ソリューション営業の教科書 > ソリューション営業の鉄則を知り、営業組織を強化する! Vol.297

「ソリューション営業」は企業が成長していくための非常に強力な営業手法です。
ところが、ソリューション営業研修を実施した後に、ソリューション営業が取り組まれることなく以前と同じ営業方法に戻ってしまっている企業は多いです。
このコラムでは、組織としてソリューション営業を導入し、企業の成長を実現するために押さえておきたいポイントを解説します。

  • ソリューション営業と他の営業手法との違い
  • ソリューション営業スキルを強化する基本学習要素
  • 業種別ソリューション営業の効果を最大化させる秘訣

  • また、最後に「ソリューション営業」のさらなる進化系である「インサイト営業」についても解説します。

    ソリューション営業の鉄則を知り、営業組織で実践できている企業が持続的成長を実現できている!

    ソリューション営業は終わっていない!

    私たちは、長きにわたり「ソリューション営業」に関する研究と実践を繰り返してきました。
    時折ビジネス雑誌の特集で「ソリューション営業は終わった!」という記事を見ますが、私たちはこれまでの経験から「今でも非常に重要な営業モデル・営業手法である!」と確信しています。
    実際に私たちと一緒に「ソリューション営業」に取り組んだクライアント企業が、二桁以上の業績向上を達成しているからです。


    企業の成長に必要な「ソリューション営業」とは?

    ソリューション営業は、企業が成長するために必要とされる営業モデル・営業手法です。
    私たちがサポートし、ソリューション営業を組織として導入した企業は、下記のようなスタンスを追求することで業績を向上できました。
  • お客様の成長と成功に貢献することで私たちも成長する
  • お客様に貢献するために、お客様の課題をしっかり把握・共感し、価値あるソリューションを提供していく


  • 御用聞き営業(ルートセールス)・プロダクト営業・ソリューション営業の違い

    営業方法には様々なものがあります。
    それぞれの特徴とソリューション営業との違いを確認しましょう。


    御用聞き営業(ルートセールス)とは

    定期的にお客様を訪問して「何か必要なものはありませんか?」と確認し、あればそれを販売する営業モデルです。
    御用聞き営業(ルートセールス)は、主に事務用品や部品などを扱っている販売代理店や地域商社でよく見受けられます。
    商談は、低価格・短納期・小ロットとなる傾向があります。


    図の購買プロセスにおいて、御用聞き営業の商談は「ベンダー選定~納入・検収」の領域で行われます。
    御用聞き営業の成功のポイントは、「普段はどこから購入しているのか?」「今回はどこから購入しようとしているのか?」を知り、その購入先よりも「早い・安い・楽」などをアピールすることです。

    最近はインターネットによる販売が急拡大しているため、「何か必要なものがありませんか?」という御用聞き営業では企業の成長どころか年間の売上目標達成も厳しくなっています。
    企業が持続的に成長していくためには、違う営業モデルに取り組むことが必要です。


    プロダクト営業とは

    お客様に新しい技術・機能・仕様(スペック)などを有する新製品を提案する営業モデルです。
    プロダクト営業は、主にコンピューター・パッケージソフトウェア・ロボット・原材料・保険など新しい商品・サービスを開発・販売している製造業で見ることができます。
    「日本の法人営業のほとんどはこのプロダクト営業に分類される」と称されるほど、プロダクト営業を実施している企業は多いです。
    プロダクト営業は、新製品が出るとお客様への営業が活発化するのですが、新製品がなくなると急にお客様への営業活動が停滞してしまう問題があり、経営者や営業部門トップの頭を悩ませています。


    図の購買プロセスにおいて、プロダクト営業の商談は「予算計上~納入・検収」の領域で行われます。
    御用聞き営業よりも専門的な技術知識、かつ、幅広い商談情報の取り扱う必要があり、より高度・広範囲なスキルが求められます。
    プロダクト営業の成功のポイントは、「お客様が現在保有している設備や材料はなにか?」「今後必要になる設備や材料はなにか?」を知り、「新製品の何が良いのか?」を明確に伝えることです。

    世の中のデジタル化が進み、開発や生産技術が以前と比べて大幅に進歩した現在において、製造業が開発したプロダクト(製品)は、ライバル会社(競合)と比べ機能や性能に差がなくなりつつあります。圧倒的優位を保ち続けることが困難になり、「何が良いのか?」という提案だけではライバル会社(競合)との価格競争に陥りがちです。
    企業が持続的に成長していくためには、以上のような問題を解決できる、今までとは違う営業モデルに取り組むことが必要となります。


    ソリューション営業とは

    お客様の課題を伺い、その解決策(ソリューション)を提案する営業モデルです。
    ソリューション営業は、主にIT・システム開発・コンサルティング・金融サービスなどの企業で見ることができます。


    図の購買プロセスにおいて、ソリューション営業の商談は「課題設定~効果測定」の範囲で行われます。
    プロダクト営業よりもさらに広い情報を取り扱うため、ますます広範囲なスキルや知識が求められます。
    ソリューション営業の成功のポイントは、課題発見(課題を中心としたコミュニケーション)とプロダクトやサービスを組み上げた複合した “価値あるソリューション” を提案できることです。


    ソリューション営業を組織として導入する取り組み方!

    ソリューション営業研修を実施したが、結局は「お客様の言いなり」になってしまった!

    ソリューション営業は、御用聞き営業やプロダクト営業では成長が厳しくなっている企業にとって有効な「企業成長への解決策」です。
    ところが、システム開発・コンサルティング・金融サービスなどの企業では、ソリューション営業研修を実施したのに上手く活用できず、結局は「お客様の言いなり」となり企業成長ができていないケースがみられます。
    「お客様の言いなり」にならない、そして「お客様の言いなり」から脱出するためには、「ソリューション営業研修」を行なうだけでは不十分です。
    計画的な「営業力強化プロジェクト」として取り組むことが重要です。


    ソリューション営業は、成果を見据えたプロジェクトとして導入する!

    組織としてソリューション営業を導入するには、下記の5つの基本的な学習要素を考慮して取り組むことが効果的です。
    下記はこれから取り組む企業だけでなく、うまくいっていない企業にも有効です。

    基本的学習要素1: 目的と基本的なスタンスの学習
    基本的学習要素2: 要求と課題の学習
    基本的学習要素3: 商品のBenefit(利益)の学習
    基本的学習要素4: ソリューション営業プロセスの学習
    基本的学習要素5: 継続的応用力の強化


    基本的学習要素1: 目的と基本的なスタンスの学習

    ソリューション営業を組織として取り組んでいく際に、最初に重要なことは、営業パーソンたちが「なぜソリューション営業を行うのか?」すなわち「ソリューション営業の目的」を正しく理解することです。
    ソリューション営業に取り組む目的とは「企業のさらなる成長」です。

    そして、その目的を達成するために、営業パーソンたちが常に認識すべき「ソリューション営業の基本的スタンス」があり、それは下記の2つです。
  • お客様の成長と成功に貢献することで私たちも成長する
  • お客様に貢献するために、お客様の課題をしっかり把握・共感し、価値あるソリューションを提供していく

  • 「ソリューション営業の目的」「ソリューション営業の基本的スタンス」の2つの意味合いをしっかり営業パーソンたちの意識の中に植え付けることが大切です。
    この意識付けは、外部のコンサルタントや研修を活用すると効果的です。過去ソリューション営業をしっかり実践し成功を収めている人の言葉が、営業パーソンたちの心に大きな刺激を与えることが出来ます。


    基本的学習要素2: 要求と課題の学習

    よく営業の世界では「ニーズを理解する」という言葉が使われますが、御用聞き営業およびプロダクト営業とソリューション営業では商談において取り扱うべきニーズが違います。
    ニーズには、大きく分けると「要望」と「課題」の2つに分けることが出来ます。

    お客様の「要望」
    「どんな機能のものが必要か?」「いつから必要か?」「予算はいくらか?」

    お客様の仕事や立場における「課題」
    「お客様が今直面している問題は何か?」「どんなことに挑戦しているのか?」

    御用聞き営業やプロダクト営業では、「要望」をしっかり応える必要があります。ですが、ソリューション営業が注目すべきは「課題」です。
    ソリューション営業を行うには、この「要望と課題の違い」と「課題のコミュニケーション方法」をしっかり学習することが必要です。

    この「課題」は、お客様の役職や仕事内容によって変わります。
    経営者や取締役、事業部長や部長、課長や現場の担当者などの職務レベルの違いによって責任の範囲は異なります。また、開発、生産、マーケティング、サポートなど、担当する仕事によっても同様です。
    お客様の立場から生じる「お客様独自の課題」を知り、その課題を活用した商談ができるようになることが求められます。


    基本的学習要素3: 商品のBenefit(利益)の学習

    どんな営業パーソンでも、販売する製品についてしっかり学習し、お客様にご案内できる必要があります。
    一般的に、その販売する製品について学習している内容とは、機能や仕様や使い方(Feature)・他社との違い(Advantage)などです。
    ですが、ソリューション営業を効果的に行うためには、以上の2つだけではなく、その商品のBenefit(利益)についてもしっかり学ばなくてはなりません。
    Benefitとは、「このソリューションによって、お客様にはどんなメリットがあるのか? 効果があるのか?」です。
    実は、このBenefit(利益)について説明できる営業パーソンは少ないのです。
    [商品の勉強方法については、営業の商品提案力強化の基本 > FAB (Feature / Advantage / Benefit) をわかりやすく考える Vol.097をご参考ください]


    基本的学習要素4: ソリューション営業プロセスの学習

    ソリューション営業を行うためには、お客様の購買プロセスを把握しておくことが必須条件となります。
    なぜならば、お客様は、お客様の会社内の購買プロセスを進めないと発注することが出来ません。すなわち、ソリューション営業では、お客様が購買プロセスを進めてくれるのをただ待っているだけではなく、お客様が購買プロセスを先へ先へと進められるように支援できなければなりません。
    「営業とは売ることが仕事!」とよく言われますが、ソリューション営業においては「営業とはお客様の購買プロセスを発注に向けて先に進めさせることが仕事!」です。

    また、ソリューション営業を行うためには、今後の受注予測を管理するに当たり、社内に「ソリューション営業に合致した営業プロセス」を定義し、それによって商談管理が出来る環境を構築する必要があります。
    ソリューション営業では、お客様の購買プロセスの全行程に関わる広範囲な情報を把握し、商談の進捗を「お客様の購買プロセス」で管理することが最も合理的なのです。

    現在、貴社内において商談管理で活用している営業プロセスを購買プロセスに沿った「ソリューション営業に合致した営業プロセス」に定義し直す必要があります。このことで、今後の売上予測の精度も格段に向上することが出来ます。
    [営業プロセスについては、営業プロセス最適化の教科書 > 営業組織の成果を最大化するもっとも強力な方法 Vol.294をご参考ください]

    商談管理で活用している営業プロセスを「ソリューション営業に合致した営業プロセス」へ置き換えた際には、その変化と活用方法に関するトレーニングを実施し、すべての営業パーソンが適切に商談の進捗管理が出来るようにすることが大切です。


    SFA(Sales Force Automation)は、ソリューション営業向きではない?

    SFA(Sales Force Automation)と呼ばれる営業支援ツールを導入している企業では、その営業支援ツールの中で商談管理ができるようになっており、そこに「営業プロセス」が定義され活用しています。
    しかし、SFAで標準設定されている営業プロセスは、ソリューション営業にはあまり向いていません。SFAで定義されている営業プロセスは、御用聞き営業やプロダクト営業に合致するものです。
    SFAの設定を「ソリューション営業に合致した営業プロセス」へと変更することで、さらなる営業力強化と業績向上が可能になります。


    基本的学習要素5: 継続的応用力の強化

    ソリューション営業を組織として効果的に実践するためには4つの学習が必要であることを説明しました。
  • 目的と基本的なスタンスの学習
  • 要求と課題の学習
  • 商品のBenefit(利益)の学習
  • ソリューション営業プロセスの学習

  • 世の中には、ソリューション営業研修と名前がついている研修が様々ありますが、この4つをすべて網羅的に学習できる研修は見当たりません。どれか1つか2つのスキルに特化した研修が多いです。
    すなわち、複数のソリューション営業研修の実施も検討する必要があります。

    また、ソリューション営業研修を実施してもその効果が得られないまま、前述した企業のように「以前と同じ営業方法に戻ってしまった」や「お客様の言いなりのまま」の企業も多いです。
    「なぜそうなってしまうのか?」というと、ソリューション営業を行うためには「応用力」が必要だからです。

    御用聞き営業やプロダクト営業の営業力強化方法の1つに「トークスクリプト」というものがあります。
    優秀な営業パーソンが行っている商品説明の方法を文章としてまとめ、他の営業パーソンはそのとおりお客様に話すのです。それによって、優秀な営業パーソンと同じような商品紹介が出来るようになります。
    このやり方は、御用聞き営業やプロダクト営業には効果があります。
    ですが、ソリューション営業では「トークスクリプト」はあまり役立ちません。お客様によって、課題・要望・提案するもの・提案方法・商談の進め方が違うのです。すなわち、営業パーソンには「状況に応じた応用力」が求められます。

    応用力を十分に発揮できるようになるまでに、継続的にスキルを強化し続けることが必要です。
    ソリューション営業の目的や基本的スタンス、要求と課題(特に、課題に関わる情報収集の充実)、商品のBenefit(力強く利益を提案できる方法)、ソリューション営業プロセス、これらそれぞれを継続的に学習し、理解度・活用度を常に高め続けることが必要です。
    この中でも特にソリューション営業の基本的スタンスで説明した「相手の成長と成功に貢献する」意識を常に持ち続けることは簡単ではないです。
    定期的に目的や基本スタンスについて討議や意見交換を行い、ソリューション営業の組織風土と言うものを継続して強化して行くことがとても大切です。
    そうすることで、ソリューション営業の基本的スタンスが組織として当たり前な状態へとしていく必要があります。

    毎月行われる営業会議で継続的に学習することは当たり前として、会社として、営業パーソンのレベルを常に高い状態で維持し続けるための「継続的な学習」を行うことが、成功の必須条件となります。
    ですので、計画的な「営業力強化プロジェクト」として取り組むことが重要なのです。


    業種別ソリューション営業の効果を最大化させるための秘訣

    ソリューション営業を組織として導入していく基本的学習要素を解説しましたが、業界や商材によって取り組み方に違いがあります。
    いくつかの業界の営業を例にその違いを解説します。


    IT企業のソリューション営業

    システム開発などのIT企業の営業パーソンは、お客様とのお付き合いが長い傾向があります。
    そのため、営業パーソンたちは「自分は、お客様のことを理解できている」と思い込んでいます。
    ですが、実は、お客様の真の課題をしっかり把握できていない事が多いです。

    私たちのクライアント企業でも、多くの営業パーソンたちは、お客様の担当期間が長く「お客様のことはよくわかっている」と考えていました。
    そこで「お客様のニーズを書き出す」という課題に取り組んでもらった所、もっとも多かった記載内容は「安く買いたい」「良いものを買いたい」「クイックレスポンスをしてほしい」「サポートを良くしてほしい」といった要望に関わることばかりでした。これではソリューション営業を行なうために必須となるニーズを理解できているとはいえません。

    このように「できている」と思い込んでいる営業パーソンに、「要望と課題は違う」「お客様の理解が足りていない」と頭ごなしに説明しても、反発されるだけで効果はありません。
    IT企業でソリューション営業の導入がうまくいかないのは、こうした思い込みと誤認識のためです。
    研修を通して「自分はできていない」「こういうことが必要なのか」と、営業パーソン自らが認識するような教育が必要です。


    製造業のソリューション営業

    ソリューション営業研修では「お客様の課題を解決することが大切だ。そのために、その課題を解決するためには他社の商品でも提案する意識が必要だ!」と言われます。
    ところが、メーカーなど製造業では自社の製品を売るために存在しています。他社の商品を売っても利益になりません。
    このことが、製造業でソリューション営業が定着できない原因となっています。

    お客様との関係を深いものにするために、お客様の悩みや課題を伺い共感するスキルは非常に重要です。
    ところが、せっかくお客様の課題を伺っても、それが売りたい製品の特長や機能と合致しなければ商談になりません。まずは販売したい商品によってお客様がメリットに感じるポイントを探らなければなりません。
    そのため、プロダクト営業は、「お客様の悩みや課題を理解しなければ」とは思いながら、商品の紹介に終始してしまうのです。

    商談において「お客様の課題をしっかり理解することからはじめる」ことは大切です。お客様から課題を伺った際に、販売したい商品でその課題が解決できるのであれば、商談機会を生み出せたことになります。
    ですが、販売したい製品とは関係がない課題だった場合には、商談機会がまだ生み出せてはいません。その場合には、その製品やサービスで問題を解決できた他社事例をいくつか活用します。事例を紹介することで、お客様が顕在化できていない問題に気がつくきっかけを探ります。お客様が問題の気がついたら、その問題を解決するソリューションとして自分の商品やサービスの提案に入れます。
    このようなソリューションの提案につながる問題を発見する体系的な技法を身につけることが大切です。

    ただし、長らくプロダクト営業をしてきた営業パーソンは、こうした技法を使うよりも長く慣れ親しんだ方法である「お客様に一方的に事例を紹介して終わり」となる傾向があります。過去「商品を紹介する」営業を続けてきたため、お客様の話を聞く習慣がないのです。
    ソリューション営業では、「良さをアピールして商談を受注する」というプロダクト営業の枠を超えなければなりません。
    研修で「しっかりとお客様のニーズに耳に傾け、それに合致する形で事例をご提案していく」スキルを強化し、かつ、その継続的な教育が必要です。


    商社のソリューション営業

    御用聞き営業(ルートセールス)の営業パーソンたちがソリューション営業へと進化するためには、まずお客様とのコミュニケーションを変えることが大切です。
    そのため、お客様に「困っていること / 悩んでいることはないか?」と聞くことから始めます。
    そして、その質問から得た情報を日報で報告させます。その際、すべての面会について日報に書く必要はありません、1日1件程度で大丈夫です。
    その日報に記載された内容から「どれだけお客様の課題を聞けるようになったか?」がわかります。
    だいぶ具体的に書けるようになったら、本格的なソリューション営業の導入に取り組みます。


    ソリューション営業が陥りがちな間違いとは?

    もし「ソリューション営業で成功するための秘訣を1つあげるとしたらなにか?」と私たちが問われたとしたら、私たちの回答は決まっています。
    「プロアクティブ(積極的)に行なうこと」です。

    「我が社はソリューション営業が出来ている」と自認しながら成果が芳しくない営業組織は、お客様から悩みや問題を明らかにしてくれるまで待つ「待ち型ソリューション営業」が目につきます。ニーズを積極的に引き出すアプローチをするのではなく、単なる新製品の紹介だけを行い、「困ったらいつでもお声をかけてくださいね!」という姿勢なのです。

    しかし、営業活動の基本はプロアクティブ(積極的)に働きかけることです。
    もちろん「お客様の都合や事情を一切考えず、一方的に売り込む」のではなく
  • お客様の成長と成功に向けてプロアクティブ(積極的)に働きかける
  • お客様へ価値あるソリューションを提案するためにプロアクティブ(積極的)に働きかける

  • というプロアクティブ型ソリューション営業を目指すことがもっとも重要です。
    そして、それは営業パーソン任せにするのではなく、営業組織としてツールや評価制度なども含めた環境整備をすることが大切です。


    ソリューション営業の次の世代の営業手法「インサイト営業」

    「イノベーション」という言葉が世の中でよく使われるようになってきました。
    先進国ではモノが溢れ、商品やサービスをお客様に紹介してもなかなか買ってくれません。
    その為、多くの企業がイノベーションの必要性を感じ、新しい市場(マーケット)を生み出そうとしています。
    お客様が気付いていないことを発見し、新しい価値を提供しようとしているのです。

    このようなお客様の変化に合わせて、私たち営業も変わっていく必要があります。
    変化に対応できる新しい「営業モデル」が求められています。

    法人営業(BtoB)の営業モデルは、時代の流れに合わせ、下記のような進化を遂げてきました。
    第Ⅰ世代「御用聞き営業(ルートセールス)」→第Ⅱ世代「プロダクト営業」→第Ⅲ世代「ソリューション営業」
    この3つの営業手法は現在でも広く使われており、活用する場面を間違わなければ有効な営業モデル・手法です。
    しかし、激変している現在に対応でき、かつ、これから先に会社の成長を持続させていくには、第Ⅰ世代・第Ⅱ世代・第Ⅲ世代の営業モデルでは十分に対応できなくなりつつあります。
    これから必要となる第Ⅳ世代「インサイト営業」の準備をそろそろ始める必要があります。


    ソリューション営業とインサイト営業の違い

    インサイト営業とはなんでしょうか?
    ソリューション営業と比較することで、その姿がみえてきます。

    ソリューション営業の基本的なスタンス
  • お客様の成長と成功に貢献することで私たちも成長する
  • お客様に貢献するために、お客様の課題をしっかり把握・共感し、価値あるソリューションを提供していく

  • インサイト営業
  • お客様が「気がついていない」成長と成功に貢献することで私たちも成長する
  • お客様に貢献するために、お客様の「気がついていない」課題をしっかり洞察(Insight)し、価値あるインサイトソリューションを提供していく

  • 両者の違いは、お客様の課題への気づきを促すかどうかといえます。
    お客様が自社の課題を100%認識しているわけではありません。お客様が課題を発見するお手伝いをし、その解決を提案するのがインサイト営業です。
    ますます高度な営業モデルとスキルが必要になります。


    インサイト営業に必要な知識とは?

    インサイト営業を行うためには、ソリューション営業のスキルは必須として、その上で、下記の3つのスキルが必要となります。

    (1)ビジネスモデルの理解
    お客様のビジネスモデルを理解していないと、お客様が気づいていない問題を発見することはできません。

    (2)情報整理力
    お客様から集めた情報を体系的・構造的に整理できる能力が必要です。ここからお客様が気づいていない問題を発見するのです。

    (3)インサイトソリューションの構築能力
    自社の製品だけではなく、他社の製品を活用して提案できる能力を高める必要があります。


    インサイト営業を導入するためには

    インサイト営業の導入は、注意深く、丁寧に、着実に取り組んでいくことが決め手です。
    月1回、1年程度の期間に渡る「プロジェクト的な取り組み」で行なうとよいでしょう。
    ここでインサイト営業の営業スタイルがどのようなものか体験しながら、お客様へインサイトソリューションを提案する流れを協議しながら進めます。

    実際に取り組む際は、いきなり営業パーソン全員を対象とするのではなく、選抜して進めることがポイントです。
    選抜された営業パーソンが相互に創発的な意見やアイデアを出し合える風土を意識し、取り組んでいくことが大切です。

    もちろんいきなり「インサイト営業」ができるようにはなりません。
    「ソリューション営業」の基盤があってこそ、可能になる営業モデルです。


    強力なソリューション営業で成果を上げる!

    私たちは、25年以上に渡り「ソリューション営業」に関する研究と実践を重ねてまいりました。
    その中でつくづく感じるのは、ソリューション営業は非常に強力だということです。
    私たちと一緒にソリューション営業に取り組んだ企業は業績が向上しています。
    「ソリューション営業募集!」という求人広告も多く、営業として求められている大切なスキルの1つとされています。

    こちらをお読みくださった多くの企業が、ソリューション営業に取り組み、大きな成果を手にされることをお祈りしております。
    ソリューション営業について疑問や質問がありましたら、遠慮なくお問合せください。


    文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳 (てらおたくみ, Takumi Terao)
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