狩猟型営業と農耕型営業、今求められているのはどちらか?

様々な企業の営業組織が行なっている営業方法を見ますと、狩猟型営業や農耕型営業をしている営業組織があります。
狩猟型営業とは、猟師(ハンター)のようなイメージです。獲物を見つけ、その獲物を発見したら狩りをします。うまく狩りができたら食べ物を手に入れられます。
それに対して、農耕型営業とは、農家(ファーマー)のような営業です。畑に種をまき、育てることで食べ物を手に入れられます。
ですが、実は、日本の多くの企業の営業組織は、この狩猟型営業も農耕型営業もできていない営業組織が多いです。
(1)狩猟型営業・農耕型営業とはなにか?
(2)狩猟型も農耕型もできていないとはどういうことか?
(3)狩猟型営業・農耕型営業のどちらが本当は重要なのか?
(4)それぞれはどのように変化できるか?
について解説します。

狩猟型営業と農耕型営業、今求められているのはどちらか?

狩猟型営業・農耕型営業とはなにか?

狩猟型営業とは

狩猟型営業とは、猟師(ハンター)のようなイメージです。
猟師(ハンター)は、獲物を狙い、その獲物の匂いを嗅ぎ分け、獲物を見つけたらその獲物を狩ります。
狩猟型営業は、受注を目指し、いろいろなお客様にコンタクトを取り、買うかどうかの匂いを嗅ぎ分け、新しいお客様や商談を探します。

狩猟型営業が成功するかどうかのカギを握るのは、下記の2つです。
  • 商品に関心を持ってくれたか?
  • 予算があるか?

  • そのため、狩猟型営業は、多くのお客様と面会し、商品に興味を持ってくれる人を探します。
    そして、興味を持ってもらうだけではダメで、予算があるかどうかを探ります。
    予算がなければ、他のお客様にコンタクトを取らなければなりません。


    農耕型営業とは

    農耕型営業とは、穀物や野菜などを育てる農家(ファーマーの)のようなイメージです。
    穀物や野菜や果物が実るためには、農家(ファーマー)は、畑を耕し、種をまき、水や養分を与えて育てます。
    このように、農耕型営業は、受注を目指し、お客様とのお付き合いを大切にし、お客様との商談を育てようとします。

    農耕型営業が成功するかどうかの鍵を握るのは、下記の2つです。
  • 少しずつ、商品への関心を高めていく
  • 予算獲得をしていく

  • そのため、農耕型営業は、お客様とのコミュニケーションを大切にし、継続して話ができる関係構築を作ろうとします。そして、ご提案したい商品を丁寧に説明し、お客様の関心を育んでいきます。お客様の関心を育むだけではなく、お客様の予算も育みます。


    狩猟型営業・農耕型営業について明確な定義はありません。
    しかし、以上にように、「お客様の商品への関心」および「お客様の予算の確認」の2つの観点で考えることで、どちらの営業をしているか、を判断できます。


    今求められているのは、狩猟型営業・農耕型営業のどちらか?

    狩猟型営業を行なっている営業組織の苦悩

    狩猟型営業のイメージはハンター。
    獲物には簡単に出会えません。獲物を探して歩き回らなければいけません。
    そして、せっかく獲物を見つけたとしても、その獲物を仕留めるのも簡単ではありません。罠や武器が効果的でなければ、獲物を取り逃がしてしまいます。


    狩猟型営業を行っている営業組織の苦悩は、ハンターのようにその確率の悪さです。
    まず、新しいお客様と出会うことだけでも大変な作業です。アポをお願いしてもなかなか面会する機会がありません。
    そして、せっかく新しいお客様と出会っても、そのお客様が商品に関心を持ってくれなければ、何も始まりません。
    もし、お客様が関心を持ってくれたとしても、そのお客様が予算を持っていなければ、商談とならないのです。

    このように、狩猟型営業が苦労をしているのは確率の悪さです。
    (ちなみに、この確率の悪さが原因となり、社員の定着にも悪影響を及ぼしています)

    そのため、最近は、マーケティングオートメーションやインサイドセールスを導入する企業が増えています。ですが、狩猟型営業を行なっている企業が、マーケティングオートメーションやインサイドセールスをおこなっても、その効果はそれほど高くありません。その理由は、「お客様の悩みや苦悩」について、十分な情報を持っていなく、それをホームページやメルマガなどに活用できないからです。

    この狩猟型組織がまず取り組むべきことは、農耕型営業にも取り組むことです。


    農耕型営業を行なっている営業の苦悩

    農耕型営業のイメージは、農業(ファーマー)。
    しっかりと畑を耕し、種をまき、水や養分を与えて育てます。
    このように、しっかりと商談という果実を育て、手に入れていきます。

    農耕型営業を行なっている営業組織の苦悩は、成長率です。
    その畑(お客様)の中で耕せるだけの収穫(営業で言うと、売上)ができないからです。
    そして、その畑(お客様)はだんだん養分が無くなってしまうことがあります。お客様の市場が低迷し始めるのです。そうなると、売上自体が維持できなくなります。
    ですが、この農耕型営業は、既存のお客様と付き合うことを知っていますが、新規のお客様を開拓することが下手です。

    このように、農耕型営業が苦労をしているのは、新規の開拓です。
    (ちなみに、この新規の開拓ができず既存のお客様だけの付き合いだけでビジネスをしようとするから、利益率が悪くなります。付き合いがあるお客様だから、値引き要求が強いことが多いです)

    この農耕型営業が取り組むべきことは、狩猟型営業をも導入することです。


    以上にように、今求められているのは狩猟型営業と農耕型営業のハイブリッド型営業スタイルです。
    両方を発揮することで、しっかりとした収益の基盤を維持し、成長のための新規顧客開拓・商談開拓が実現できます。

    多くの日本の営業は、狩猟型営業でも農耕型営業でもない

    今求められているのは狩猟型営業と農耕型営業のハイブリッド型営業スタイルなのですが、多くの営業組織を見ていますと、実は、狩猟型営業もできていなく、農耕型営業もできていない営業組織があります。
    狩猟型営業でもなく農耕型営業でもない営業組織とは、「御用聞き営業」というものです。

    御用聞き営業がおこなっている営業とは、下記のような営業方法です。
  • 近くまで来たので立ち寄りました!
  • 最近、お忙しいですか?
  • 在庫ありますか?
  • こんな新製品出ました。検討してみてください
  • また伺います!


  • お客様に関心を持ってもらうことについて、営業は取り組んでいません。
    その上、お客様の予算を確保してもらうことにも関心がありません。

    このコラムの今までの解説でおわかりだと思いますが、狩猟型営業も農耕型営業も、新規の開拓を目的とした営業です。すなわち、御用聞き営業は、狩猟型営業や農耕型営業のように、新規の顧客開拓もしくは既存のお客様からの新規商談開拓を効果的に行うことができていません。
    また、このような御用聞き営業は、どうしても「安いものを扱う、そして安く売る」営業となる傾向があります。
    すなわち、御用聞き営業の状態から脱出し、新規の顧客や商談をもっと開拓できるようにならなければ、もう企業が存続することすら難しいのです。


    狩猟型営業・農耕型営業の能力を高める

    狩猟型営業の営業力を高める

    御用聞き営業の営業組織や農耕型営業ができている営業組織は、狩猟型営業を取り入れ、新規のお客様を開拓する行動に取り組みます。

    特に、農耕型営業ができている営業組織に狩猟型営業のスキルが身につくと、更に大きな戦略的アカウント営業ができるようになり、主要なお客様との取引額を格段と増やすことができるようになります。

    御用聞き営業の営業組織も狩猟型営業に取り組むことで、そして、営業に「お客様に商品の関心を持ってもらう」および「予算」、この2つを徹底的に鍛えることから始めます。
    狩猟型営業ができるようになれば、次に、農耕型営業に取り組むようにします。


    狩猟型営業の営業力を高めるためには、新規開拓のスキルの強化が重要です。そのためには、
    下記の2つの研修が効果的です。
    [法人営業研修] 訪問計画の戦略化プログラム ~ 限られた営業リソースを最大限に活用し、成果を最大化!(Maximizing Sales Resources)
    [法人営業研修] 新規商談機会の開拓技法 (Develop New Opportunities)

    また、その際に、営業の評価の内容に狩猟型営業に関わる要素の追加を同時に行うことで、より効果を高めることができます。


    農耕型営業の営業力を高める

    狩猟型営業ができている営業組織は、農耕型営業を取り入れ、お客様としっかりとしたコミュニケーションをすることを強化し、そのお客様からリピートオーダーをいただける営業体制にしていきます。

    お客様としっかりしたコミュニケーションをすることで、お客様の困っていることや悩んでいることをしっかり理解できると、その情報をマーケティングオートメーションに活用できるようになります。
    それによって、より確率高く商談を発見することができるようになります。


    農耕型営業の営業力を高めるためには、プロセス営業やソリューション営業のスキルの強化が必要です。
    そのためには、下記の研修が効果的です。
    [法人営業研修] 法人営業 基盤スキル強化研修シリーズ / Improving KPI of Sales Process

    営業の評価の内容に農耕型営業に関わる要素の追加を同時に行うことで、より効果を高めることができます。


    狩猟型営業・農耕型営業へ変化に取り組もう

    多くの企業の営業力強化の支援をしてまいりましたが、営業力強化がうまくいった企業と成果がなかった企業には、重要な1つの差があります。
    それは、「営業力強化に取り組む前にしっかりと営業の状況の診断をしたかどうか?」です。
    営業という活動は複雑で、抱えている問題がはっきりわからないことが多いです。
    少なくとも、「本当に狩猟型営業なのか?」「本当に農耕型営業なのか?」を見極めないと、いくら営業力強化の施策に取り組んでも成果に繋がりません。

    ぜひ、「まずは貴社の問題はなにか?」を明らかにすることから初めてください。
    多くの企業はそれを明らかにしないまま営業研修を行っています。それが、成果がなかった機能の特徴です。

    私たちは、貴社の営業の本質的な問題を明らかにする営業力診断をおこなっています。
    貴社の営業のパフォーマンスを確実に改善するための問題点とその解決方法をご提案します。
    貴社にとって最適な施策の取り組みができるようになりますので、ぜひご採用を検討ください。


    (本コラムは、2008年8月10日に書かれたものを再編集しました)
    文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳 (てらおたくみ, Takumi Terao)
    Copyright (C) 2008 T-SQUARE Co., Ltd. All rights reserved.


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