時間のムダ/時間の浪費と感じる会議をどのように対処するか? ~ 生産性を高めるために、会議主催者、そして、参加者が行うべき無駄な会議への対策

チームとしての生産性を高めるためには、チーム内外のコミュニケーションが不可欠です。企業の中でよく行われるコミュニケーションの1つが会議です。効果的かつ効率的で意味のある会議ばかりだとよいのですが、時間の無駄と感じる意味のない会議もあり、そんな会議には出たくないものです。普段から多くの仕事を抱えていて忙しいのに、大切な時間をさらに奪われてしまうからです。

「会議に出なければよいか?」というと、そういうわけにも行きません。中には大切な会議もあり、出席しないことで自分自身に悪影響があるだけではなく、チームにも迷惑をかけてしまうこともあります。

出たほうが良い会議と出なくても良い会議はどのように見極めましょうか。また、あなたが主催者だった場合、どのように会議を開催すればよいでしょうか。会議主催者・会議出席者の両者の生産性を高めるためのヒントを紹介します。

生産性を高めるために、会議主催者、そして、参加者が行うべき無駄な会議への対策

社員たちは会議に不満を持っている!

最近は、様々なコミュニケーションツールが活用できるようになりました。そのため、会社内の会議も減りつつありますが、全員が一堂に会する会議はまだまだ重要なコミュニケーションの場の1つです。クライアント企業の状況においては、私たちも「一堂に会する会議を開催すべき!」と提案することもあります。

ですが、多くのビジネスパーソンは、会社内で行われる会議にあまり良い印象を持っていないようです。会議についてその印象を聞くと下記のようなことをよく聞きます。

◆ 責任のなすり付け合い。
◆ 結局上司の一言で決まり、集まる意味がない。
◆ 議題が明確になっていない。話に方向性がない。
◆ 時間どおりに始まらない。
◆ 時間通りに終わらない。
◆ 意見を言えと言われるが、言うと否定される。
◆ 案を出すと自分がやらされる。
◆ 現状・問題がはっきりと共有されていない。

やはり、会社内で行われる会議は、生産的ではなく、時間のムダ/時間の浪費となっていることが多いようです。

会議出席者が『会議に出る? or 出ない?』を判断するヒント

上司/他部署/同僚から会議に参加するような依頼があったとき、あなたはその会議に参加するかどうかをどのように決断していますか?

会社では、意味のない会議/時間の無駄と思われる会議も行われています。もし、意味がなく、時間のムダとなっている会議ならば、そんな会議には出たくないものです。ただでさえ多くの仕事を抱え、そのうちのいくつかの作業が遅れがちになっている状況なのに、これ以上時間をムダにしたくありません。そのような場合、どうすればよいでしょうか?

それを見極めるために私たちが多くのビジネスパーソンたちへ推薦している方法があります。それは「その会議のアジェンダがあるかどうか?」、そして、「そのアジェンダの内容が明確かどうか?」の2つを確認することです。

アジェンダ(agenda)とは、議題や予定表のことです。すなわち、その会議を効果的・効率的に行うための会議の事前設計と言えます。アジェンダには、通常、下記が含まれている必要があります。

◆ 会議の日付/開始時間/終了時間
◆ 目的/議題/この会議の達成事項
◆ 出席者
◆ 進行手順

もし、「会議の開催前にアジェンダが準備されていない」もしくは「会議のアジェンダに上記のことが含まれていない」のであれば、その会議は意味のない会議/結論の出ない会議になる可能性が極めて高いです。なぜならば、その会議は目的や進め方の計画がないまま進みます。時には、出席者の勝手な発言で会議の進む方向が大きく迷走し、そのまま終わってしまうからです。

あなたの大切な時間を守るためにも、そのような会議には「No!」「出席しない!」と決断することをおすすめします。

アジェンダがない、または、アジェンダがあったとしても十分に検討されていないのならば「出席しない!」を選択すべきです。ですが、そうは言っても、上司から言われた会議や、人間関係上付き合わなければならない会議もあるでしょう。その際は、その会議の時間内で、ひっそりと他の仕事を行う準備をしてから会議に参加することをおすすめします。その会議に出席する目的はあくまでも人間関係のためだからです。そうやって自分の時間を守るべきなのです。

「会社員という立場上、会議に参加するかどうかを決められる立場にない。言われたら参加する。」と考えている人もいらっしゃるかもしれません。ですが、それでは自分の時間生産性を高めることができません。「No!」と言えるようになることは、自分の成長のためにも、自分の時間生産性を高めるためにも必要なことです。

会議の主催者が実施しておくべき事前準備とは?

多くの企業の会議を見てきましたが、「集まれ!」という掛け声だけで集まる会議をよく目にします。ですが、そのような会議は、往々にして時間通り終わることなく延々と続きます。延々と続く割に結論が出ず、ただ集まっていただけになっています。場合によっては、最終的に誰かの意見だけで決定され、集まる意味すらなかった会議となっています。

マネージャーなどの会議の主催者は、メンバーの時間をもっと大切にすべきです。メンバーたちを会議に縛り付けていては、組織の生産性を高めることなどできません。

時間は限られています。メンバーたちが、その限られた時間を通常業務に当てるからこそ結果が出ます。ですので、会議を開催するのであれば、効果的に会議を進め、時間のムダをなくすために、事前に会議のアジェンダを準備することは必須なのです。

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チームに時間をもっと大切にしよう!

世界の企業と比較すると、日本の企業は生産性が低いと言われています。特に、利益率は低い状態です。日本の企業はもっと生産性を高める必要があります。その生産性に最も悪影響を与える3つの要因が、「会議」「報告書作成」「資料を探す」です。メンバーたちの時間を大切にするためには、これらを減らさなければ成果を最大化することはできません。高い生産性を維持している組織・チームは、メンバーの時間を大切にしています。

先程もお伝えしましたが、「会社員という立場上、会議に参加するかどうかを決められる立場にない。言われたら参加する」と考えている人もいます。ですが、それでは自分の時間生産性が高まりません。

自分の時間生産性を高めるためにも、そして、チームの時間生産性を高めるためにも、「No!をいう勇気」を少しずつ発揮することから始めてみてください。

会議の生産性向上について、より具体的な内容説明の希望・質問・ご依頼は、下記からお問い合わせください。

(本ノートは、2020年01月03日に書かれたものを再編集しました)
文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳(てらおたくみ, Takumi Terao)
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