リーダーシップのある社員が増えれば、組織のパフォーマンスは向上します。そのため、多くの企業が、社員たちにリーダーシップを求め、リーダーシップ研修を行っています。
ですが、社員たちにリーダーシップ研修を実施しても、思った通りに組織としてのパフォーマンスが向上できていない企業も多いです。その原因の1つは、「社員が考えるリーダーシップと経営層が期待しているリーダーシップが合致していない」ことです。
組織のパフォーマンスを高めるため、本来必要とされているリーダーシップについて解説します。
企業を成長させるために、これからの社員に必要とされる「リーダーシップ」とは?
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社員たちのリーダーシップは高いが、組織のパフォーマンスには満足できない
多くの企業が、社員にリーダーシップを求めています。特に、高い成長率を目指すグローバル企業は、「リーダーシップは重要だ!」と考えています。なぜならば、リーダーシップの高い人が多い組織のほうが、組織としてのパフォーマンスが良いことを知っているからです。これらのグローバル企業では、社員たちにリーダーシップを学ぶ機会を与え、リーダーシップの実践を推奨しています。本来は、多くの社員がリーダーシップを発揮すれば、組織としてのパフォーマンスは高まるはずです。ですが、社員たちがリーダーシップを発揮していても、経営層が期待しているパフォーマンスには到達していないこともあります。
社員たちがリーダーシップを意識して業務を遂行しているのに、どうして、組織としてのパフォーマンスが期待どおりではないのでしょうか?
あるクライアント企業で実施したリーダーシップトレーニングを通して、その原因がわかってきました。
「社員たちの考えているリーダーシップ」と「マネジメントチームの考えているリーダーシップ」は違っていた
リーダーシップトレーニングを行った背景とは?
私たちがリーダーシップトレーニングを実施したI社は、高い成長率を求めるグローバル企業でした。I社は、他のグローバル企業と同様に、社員たちがリーダーシップを発揮することを望んでいました。I社は、他の企業と比べると成長率は高いほうですが、I社のマネジメントチームは、現在の成長率には満足していませんでした。I社では、日頃から「リーダーシップ」という言葉が使われていました。そのために、I社の社員たちは、「リーダーシップは重要だ!」と認識しており、さらに、「自分たちは、リーダーシップがある!」と考えていました。I社のマネジメントチームも、「社員たちのリーダーシップは高い」と認めていました。リーダーシップが高い人が多ければ、その結果として、組織としてのパフォーマンスも高くなるはずですが、マネジメントチームは、「現在の成長率は期待どおりではない」と感じていました。
今回のリーダーシップトレーニングの対象者は、これから課長へと昇進することが期待されていた中堅社員でした。マネジメントチームは、今後、マネージャーを支える存在として、更にはマネージャーとしてリーダーシップを発揮することで、組織の成長に貢献してくれることを期待して、中堅社員を対象としたリーダーシップの強化を決断しました。
「リーダーシップとはなにか?」の討議から始まった
I社でのリーダーシップトレーニングは、「リーダーシップとはなにか?」の討議から始めました。I社の社員たちは、日頃から「リーダーシップ」を意識しているために、「リーダーシップとはなにか?」の問いについて、すぐ回答することができました。実際のところ、他社では「リーダーシップとはなにか?」の問いについて、すぐ回答できない社員が多いのです。I社の社員の回答は、以下のようなものでした。◆ 方向性を示す
◆ 目標に向かって導く
◆ 主体性
◆ 責任を持つ
I社の社員たちは、以上のようなリーダーシップの重要な構成要素について知っていました。他の会社でリーダーシップトレーニングを実施した時には、社員が、特に「主体性」や「責任を持つ」と回答することはありませんでした。ですが、I社の社員たちは、「主体性」や「責任を持つ」もリーダーシップの重要な構成要素として認識していました。やはり、I社の社内では、「リーダーシップ」という言葉が浸透しており、社員たちの「リーダーシップ」の意識が高いことがわかりました。
彼らは、「リーダーシップ」の基礎的な要素を理解できていた
「リーダーシップとはなにか?」の討議のあとは、以下のような手順でリーダーシップトレーニングを進めました。【Step1】 自分自身のセルフリーダーシップを高める
【Step2】 リーダーとして、チームを率いるために必要となるリーダーシップの特性
【Step3】 チームのパフォーマンスを高めるためのリーダーシップ実践方法
リーダーシップトレーニングを進めていくと、「社員たちが考えているリーダーシップとI社のマネジメントチームが期待しているリーダーシップは合致していない」ことが、徐々に明らかになりました。
「【Step1】 自分自身のセルフリーダーシップを高める」では、リーダーとして成長するために、自分自身の内なるリーダーシップについて考えました。内なるリーダーシップとは、例えば、「主体性」とか「責任」にかかわることでした。
さきほども触れましたが、I社の社員たちは、リーダーシップの構成要素には「主体性」や「責任」ということが含まれていることを知っていました。そのため、彼らは、自分たちのリーダーシップを発揮して、「自分の仕事の責任を果たす」「自分の仕事を主体的に行う」ことができていました。
社員たちは、リーダーシップについて、十分認識しているわけではなかった
以上のように、トレーニングの【Step1】は順調に進みました。次の「【Step2】 リーダーとして、チームを率いるために必要となるリーダーシップの特性」は、以下の2つが主なテーマでした。◆ チームメンバーに高いパフォーマンスを要求する
◆ チームメンバーの能力を高める
この【Step2】を実施していた時、I社の中堅社員のリーダーシップに関する問題が明らかになってきました。【Step2】でのI社社員たちの質問やコメントは、以下のようなものでした。
◆ 「他の人に高いパフォーマンスを要求する」よりも「高いパフォーマンスを要求されて困っている」。
◆ 相手が相談してくれれば、相手の仕事の手伝いはできるのに。
◆ このトレーニングの内容は、自分には経験がないからわからない。
◆ こんなことまで求められても、要求が高すぎる。
「社員の考えるリーダーシップ」と「マネジメントチームの考えるリーダーシップ」は、どう違っていたか?
以上のように、「社員たちはリーダーシップを発揮できている」と考えていながら、I社のマネジメントチームが「社員たちはリーダーシップを発揮してくれているが、組織の成長としては満足できるものではない」と感じている原因がわかってきました。「社員たちが考えているリーダーシップ」と「マネジメントチームが期待しているリーダーシップ」は、以下のように違っていたのです。
社員が考えるリーダーシップとは
社員たちが考えているリーダーシップの構成要素は、以下でした。◆ 方向性を示す
◆ 目標に向かって導く
◆ 主体性
◆ 責任を持つ
彼らは、自分の仕事に対してリーダーシップを発揮し、与えられた仕事に対して責任を持ち、主体的に業務を行っていました。自分の仕事の方向性は認識し、その方向性に向かって、自分自身が動いていました。
マネジメントチームが期待しているリーダーシップ
以上の「社員が考えるリーダーシップ」に対して、マネジメントチームは、「チームが高いパフォーマンスを発揮するための積極性がたりない」「他のチームメンバーの能力を高めるための積極性が十分ではない」と感じていました。すなわち、マネジメントチームは、以下のようなリーダーシップを期待していたのです。◆ 率先してチームを率いて、高いパフォーマンス達成を目指す。
◆ パフォーマンスが低いチームメンバーの能力を高める。
「チームを率いて高い結果を出すリーダーシップ」が十分ではない原因とは?
I社は、最先端のテクノロジー/高度な情報/イノベーション/コンサルテーション/ソリューションが必要な、専門性の高い技術や情報を駆使する業務を行っていました。また、I社の中堅社員は、他の部署のメンバーを含むプロジェクトのリーダーとして仕事をする必要がありました。しかし、「自分の仕事を遂行する上でのリーダーシップ」は十分発揮できているのですが、「チームを率いて高いパフォーマンスを達成するためのリーダーシップ」が十分ではなかったのです。トレーニングの「【Step3】 チームのパフォーマンスを高めるためのリーダーシップ実践方法」では、ロールプレイなどのワークを行いました。その際、「中堅社員たちは、チームを率いて高いパフォーマンスを達成するためのリーダーシップが十分ではない原因」もわかりました。
実は、中堅社員だけではなく、その上長である課長も、チームを率いて高いパフォーマンスを達成するためのリーダーシップが十分ではなかったのです。
「チームを率いて高い結果を出すリーダーシップ」トレーニングが必要
企業内では、「与えられた自分の仕事に責任を持ち、主体的に遂行するリーダーシップ」については学んでいることが多いです。これは重要です。まずは、「与えられた自分の仕事に責任を持ち、主体的に遂行するリーダーシップ」を学ぶ必要があります。ですが、組織としてのパフォーマンスを最大化するためには、それだけでは不十分です。多くの企業では、「チームを率いて結果を出すリーダーシップ」については学んでいません。実際に、I社の事例からわかるように、「社員たちの考えるリーダーシップ」と「マネジメントチームが期待するリーダーシップ」にはギャップがある状態です。そして、多くの会社は、このような「マネジメントチームが期待するリーダーシップ」について、社員たちに十分認識させ、浸透させることができていません。
「チームを率いて高いパフォーマンスを実現する」ためには、以下のリーダーシップの構成要素が欠かせません。
◆ チームを率いること
◆ 高いパフォーマンスの達成を決断し、目指すこと
◆ チームメンバーを成長させること
企業の成長を目指すのであれば、「社員たちの考えているリーダーシップ」をバージョンアップさせるトレーニングが必要です。
社員たちが、チームを率いて高いパフォーマンスを実現するためのリーダーシップを学ぶ必要があります。多くの社員が、今まで考えたことも経験したこともない「リーダーシップ」について学び、体験できるトレーニングが必要です。
I社のマネジメントチームは、以下のように、私たちのリーダーシップトレーニングを満足していました。
◆ 中堅社員たちに、「マネジメントチームが期待しているリーダーシップ」を学ばせたこと
◆ 中堅社員たちが、「今まで考えたこともなかったこと」に対する視野を広げたこと
◆ 中堅社員たちが、「今まで経験したこともなかったこと」を体験させたこと
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社員たちのリーダーシップを強化し、組織の成長を加速させる!
企業が成長するために、社員に求められているリーダーシップとはなにか?高度な専門性/ソリューション/イノベーション/コンサルテーションなどの言葉が使われる仕事が増えています。このような仕事では、プロフェッショナルな意識が必要です。プロフェッショナルとして、「自分の仕事を率先し、責任を持つリーダーシップ」が求められています。
ですが、この「自分の仕事を率先し、責任を持つリーダーシップ」だけでは、チームのパフォーマンスを最大化することはできません。「自分の仕事を率先し、責任を持つリーダーシップ」は必須として、さらに高い「チームを率いて高いパフォーマンス達成を目指すリーダーシップ」が必要な時代となっています。
私たちは、多くのクライアント企業の業務改善/パフォーマンス向上/変化変革を実践しました。私たちは、この「プロフェッショナルとして、チームを率いて高いパフォーマンス達成を目指すリーダーシップ」に関する様々なノウハウを持っています。私たちが、社員の「チームを率いて高いパフォーマンス達成を目指すリーダーシップ」を強化します。より具体的な内容説明の希望/質問/ご依頼は、下記からお問い合わせください。
(本ノートは、2023年6月15日に書かれたものを再編集しました)
文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳(てらおたくみ, Takumi Terao)
Copyright (C) 2023 T-SQUARE Co., Ltd. All rights reserved.
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