狩猟型営業と農耕型営業、あなたの会社の営業組織にはどちらが必要なのか? ~ それぞれの営業方法の営業組織がさらに営業成績を高めるための方法

様々な企業の営業組織を見ていますと、狩猟型営業を得意としている営業組織や農耕型営業をイメージさせる営業組織があります。狩猟型営業とは猟師(ハンター)のようなイメージです。獲物を見つけ、その獲物を発見したら狩りをします。うまく狩りができたら食べ物を手に入れられます。それに対して、農耕型営業とは農家(ファーマー)のような営業です。畑を耕し、その畑に種をまき、育てることで食べ物を手に入れられます。

多くの営業組織が、高い目標達成をめざし、狩猟型営業や農耕型営業を行っていますが、まだ改善できる余地がたくさんあります。営業組織のさらなるパフォーマンス向上に向けて、「狩猟型営業/農耕型営業とはなにか?」「狩猟型と農耕型、本当に大切なのはどちらか?」「狩猟型営業/農耕型営業、それぞれにおいて、さらに改善するための方法」について解説します。

狩猟型営業と農耕型営業、それぞれの営業方法の営業組織がさらに営業成績を高めるための方法

狩猟型営業/農耕型営業とはなにか?

狩猟型営業とは?

狩猟型営業とは、猟師(ハンター)のようなイメージです。猟師(ハンター)は、その獲物の匂いを嗅ぎ分け、獲物を探し回り、獲物を見つけたらその獲物を狩ります。狩猟型営業は、受注を目指し、いろいろなお客様にコンタクトを取り、買うかどうかの匂いを嗅ぎ分け、新しい商談を探します。

この狩猟型営業が成功するかどうかのカギを握るのは以下の2つです。
◆ 紹介した商品に関心を持ってくれたかどうか?
◆ 商品を買うための予算があるかどうか?

そのため、狩猟型営業は、多くのお客様と面会する必要があり、その中から商品に興味を持ってくれる人を探します。そして、興味を持ってもらうだけではダメで、予算があるかどうかを探ります。もし、そのお客様に予算がなければ、他のお客様にコンタクトをしなければならないからです。

農耕型営業とは?

農耕型営業とは、穀物や果実などを育てる農家(ファーマー)のようなイメージです。穀物や果実を収穫するために、農家(ファーマー)は畑を耕し、種をまき、水や養分を与えて育てます。このように、農耕型営業は受注を目指し、お客様とのお付き合いを大切にし、お客様との商談を育てようとします。

農耕型営業が成功するかどうかの鍵を握るのは、下記の2つです。
◆ 商品への関心を少しずつ高めていく
◆ お客様の予算獲得を手助けする

そのため、農耕型営業は、お客様とのコミュニケーションを大切にし、継続して話ができる関係を作ろうとします。そして、提案したい商品を丁寧に説明し、商品に対するお客様の関心を育みます。お客様の関心を育むだけではなく、お客様の予算も育みます。

狩猟型営業/農耕型営業について明確な定義があるわけではありません。しかし、以上にように「お客様の商品への関心」および「お客様の予算」の2つの観点で営業の商談の進め方や行動を観察すると、その営業組織がどちらの営業方法をしているかを判断することができます。

今求められているのは、狩猟型営業/農耕型営業のどちらか?

狩猟型営業を行なっている営業組織の苦悩

狩猟型営業のイメージはハンターのため、獲物を探して歩き回らなければいけません。広範囲にいろいろと歩き回りますが、簡単には獲物に出会えません。そして、せっかく獲物を見つけたとしても、その獲物を仕留めることは簡単ではありません。ハンターが使う罠や武器が効果的でなければ、獲物を取り逃がしてしまいます。

狩猟型営業を行っている営業組織の苦悩は、ハンターのようなその確率の悪さです。

まず、新しいお客様と出会うことだけでも大変です。アポを取ろうしてもなかなか面会してくれることはありません。そして、せっかく新しいお客様と面会できても、そのお客様が商品に関心を持ってくれなければ、何も始まりません。もし、お客様が関心を持ってくれたとしても、そのお客様が予算を持っていなければ、商談とならないのです。

このように、狩猟型営業が苦労をしているのは確率の悪さです。相当な行動量を求められるために、狩猟型営業の社員は会社に定着しない傾向があり、そのことが営業組織としての生産性に悪影響を及ぼしています。そのため、最近はマーケティングオートメーションというマーケティング手法やインサイドセールスという営業手法を導入する企業が増えています。ですが、狩猟型営業を行なっている企業がマーケティングオートメーションやインサイドセールスを行っても、その効果が思ったよりも得られないことも多いです。その理由は、狩猟型営業は新規のお客様を開拓することは得意ですが、既存のお客様とじっくり付き合うことが苦手なため、「お客様の悩みや苦悩(すなわち、ニーズや課題)」について十分な情報を持ってなく、そのような情報をマーケティングオートメーションに活用できないからです。

この狩猟型組織がさらなる成長のために実施すべきことが、農耕型営業の営業力強化です。

農耕型営業を行なっている営業組織の苦悩

農耕型営業のイメージは農業(ファーマー)のため、畑を耕し、種をまき、水や養分を与えて穀物や果実を育てます。このようにして「商談」という穀物や果実を育て手に入れます。

農耕型営業を行なっている営業組織の苦悩は、成長率です。その畑(既存のお客様)の中で得られる収穫は限られているからです。そして、その畑(既存のお客様)からよりたくさん収穫しようとすると、その畑の養分がだんだん無くなってしまいます。すなわち、そのお客様からの受注額は頭打ちになります。その上、そのお客様の市場が低迷し始めると、購入量・投資量が減り始め、今までの売上を維持できなくなります。その売上の減少分を補うためには新規のお客様を開拓しなければなりません。ですが、この農耕型営業は既存のお客様と付き合うことは慣れていますが、新規のお客様を開拓することが苦手です。

このように、農耕型営業が苦労をしているのは新規の開拓です。新規の開拓ができず、既存のお客様との付き合いだけでビジネスをしようとしますから、企業としての成長が十分ではありません。また、付き合いがあるお客様だから値引き要求が強いことも多く、利益率も悪くなります。

この農耕型営業がさらなる成長のために実施すべきことが、狩猟型営業の営業力強化です。

今求められているのはハイブリッド型営業組織

以上のように、今求められているのは狩猟型営業と農耕型営業のハイブリッド型営業スタイルです。

多くの営業組織では、あまりにも狩猟型営業に偏りすぎ、あまりにも農耕型営業に偏りすぎの状態です。両方を発揮することで、収益の基盤を維持しつつ、企業の成長を確実にする新規顧客開拓/商談開拓が実現できます。

狩猟型営業/農耕型営業の能力を高める

狩猟型営業組織が営業力を高めるためには?

狩猟型営業ができている営業組織は、狩猟型営業の特徴である新規の顧客開拓は維持した上で、農耕型営業を取り入れ、お客様とコミュニケーションを強化することで、お客様からのリピートオーダーを更に増やせる営業体制を目指します。

お客様とコミュニケーションを強化し、お客様の困っていることや悩んでいることをより理解できるようになると、お客様からのリピートオーダーを増やせるだけではなく、さらにその収集した「お客様の困っていることや悩んでいること」の情報をマーケティングに活用できるようになります。それによって、今までよりも確率高く商談を発見することができます。

狩猟型営業組織が農耕型営業力を高めるためには、お客様とのコミュニケーションスキルの強化が重要です。そのためには、下記のトレーニングが効果的です。

【法人営業研修】 ソリューションセールス TSメソッド ~ 売上の最大化と長期的な信頼関係を構築する課題解決型営業技法!(Solution Sales, TS-Method)


また、その際、農耕型営業力を高める研修だけを実施するのではなく、組織体制や営業の評価内容の見直しも合わせて行うとより確実に営業組織の業績(パフォーマンス)を改善できます。

狩猟型営業が営業力を高めるためには?

農耕型営業ができている営業組織は、狩猟型営業を取り入れ、新規のお客様の開拓力を強化します。それにより、今までよりも新規の顧客開拓ができるようになります。さらに、すでにお付き合いのあるお客様に対して、高度な営業手法である「戦略的アカウント営業」ができるようになり、主要なお客様との取引額を格段に増やすことができます。

農耕型営業組織が、狩猟型営業による営業力を高めるためには、新規開拓のスキルの強化が重要です。そのためには、下記の2つのトレーニングが効果的です。

【法人営業研修】営業パーソンの営業活動計画力の強化 ~ 目標を確実に達成するために必須となる営業活動計画の作成方法(Planning Method for Achievement)


【法人営業研修】商談開拓スキル強化 ~ 「商談開拓技法」が営業パーソンの提案力を強化し、商談総額を2倍へ増やす!(Developing New Opportunities)


また、その際、狩猟型営業力を高めるトレーニングだけを実施するのではなく、組織体制や営業の評価内容の見直しも合わせて行うと、より確実に営業組織の業績(パフォーマンス)を改善できます。

営業力強化セミナーのご紹介

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狩猟型営業/農耕型営業、営業能力を強化しよう!

多くの企業の営業力強化の支援をしましたが、営業力強化によって業績を向上できた企業と営業力強化を行っても業績を改善できなかった企業には、1つの重要な差がありました。それは「営業力を強化する前に、現在の営業の能力を正確に把握できているかどうか?」です。営業という活動は、複雑で、本質的な問題がはっきりつかめないことが多いです。少なくとも「本当に狩猟型営業なのか?」「本当に農耕型営業なのか?」を見極め、その上で業績に悪影響を与えている根本原因を把握しないと、いくら営業力強化の施策を実行しても成果がえられません。

私たちは、貴社の営業の本質的な問題を明らかにする営業力診断を持っています。貴社の営業のパフォーマンスを確実に改善するための問題点とその解決方法を提案できます。貴社にとって最適な施策ができるようになりますので、ぜひご採用を検討ください。より具体的な内容説明の希望・質問・ご依頼は、下記からお問い合わせください。

(本ノートは、2008年8月10日に書かれたものを再編集しました)
文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳 (てらおたくみ, Takumi Terao)
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