プロフェッショナルな営業のイメージは、昔と比べて大きく様変わりしています。現在の営業には、昔の営業と比べると高度な営業力が求められるようになりました。プロフェッショナルな営業のイメージを新しいものへと変え、現在必要とされている「営業力」について正しく学ぶ環境を用意すれば、営業たちが更に力を発揮して活躍してくれるようになります。ひいては営業組織としての売上目標の達成確率を高めることができます。
今回は、時代とともにプロフェッショナルな営業のイメージとその営業力がどのように変化してきたか、そして、今の時代にはどのような営業力を持つ営業が求められているかについて解説します。
未来を担う若手には今の時代に必要となるイメージと営業力を学ばせよう!
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若手営業はもっと具体的な学習をしたいと思っている
私たちの営業力強化ソリューションの1つに「法人営業基礎研修」があります。この研修の目的は、「新人や若手営業が早いうちに身に着けておくべき、結果を出すための営業スキルの獲得」で、私たちが強い自信を持って導入を推奨している研修プログラムです。実際に、この「法人営業基礎研修」プログラムを受講した新人や若手営業は、受講後に下記のような感想をよく話してくれます。
◆ 先輩が教えてくれた営業方法は感覚的なことや経験談が多かった。
◆ 上司や先輩が教えてくれたことの理由や真意が、この研修のおかげで明らかになった。スッキリした。
◆ この研修で学んだことのほとんどは、今まで教えてもらったことがないことばかりだった。
◆ この研修で学べたことは、受講していなければ一生気が付かないままだったと思う。
◆ どうすれば成果が出せるかがはっきりわかった。
この法人営業基礎研修プログラムでは、「プロフェッショナルな営業のイメージとその営業力は時代とともにどのように移り変わったのか?」についても解説しています。上司や先輩たちが営業として育ってきた時代の背景を知ることで、今までの上司や先輩たちの助言や教えてくれたことの裏側にある理由や真意を理解することができたのです。過去から現在に至るまで、それぞれの時代のプロフェッショナルな営業のイメージと営業力を理解することは目からうろこが落ちた感覚だったのでしょう(【参照】【法人営業研修】 最強の「若手&新人向け法人営業力強化研修 TSメソッド」 ~ 「営業担当者として、結果を出す!」ために必須となる営業スキルを鍛える! (BtoB Sales Boot-up Training, TS-Method))。
過去から現代へ、プロフェッショナルな営業のイメージと求められている営業力はどのように変わったのかを見ていきましょう。
昔のプロフェッショナルな営業のイメージは?
1970年代のプロフェショナルな営業は下記のようなイメージでした。◆ 話好き。
◆ 接待が好き。飲みに行くのが好き。
◆ 足で稼ぐ。
1970年代、日本は高度成長していた時代でした。企業も成長をめざして意欲的に投資をしていました。この時代の営業にとって重要なことはお客様とのお付き合いでした。お客様に足繁く通い「なにか購入検討するものがありませんか?」とうかがいます。お客様が購入するものがなければ、そのお客様と楽しく雑談をします。次回も気楽に会ってもらえる関係を維持しておきたいのです。何か購入しようと考えているお客様が見つかれば、お客様が探している商品を紹介して買ってもらいます。
たくさんのお客様と面会し、購入予定のあるお客様を発見することがこの時代の営業の成功のポイントでした。そのためにも、できるだけ頻繁にお客様に訪問する必要がありますし、それだけ頻繁に訪問しても嫌われないように楽しい雑談ができなければなりません。時にはお客様と食事やお酒などの接待をします。
「足で稼ぐ」「できるだけ頻度高くお客様に訪問する」、すなわち、「人と人との良い関係」がこの時代のプロフェッショナルな営業のイメージと営業力でした。
より高度な知識を持つ営業が求められる時代へ!
1980年後半、プロフェッショナルな営業のイメージは以前と変わりはじめました。この頃「プロダクト営業(商品提案営業)」という営業手法が普及し始めました。プロダクト営業とは、豊富な製品知識を持つ営業が「プロダクトの機能や特徴」「お客様の業務にどのように利用できるか?」「そのプロダクトを導入する効果」をお客様に提案して受注する営業方法です。1980年あたりから、コンピューターなど高度な先端技術が使われた商品が販売され始めました。営業がこのような高額で難しい商品を販売することになったことが「プロダクト営業(商品提案営業)」という営業方法が生み出された理由でした。以前のように「足で稼ぐ」「できるだけ数多くお客様に訪問する」という人と人との良い関係だけで営業をすることが難しくなったのです。
人と人との関係を構築する能力は持ちつつ、難しい商品をわかりやすくお客様に提案する高度な知識や能力が必要になりました。この時代、会社が求めるプロフェッショナルな営業としての知識や能力は下記でした。
◆ お客様との良好な関係を築く
◆ 売上目標の達成
◆ 量をこなす
◆ 豊富な商品知識
◆ クロージング能力
現在プロフェッショナルな営業に求められていることは?
1990年中旬からプロフェッショナルな営業のイメージとその営業力は、プロダクト営業から新たな形に変わり始めました。時代的な背景としては、バブル経済が終わり、長期的な低成長時代が始まったのです。お客様は「本当に必要なのか?」を慎重に検討してから購入するようになりました。「衝動買い」をしなくなり、「すごくても役に立たない商品」は買わなくなりました。お客様がプロフェッショナルな営業に求める能力は下記に変わりました。◆ 豊富な商品知識
◆ 業績・業務改善の提案力
◆ 効果的に物事を進める
◆ 信頼
プロダクト営業と比べてみますと、「豊富な商品知識」は変わりませんが、お客様は営業により多くの能力を求めるようになりました。この頃から「ソリューション営業」という営業方式が求められるようになりました。ソリューション営業とは、お客様が抱えている問題やニーズを的確にとらえ、お客様自身が納得できる解決策(solution)を提供する提案型営業です。現在におけるプロフェッショナルな営業は「ソリューション営業」が必須条件となっています。そして、変化したのはお客様だけではありません。会社がソリューション営業をおこなうために、営業たちに求める能力も下記へと変化しました。
◆ 売上目標の達成
◆ 高い生産性
◆ お客様への貢献(お客様の課題を解決する)
営業には「売上目標を達成する」だけではなく、「生産性」や「貢献」など、より高度な知恵や能力が求められるようになりました。つまり、現在の営業は、「お客様の期待」と「会社の期待」の双方を認識して営業活動を実施することが必要なのです。
「人との付き合い」「商品知識」というプロダクト営業がプロフェッショナルな営業の条件であった時代も1990年中盤までで終わりました。「プロダクト営業」という営業手法はある特定領域の営業方法としては現在でも通用する営業スキルです。ですが、以前のようにプロダクト営業だけでは十分な売上実績を達成できません。現在では「プロダクト営業とソリューション営業を組み合わせたハイブリッドなセールス」をできる営業だけが結果を出せる時代となったのです。
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若手営業をプロフェッショナルな営業を育てよう!
今の時代、「お客様の期待」「会社の期待」の双方を認識している営業こそが「プロフェッショナルな営業」の条件の1つです。彼らは「お客様から営業へ期待されていること」そして「会社が営業へ期待していること」を十分に認識し、その立場を踏まえたうえで自ら高い目標を設定し、計画性を持って生産性の高い営業活動を行っています。多くの企業のマネージャーやベテランの営業たちは、このようなハイブリッドな営業の実践経験が十分ではありません。そのために、このノートの冒頭で紹介した、若い営業たちの法人営業基礎研修の受講感想のような意見を、多くの企業でよく聞くようになりました。
OJT(On The Job Training, 職場内訓練)だけでは結果を出せる営業を育成することができなくなりました。今の時代、新人や若手営業をプロフェッショナルな営業を育てるには、営業組織や先輩営業に新人と若手の育成を任せるのではなく、会社としてカリキュラムを整備し、育成することが必須となりました。OJTによる「指導や助言」から、「理論の学習とコーチング」による育成へと育成方法が変わったのです。
お客様に面談する営業には、今後益々高度な知識とスキルが必要となります。あなたの会社の長期的な発展のためにも、若手営業たちを「プロフェッショナルな営業」を育成するシステムの構築してください。
私たちは、多くの営業組織の業務改善/パフォーマンス向上/変化変革を実践しました。事業を成長させるための豊富なノウハウと経験があります。営業を育成する最適なシステムを構築するノウハウを私たちは保有しています。もし、私たちのノウハウが必要だと感じられましたら、ご遠慮なくお問い合せください。新人や若手が確実に育つ育成体系を貴社に構築するお手伝いをいたします。
(本ノートは、2010年5月16日に書かれたものを再編集しました)
文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳 (てらおたくみ, Takumi Terao)
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