私たちは、「『事業を成長させる力』を最大限に引き出すこと」をミッションとして、クライアント企業の事業成長と目標達成の支援をしてきました。その様々なクライアント企業での実践と研究を通して、『事業を成長させる力』を強化する解決策を生み出し、自信を持ってこの解決策をクライアント企業へ提供しています。
この解決策は、「事業の成長度合い」や「事業目標の達成度」に満足できていない経営者をはじめとするマネジャーのための解決策です。事業目標を掲げても、その事業成長や事業目標の達成にむけた社員の行動力が「期待通りではない」「十分ではない」状態ですと、その目標を達成することはできません。
「事業目標」「中長期計画」「事業成長」を達成させるための必須条件は、以前と比べ変化しました。今回紹介する解決策は、マネジャーが立案した目標の達成に向けて、組織や社員たちの行動力を強化するものです。
このノートでは、「事業を成長させることができている組織と成長させることができていない組織の差」、そして、「未来の成長を可能にするための『社員の事業成長への行動力』を強化する方法」について解説します。
「事業目標」「中長期計画」「事業成長」を達成し、事業を成長させる組織を作る!
ページコンテンツ
「事業を成長させることができている組織」と「できていない組織」の差とは?
企業の成長度合いに大きな差が生まれている!
企業の成長度合いに大きな差が生まれています。世界に目を向けると、アメリカにはGoogleやAmazonやAppleなどのように、急速に事業を成長させている組織があります。アメリカの企業だけではなく、アジアの企業も大きな成長を遂げています。ですが、アメリカやアジアのすべての企業が急速に成長できているわけではありません。このような急速に事業を成長させている企業はほんの一握りです。ほとんどの企業は、期待通りの成長を実現できていません。このような企業の成長の差は、アメリカやアジアに限ったことではなく、日本でも同様です。日本でも急成長している企業があります。中には衰退している市場で事業を行っている企業ですら、高い成長ができています。ですが、その反面、成長市場で事業を行っているにもかかわらず、成長できていない企業も多いです。
「事業を成長させることができる企業」と「できない企業」の差は、なぜ生まれるのでしょうか?
中長期計画や事業戦略が、思っているように進まない!
日本の多くの企業の社員たちは、真面目に仕事をしています。これは「事業を成長させることができている組織」にも「できていない組織」にも共通することです。すなわち、「事業を成長させることができている組織」と「できていない組織」の差は「真面目に仕事をすること」ではありません。多くの企業の社員たちの行動を観察しますと、その差となっていることは、事業成長への行動の量と質がその原因とわかりました。「事業を成長させることができていない組織」では、「日常業務だけ」「単年度の目標達成の業務だけ」に追われており、事業成長への行動がほとんど行われていません。多くの「事業を成長させることができていない組織」は、下記のような状況になっています。
◆ 言われたことしかしない
◆ 事業成長に向けた組織の課題や問題が放置されている
◆ 批判・論評・文句は言うが、自分では動かない
◆ 属人的に仕事が行われている、仕事のしかたが人によってバラバラ
◆ チームとして仕事が行われていない
◆ 研修で学んだことがほとんど活用されていない
また、社員へ「事業成長への活動」を指示しているにも関わらず、経営者をはじめとするマネジャーたちの期待通りの結果を出せていない企業の社員たちは、下記のような状況でした。
◆ 戦略の遂行や事業の成長に関する行動の重要性を認識していない(『事業成長への行動』を期待されていることを知らない)
◆ 所属する部署やチームとしての課題を特定できない(問題意識がとぼしい)
◆ 事業成長への実施方法を知らない
◆ 言われた通りにしかしない、指示がないと進められない
◆ 途中で放棄される(途中で実施しなくなる)
◆ 進捗状況を報告しない、進捗状況がわからない
◆ 表面的に実行し、効果が持続しない
◆ 最後までやり遂げない、完了できない
◆ 視野が狭く、自主的な思考と行動が停止している
以上のように、多くの「事業を成長させることができていない組織」は、事業計画や事業戦略などの事業を成長させるための活動が自主的に行われていないか、その進捗が遅いか、または、最後までやり遂げることができていません。
また、『事業成長への行動』をごく少数の優秀な社員に任せる会社もあります。ですが、一握りの人間が行っているだけでは、組織全体としての勢いは足りません。戦略を考える人、実行する人、その両方を大幅に増やすことが重要です。1.5倍などではなく、5倍、10倍へとする必要があります。
もし、以上で紹介した「事業を成長させることができていない組織や社員の状況」のいくつかが当てはまるのであれば、私たちの『事業を成長させる力』を最大限に引き出す解決策を行うことで、確実に事業を成長させることができるようになります。
事業を成長させることができている組織
「事業を成長させることができている組織」は、組織や社員が自主的に『事業成長への行動』に挑戦しています。ここでいう『事業成長への行動』とは、以下のような活動が含まれます。◆ 事業計画を達成する活動
◆ 事業成長や組織課題を解決する活動
◆ 目標達成の障害を取り除く活動
1995年に出版された「ビジョナリー・カンパニー」というビジネス書では、数多くの事業を成長させている企業が紹介されています。また、2018年に出版された「ティール組織」でも、事業を成長させている多くの企業が紹介されています。
1995年に成長を遂げている企業でも、2018年に成長を遂げている企業でも、「事業を成長させるための原則」は同じものでした。これらの書籍で紹介されている企業では、自主的な『事業成長への行動』を推奨し、『事業成長への行動力』を強化する教育とコーチングを行い、『事業成長への行動』を最後までやり遂げる組織的な支援をしていました。
以上のように「事業を成長させることができている組織」と「成長させることができていない組織」の違いは、『事業成長への行動』の「量」と「質」と「組織的な支援」の違いです。
「事業を成長させることができている組織」が実施している組織強化とは?
組織内に『事業成長への行動』を増やすためには、以下の5つを実行する必要があります。◆ 推奨
◆ 実践的トレーニング
◆ 推進の支援
◆ 評価
◆ モニタリングと改善
推奨
「推奨」とは、組織として事業成長に向けた自主的な行動を推奨することです。多くのマネジャーは、「そんなことは私の率いる組織でもやっている。だが、推奨してもやってくれないんだ。」と言っています。もし、そうであれば、それは事業成長に向けて自主的な行動を推奨する仕組みが組織の中で機能しているとは言えません。以下に続く「実践的トレーニング」「推進の支援」「評価」「モニタリングと改善」と合わせて、組織的に支援をする仕組みを構築する必要があります。実践的トレーニング
「実践的トレーニング」とは、チームとなって「事業計画を達成する活動」「事業成長や組織課題を解決する活動」「目標達成の障害を取り除く活動」を立案し、それを最後まで遂行する能力を鍛えるトレーニングです。組織や社員たちが自主的に『事業成長への行動』ができていない理由の1つは、その方法を学んでいないことです。自分たちで「組織や部署としての課題や達成目標」を設定し、それを実行する方法を学ぶことが大切です。このようなことは、1日や2日の研修だけではできるようになりません。実践を通してトレーニングすることで、自主的に実行できるようになります。
推進の支援
上層部が「事業成長」「経営目標」「中長期計画」「組織課題解決」の実施を指示するだけで、あとは「現場任せ」のほったらかしの状態になっている企業は多いです。放ったらかしにはしていなくても、「結果はどうだ?」と結果だけを確認して、「進んでいないじゃないか!」「期限を守れ!」「もっと考えろ!」「しっかりやれ!」という指示をしているだけになっている企業も多いです。「事業成長」「経営目標」「中長期計画」「組織課題解決」を挑戦する行動は、難度が高く、簡単に目標達成できるものではありません。社員は、様々な障害に直面し、苦悩しながら行っています。「もっと考えろ!」「期限を守れ!」という指示をしても、確実に遂行することにほとんど役立ちません。そのためには、進捗状況を定期的に確認し、社員たちが障害や高いリスクに直面しているときには、その障害やリスクの対策を組織的に支援することが重要です。そのような組織的な支援体制があるから、社員たちは最後までやり遂げることができるのです。
評価
多くの企業では、『事業成長への行動』を終了した後に、自分たちの行動結果について十分な自己評価をしていないことが多いです。ですが、効果的な自己評価を行うから、次の『事業成長への行動』でより大きな効果を出すことができるようになります。また、多くの企業では「やってあたりまえ!」と考える傾向もあり、自主的な活動をした社員に対して、人事評価での加点をしていません。それよりも、その逆で、自主的な活動をさせても、その結果が悪ければ、人事評価で減点をしていることが多いです。このことは、社員たちが自主的に行動しなくなる最も大きな原因の1つです。事業成長に向けて自主的に行動したら、人事評価で加点をする仕組みも大切です。
モニタリングと改善
組織や社員の自主的な『事業成長への行動』が日常的に行われている状態へとするためには、その状況をモニタリングし、必要に応じて対策を実施することが大切です。『事業成長への行動』を数値データ化し、量や推進状況を定期的にモニタリングします。状況が芳しくなければ、対策を実施します。このように、マネジャーがKPIの1つとして進捗状況をモニタリングし、期待通りではないときに対策を実施できる仕組みの構築も「組織や社員の意欲と行動」への大きな動機づけとなります。『事業成長への行動力』強化の成功例
技術商社A社の経営者は、「企業規模の拡大」を中長期計画として掲げました。その事業計画の達成目標の1つが「営業力強化による20%の売上増加」でした。この目標達成のために『事業成長への行動』の実践的トレーニングを利用しました。その結果、その目標を達成することができました。現在では、さらなる成長を目指し、「ジョブ型雇用制度」の導入を実施しています。サービス企業B社の執行役員は、「受注部門の生産性を20%向上する」を目指しました。20人で行っていた業務を最終的に16人で遂行できる状態を目指し、その目標を達成しました。現在、この部門の社員たちは自主的に「どうしたらお客様に最高のサービスを提供できるか?」に挑戦しています。
人材派遣会社C社の執行役員の課題は社員の離職率でした。C社も『事業成長への行動力』の実践的トレーニングを行い、離職率を75%改善することができました。
製造業D社の経営者は、自社開発をした製品の販売が伸びないために、開発社員に『事業成長への行動力』の実践的トレーニングによる「世界一の製品の開発」に挑戦させました。その結果、「明らかに世界一」といえる製品を開発することができ、飛躍的に売上を伸ばすことができました。
以上のように、『事業成長への行動力』の実践的トレーニングを活用することで、組織課題解決を最後までやり遂げ、目標を達成できるようになった企業は多いです。
「社員一人ひとりの能力強化」よりも「チームとして事業成長を推進する能力の強化」の時代へ
現在、「社員一人ひとりの能力を強化する」効果が乏しくなっています。個々が学べる研修カリキュラムを用意して一人ひとりを育成しようとしても、日常業務はできるようになりますが、事業計画の達成や事業の成長に役立つ自主的な挑戦には役立ちません。「ビジョナリー・カンパニー」や「ティール組織」で紹介された企業は、「チームとして事業成長を推進する能力」を継続的に強化していました。今、必要なことは、「事業計画を実現するためのチームの強化」「事業を成長させるためのチームの強化」です。私たちは、「『事業を成長させる力』を最大限に引き出すこと」をミッションとして、クライアント企業の事業成長と目標達成の支援をしてきました。その様々なクライアント企業での実践と研究を通して、『事業を成長させる力』を強化する解決策を生み出し、自信を持ってこの解決策をクライアント企業へ提供しています。
この「『事業成長への行動力強化』」の適応範囲は広く、私たちは、実際に以下のようなプロジェクトの支援をしました。
◆ 新規事業の立ち上げ
◆ 新市場の開拓
◆ DX(Digital Transformation)の導入
◆ 業務モデルや業務プロセスの生産性の向上
◆ 営業パフォーマンスの向上
◆ 大手顧客との取引額の拡大
◆ インサイドセールスの導入や強化
◆ 離職率の低下
◆ エンゲージメントの向上や社員満足度の向上
◆ 顧客満足度の向上
◆ お客様への最高のサービスを提供する
◆ ジョブ型雇用制度の導入
◆ 製造での不良品の削減や設備トラブルの低減
◆ 世界一の製品の開拓
『事業成長への行動力』の強化は、以上のように、経営者をはじめとするマネジャーの仕事(事業計画の達成、組織課題の解決、そして、事業の成長)に役立つ解決策です。
私たちは、この『事業成長への行動力』強化のノウハウを保有しております。経営者をはじめとするマネジャーが率いる組織の『事業成長への行動力』を強化します。組織や社員たちが、マネジャーが掲げた目標や課題解決に向けて、自主的に行うようになります。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。以下のマネジメントセミナーにて、より具体的に解説しています。是非ご参加ください。
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(本ノートは、2021年03月24日に書かれたものを再編集しました)
文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳(てらおたくみ, Takumi Terao)
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