新人・若手はほめれば育つか? 会社をやめずに育てるために今企業が取り組むべき1つの本質的な解決策!

多くの企業で、「新入社員・若手社員がなかなか育たない、やめてしまう」という話を伺います。
企業ではそのための様々な取り組みが行われているようです。例えば、「教育を充実する」「残業短縮に取り組む」「ほめる研修をする」などに取り組んでいるようです。
ですが、多くの企業では、「新入社員・若手社員がなかなか育たない、やめてしまう」という問題を解決できていません。
一方、新入社員・若手社員に話を聞きますと、そこには、会社が取り組んでいる施策では解決できない問題が潜んでいます。
なぜ新入社員・若手社員は育たないのでしょうか? そして、やめてしまうのでしょうか?
その原因は様々ですが、根本的な原因の1つについて考えます。

新人・若手はほめれば育つか? 会社をやめずに育てるために今企業が取り組むべき1つの本質的な解決策!

新人・若手育成にはほめることが重要?

少し前のことですが、テレビを見ていましたら「ほめる研修」という研修が放送されていました。
http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/2846/index.html

その研修では、大手企業の40代から50代のマネージャーたちが、「若い人のほめ方」を学んでいました。
その背景にあるものは、
  • 最近の若い人はすぐやめてしまうし、どう育てていいかわからない!
  • 自分は叱られて育った世代、「ほめろ!」と言われてもどうほめたらいいかわからない!
  • ということらしいです。

    研修がだんだん進み、
    「では、ペアになってロールプレイをやりましょう」
    と言う講師の掛け声とともに二人一組のロールプレイが始まりました。

    お互いにペアになって…
    「あなたのそのネクタイの色、素敵ですね~」
    「その表情、いいですね~」


    若い社員が育つために、そして、若い社員がやめないようにするために、本当にそんなほめ方が必要なのでしょうか?


    若い人が育たない、すぐやめてしまう職場の特長

    私たちはクライアント企業の業績改善支援を行っていますので、様々な企業の状況を確認する機会に恵まれています。
    いくつかの企業では、若い人が育っていない、すぐに辞めてしまう問題に直面していました。
    そのような悩みを抱えている企業の職場には下記のような特徴がありました。


    今までのやり方にこだわる

    職場内に仕事を進める上での様々なルールがあり、そのルールにそって進め方が求められている企業がありました。
    過去様々な問題が発生する度に、その問題を未然と防ぐためにルール化してきたようです。

    質の高い仕事を行うためにはルールは必要です。
    ですが、ルールが仕事の効率や生産性の邪魔している場合があります。
    特に下記のような場合です。

  • ルールが文書化されてなく、誰かに聞かないとわからない。
  • そのルールに直面しないとルールがあることすらわからない。
  • ルールの判断基準が曖昧で人によって違う。

  • このような職場は、知らず知らずのうちに若い人を遠退ける職場となってしまっています。
    残念ですが、このような職場には新人や若い人は定着しません。


    管理が古い

    職場の管理のやり方が旧態依然の職場も若い人が定着しません。
    例えば、営業の場合、

  • 外出後、必ず帰社して報告をしなければならない。
  • 紙で毎月のレポートをする。しかも、レポートのみでその対策が取られない。
  • 日報が必要。
  • 何しろお客様との面会量を行動目標として課す。
  • 長くて意味のない会議。
  • 数値目標と気合と根性だけを訴えるマネージャーの方針。

  • 等があげられます。
    本来マネージャーは、部下であるメンバーの時間を大切にすべきです。部下であるメンバーが、「お客様のための貢献」「会社の強みの強化」のために時間を使うから成果を最大化できるのです。
    ですが、報告や会議にあまりにも部下の大切な時間を使いすぎなのです。
    管理が、目標を最大化するために合理的なものでなければ、若い人は定着しません。


    ツールが古い

    未だに携帯電話と営業車しか営業に渡していない企業もあります。
    パソコンやタブレットなど、新しいツールがたくさん出ているのに、そのツールを渡していないのです。

    また、パソコンやタブレットは渡していますが、外部から会社のシステムにアクセスできない企業があります。
    そうすると、商品の価格や納期なども、わざわざ社内に電話をしなければなりません。仕事の効率が悪すぎるのです。


    通常このような企業はベテランたちが新しいツールに対して拒否感があり、導入していないようです。
    効率的に仕事を行うためには、新しいツールの導入が欠かせないのですが。
    このような企業にも、若い人は定着しません。


    教育がない・古い

    教育体系がない企業・OJTだけの研修をしている企業には、若い人の定着率がよくありません。
    先輩たちの経験や自慢話による教育しか受けられないからです。

    若い人は非常に合理的です。若い人が求めているのは、下記のような教育の機会だからです。
  • 本当に成果がある理論や方法が知りたい
  • 本当に成長できる理論や方法が知りたい
  • 最短で成果を挙げられる合理的なやり方が知りたい

  • 私たちは、多くの若い社員と話をする機会がありますが、非常に合理的な人が多かったです。
    逆にベテランたちが、勘や経験や意欲を頼りにしがちなのです。
    合理的な方法を求める人達に、勘や経験や意欲を押し付けても、受け入れがたいのは当たり前です。


    チャンスがない

    年功序列的な人事評価が残っている企業は、どうしても経験の多い人がマネージャーとなります。
    そして、そのような企業は、長いこと同じ人がマネージャーを担うことになります。
    そうすると、若い人がマネージャーになるには、その先輩たちが会社をやめるまで待たなければならないのです。

    若い人にとって、マネージャーへのチャンスが限られている企業も若い人が定着しません。
    若い人が、「ここにいてもいつまで経ってもマネージャーになれない」と感じれば、すぐに会社をやめます。
    特に、意欲的な若い人から会社をやめていくことになります。


    若い人は生産的・合理的である!

    私たちは、多くの若い人に対して研修やコーチングを行ってきました。
    その経験を通して強く感じることは、今の若い人たちは非常に合理的で優秀である、ということです。

    彼ら・彼女らは、
    「短い時間でさっさと成果を最大化したい!」
    という非常にシンプルで合理的な思考でした。
    ですから、「残業するつもりもないし、決められた時間内を徹底して働き、時間対価高く多くの給料をもらいたい」と思っていました。
    今、世の中で言われている「働き方改革」で求められていることがそのまま価値観となっている人が多いです。


    先ほど、「ほめる研修」について説明をしましたが、そのようなほめ方をしても、若い人がやめてしまう・若い人を育てる対策にはなりません。
    「若手が育たない」「若手を採用できない」「若い人が定着しない」という問題は、マネージャーがほめ方を知らないから起こることではありません。
    会社のマネジメント体制・評価・教育・昇進など、会社の仕組みが若い人が力を発揮し機会を手に入れられる環境を用意できていないことが本質的な問題です。


    多くの企業経営者、多くのベテラン社員は、「仕事をする環境が昔とは大きく変わって、合理性が求められるようになった!」ともっと認識することが必要です。
    そうしなければ、若い人を採用できる、若い人が定着する、若い人が力を発揮する会社とはならず、会社自体がどんどん年老いた会社へと進んでいきます。


    新人・若手育成のために、まず取り組むべきたった1つのこと

    今まで取り組んできた仕事のマネジメントや業務の進め方の状況を変えることなく、課長や部長などのマネージャーに「ほめ方」を教えても根本的な解決にはなりません。
    そんな「ほめる」教育をする前にしなければならないことがあります。


    それは、仕事を合理的なものに新しくすることです。その鍵をにぎるのが、仕事のプロセス化 (見える化・可視化) です。
    業務をプロセス化 (見える化・可視化)し、そのプロセスに沿って仕事の進め方・求めるスキル・達成基準を明らかにすることが先立ちます。

    そうすることで、「できている」「できていない」を明確に判断できるようにし、「できていない」ことを明確に「できていない」と伝えてあげます。できていることを明確に「できている」と伝えるようにします。
    それだけなのです。
    「プロセスを明確にする」ということは、そのようなことを通して、「誰にでも業務ができるようにすること」「誰でもが、合理的に、短い時間で高い成果をあげられるようにすること」なのです。


    仕事のプロセス化を行い、「できている」「できていない」をできるだけ明確にし、そのプロセスの評価基準に沿ってその人の仕事ぶりを評価・承認すれば、無理に「ほめる」必要などありません。
    部下やメンバーの成果の最大化や育成する手法の1つに「コーチング」がありますが、そのコーチングの中でも「ほめなさい」とは言っていません。
    「承認(Acknowledgement)」と言いますが、これは無理にほめなくてもいいのです。
    できていることを「できている」、できていないことを「できていない」、と合理的に認めて伝えるということです。
    それで、新人や若手はやる気を高めて大きく育つきっかけとなるのです。


    あなたの会社でも、新しい新人・若手育成に取り組もう!

    「ゆとり世代は!」と若い人たちのせいにしている人は時折見受けられますが、マネージャーたちが当たり前のことを当たり前にやってこなかったことがそもそもの問題です。仕事や業務をしっかりとプロセス化してこなかったのです。


    このプロセス化は、人の育成だけではなく、企業の生産性向上にも効果があります。
    是非、業務のプロセス化に取り組んでください。
    そして、それに基づき、新入社員・若い人には、できていることを「できている」、できていないことを「できていない」と伝えてください。それが最初の第一歩です。


    もし、取り組んでもうまく行かなければ、私たちに連絡をください。
    私たちが、若い社員・新入社員があなたの会社でさらに活躍するために、まず「仕事のプロセス化・可視化」のお手伝いを致します。


    文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳 (てらおたくみ, Takumi Terao)
    Copyright (C) 2017 T-SQUARE Co., Ltd. All rights reserved.


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