強い営業組織を作るための「法人営業変革」とは!~ 2030年代へ向けて、進化し続ける次世代営業力強化の実例

現在の営業力に満足できていますか?

多くの経営者や営業統括マネージャーが、営業組織や営業パーソンたちのパフォーマンスに課題や問題を感じており、その対策を実行しています。ですが、私たちに営業力強化のことでお問い合わせを頂いたクライアント企業からは、「過去、営業力強化を実施したのだが、期待する結果は得られなかった!」と聞きます。

多くのクライアント企業の営業力の強化を支援してきた経験上、私たちは、「法人営業変革を行うことで営業力を強化すれば、必ずパフォーマンスを向上できる!」と確信しています。

これからの2030年代に向けて、成長を持続するためにはどのように営業力を強化すればよいのでしょうか?

このノートで、その答えをお伝えします。

2030年代へ向けて、進化し続ける次世代営業力強化の実例

営業力を強化することで解決したい営業課題とは?

私たちは、長らく、多くのクライアント企業の営業力強化のお手伝いをしました。私たちへ「営業力の強化」の依頼をいただいたクライアント企業には、以下のような特徴がありました。

◆ 外資系企業などの高い成長率をめざす企業
◆ 事業拡大や事業成長をめざす企業
◆ 他のコンサルティング会社の営業力強化を導入したが、期待する結果が得られなかった企業

これらの企業は、以下のような課題や問題のために、「営業力の強化を行う」決断していました。

◆ 将来に向けて、成長を持続するために新しい営業体制が必要となっている
◆ 営業組織の売上が増えない、成長率が芳しくない
◆ 売上目標を達成できないことが多い
◆ 営業戦略・営業方針が思うように進まない
◆ 営業パーソン一人あたりの売上・利益が少ない
◆ 自分で考えて行動する営業パーソンの数が十分ではない

以上のように、私たちへお問い合わせを頂いた時点では、すでに営業力の強化を行っていました。ですが、期待していたとおりにパフォーマンスを向上することができていませんでした。

なぜ、営業力強化を実行しても、営業組織や営業パーソンたちのパフォーマンスを向上することができていなかったのでしょうか?

その根本的な原因は2つあります。実例を通して、その2つの原因を解説します。

このノートで解説する営業力強化の実例、そして、最も強力な営業力強化方法である「営業パーソンの評価の見直し」は、以下のマネジメントセミナーで詳細を解説しています。ぜひご参加ください(このマネジメントセミナーは、経営者・取締役・営業統括マネージャー向けのセミナーです)。

【マネジメントセミナー】法人営業変革で強い営業組織へ ~ 2030年代へ向けて成長を持続する次世代営業力強化の実例

事例1. いろいろな営業力の強化を行ったが、売上が増えない!

A社が営業力を強化することになった課題とは?

A社は、機械部品や工場の自動化などの生産性向上エンジニアリングソリューションを販売している企業でした。営業人数は30名で、年間売上は40億円でした。

A社は、過去、某コンサルティング会社の協力を得て、様々な営業教育を行っていました。また、各種営業支援ITツールも導入していました。そのような営業力強化を実施したのですが、「売上が増えない!」「社員が成長していると思えない!」という状況でした。

A社のお客様は、インターネットで購入することが増えていて、その分A社への注文が減っていました。営業パーソンはお客様へ訪問はしているのですが御用聞き営業の状態で、期待するほど案件を増やすことができていませんでした。また、営業マネージャーの営業管理能力にも問題がありました。

潜んでいた原因とは?

私たちは、営業組織と営業パーソンのそれぞれの営業の状況と能力を診断する法人営業アセスメントサービスを提供しています。このアセスメントサービスを活用して、「過去、A社が営業力を強化しても効果を得ることができなかった原因」を特定することができました。

A社の営業パーソンは、典型的な御用聞き営業でした。A社は様々な商材を販売していましたが、お客様の関心を引き出す提案が十分な状況ではありませんでした。

営業マネージャーが行っていた営業管理にも問題がありました。営業マネージャーが行っていた商談管理は、「25%/50%/75%/100%」という受注確率だけで管理をしている状態でした。しかも、これらの比率に基準が決められてなく、営業パーソンたちが自分の感覚でつけている状況でした。

また、営業マネージャーが作成している「営業部方針」にも問題がありました。それらは期初に発表する目的だけで作られている儀礼的な方針となっており、その営業部方針を発表した後は、達成度を確認することはありませんでした。そのため、営業部方針そのものが、各グループの「営業目標達成」や「営業パフォーマンスの向上」に役立つ状態ではありませんでした。

営業組織や営業パーソンたちの積極的営業力を強化する!

以上のように「営業パフォーマンスを向上できない原因」が特定できましたので、A社には以下の「2つの営業力強化施策」を提案し、実施しました。

◆ 積極的営業力の強化(セールスプロセスの修正)
◆ 営業部方針作成の強化

積極的営業力の強化(セールスプロセスの修正)

A社の営業パーソンは、「御用聞き営業」の状態でした。お客様への訪問は十分な量でした。そのため、量に対する対策ではなく、質の向上、すなわち、「より積極的に働きかけるアプローチ力」および「お客様の関心を引き出す提案力」の強化を行いました。

この営業力の強化を行うにあたって、確実にパフォーマンスが向上できるように、A社の状況に見合ったユニークな方法で実施しました。営業研修を行うだけでは、一時的に効果があっても、1ヶ月もすると忘れられてしまい、効果を持続することができません。そのために、「積極的に働きかけるアプローチ力」および「お客様の関心を引き出す提案力」の効果を数値として測定できるようにしました。また、学習効果を持続するために、長期的に相互で学習する仕組みを構築しました。

営業部方針作成の強化

以上の「積極的営業力の強化」と並行して、営業マネージャーには「営業部方針の作成力の強化」を行いました。

率いるチームの「目標達成」「パフォーマンス向上」を実現できる方針の作成と運用の方法をトレーニングし、その後、継続的なコーチングを実施しました。また、その方針の重点課題の1つを「積極的営業力の継続的な強化」とし、チーム内での相互の学習と実践を促進するようにしました。

最終的な結果は?

当初、この2つの営業力強化を実施することで「10%の売上増加ができる」と見込んでいました。その達成を目指して営業力強化を実施していると、予想していなかった問題に直面しました。その1つは、過去、営業部で毎月行われていた「今後3ヶ月の売上予測管理」をやらなくなっていたことでした。営業課長たちの判断でやめてしまっていたのです。これは良いことなので、今後も継続してもらうようにしました。

その他にもいくつかの問題に直面しましたが、最終的には「20%以上の売上増加」を達成することができました。

事例2. ソリューション営業を加速し、大手顧客との取引額を増やしたい

B社が営業力強化をすることになった課題とは?

B社は、外資系の製造業でした。本社は米国にあり、日本法人の営業人数は30名ほどで、日本での年間売上は200億円でした。

B社も、過去、コンサルティング会社の協力を得て、「戦略的アカウント営業」を実施しようとしました。ですが、その時は、事業環境の変化があり、途中で中止せざるを得なくなりました。

B社は、世界中で事業を行っていますが、アメリカ/ヨーロッパ/中国などの他の国と比べて、日本の売上比率は年々減少しており、米国本社から見た日本の存在価値は低迷していました。日本での売上を伸ばすには、本社からの投資を得る必要がありますが、売上比率が少ないためにその投資が得られず、日本での売上を増やせない悪循環に陥っていました。

この状況を打破するために、「売上成長」および「利益率の向上」を実現する必要があり、再び、戦略的アカウント営業を実施しようと考えていました。B社は「ソリューション・プロバイダー」をビジョンとして掲げており、そのビジョンに沿ったソリューション営業を行っているために、さらに戦略的な営業力を強化することで、大手企業との取引拡大を目指していました。しかし、「売上成長」と「利益率の向上」は、期待どおりではありませんでした

潜んでいた原因とは?

B社の営業状態を診断しますと、「戦略的アカウント営業を行っても、結果が出ていない原因」がわかってきました。

B社のトップマネージャーは、「ソリューション営業ができている」と考えていましたが、営業パーソンたちは、ソリューション営業が十分実施できる状況ではないことがわかりました。ソリューション営業を行うためには、「お客様の十分な理解」が必要となります。ですが、営業パーソンたちはお客様についてあまり知らなかったのです。その原因の1つは、営業マネージャーの営業管理の方法であることもわかりました。

営業マネージャーたちは、毎月の売上見込額は管理しているのですが、大手企業に対する戦略的な営業行動の実践状況は管理していませんでした。

営業組織や営業パーソンたちの戦略的アカウント営業力を強化する!

以上のように、戦略的アカウント営業が機能していない原因が特定できましたので、私たちの「戦略的アカウント営業 TSメソッド」を提案し、実施しました。

B社の営業パーソンは、戦略的アカウント営業を行うために重要な「お客様の理解」が十分ではない状況でした。そのために、まずは、大手顧客に戦略的な提案をしていくために必要な情報収集力と分析力を中心に強化しました。

この営業力の強化を行うにあたって、確実にパフォーマンスが向上できるように、B社の状況に見合ったユニークな方法で実施しました。まず、戦略的アカウント営業を担うことができる営業パーソンを選抜しました。その後、営業マネージャーと営業パーソンのチームを作り、そのチームで「集めた情報の分析」および「その情報に基づくハイレベルへの仮説提案の検討」を行いました。さらに、戦略的なアカウントへ仮説提案を実施しました。私たちは、その継続的なコーチングを行いました。

最終的な結果は?

B社の商材は、商談機会を創出した後、受注までに2~3年を要するために、「売上の10%である20億円の新規商談を生み出すこと」を当初の目標としました。その目標達成を目指して戦略的アカウント営業力の強化を実施することで、最終的には、当初目標の2倍以上である「55億円の商談機会」を創出することができました。また、幸運な側面もありますが、ある大手企業から年額1.2億円の継続受注が決まりました。

営業力の強化をしても結果が出ない2つの原因

目標を達成できず、業績が低迷している営業組織は、以下のような状況となっています。

◆ 単月の売上の確認ばかり!
◆ OJTだけの育成・教育!
◆ 営業パーソンだけが研修を受講!
◆ 営業部長真や営業戦略が明確ではない、合理的ではない!
◆ 全員一律&口頭による指示!
◆ 営業パーソンの意識を嘆く(意欲がない)!
◆ 営業パーソンの職務が定義されていない!

多くの企業が営業力強化に挑戦しても、「目標を達成できない」「業績が低迷している」「パフォーマンスを向上できない」根本的な原因は、以下の2つです。

◆「モデル × マネジメント × スキル × DX」を組み合わせた営業力強化ができていない。
◆「パフォーマンス向上技法」を活用した営業力強化ができていない。

この2つのことを考慮して営業力強化を行えば、確実にパフォーマンスを向上できます。ひいては、2030年度に向けて、事業の成長を加速することができます。先ほど紹介した2社でも、この2つを基盤とした上でプロジェクト的な営業力強化を実施したことで、「営業目標達成」と「パフォーマンスの向上」を実現することができました。

営業組織のパフォーマンスを向上するために最も強力な営業力強化方法とは?

このノートで2つの企業が行った営業力強化の事例を紹介しましたが、数ある営業力強化の中で最も強力な営業力強化方法は、「営業パーソンの評価の見直し」です。

「営業一人あたりのパフォーマンスが大きい営業組織」と「小さい営業組織」の違いを生み出している根本的な原因が、「営業パーソンの評価」です。評価制度を進化させることで、営業組織と営業パーソンの両方のパフォーマンスを確実に向上させることができます。

私たちのクライアント企業も、「営業パーソンの評価の見直し」を実施しました。この「営業パーソンの評価を見直す営業変革でも、「モデル × マネジメント × スキル × DX」および「パフォーマンス向上技法」を意識して行いました。

このノートで解説したA社とB社の営業力強化の実例、そして、最も強力な営業力強化方法である「営業パーソンの評価の見直し」は、以下のマネジメントセミナーで詳細を解説しています。ぜひご参加ください(このマネジメントセミナーは、経営者・取締役・営業統括マネージャー向けのセミナーです)。

【マネジメントセミナー】法人営業変革で強い営業組織へ ~ 2030年代へ向けて成長を持続する次世代営業力強化の実例

営業組織や営業パーソンたちのパフォーマンスを確実に向上させる!

現在の営業力に満足できていますか?

画一的な営業力強化を行っても、パフォーマンスを向上する可能性は低いです。確実にパフォーマンスを向上させるためには、会社の状況に合わせた営業力強化の方法をプランニングし、実行する必要があります。「モデル × マネジメント × スキル × DX」および「パフォーマンス向上技法」の2つの基盤に基づく営業力強化は、企業の実情に合わせた営業組織や営業パーソンたちのパフォーマンスを向上させるためには必須です。これらを考慮せずに営業力強化を行っても、効果は得られません。

私たちは、多くの営業組織の業務改善/パフォーマンス向上/変化変革を実践しました。事業を成長させるための豊富なノウハウと経験があります。貴社と力を合わせて、営業力強化を確実に成功へと導く計画の立案とその遂行の支援をします。

貴社の営業組織や営業パーソンたちのパフォーマンス向上のために、「営業力強化マネジメントセミナー」にご参加ください。ご参加をお待ちしております。

(本ノートは、2022年4月1日に書かれたものを再編集しました)
文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳(てらおたくみ, Takumi Terao)
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