業の見直し」と「新規事業の立ち上げ」、どちらを先に実行すべきか?
多くの企業は不況に直面すると、売上を確保しようとして新規のお客様の開拓や新商品の販売を始めることが多いです。ですが、新しいお客様の開拓や新しい商品を販売することは簡単ではありません。なぜならば、お客様にとっては、新規の取引先や新製品を簡単に信用できないからです。経済的危機に直面している状況ですから、お客様も投資資金が十分ではありません。そんな中、信用できないものへの投資には慎重になります。簡単には購入してくれないのです。ですので、まずは「既存事業を徹底的に見直し、生産性を向上する!」ことを行うべきです。既存事業を見直し、より少ない人数で業務ができるようにします。そして、そのことで生み出した社員の時間を新規顧客開拓や新商品の販売に活用し、景気が回復し始めた時にスタートダッシュできるようにします。「既存事業を徹底的に見直し、生産性を向上する!」と「お客様の話を聞き、新規の成長チャンスを掴む!」を比較すると、「既存事業を徹底的に見直し、生産性を向上する!」のほうが圧倒的に短い時間で成し遂げることができるためです。
まず、迅速に業務を筋肉質にし、そこで、生み出した人材と時間で「お客様の話を聞き、新規の成長チャンスを掴む!」を実行することが鉄則です。
社員たちは「既存事業の見直し」「新規事業の立ち上げ」を実行しているか?
以上で解説したとおり、不況・経済危機の時に、経営者もマネージャーも社員も力を合わせて実行すべきことは、下記の2つの変化への挑戦です。◆ 既存事業を徹底的に見直し、生産性を向上する!
◆ お客様の話を聞き、新規の成長チャンスを掴む!
すでに解説しましたが、不況・経済危機において、まず企業が実行すべきことは「既存事業を徹底的に見直し、生産性を向上する!」ことです。具体的には、業務の目的を改めて明らかにし、その業務の目的を達成するための業務プロセスを図示します。業務の目的とプロセスを明確にすると、余分な作業や意味のないルールがはっきりと見えてきます。その余分な作業や意味のないルールを見直し、弱いところを補強することが、筋肉質な事業へと変化することを可能にします。少ない売上でも利益が確保できるように、既存事業を見直すべきです。
ですが、多くの企業では、景気が良いときにこのようなムダに対する問題解決を行っていないため、社員たちのこの問題解決の経験や能力が不十分な状態です。
不況・経済危機時に企業が実行すべき次のことは、「お客様の話を聞き、新たな成長チャンスを掴む!」と解説しました。そのためには、市場やお客様が直面している問題を理解し、その問題の解決策を事業化します。
ですが、景気の良いときには、このようなお客様の話を集め、分析し、効果的な問題解決を行っていない企業が多いです。そのようなことをしなくても、今までの業務をしていれば売上は増えていたからです。やはり、社員には問題解決の経験や能力が乏しいのです。
以上のように、多くの企業では、「既存事業の見直し」でも「新規事業の立ち上げ」でも、その両方を実行できる経験や能力を持つ社員が不足しています。
経済危機時に生き残り、経済が回復した時にスタートダッシュするためには、「社員たちがチームとして組織の問題を解決する能力」がその成功の鍵を握ります。
もし、社員たちにその能力が不足しているのならば、その力を持っている人に支援を求めます。「自分たちだけで頑張る」ことが大切なのではなく、今は結果を出すことが求められています。特に、「既存事業を徹底的に見直し、生産性を向上する」ことをダラダラと行っている時間的余裕はありません。短い時間で成し遂げ、早く「新たな事業の立ち上げ」を実行できる社員や時間を増やすことが大切です。
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未来に向けて挑戦した企業だけが生き延びられる!
今、私たちは、厳しく、かつ、長く続くと思われる不況・経済危機に直面しました。厳しい時期ではありますが、不況はデメリットばかりではなく、経営者・マネージャー・社員が力を合わせれば次の景気回復時期に大きな成長を遂げるメリットへと変えられる時期でもあります。今こそ、社員全員の団結が必要な時期です。このノートで紹介した内容は、ロボットやAIができることではなく、人間だからできることです。人の力を集結し、発揮すべき時期です。あなたの会社の「社員たちがチームとして組織の問題を解決する能力」は十分でしょうか? もし、社員たちの「チームとして組織の問題を解決する能力」が不十分であれば、ぜひご相談ください。
私たちは、多くのクライアント企業の業務改善/パフォーマンス向上/変化変革を実践しました。事業を成長させるための豊富なノウハウと経験があります。私たちは、「社員たちがチームとして組織の問題を解決する」活動の支援をしております。この不況・経済危機を乗り越えるために是非活用ください。私たちが、貴社と社員たちがこの不況・経済危機を乗り越えることにお手伝いをさせていただきます。
(本ノートは、2020年05月19日に書かれたものを再編集しました)
文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳(てらおたくみ, Takumi Terao)
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