なぜ、研修を実施しても、社員たちの研修効果が続かないのか? ~ 社員たちの研修の実践を持続させ、組織のパフォーマンスを向上させる方法

なぜ、社員たちは、研修で学んだことを継続的に実践しないのか?

組織のパフォーマンスを向上させる方法には様々ありますが、そのうちの1つの方法が「研修を実施すること」です。社員に研修を実施し、社員に新たな考え方を学ばせ、社員のスキルを向上することで、組織のパフォーマンスを向上させることができます。

研修の実施方法は様々あります。会社内で研修を実施することもありますし、社員に外部研修を受講させることもあります。ですが、多くの企業の経営者やマネージャーから、「研修を実施しても、社員たちは研修で学んだことを実践していない!」「研修を実施しても、組織のパフォーマンスが向上しない!」と、よく伺います。

このノートでは、研修の効果を持続させ、組織のパフォーマンスを向上させるためのヒントを解説します。

社員たちの研修の実践を持続させ、組織のパフォーマンスを向上させる方法

良い研修だった。なぜ、研修で学んだことが社内で定着できないのか?

社長が、この研修を社員に受講させたかった理由がわかった!

私が担当している研修に、ある企業A社の部長Bさんが参加しました。その研修は公開型の研修で、幾つかの企業の社員が集まり、営業力を強化する研修でした。

15名が参加した研修で、そのうち、A社からは、B部長の他に営業課長や社員など6名が参加していました。その研修の途中で、私からそのB部長へ、「以前も、A社の社員が受講していましたね?」と声をかけたところ、「社長がこの研修を気に入っていて、社員たちに受講させているんです!」と教えてくれました。

A社の社長が営業社員だったときにこの研修を受講したことがあり、非常に喜んでいただいたようでした。その社長が、組織のパフォーマンスを向上する目的で、社員たちにこの研修を受講させていました。

研修が終了した後、B部長は以下のように研修を評価していました。

「この研修はすごい勉強になりました。この研修の内容を実践すれば、お客様へ価値が高い提案ができるようになりますし、お客様と長期的な関係を構築できるでしょう。お客様との取引関係や信頼関係は格段に変わると思います。組織のパフォーマンスは確実に変わりそうです。社長が社員たちにこの研修を受講させたかった理由がよくわかりました。」

どうすれば、この研修内容を定着させることができるのだろうか?

以上のような研修の評価を話した後、B部長は以下のように続けました。

「営業たちがこの研修で学んだことを実践してくれれば、パフォーマンスは変わると思います。でも、昨年この研修を受講した社員がいますが、その人を思い出すと、この研修で学んだことを実践していません。それが、その人のパフォーマンスが良くない原因だと思うのです。どうすればよいのでしょうか?」

以上のように、B部長は、研修で学んだことが定着できていないことを問題と感じていました。実際、このような問題は、A社だけではなく他の企業でも発生している問題です。

研修を実施して、組織と社員のパフォーマンスを向上するために推薦している方法

研修を行っても、その内容を実践してくれなければ、組織や個人のパフォーマンスが向上することはありません。新しい視点で、新しい行動をするからパフォーマンスを向上させることができるのです。

私たちが研修を実施するとき、クライアント企業の組織のパフォーマンスを確実に向上させるために、私たちはクライアント企業へ以下のことを推薦しています。

◆ 意図的な実践を行う
◆ 全員で受講する
◆ マネージャーには必須で受講させる
◆ 研修によるパフォーマンス目標を決める

意図的な実践を行う

研修効果を持続させるためには、「終了後、約20日(約3週間)に、どれだけ意図的な実践をするか?」が重要だと言われています。データまではありませんが、私の体感上、終了後の20日以内に意図的な実践をした人としていない人では、研修効果とその後のパフォーマンスに明らかな差が出ます。

以上のことにより、「研修直後の20日間に挑戦するテーマ」を決めさせます。そして、20日間にしっかりと実践させ、その実践結果を報告させます。その際、10日目くらいに、進捗度合いを中間報告させるとよいでしょう。

全員で受講する

様々な研修会社が、「公開講座(公開コース)」という研修プログラムを提供しています。学びたい(学ばせたい)テーマの研修を選択し、社員を派遣して受講させる研修です。公開講座には、様々な企業の社員が集まり、一緒にその内容を学びます。

このような公開講座に社員を派遣して学ばせることは、「社員の意識改革」や「社員のキャリアプラン」という点では効果があります。他の会社の人と学び合いますから、会社外の情報と触れることができ、視野を広める事ができるからです。

ですが、「組織のパフォーマンスを向上させる効果」はほとんどないと言えるでしょう。というのは、数人の社員が公開講座で学んで職場に戻っても、職場ではその研修で学んだことが行われていないからです。私の経験上、公開講座に一人で受講した人のほとんどは、実際の業務の中で実践することなく、「学んだだけで終わり」になっています。このノートの冒頭で、「A社の社員が研修を受講した後、その受講した内容を実践していないんです」という悩みをお伝えしましたが、他の企業でも同様の状態となっています。

組織のパフォーマンスを変えたければ、全員で挑戦しなければ変わりません。ですので、全員で受講することが重要です。

ですが、全員が研修を受講すると、業務が止まってしまうことも懸念されます。その場合には、2~3回に分けて実施します。ただし、その場合、1ヶ月以内に全員が受講するようにします。なにしろ、全員で一緒に挑戦したいのです。次の研修までの開催期間が長いようでは、全員で挑戦することなどできません。

マネージャーには必須で受講させる

多くの企業が研修を実施する時、社員だけが受講してマネージャーが受講していないことがあります。ですが、この場合も「組織のパフォーマンスを向上させる効果」はありません。マネージャーが受講していない以上、マネージャーは日常業務の中で社員に研修内容を実践させるような指導や支援ができないからです。

「組織のパフォーマンスを向上させる」ためには、マネージャーが受講することは必須です。社員よりも、マネージャーが受講すべきなのです。そして、マネージャーには、「社員たちがその研修内容を日常業務の中で実践するためのティーチングやコーチングの方法」についても学ばせることが大切です。

研修によるパフォーマンス目標を決める

「組織のパフォーマンスを向上させる」ために最も重要なことは、パフォーマンス目標を決め、研修後、そのパフォーマンス目標を達成できているかどうかをモニタリングすることです。もし、達成度が芳しくないときには、研修で学んだことに対する対策を実施します。

私たちの研修プログラムの1つに「【法人営業研修】商談開拓スキル強化 TSメソッド」があります。この研修は、「商談の総額を2倍以上に増やす」ことを目的とした研修です。商談の総額を増やす事ができなければ、売上を増やすことができないからです。

この研修の場合のパフォーマンス目標は「商談総額」です。研修の実施後、この商談の総額を継続的にモニタリングします。もし、達成度が芳しくないときには、対策を実施します。このようなことを行った企業は、確実に、「商談総額」のパフォーマンス目標を達成しています。

ですが、それでも、「組織のパフォーマンスを向上させる」ことができていないクライアントもいます。その理由は、パフォーマンス目標をモニタリングしていないか、それとも、対策を行っていないかのどちらかなのです。

また、例えば、マーケティングであれば、「リードを増やす」がパフォーマンス目標の1つとなります。そのような向上すべきパフォーマンス目標を決め、そして、そのパフォーマンスを向上させるための研修を実施します。そして、継続的にモニタリングを行い、必要に応じて対策を行います。そうすれば、研修の効果を手に入れることができます。

(【参照】 【法人営業研修】商談開拓スキル強化 TSメソッド ~ 「商談開拓技法」が営業パーソンの提案力を強化し、商談総額を2倍へ増やす!(Developing New Opportunities, TS-Method)

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組織のパフォーマンスを向上させる研修を実施しよう!

なぜ、社員たちは、研修で学んだことを継続的に実践しないのか?

一言で「研修」と言っても、様々なものがあります。例えば、新入社員研修や業務を遂行できるようになるための社内研修などもあります。ですから、必ずしもすべての研修を全員で受講する必要があるわけではありません。ですが、このノートの冒頭で説明した通り、「研修効果がない」「組織としてのパフォーマンスが向上できていない」と悩んでいる企業の経営者やマネージャーは、ここで紹介したことを考慮して研修を実施することをおすすめします。

私たちは、「クライアント企業の事業の成長を確実にすること」をミッションとしています。「研修効果」「組織としてのパフォーマンスの向上」には、徹底的にこだわっています。そのため、私たちは「公開講座」は提供していません(公開講座は、収益的に難しいことも理由の1つですが)。

私たちは、多くのクライアント企業の業務改善/パフォーマンス向上/変化変革を実践しました。事業を成長させるための豊富なノウハウと経験があります。「組織としてのパフォーマンス」を向上させたいのであれば、ぜひ、私たちにお任せください。より具体的な内容説明の希望/質問/ご依頼は、下記からお問い合わせください。

(本ノートは、2024年6月22日に書かれたものを再編集しました)
文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳(てらおたくみ, Takumi Terao)
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