今の時代、自信のない人は良いパフォーマンスを出すことができない! ~ どうすれば、社員の自信を引き出すことができるか?

自信をもって仕事をすることは大切でしょうか?

この質問に対する私たちの答えは「イエス」です。自信を持って仕事をする人のほうが、良い結果を出しています。今の時代、自信を持って仕事をしなければ、よい結果を出すことができません。すなわち、組織のパフォーマンスを高めるためには、「自信を持って仕事をする社員」を増やす必要があります。

あなたの会社の社員は、自信を持って仕事をしていますか?

どうすれば、そのような「自信を持って仕事をする社員」を増やすことができるのでしょうか。このノートでは、「社員の自信を引き出す方法」について解説します。

どうすれば、社員の自信を引き出すことができるか?

自信を持って仕事をすることは大切か?

あるお菓子屋さんに入ったとしましょう。そこには、数多くのお菓子が売られています。そこで、そのお店の店員へ「おすすめはどれですか?」と聞きます。ですが、その店員は、おすすめのお菓子をはっきり紹介してくれないのです。あなたから見ると自信がなさそうです。このようなとき、「買うの、やめようか?」と思うのではないでしょうか。事情があれば、それでも買うかもしれませんが(実際には、このような店舗で、自信なさげに紹介する店員はあまりいませんが)。

このようなときに、はっきりと「このお菓子がおすすめなんです!」と自信を持って紹介してくれれば、よほどの事情がない限り、あなたはそのお菓子を買うでしょう。

「自信がある」「自信がない」は、パフォーマンスに大きく影響します。概して、自信のない人の仕事のパフォーマンスは高くありません。自信のない人は提案することもないでしょうが、仮に提案したとしても、自信なく提案されても採用する気にはなれないでしょう。

多くの企業の社員たちは、自信のある人ばかりとは限りません。自信がない人も多いです。とくに、「業績が低迷している企業」や「社員の離職率の高い企業」は、自信のない社員が多いです。

なぜ、自信のない社員が多いのでしょうか?

自信のない社員が多い企業で起こっていることとは?

多くの組織を観察してきて、自信のない社員が多い組織では、以下のようなことが起こっていました。

自信を持たれてしまっては困る!

自信がある社員は、傲慢であることも多いです。調子づいて人を馬鹿にしたり、見くびって礼儀を欠いたり、偉そうにして人を見下す態度をしたりします。もし、このような人がいると、チームワークに悪影響を及ぼします。

会社としては、社員がこのような傲慢になっては困ります。それよりも、言われたことを粛々と行う社員の方が扱いやすいのです。そのために、社員のマイナスの面だけを指摘する管理を行うことで、社員に自信をもたせようとしないマネージャーも多いです。マイナスばかりを言われるわけですから、社員はどんどん自信を失っていきます。

せっかくの社員の自信を潰している!

すでにお伝えした通り、多くの社員が自信を持てば、間違いなくパフォーマンスは上がります。ですが、マネージャーが社員の自信を失わせることも目につきます。そのようなマネージャーがやっていることは「人を詰める」ことです。

「人を詰める」とは、「なにしろやれよ!」「なんで目標達成できないんだよ!」「何回も言わせるなよ!」などと言葉だけで部下を詰めることです。多少でも、目標達成に向けた論理性があればまだ良いのですが、そのような論理性なく威圧的に言葉だけで人を詰めているだけですから、部下の能力が高まるわけではありません。結果も出るわけでもありません。言葉で詰められた社員は、どんどん自信を失っていきます。

ちなみに、このようなマネージャーは自分が率いるチームとしての結果を出すことはできません。率いる部下たちは自信を失い、パフォーマンスを上げられないわけですから、チームとしてのパフォーマンスがよくなるわけがないのです。自分で自分の首を締めているのに、その事に気がついていません。「チームを率いて結果を出す」という観点では失格です。

パフォーマンスが悪い組織には、このような「人を詰める」だけのマネージャーが多いです。

自信を引き出そうとしているが、うまく行っていない!

「部下の自信を引き出そう」と考えているマネージャーもいます。そのようなマネージャーが良く行っていることは、「部下を褒める!」ことです。

ですが、実は、「部下を褒める!」ことをしても、部下の自信を引き出せるわけでも、部下のパフォーマンスを向上できるわけでもないのです。「部下を褒める!」ことをすると、すでにお伝えした通り、傲慢になる可能性を高めてしまいます。傲慢になれば、さらに高いパフォーマンスに挑戦することはありません。

「自信を引き出す」ことは重要なのですが、傲慢にさせてはいけないのです。

原因は、社員の自信を引き出すマネジメントができていないこと!

以上にお伝えした内容は、実際に企業の中で発生していたことです。このように部下の自信を引き出すことができていない根本的な原因は「マネージャーのマネジメント能力」および「会社としてのマネジメントの仕組み」です。

これらの企業のマネージャーは、的確に部下の自信を引き出すマネジメントの方法を学んでいません。学んでいなければ、部下の自信を引き出すことも、率いるチームのパフォーマンスを高めることもできません。そして、会社のマネジメントの仕組みである職務の定義や評価制度が「社員の自信を引き出す」ものになっていないのです。

会社のパフォーマンスを向上させるためには、これらの問題を解決し、社員の自信を引き出すことが必須です。

どうすれば、部下の自信を引き出すことができるのだろうか?

社員の自信を引き出すためには、以下の4つが重要な鍵を握ります。

1. ナンバーワンになる目標を設定し、一緒に達成する

「社員の自信を引き出す」ために、マネージャーが最初に行うべきことは、褒めることでも、人を詰めることでもありません。まずすべきことは、「ナンバーワンになる目標を設定する」ことです。

自信を引き出したい部下と話し合い、「会社内で1番!」になるための目標を設定します。その目標は以下のようなちょっとした目標でも大丈夫です。

◆ この商品だけは、他の人に負けない知識を持つ
◆ アポの電話だけは、一番多く電話する
◆ 報告書だけは、一番に出すことを目指す

これらの目標は、できれば数値で達成度が判断できる目標が良いです。まずは、「ナンバーワンになる目標を設定する」ことから始めます。

2. 結果を出させる

目標を合意したら、部下がその目標を達成できるように、指導と支援をします。ここで「人を詰める」ことをしてはいけません。「人を詰める」ことをしても目標は達成できません。目標達成は、論理的でなければなりません。たとえば、部下の売上目標の達成度が80%だったとして、「もっと行動しろ!」「やる気があるのか?」と人を詰めても、目標を達成できるわけがありません。顧客数がどのくらいあるのか、新規案件数がどのくらいあるのか、成約率がどのくらいあるのか、などを分析して、どの要因の対策が重要か、そのためには具体的にどうすればよいのか、など、論理的に目標達成するための対策を検討しなければ目標達成などできないのです。

マネージャーには、「部下が目標達成できるようにするマネジメント能力の強化」が必要です。このようなことを通して部下に結果を出させれば、この時点で、間違いなく部下の自信を引き出すことができます。

3. 褒めるのではなく祝う

部下の自信を引き出すためには、「褒める」よりも「祝う」ことをおすすめします。「1. ナンバーワンになる目標を設定し、一緒に達成する」でお伝えしましたように、部下と話し合って目標を設定し、合意をします。そのような目標は、部下だけの目標ではなく、上司の目標でもあるのです。

「褒める」ということは、「部下だけの目標」という認識だから行われる行為です。目標は部下だけのものではなく、部下と上司の共通のものです。ですから、それを達成したときは、「一緒に祝う」ということが重要です。これによって、傲慢ではない良い形の社員の自信を引き出すことができます。

4. マネージャーの教育をする

以上のような事ができるマネージャーを増やさなければ、部下の自信を引き出すこともできませんし、組織のパフォーマンスを向上することもできません。

このようなことをマネージャー任せにしても、マネージャーはできるようになりません。組織としての対策が必要です。組織として、マネージャーのマネジメント能力を強化する必要があります。すでに、お伝えした通り、学ばなければ、できるようにはならないのです。

私たちは、クライアント企業のマネジメント強化の支援をしています。その際、全員の自信を引き出すことができたわけではありませんが、クライアント企業のかなり多くの社員の自信を引き出すことができています。学べば、できるのです。

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部下の自信を引き出すことができれば、組織のパフォーマンスは向上する!

仕事柄、様々な企業の事業成長の支援を行ってきましたが、パフォーマンスの高い企業とパフォーマンスの低い企業の違いは「マネジメント力」です。組織のパフォーマンスを決定するのは、マネジメント能力次第です。そして、このマネジメントは、学ばなければできるようになりません。知識がなければ始まらないのです。

マネジメントを学べば、傲慢ではない良い形の社員の自信を引き出すことができ、組織としてのパフォーマンスを向上させることができます。

私たちは、多くのクライアント企業の業務改善/パフォーマンス向上/変化変革を実践しました。事業を成長させるためのその豊富なノウハウと経験があります。より具体的な内容説明の希望/質問/ご依頼は、下記からお問い合わせください。

(本ノートは、2024年4月11日に書かれたものを再編集しました)
文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳(てらおたくみ, Takumi Terao)
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