営業マネージャーと話をしていますと、このような言葉をよく聞きます。営業という業務にもITツールや科学的なメソッドが導入されつつありますが、結果を左右するのは最終的には「人」です。そんなことを多くの営業マネージャーは感じているためにこのような言葉を使っているのです。
ですが、「最後は人次第なんです!」と同じことを言っていても、結果を出せていない部長もいれば、高い目標を掲げてそれを達成し続けている部長もいます。同じことを言いながら、その差はどうして生まれるのでしょうか?
「営業という仕事はなんだかんだ言っても『最後は人次第』」と同じことを言っているのに、異なる結果となっている原因とその対策について解説します。
同じことを言っているのに、率いるチームの結果が全く違う2人のマネージャーの違いとは?
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「最後は人なんです!」と同じことをいっているのに結果が違う!
「営業はなんだかんだ言っても最後は人次第だ」と言っていた2人の部長AさんとBさんがいました。2人は同じことを言っているのに、2人が率いるチームの成績には大きな差がありました。営業社員20人を率いる営業部長Aさんは売上を伸ばせていない!
A部長の営業部には営業社員が約20名いました。年間の売上目標は約50億円でした。A部長は、以下の様なことをよく話していました。「マネージャーが管理しなくても、営業社員たちが自分たちで考えて仕事をすれば結果は出るんですよ。でも、自分から率先してやろうとしない。言われたことしかやらないんですよね。例えば、研修なんかも言われれば受講するけど、自分から進んで参加しないんです。私はね、言われなくてもやれるようになってほしいんです。そうなれば無理して学ばせなくても、自ら学ぼうとするんですよ。意欲を持って、自分たちがやる気にさえなれば何でもできるんですよ。そうでしょ? なんだかんだ言っても最後は人なんです。意欲さえあれば、結果はついてくるんです。」
このA部長の営業部は、この数年間、50億円近辺の売上成績で推移し、50億円以上へと売上を伸ばすことができていませんでした。また、意欲のある営業社員が会社をやめてしまう問題に頭を悩ませていました。
営業社員30人を率いる営業部長Bさんは10%以上の成長を実現!
B部長の営業部には営業社員が約30名いました。年間の売上目標は約80億円でした。Bさんが「最後は人なんです」という言葉を使うときは、下記のような会話の中でした。「今、この会社の営業組織の問題は、新規商談の開拓件数が不足していることです。新規商談の開拓は、営業の仕事の中でも最も重要なものです。もちろん、インターネットを使って新しい問い合わせも増やす必要があります。ですが、インターネットで問い合わせをしてきたお客様は、通常ライバル会社にも問い合わせています。そのインターネットを通して問い合わせがあった案件を確実に受注するためにも、新規開拓力は役に立ちます。営業社員の新規開拓力を強化することが今の課題です。そのためには、1日程度の研修を受講させるだけでは不十分です。継続して新規開拓スキルを強化し続ける必要があります。期待していることは継続的なコーチングです。まずは、あらゆる対策を講じます。ですが、最後はなんだかんだ言っても人です。人の意欲ほど当てにならないものはありませんが、あらゆる対策を講じた上ですから、営業社員たちもやってくれるでしょう」
B部長の営業部は、3年連続して10%以上売上を増やしていました。
なぜ、「最後は人!」なのか?
なぜ、多くの営業マネージャーは、「最後は人次第」というのでしょうか?経済ニュースなどでは、「これからますますロボットやAIが多くの仕事を奪っていく」と報道しています。低価格でわかりやすい商品の販売は、今後ロボットやAIがそのほとんどの仕事を担うようになるでしょう。ですが、高額で複雑な商品の営業は、AIやロボットがどれだけ進化するかにもよりますが、しばらくの間は人間だけが営業できる状態が続きます。
このように、人が行う仕事はロボットやAIではできない高度な仕事になっています。商品知識を持っているだけではなく、お客様のこと/競合のこと/商談の進捗など、様々な状況にたいして適切に対応できる応用力が必要となっているのです。やはり「最後は人次第」なのです。
なぜ、「最後は人!」と同じことをいっているのに結果が違うのか?
A部長もB部長も「営業はなんだかんだいっても『最後は人次第』なんです」と考えていました。ですが、実績が全く違っていました。なぜ、二人が率いる営業組織の成績は大きく違っていたのでしょうか?2人には下記のような違いがありました。
結果が出ないA部長の特徴
◆ 「最後は人次第」と言っている頻度が多い◆ 結果が悪い原因を特定せず、「営業社員の意欲が原因」としていた
◆ マネージャーが管理しなくても自分たちで仕事をすべきだ、と考えていた
◆ 営業社員のやる気だけを期待していた
結果を出すB部長の特徴
◆ 「最後は人次第」とはわかっているが、そのことを口にすることが少ない◆ 成績が悪い原因を特定し、課題を設定して挑戦していた
◆ 直面する問題について、あらゆる対策を講じようとした
◆ 営業社員の能力が高まる機会を与え、高まることを期待していた
以上からわかるように、A部長とB部長のマネージャーとしての成熟度は段違いでした。B部長は、業務をプロセスで考えることができ、営業社員の能力を強化する機会を与え、「最後は人次第」という言葉に「学習と継続的なトレーニングの機会を与えれば、営業社員たちはまだまだ成長できる」という期待が込められていました。
反面、A部長は、マネージャーとして実行すべきことを十分に行わず、「原因はすべて営業社員の意欲にある」と考え、「最後は人次第」という言葉に営業社員への避難の意味合いが含まれているものでした。
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マネージャー変革こそが、企業成長の鍵!
A部長のようなマネージャーが率いる営業組織は、下記のような状態になっています。◆ 営業社員は一部の限られたお客様にしか訪問していない
◆ 「なにか買うものありませんか?」という御用聞きスタイル、もしくは、「新製品を紹介に伺いました!」という紹介スタイルで、お客様とのコミュニケーションが薄い
◆ どのような情報を収集すれば業績が良くなるか、わかっていない
◆ 営業社員の担当変更があると、お客様との関係を最初から作り直さなければならない
◆ 上司は「数字を上げろ!」と強要するが、そのための具体的な方法を教えていない、対策を講じていない
実は、B部長の営業組織も、以前は上記のような状態でした。ですが、B部長がこの部署を担うことになって、一気に部署としての売上が増え始めました。そして、このように結果が出始めると、営業社員たちの目の色も変わり、意欲的になり、組織内が格段に明るくなりました。
営業という仕事はなんだかんだ言っても「最後は人次第」です。ですが、「最後は人次第」といっても、営業社員の意欲のせいにしている営業マネージャーでは、上記の通り、営業組織のパフォーマンスを向上できません。もちろん、なんだかんだ言っても「最後は人次第」なのですが、あらゆる対策を講じた上で期待するべきものなのです。
以上のように、停滞している組織でも、営業マネージャーのマネジメントの方法を変えれば、営業組織を確実に成長させる事ができます。成長している企業は、組織も個も成長できるための合理的なマネジメントをしています。
私たちは、多くの営業組織の業務改善/パフォーマンス向上/変化変革を実践しました。事業を成長させるための豊富なノウハウと経験があります。あなたの会社の営業組織のパフォーマンス(業績)を向上したいのであれば、ご連絡ください。私たちが売上を増やす事ができる営業管理方法を構築する支援をいたします。
(本ノートは、2008年11月09日に書かれたものを再編集しました)
文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳(てらおたくみ, Takumi Terao)
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